メールを送る時間で結果は変わる|開封される曜日と時刻

メールを送る時間で結果は変わる|開封される曜日と時刻

配信ツールのレポートを見ると、同じ内容のメールでも送った時間で開封数が2割違うことがあります。この差を無視して毎回同じ時間に送っていると、年間の機会損失は小さくありません。とはいえ「BtoBは火曜から木曜の午前10時が最適」という一般論を自社に当てはめても、結果が再現するとは限りません。読者の職種、業種、メールの種類によって反応が出る時間は変わります。さらに近年は開封率そのものが計測上の理由で信頼しにくくなっており、時間帯の検証を開封率だけで行うと誤った結論に至ります。この記事では、一般に言われている傾向を確認したうえで、自社の最適な配信時間を4週間で特定する手順と、検証で守るべき条件を整理します。


カメ先生カメ先生

配信時間の相談を受けたら、僕は最初に何を聞くと思う。


カメ子カメ子

今は何時に送っているか、ですか。


カメ先生カメ先生

それも聞くけど、先に「開封率で判断しようとしていませんか」と確認するんだ。今は開封率だけで時間を決めると危ない。


カメ子カメ子

指標の選び方が先なんですね。


この記事のポイント
  • 一般論では火曜〜木曜の午前が有力。ただし他社の平均は自社の答えではない
  • 開封率は計測上の理由で膨らむため、時間帯の判断はクリック数と反応で行う
  • 検証は4週間・同一セグメント・同一内容で行う。メールの種類ごとに最適時間は違う

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目次

「何時がベスト」の答えは他社データにない

配信時間に関する記事や調査は数多くあり、それぞれ異なる時刻を推奨しています。10時、11時、13時、木曜の朝。どれも間違いではなく、調査対象の読者層が違うだけです。自社の読者が製造業の現場責任者なのか、IT企業の企画職なのかで、メールを開くタイミングは変わります。

それでも他社データには使い道があります。検証の出発点を決める材料として使うのです。何の情報もない状態で検証を始めると、試す時間帯の候補が多すぎて何か月もかかります。一般論は仮説として使い、結論は自社データで出すという役割分担が現実的です。

特に注意したいのは、BtoCのデータをBtoBに当てはめないことです。個人向けのメールは通勤時間帯や夜間に反応が出ますが、法人向けは業務時間内が中心になります。調査データを見る時は、対象がBtoBかBtoCかを必ず確認してください

また、数年前のデータは前提が変わっている可能性があります。働き方の変化により、始業時刻や在席のパターンは以前と異なります。配信時間のデータは、直近のものを参照することを前提にしてください。

一般に言われている傾向

複数の解説や配信事業者の分析で共通して挙げられるのは、BtoBでは火曜から木曜にかけての午前中に反応が出やすいという傾向です。月曜は週初の業務が立て込み、金曜は週末前の処理に追われるため、中日に落ち着いて読まれるという説明がされています。

時刻については、午前10時から11時、または昼休み明けの13時から14時が挙げられます。始業直後は前日からのメール処理に追われるため、少し落ち着いた時間帯のほうが読まれるという理屈です。実際の配信実績を分析した報告でも、セミナー案内が木曜の午前10時台に高い開封を示した例が紹介されています。

ただし、これらはあくまで傾向です。同じ調査の中でも、メールの種類によって最適な時刻が異なることが示されています。お知らせ、セミナー案内、コラム配信で最適時間が違うのは、読者が求めている情報の性質が違うためです。

この傾向を仮説として採用するなら、まず火曜または水曜の午前10時前後を基準に置きます。そこから±3時間の範囲と、曜日を1つ変えた条件を試す。最初の仮説は一般論から借り、2回目以降は自社データで詰めていくのが効率的です。

なぜ午前中に反応が出るのか

理由を理解しておくと、自社の読者に当てはまるかどうかを判断できます。午前中に反応が出る背景には、法人の業務リズムがあります。午前は比較的自分の裁量で動ける時間で、午後は会議や来客が入りやすい。この構造が、メールを開く余裕の差を生みます。

加えて、情報収集の性質もあります。業務に関わる情報を読むのは、頭が働く時間帯に行いたい。夕方に届いた資料は「後で読む」に分類され、そのまま忘れられます。後で読むに入った時点で、そのメールは読まれません

この理屈が自社の読者に当てはまらない場合もあります。たとえば、店舗運営や現場作業が中心の職種では、午前中は最も忙しい時間帯です。医療、建設、飲食などでは、昼過ぎや夕方以降のほうが反応が出ることがあります。

読者の1日の流れを想像することが、仮説の質を上げます。「この人は10時に何をしているか」を考えてから配信時間を決める。データの前に、読者の業務を想像する工程を入れてください

開封率で時間を判断してはいけない

配信時間の検証でもっとも起きやすい失敗が、開封率だけで判断することです。現在の開封率は、実際に読まれたかどうかを正確には示しません。メールアプリの仕様により、本文を開いていなくても開封として記録される場合があるためです。

これは2021年にAppleが導入したプライバシー保護機能によるもので、メールの内容が事前に読み込まれ、開封が記録されます。調査によると、全開封のうち相当な割合がこの機械的な処理によるものと推計されています。開封率の半分近くが実際の開封を伴わない可能性があるという前提で扱う必要があります。

この機能の影響は、時間帯の検証において特に厄介です。機械的な読み込みは配信直後に発生するため、実際の読者が読んだ時刻とは無関係に開封が記録されます。開封の時刻分布を見て「この時間に読まれている」と結論するのは危険です

では開封率は無意味なのかというと、そうではありません。同じ条件下での相対比較には使えます。重要なのは、絶対値を目標にしないことと、判断の主軸をクリックに置くことです。開封率は補助指標、判断はクリック数で行うという運用に切り替えてください。

見るべき指標と使い分け

配信時間の検証で使う指標を整理すると、次のようになります。目的によって見る指標が変わるため、事前に決めておくと結論がぶれません。

指標何が分かるか時間帯検証での使い方
クリック数実際に反応した人数主指標。時間帯ごとの合計で比較する
クリック率配信数に対する反応の割合配信数が異なる回を比べる時に使う
クリックの時刻分布いつ行動したか配信時刻と行動時刻のずれを見る
コンバージョン数申込・問い合わせに至った数最終判断。件数が少ない場合は複数回を合算
開封率参考値(機械的な開封を含む)同条件の相対比較のみ。絶対値は目標にしない
配信解除率配信への拒否反応時間帯より頻度の問題として見る

この表で重要なのは、クリックの時刻分布です。配信から何時間後に反応が集中しているかが分かると、配信時刻を前後させる判断ができます。配信の1時間後に反応が集中するなら、読まれたい時刻の1時間前に送るという設計が可能になります。

4週間で最適な時間を見つける手順

検証は、条件を1つずつ変えて進めます。同時に複数の条件を変えると、どちらが効いたのか分かりません。以下は4週間で1つの結論を出す進め方です。

STEP1
1週目:基準を作る

現在の配信時間で送り、クリック数とクリックの時刻分布を記録します。この回が比較の基準になります。

STEP2
2週目:時刻を変える

曜日は同じにして、時刻だけを3時間前後させます。午前10時が基準なら、13時に送ってみる形です。

STEP3
3週目:曜日を変える

時刻は基準に戻し、曜日だけを変えます。火曜が基準なら木曜に送ります。

STEP4
4週目:良かった組み合わせを試す

2週目と3週目で反応が良かった条件を組み合わせて配信します。ここで基準を上回れば、その条件を採用します。

STEP5
5週目以降:再現性を確認する

採用した条件で2〜3回配信し、結果が再現するかを見ます。1回の結果で決めると、内容の差に引きずられます。

この手順の要点は、5週目の再現性確認です。1回の比較で決めると、時間帯ではなく件名や内容の差を見ていることがあります。同じ条件を複数回試して初めて、時間帯の効果だと言えます。

検証で守るべき条件

検証の精度を決めるのは、条件の統一です。第1に、配信対象を同じセグメントにすること。既存顧客と見込み客を混ぜたリストで比較すると、リストの構成が結果を左右します。

第2に、メールの内容と件名を近い水準に保つことです。片方がセミナー案内、片方がコラムでは、時間帯の比較になりません。理想は同じ内容を分割配信して比べる形ですが、実務では難しいため、同じ種類のメールで比較します。

第3に、配信数を揃えることです。数が大きく違うと、クリック率で比べる必要があり、少数側の誤差が大きくなります。配信数が数百件規模なら、率ではなく件数の傾向で見るほうが安全です

第4に、外部要因を記録することです。連休の前後、業界の大きなニュース、他社の大型キャンペーン。これらが重なった週のデータは除外するか、注記を残します。検証記録には、その週に何があったかを1行書き添える習慣が精度を守ります。

メールの種類で最適時間は違う

同じ読者に対しても、メールの種類によって反応が出る時間は変わります。セミナーの案内は、参加を検討するために予定を確認する必要があるため、業務時間内の落ち着いた時間に読まれやすい。

一方、コラムやノウハウ記事の配信は、すぐに行動を求めないため、少し余裕のある時間帯でも読まれます。移動中や昼休みに開かれることもあります。行動を求めるメールほど、業務時間の中心に置くのが基本です。

緊急性のあるお知らせ(システム障害、価格改定、締切間近の案内)は、時間帯の最適化より即時性が優先されます。この種類のメールで配信時間を調整するのは本質的ではありません。種類ごとに最適化の必要性そのものが違います

運用としては、メールの種類を3つ程度に分類し、それぞれの標準配信時間を決めておきます。毎回考えるのではなく、種類に応じて自動的に時間が決まる状態にする。判断を減らすことが、運用の継続につながります

読者の職種と役職で変わる

読者の属性は、配信時間に大きく影響します。経営層は早朝や夜間にメールを確認する傾向があるとされ、現場担当者は業務時間内に限られます。同じリストに両方が含まれている場合、平均を取ると誰にも最適でない時間になります。

対処としては、セグメントを分けて別の時間に配信する方法があります。役職や職種の情報が取得できていれば実装可能です。取得していない場合は、業種と企業規模から推定する簡易な分け方でも効果が出ることがあります。

セグメント分割の判断は、配信数と工数の兼ね合いです。リストが数百件規模なら、分割すると各セグメントの数が少なくなり、検証の精度が落ちます。分割は、各セグメントが検証に足る数を保てる場合に限るのが実務的です。

分割できない場合の妥協案は、主要な読者層に合わせることです。リストの過半を占める職種の業務リズムに合わせる。全員に最適な時間はないと割り切り、多数に合わせる判断が現実的です。

曜日を決める時の実務

曜日については、月曜と金曜を避けるという一般論があります。月曜は未処理のメールが溜まっており、埋もれやすい。金曜は週末前の処理に追われ、翌週に持ち越されると開かれません。この理屈は多くの業種で成立します。

ただし例外もあります。週明けの情報収集を習慣にしている読者層では、月曜の朝が有効な場合があります。また、週末に業務を行う業種では金曜以降の反応が悪くありません。一般論を採用する前に、自社の業種構成を確認してください

実務でよくある制約は、社内の承認プロセスです。原稿の確認が水曜に終わるため木曜配信になる、という運用は珍しくありません。この場合、無理に最適曜日に合わせるより、制作の締切を前倒しする改善のほうが効果的です。

月初と月末の扱いも検討します。月末は請求処理や締め作業で忙しく、反応が落ちる傾向があります。曜日だけでなく、月内のどの週かも変数として記録しておくと、より精度の高い判断ができます。

予約配信と配信速度

大量配信を行う場合、配信ツールが送信を分散させることがあります。1万件を一斉に送ると、受信側で迷惑メール扱いされる可能性があるため、時間をかけて送る設計です。この結果、指定した時刻に全員が受信するわけではありません。

配信完了までにかかる時間は、ツールと配信数によって変わります。数千件で数分から数十分、数万件では1時間を超えることもあります。検証で時刻を比較する場合は、配信完了までの時間を考慮する必要があります

実務上の対応としては、配信開始時刻を早める形で調整します。10時に届けたいなら、9時50分に配信を開始する。ツールのレポートで実際の送信完了時刻を確認しておけば、必要な前倒し時間が分かります。

あわせて、予約配信の設定ミスにも注意が必要です。時刻を24時間表記で誤る、タイムゾーンの設定が異なる、前日の設定が残っている。予約配信は、設定後に必ず一覧画面で日時を目視確認する工程を入れてください。

地域とタイムゾーン

海外の読者を含むリストでは、タイムゾーンの扱いが問題になります。日本時間の午前10時は、欧州では深夜、米国では前日の夕方です。日本国内向けの最適時間が、そのまま海外には適用できません。

  • 海外向けは地域ごとにセグメントを分け、現地時間で配信する設計にする
  • 配信ツールにタイムゾーン別配信の機能があるか確認する。なければ手動で複数回に分ける
  • 国内でも、沖縄・北海道など地域差が業務時間に影響する業種では注意する
  • 海外配信では、現地の祝日カレンダーも確認する(日本の平日が現地の休日である場合がある)
  • 夏時間(サマータイム)を採用する地域では、年2回のずれが発生する点に注意する

国内のみのリストであれば、タイムゾーンの問題は生じません。ただし、業種による業務時間の差は残ります。製造業と広告業では始業時刻が1時間以上違うことがあります。業種構成が偏っているリストでは、この差が結果に出ます。

実務としては、まず国内・国外でリストを分けることから始めます。分けていない状態で全体の平均を見ても、判断できる情報は得られません。海外向けの件数が少ない場合は、配信時間の最適化より、内容を英語に対応させることのほうが優先度が高くなります。件数が少ない区分に工数をかけるより、大きい区分の改善を先に進めるのが配分の基本です。

時間より頻度が効く場面

配信時間の最適化は効果がありますが、影響の大きさには限度があります。多くの場合、時間帯の変更で得られる改善幅は数%から2割程度です。それより大きく効くのは、配信の頻度と内容の適合度です。

たとえば、月1回の配信を隔週にすると、接触回数が2倍になります。この効果は時間帯の最適化を上回ることが多い。ただし頻度を上げすぎると配信解除が増えるため、解除率を監視しながら頻度を調整する必要があります。

内容の適合度も重要です。読者の関心に合わないメールを最適な時間に送っても反応は出ません。時間帯の最適化は、内容が適切であることを前提とした微調整です

優先順位としては、内容の見直し、頻度の調整、セグメント分割、そして時間帯の最適化という順番になります。時間帯の検証は、他の改善を終えた後の仕上げとして取り組むのが効率的です。

リマインドの時間設計

セミナーやウェビナーの案内では、初回の配信時間よりリマインドの設計が結果を左右します。申込済みの参加者に対しては、前日と当日の2回が基本形です。当日の配信は、開始1時間前が実務的な目安になります。

前日のリマインドは、夕方より午前が有効とされます。翌日の予定を確認する時間帯に届くためです。夕方に届いたリマインドは、翌朝には他のメールに埋もれます。前日リマインドは午前、当日リマインドは開始1時間前を出発点にして、参加率を見ながら調整してください。

未申込者への再案内は、初回配信の3〜4日後が目安です。初回と同じ時間帯に送ると、同じ理由で見落とされる可能性があるため、曜日か時刻をずらすほうが効果的です。再案内は、初回と違う時間に送るのが基本の考え方です。

回数の上限も決めておきます。同じ案内を4回以上送ると、配信解除と迷惑メール報告が増えます。初回・再案内・締切前の3回までに抑えるのが、多くの場合で妥当な範囲です。案内の回数は3回まで。それ以上は解除の増加に見合わないと考えてください。

やってはいけない検証

配信時間の検証で誤った結論に至るパターンは、いくつかの型に分かれます。以下は避けるべき進め方です。

  • 1回の配信結果で最適時間を決める(内容や件名の差を時間帯の効果と誤認する)
  • 開封率だけで判断する(機械的な開封が含まれ、実際の反応を反映していない)
  • 内容の異なるメールで時間帯を比較する(比較の前提が成立していない)
  • 曜日と時刻を同時に変えて比べる(どちらが効いたのか分からない)
  • 連休前後や業界イベントの週のデータを、そのまま平常時と比較する
  • 他社の調査結果をそのまま採用し、自社で検証しない

これらを避けるだけで、検証の精度は大きく変わります。時間帯の検証は、条件を統一することがほぼすべてです。分析の技術より、実験設計の丁寧さが結果を決めます。

結果を運用に落とす

検証で結論が出たら、運用のルールとして固定します。メールの種類ごとに標準の配信曜日と時刻を決め、配信予約のテンプレートに反映する。毎回判断する状態のままだと、担当者が変わった時に元に戻ります。

記録として残すのは3点です。検証した条件、結果、採用した設定。この記録があれば、半年後に「なぜこの時間なのか」と問われた時に説明できます。根拠が説明できない設定は、次の担当者に変えられます

再検証のタイミングも決めておきます。読者層が変わった時、リストが大きく増えた時、年に1回の定期見直し。働き方や業務リズムは変化するため、一度出した結論も更新が必要です

運用に落とす際は、配信予約の手順書も更新します。担当者が交代した時に、時刻の設定が元に戻る事故を防ぐためです。手順書には、種類ごとの標準時刻と、タイムゾーンの設定、配信完了までの所要時間の目安を書いておきます。設定値は手順書に書かれていなければ引き継がれません。あわせて、予約後に一覧画面で日時を確認する工程も明記してください。

最後に、検証の結果を過信しないことも重要です。時間帯の効果は数%から2割程度であり、内容の質を超えることはありません。最適な時間に届いた退屈なメールは、読まれずに終わります。検証で得た結論は、内容改善の土台の上に置く仕上げの調整だと位置づけてください。

まとめ

BtoBのメールは火曜から木曜の午前に反応が出やすいとされますが、これは仮説として使う情報です。自社の答えは、同一セグメント・同一種類のメールで条件を1つずつ変え、クリック数を主指標として4週間かけて検証することで得られます。開封率は計測上の理由で膨らむため、判断の主軸には使いません。メールの種類と読者の職種によって最適時間は異なり、時間帯より内容と頻度のほうが効果は大きい。検証の結果はルールとして固定し、根拠を記録して次の担当者に引き継いでください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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