GA4とサーチコンソールの数字が違う原因|ズレの正体を掴む

Search Consoleのクリック数が1,000で、同じ期間のGA4の自然検索セッション数が850。この2つの数字は、どちらかが壊れているわけではありません。Search ConsoleはGoogle検索の結果画面で起きたクリックを検索側のログから数え、GA4はサイトに読み込まれた計測タグが送った記録を数えています。測っている場所も、数える単位も、集計の時刻も違うため、一致しないほうが正常な状態です。問題は「ズレていること」ではなく、「ズレが説明できないこと」にあります。本記事では、両ツールが違うものを数えているという事実から出発し、クリックとセッションの定義、タグが発火しない場面、Cookie同意、タイムゾーンの17時間差、データの匿名化、プロパティ設定の違いという原因を1つずつ切り分けます。そのうえで、異常なズレを特定する手順、どちらの数字をどの目的に使うか、連携で見えるもの・見えないもの、そして数字が2つあることを前提にした社内報告の型までを整理します。
カメ先生GA4とサーチコンソールの数字が合わないと相談されたら、まず聞くのは『どちらが多いか』なんだ。GA4のほうが少ないのか多いのかで、疑うべき原因の候補が半分に絞れる。
カメ子考えたことがありませんでした。ズレていること自体が問題だと思って、いきなり原因を探しに行っていました。
カメ先生GA4が少ないならタグが動いていない側の話、GA4が多いならセッションの数え方や他の検索エンジンの話。まったく別の場所を見ることになる。だから最初にどちらへ寄っているかを見るんだよ。
カメ子ズレの向きが手がかりになるんですね。まず1週間分を並べて、どちらがどれだけ多いかを数えてみます。
- Search Consoleは検索側のクリックのログ、GA4はサイト側のタグの記録。測る場所も単位も集計時刻も違うため、一致しないのが正常
- ズレの向きで原因が絞れる。GA4が少ないならタグ未発火・Cookie同意・タグ未設置、GA4が多いならセッションの数え方・Google以外の検索エンジン・プロパティの範囲
- 検索需要と順位・クリック率はSearch Console、サイト内の行動とコンバージョンはGA4。数字が2つある前提で報告の型を作り、AIには要因の洗い出しと突合表づくりを任せる
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2つのツールは、そもそも違うものを数えている
最初に押さえるべきは、両ツールのデータの出どころが根本的に違うという事実です。Search Consoleの「クリック」は、Google検索の結果に表示された自社サイトのリンクがクリックされた回数を、検索エンジン側のログから集計したものです。ユーザーのブラウザやサイトの状態には依存しません。一方GA4の「セッション」は、サイトに読み込まれた計測タグが送信したイベントから組み立てられます。タグが動かなければ、訪問はなかったことになります。
この違いは、データが欠ける場所が別だという意味を持ちます。Search Consoleはクリックを取りこぼしませんが、その人がサイトで何をしたかは一切知りません。GA4はサイト内の行動を細かく追えますが、たどり着く前に離脱した人は最初から記録に現れません。両者は同じ現象の別の断面を撮った写真であり、重ねて1枚にしようとすること自体が無理な要求です。
したがって、実務での目標は「数字を一致させること」ではありません。ズレの内訳を説明でき、異常なズレだけを検知できる状態をつくることです。以降の章では、まず許容範囲の考え方を示し、次にズレを生む原因を1つずつ分解していきます。原因を知っておくと、報告の場で「なぜ違うのか」と聞かれたときに数分で答えられるようになります。
どのくらいズレるのが普通か:許容範囲の考え方
最初に多くの担当者が知りたがるのは「何%までなら正常か」という基準です。結論として、公的に定められた許容範囲の数値はありません。ズレ幅はサイトの構成、同意バナーの有無、流入の内訳、計測タグの設置状況で大きく変わるため、他社の数値を持ち込んでも意味がありません。断定的な閾値を掲げる資料を見かけても、その根拠まで確認してから使うべきです。
代わりに使えるのが、自社の平常値を基準にする方法です。手順は単純で、直近3か月について、週ごとに「Search Consoleのクリック数」と「GA4の自然検索セッション数」を並べ、比率を出します。この比率がおおむね一定に収まっているなら、その水準が自社の平常値です。ある週だけ比率が大きく動いたときにだけ調査に入る——絶対値の一致ではなく、比率の安定を監視するという発想に切り替えると、無駄な調査が消えます。
平常値を持つ効能はもう1つあります。原因が特定できないズレに時間を溶かさなくなることです。比率が安定しているなら、その差は構造上のもので追いかけても消えません。逆に比率が急に変わったなら、設定変更やタグの不具合という特定できる原因が存在する可能性が高いと判断できます。調査を始める前に、まずこの1枚の折れ線を用意してください。
原因①:計測の主体が違う
ここから原因を分解します。1つ目は前章で触れた計測主体の違いですが、実務ではもう少し細かい意味を持ちます。Search Consoleが数えるのはGoogle検索の結果画面で起きた出来事だけです。検索結果に表示された回数、クリックされた回数、その平均の掲載順位。これらはサイト側からは観測できない情報で、GA4にはそもそも該当する指標が存在しません。
逆にGA4が数えるのは、サイトに到達した後の出来事です。どのページを見たか、どこで離れたか、フォームを送信したか。Search Consoleにはこの領域のデータがありません。つまり2つのツールは競合しておらず、境界線がクリックの瞬間に引かれているだけです。そしてこの境界線の上で、取りこぼしが発生します。
境界線上の取りこぼしが、ズレの主要な源です。クリックしたがページが表示される前に戻った、読み込みに時間がかかって離脱した、通信が切れた——こうしたケースはSearch Consoleではクリック1回として残り、GA4には何も残りません。一般にGA4のセッション数はSearch Consoleのクリック数より少なくなる傾向があるとされるのは、この非対称が効いているためです。
原因②:クリックとセッションは1対1で対応しない
2つ目は単位の違いです。Search Consoleの1クリックとGA4の1セッションは、そもそも同じ出来事を指していません。GA4のセッションは、ユーザーがサイトを操作している一連の時間を指し、既定では30分間操作がなければ終了します。セッション開始時にsession_startというイベントが記録され、そこからセッションIDとセッション番号が生成されます。
この定義から、両方向のズレが生まれます。1クリックが2セッションになる例——検索結果からサイトに来て、30分以上放置したあと同じタブで別のページを開いた場合、クリックは1でセッションは2になります。2クリックが1セッションになる例——検索結果に戻って同じサイトの別ページを短時間でクリックした場合、クリックは2でセッションは1のままです。ズレは片方向ではなく、両方向に同時に起きている点が理解の要です。
さらにGA4側の集計方法も影響します。GA4はセッション数の算出にHyperLogLog++というアルゴリズムを用いて推定値を返す設計になっており、1件ずつ数え上げた厳密な値とは異なります。またセッションの参照元は開始時点のものが適用されるため、セッションの途中で別の検索から入り直しても参照元は上書きされません。セッションのタイムアウト時間を管理画面で変更している場合は、その設定もズレ幅に直接効いてきます。
原因③:クリックしてもタグが発火しない
3つ目は、GA4側だけが取りこぼすケースです。クリックは成立したのに計測タグが動かなかった場面はすべて、Search Consoleにだけ残ります。代表的なのは、ページの読み込みが終わる前にユーザーが戻ってしまうケースです。表示に数秒かかるページでは、この離脱が無視できない量になります。
読み込み以外にも、タグが動かない場面はいくつもあります。JavaScriptを無効にしている環境、広告やトラッキングを遮断する拡張機能やブラウザの設定、企業のネットワーク制限で計測用のドメインへの通信が遮られている場合。タグの記述位置や読み込み方式の問題でも欠落は起きます。遅れて読み込む設定にしていると、離脱の速いユーザーの分だけ落ちます。
この原因を疑うべきサインは、GA4が一貫して少なく、その差が特定のページ群に偏っていることです。ページ単位でSearch Consoleのクリック数とGA4のセッション数を並べると、差が大きいページが浮き上がります。そのページの表示速度を実測し、タグが正しく読み込まれているかをブラウザの検証機能で確認する。ここまで進めば原因はほぼ絞れます。
原因④:Cookie同意とトラッキングの拒否
4つ目は、近年もっともズレ幅を広げている要因です。Cookieの同意バナーを設置している場合、同意モードを使わずに実装すると同意したユーザーしか計測できません。同意しなかった人の訪問はGA4に一切現れず、Search Consoleのクリックだけが残ります。バナーを入れた前後で数字が急に落ちるのは、たいていこれが原因です。
影響の大きさはサイトごとに違いますが、同意する人の割合は10%未満から20%前後にとどまるという報告もあり、5%未満という例も挙げられています。数値の幅は大きく自社にそのまま当てはめられるものではありませんが、実際の訪問のごく一部しか計測できていない可能性があるという事実は押さえておく必要があります。バナーの文言やボタンの配置でも同意率は変わります。
対処の方向は2つです。1つは同意モードを正しく実装し、拒否したユーザーについても機械学習で行動を推定する行動モデリングを有効にすること。もう1つは、同意バナーの実装そのものを点検することです。同意の初期化トリガーの設定を誤ると、同意した人の分まで落ちるため、バナーを導入したのに想定以上に数字が減った場合は、まず実装を疑ってください。自社の同意率を把握できているかも確認しておきましょう。
原因⑤:計測タグの未設置と二重計測
5つ目は設置の問題です。サイトの一部にタグが入っていないと、そのページへの流入はGA4に現れません。よくあるのは、キャンペーン用に別途作ったランディングページ、後から追加したサブディレクトリ、旧デザインのまま残っているページ、フォームの完了ページなどです。テンプレートが複数あるサイトでは、テンプレートごとの確認が必要になります。
逆方向の事故もあります。タグが二重に入っていると1回の訪問で複数のイベントが送られ、GA4側の数字が実態より多く出ます。タグマネージャーとテーマの両方に計測コードを入れてしまった、テンプレートの入れ替え時に古い記述を消し忘れた、といったケースです。GA4のセッション数がSearch Consoleのクリック数を明らかに上回っているなら、この可能性を先に潰します。
確認は、リアルタイムのレポートで自分のアクセスが何件として記録されるかを見るのが最も速い方法です。1回の訪問が2件のページビューになっていれば二重計測です。あわせて、GA4側のデータストリームの設定と内部トラフィックの除外も見ておきます。社内からのアクセスをIPアドレスで除外している場合、除外の範囲が広すぎて外部の訪問まで落としていることがあります。
原因⑥:タイムゾーンと集計期間のずれ
6つ目は、影響の割に見落とされやすい項目です。Search Consoleのデータは太平洋時間(PT)で日付が区切られます。一方GA4は多くの日本企業で日本標準時(JST)に設定されています。この差は17時間、サマータイムの期間は16時間です。同じ「7月20日」を指定しても、両者が集計している時間帯は大きくずれています。
影響が出やすいのは、日単位や短い期間での比較です。1日だけを切り出して比べると、時差の分だけ流入の山谷がずれ、実態とは無関係な差が出ます。キャンペーン初日の数字を比べたときに合わないのは、ほとんどがこれです。突合は1週間以上、できれば1か月単位でそろえるだけで、この要因は実質的に消えます。
あわせて、期間の指定そのものも確認します。GA4の期間指定は当日を含めるか除くかで数字が変わり、当日分は集計が完了していないため必ず少なく出ます。Search Console側も直近数日のデータは確定していません。比較には、両方で確定している期間だけを使うのが原則です。加えて、GA4側にフィルタや比較の条件が残っていないか、Search Console側でページやクエリのフィルタが効いていないかも見ておきます。
原因⑦:Search Console側のデータ制約
7つ目は、Search Console自身が持つ制約です。プライバシー保護のため、実行回数が非常に少ないクエリや個人が特定されうるクエリは表示されません。この匿名化があるため、クエリ別のクリック数を全部足しても、ページ全体の合計と一致しません。GA4との比較以前に、Search Consoleの内部で数字が合わないのです。
フィルタの挙動も直感に反します。ある実例では、フィルタなしの状態で3,927クリック・7.14万表示だったものが、ページのフィルタを適用すると3,961クリック・12.2万表示に増えています。フィルタをかけると数字が減るとは限らないという点は、突合作業をするうえで知っておく必要があります。加えて、月間で数千万表示という規模の巨大なプロパティでは、データの欠落が発生することも指摘されています。
運用上の対処はシンプルです。突合にはクエリ別ではなくページ別の数字を使い、合計値はレポート全体のものを採用する。表示回数が少ないクエリの分析は、そもそもデータが欠けている前提で扱う。実務では表示回数が100を超えるあたりを判断の下限とする考え方も示されています。細かいクエリで一致を追うのは、構造上できないことに時間を使う行為だと割り切ってください。
原因⑧:プロパティ設定とデータの範囲の違い
8つ目は設定の問題で、放置すると全体が数十%ずれます。Search Consoleのプロパティには、ドメインプロパティとURLプレフィックスの2種類があります。前者はサブドメインもhttpとhttpsもまとめて集計しますが、後者は指定した接頭辞に一致するURLだけを対象にします。wwwありで登録しているのに実際はwwwなしで運用している、httpのまま登録が残っている、というケースでは数字が丸ごと欠けます。
GA4側にも同じ落とし穴があります。データストリームが複数あって片方だけを見ている、サブドメインをまたぐ計測の設定が抜けている、レポートに保存済みの比較条件が残っている——いずれもデータの範囲を変えます。比べる前に、両ツールが同じURLの集合を見ているかを確認するのが順序として先です。
さらに、対象とする流入の範囲そのものも違います。Search Consoleが扱うのはGoogle検索からの流入だけで、GA4はYahoo!やBingなど他の検索エンジンからのセッションも自然検索として集計します。日本国内でもGoogle以外の検索が一定量あるため、この分だけGA4が多く出ます。あるサイトの実例では、流入のうち自然検索が91.3%、直接の流入とSNS経由がそれぞれ4%程度という内訳が示されています。GA4の自然検索セッションを見るときは、参照元を検索エンジン別に分解しておくと、比較の精度が上がります。
異常なズレを切り分ける手順
ここまでの原因を、実際に手を動かす順番に並べます。ポイントは設定の確認から始めて、細かい調査を最後に回すことです。設定の不備は影響が大きく、確認が数分で済むため、先に潰しておくほうが効率的です。
Search Consoleのプロパティ種別とドメインの表記、GA4のデータストリームを確認します。期間は1週間以上、両方で確定している日付に統一し、フィルタや比較条件を外します。
GA4が少ないのか多いのかを見ます。少ないならタグ未発火・同意・未設置の系統、多いならセッション定義・他の検索エンジン・二重計測の系統に絞られます。
代表的なテンプレートのページでタグが1回だけ発火しているか、リアルタイムのレポートと検証機能で確認します。後から作ったページの漏れも探します。
同意バナーの設定、同意モードの有無、行動モデリングの状態を確認します。バナー導入の前後で数字が段差になっていないかを時系列で見ます。
Search Consoleのページ別クリック数とGA4のページ別セッション数を並べ、差が突出したページを特定します。全体ではなく個別のページに原因が偏っていることが多いためです。
この手順を踏んでも説明できない差が残ることはあります。その場合は構造上のズレとして受け入れ、平常値の監視に切り替えます。あわせて、ズレへの対応としてやってはいけない手も押さえておいてください。
- 数字を合わせるために、片方のツールのデータを手作業で補正して報告する
- GA4のほうが少ないからと、Search Consoleのクリック数だけを成果として報告し続ける
- 1日単位で比べて差が出るたびに調査を始め、時差による見せかけの差に時間を使う
- クエリ別のクリック数の合計とページ全体の数字を一致させようとする
- 原因が分からないまま計測タグを入れ直し、過去データとの連続性を壊す
どちらの数字をどの目的に使うか
ズレの構造が分かると、使い分けは自然に決まります。検索結果の外側で起きたことはSearch Console、サイトの内側で起きたことはGA4という境界線をそのまま使えばよいのです。この線を引いておけば、どちらの数字を出すべきかで迷う場面が減り、報告書の構成も安定します。
| 知りたいこと | 見るツール | 使う指標 | そのツールでしか分からない理由 |
|---|---|---|---|
| 検索需要と拾えているクエリ | Search Console | 表示回数・クエリ | 検索側のログにしか存在しない情報 |
| 掲載順位とクリック率 | Search Console | 平均掲載順位・CTR | 検索結果での見え方はサイト側から観測できない |
| インデックスの状態 | Search Console | インデックス作成レポート | 登録されているかどうかは検索側の判断 |
| 流入後のサイト内行動 | GA4 | エンゲージメント・ページ遷移 | サイトに置いたタグでしか取得できない |
| コンバージョンと貢献度 | GA4 | キーイベント・参照元 | コンバージョンはサイト内で起きる出来事 |
| チャネル全体の比較 | GA4 | チャネル別のセッション | 検索以外も同じ物差しで並べられる |
この使い分けは、施策の判断にも直結します。リライトの対象を探すならSearch Consoleの表示回数とクリック率を見る。記事から資料請求への導線を直すならGA4の遷移とキーイベントを見る。同じ問いに両方の数字を使わないという規律を持つと、ズレの存在が意思決定を妨げなくなります。逆に「流入が増えたか」という曖昧な問いを立てると、途端にどちらの数字を使うべきか分からなくなります。
連携で見えるもの・見えないもの
GA4とSearch Consoleはリンクさせることができ、連携するとGA4のレポートに「Googleオーガニック検索クエリ」と「Googleオーガニック検索トラフィック」の2つが追加されます。ただし注意点があり、リンクを設定しただけではメニューに現れません。レポートのライブラリからSearch Consoleのコレクションを公開する操作が必要です。
反映にも時間がかかります。連携した直後は数値が空欄になることがあり、これは最大48時間程度のタイムラグという仕様によるものです。設定した当日に数字が出ないからといって、設定を疑って触り直す必要はありません。2日ほど待ってから確認するのが正しい対応です。
そして最も重要な限界が、2つのデータが同じ行の中で結合されるわけではないことです。Search Consoleのクエリと、GA4のコンバージョン率を1対1で紐づける機能は標準では提供されていません。クエリ単位のコンバージョン率を出したいなら、クエリから着地ページを推定し、着地ページ単位の数字を代理の指標として扱うという運用になります。連携で得られるのは「GA4の画面でSearch Consoleのデータも見られる」という利便性であり、ズレが解消されるわけではない点を押さえておいてください。
上司への説明の型:数字が2つある前提で報告する
実務でいちばん困るのは、技術的な原因ではなく「どちらが正しいのか」と問われる場面です。ここで両方の数字を並べて説明を始めると、話が計測論に流れて本題に戻れません。有効なのは、報告のはじめに、どの問いにどの数字を使うかを宣言してしまう形です。
具体的には、報告書の冒頭に短い前置きを置きます。「検索での見え方はSearch Console、サイト内の行動とコンバージョンはGA4を使う」「両ツールは測る場所が違うため数字は一致しない」「今回の比較は月単位でそろえている」——この3行があるだけで、質疑が計測の話に逸れなくなります。数字の一致を約束せず、使い分けの根拠を先に示すのが型です。
あわせて、平常値の折れ線を1枚添えておくと説得力が変わります。過去3か月のクリック数とセッション数の比率が一定であることが見えれば、「ズレは構造的なもので、監視できている」という状態を1枚で伝えられます。数字が動いた月には、その原因の候補も添える。説明できているズレは問題として扱われず、説明できないズレだけが問題になる——この違いを押さえておけば、報告の場は落ち着きます。
AIの使いどころと、人が担う判断
この領域で生成AIが効くのは、要因候補の洗い出しと突合作業の段取りです。自社の状況——同意バナーの有無、プロパティの種別、タグの設置方法、ズレの向きと大きさ——を書き出して渡し、疑うべき原因を優先順位つきで並べてもらう。原因の候補は多く、抜け漏れが起きやすい領域なので、チェックリスト化を任せるのは合理的です。
2つ目の使いどころは、突合表を作る手順の設計です。両ツールから書き出したCSVをどのキーで結合するか、URLの表記ゆれ(末尾のスラッシュ、パラメータ、大文字と小文字)をどう正規化するか、除外すべき行はどれか。この段取りを文章で書き起こさせておくと、毎月の作業が再現可能になります。3つ目は、上司向けの説明文の下書きです。専門用語を避けた3行の前置きを何パターンか作らせ、自社に合うものを選ぶ使い方が向きます。
あなたはウェブ解析の実務者です。次の状況で、GA4とSearch Consoleの数字がズレる原因の候補を挙げてください。
・Search Consoleのクリック数:直近4週で合計〇〇件
・GA4の自然検索セッション数:同期間で合計〇〇件(Search Consoleより少ない)
・Cookie同意バナー:導入済み/同意モードの設定は未確認
・Search Consoleのプロパティ:URLプレフィックス(wwwあり)
・GA4のタイムゾーン:日本時間
1. 原因候補を、確認コストが低い順に並べてください。
2. 各候補について、確認する画面と手順を1〜2行で書いてください。
3. 数値の解釈や結論は書かず、確認手順の提示までにとどめてください。
一方で、AIに渡してはいけない判断があります。この差は正常か、という解釈は人が下すこと。ツールの仕様や画面構成は変わるため、AIの説明を手順書にそのまま転記しないこと。そして、社外に出せないURLやクエリを含むデータを扱うときは、渡す前に範囲を確認すること。AIは候補の列挙と段取りの整理、判断と検証は人という分担が、この領域では特に効きます。
- GA4とSearch Consoleの画面構成・レポート名・仕様は変更されるため、手順は最新の公式ヘルプで確認する
- 許容できるズレ幅に公的な基準はない。自社の過去データから平常値を作り、その変動を監視する
- 書き出したデータをAIに渡す場合は、個人が特定されうる検索クエリや非公開のURLが含まれていないかを先に確認する
よくある質問
GA4のセッション数とSearch Consoleのクリック数は、何%までのズレなら正常ですか?
公的に定められた許容範囲の数値はありません。ズレ幅は同意バナーの有無、タグの設置状況、流入の内訳、サイトの表示速度で大きく変わるため、他社の基準を持ち込んでも判断材料になりません。実務的には、直近3か月の週ごとのデータで両者の比率を出し、その比率が安定している水準を自社の平常値として扱うのが確実です。比率が急に動いたときだけ調査に入る運用にすれば、構造的なズレを追いかける無駄がなくなります。
Search Consoleのクエリ別クリック数の合計が、ページ全体の数字と合いません
これはSearch Console側の仕様によるもので、故障ではありません。プライバシー保護のため、実行回数が非常に少ないクエリや個人が特定されうるクエリは表示されないため、表示されているクエリを全部足しても全体の合計には届きません。フィルタを適用すると数字が増えるケースもあります。突合の作業では、クエリ別の合計ではなくレポート全体の合計値を使い、ページ単位で比較するようにしてください。
報告書には、どちらの数字を載せるべきですか?
問いによって使い分けます。検索での見え方(表示回数・掲載順位・クリック率)とインデックスの状態はSearch Console、サイト内の行動とコンバージョンはGA4です。両方を1つの表に混ぜて載せるとズレが目立ち、質疑が計測の話に流れます。報告書の冒頭に「どの問いにどちらを使うか」「両ツールは測る場所が違うため一致しない」「比較は月単位でそろえている」の3行を置いておくと、説明の手間が大きく減ります。
GA4とSearch Consoleを連携すれば、GA4だけ見れば済みますか?
済みません。連携で追加されるのは「Googleオーガニック検索クエリ」と「Googleオーガニック検索トラフィック」の2つのレポートで、Search ConsoleのデータをGA4の画面でも見られるようになるという性質のものです。クエリとコンバージョン率を1対1で紐づける機能は標準では用意されておらず、クエリ単位の細かい分析には限界があります。反映に最大48時間程度のタイムラグもあるため、詳しい検索パフォーマンスの確認はSearch Console本体で行うのが実務的です。
まとめ
GA4とSearch Consoleの数字が違うのは不具合ではなく、測っている場所と数える単位、集計の時刻が違うという構造の結果です。Search Consoleは検索側のログからクリックを数え、GA4はサイト側のタグが送った記録からセッションを組み立てます。ズレの原因は、計測主体の違い、クリックとセッションが1対1でないこと、タグの未発火、Cookie同意の拒否、タグの未設置や二重計測、17時間のタイムゾーン差、表示回数の少ないクエリの匿名化、プロパティ設定と対象範囲の違いに整理できます。切り分けは、プロパティと期間をそろえる→ズレの向きを見る→タグを点検する→同意管理を確認する→ページ単位で突合する、の順に進めるのが最短です。使い分けは検索の外側がSearch Console、内側がGA4。目指すのは数字を一致させることではなく、ズレを説明できる状態にすることです。まずは直近3か月の週ごとの数字でクリック数とセッション数の比率を並べ、自社の平常値を1枚のグラフにしてください。その1枚があれば、次にズレが動いたときに慌てずに原因へ進めます。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
データ分析にAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?
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