Retool Agentsか自前開発か|書き込みを任せる線

Retool Agentsか自前開発か|書き込みを任せる線

Retool の公式の説明によれば、Retool Agents の利用料はエージェントが動いた時間で計算され、毎月50ドル分までは無料、使うモデルによっては最大20時間まで無料で動かせます。一方で、この機能は2025年9月に自社運用版の安定版に載ったあとも、公式の資料では公開ベータと表示されたままです。「管理画面は全部 Retool で作っているから、エージェントも同じ場所で作れば早い」「でもベータの機能に業務データベースの書き込みを任せて大丈夫なのか」——社内ツールを Retool で作ってきた会社の情シスで、いま実際に出ている二つの声です。問うべきは作る場所ではなく、書き込みをどこまでAIに任せるかです。この記事では、Retool Agents と自前開発を比べながら、書き込みを任せる範囲、ベータの機能を本番に使う判断、権限と承認の挟み方、評価と監視を誰が見るか、費用の増え方を整理します。


カメ先生カメ先生

社内ツールの基盤にAIエージェントの機能が付くと、作るのが簡単になったぶん安全も基盤が見てくれると思われがちなんだけど、本当は、何を書き換えてよいかを決めるのは使う会社なんだ。


カメ子カメ子

作りやすさと、任せてよい範囲は別の話ということですか。


カメ先生カメ先生

そう。読むだけのエージェントと、顧客の情報を書き換えるエージェントでは、同じ基盤の上でも必要な承認の重さがまるで違う。


カメ子カメ子

書き込みの重さで、基盤を選ぶ判断も変わるんですね。


この記事のポイント
  • Retool Agents は、社内ツール基盤 Retool の上で、既存のデータベースや外部の仕組みを道具として呼ぶAIエージェントを作り、評価し、見張る機能。公式の資料では公開ベータの表示が続いている
  • すでに Retool で社内ツールを作っている会社は、つなぎ先と権限の仕組みをそのまま使える。一方、書き込みの承認、ベータの扱い、時間で増える費用は自社で決める必要がある
  • 読むだけ、下書きまで、承認つきの書き込み、の三段階で任せる範囲を決め、AIに最終の書き込みの判断をさせない

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目次

Retool Agents は、社内ツール基盤の上でAIエージェントを作り、動かし、見張る機能

Retool は、社内の管理画面や業務の道具を、データベースや外部の仕組みにつないで手早く作るための基盤です。定期処理や連携の流れを作る Retool Workflows もあり、多くの会社で情シスや開発の担当が社内ツールの土台として使っています。Retool Agents は、この上に載るAIエージェントを作る機能で、公式のメニューでは「人の作業をAIで自動化する」ものと説明されています。

仕組みとしては、エージェントに指示と道具を渡し、エージェントが自分で道具を選んで呼びながら仕事を進める形です。道具には、Retool に登録済みのデータベースや外部の仕組みへの問い合わせ、自作の処理、別のエージェントなどを使えます。公式の資料では、作ったエージェントを内蔵の会話画面で試し、評価の機能で版ごとの振る舞いを比べ、監視の画面で実行の回数や誤り、費用を追う流れが示されています。

日本語の解説はほとんど無く、国内では Retool そのものを使っている会社でも、エージェントの機能を知らないことが多いのが現状です。この記事の事実関係は、Retool の公式の資料と変更履歴、課金の説明、利用の手引きで確かめた範囲で書いています。

公開されている事実:公開ベータの表示と、2025〜2026年の更新

Retool の変更履歴によれば、Retool Agents は2025年9月9日の記載で、自社で運用する Retool の安定版 3.253.0 以降で使えるようになったとされています。先行して更新が届く版では 3.234 から使えると書かれています。自社運用版では、設定のベータの欄でエージェントの機能を有効にする必要があります。同じ記載では、クラウド版、先行版、安定版のすべてに公開ベータの表示が付いています。

2025年12月9日には、外部のエージェントと Retool のエージェントをつなぐ共通の取り決めである A2A に対応したと発表されました。公式の説明では、対応しているのは外部のエージェントから Retool のエージェントを呼び出す方向だけで、エージェントごとに呼び出しの入口を有効にし、その入口と鍵を外部の側に渡して使います。2026年7月1日には、大量のデータを横断して検索する分散型のSQLの検索エンジンを、エージェントの道具のつなぎ先として使えるようになりました。

変更履歴そのものは2026年10月下旬まで更新が続いており、10月19日には新しい生成AIのモデルを Retool で使えるようにしたという記載があります。提供終了や新規受付の停止の告知は見当たりません。機能は動いていて更新も続いているが、表示はベータのままというのが、2026年10月28日時点の状態です。

  • 日付と版の番号は Retool の公式の変更履歴に基づきます
  • 公開ベータの表示は変更履歴の記載ごとに付いているもので、機能全体の正式版の時期は公式には示されていません

比べる3つの形:Retool Agents・自前開発・自動化の流れにAIを挟む

社内のAIエージェントを作るとき、Retool を使っている会社には大きく三つの選択肢があります。一つ目は Retool Agents でエージェントを作る形です。二つ目は、生成AIの提供元の開発キットや公開の部品を使って、自社の開発の担当がエージェントを一から作る形です。三つ目は、Retool Workflows のような決まった順番で動く自動化の流れの中に、要約や分類などのAIの処理を一か所だけ挟む形です。

三つ目は見落とされがちですが、書き込みを伴う業務では最初に検討する価値がある選択肢です。エージェントは、どの道具をどの順で呼ぶかをAI自身が決めます。決まった流れにAIの処理を挟むだけなら、書き込みの手順は人が設計したとおりにしか動きません。判断の幅が要らない業務まで、エージェントにする必要はありません。

エージェントの基盤を自社のクラウドに置くかどうかの一般論や、自動化の道具を社員に開放するときの受け止め方は、別の記事で扱っています。この記事では、すでに Retool を使っている会社が、エージェントにする業務とそうでない業務を分けた上で、エージェントを Retool で作るか自前で作るかを判断する場面に絞ります。

6つの観点で比べる

三つの形を、社内に入れる判断で効いてくる六つの観点で比べると、次のようになります。どれが優れているかではなく、自社の状況でどの観点が重いかで選ぶための表です。

観点Retool Agents自前開発流れにAIを挟む
作り始めの速さ既存のつなぎ先を使えて速い部品の選定から必要既存の流れに足すだけ
書き込みの予測しやすさAIが道具を選ぶので幅がある設計しだい手順どおりで高い
権限の仕組みRetool の権限と認証を流用自社で作るRetool の権限を流用
評価と監視評価の機能と監視の画面がある自社で作るか別の道具実行の記録が中心
製品の成熟公開ベータの表示自社の責任正式な機能
費用の増え方動いた時間とモデルで増える生成AIの利用料と開発の人件費処理の回数で増える

表で特に重いのは、書き込みの予測しやすさと製品の成熟の二行です。Retool Agents は作り始めが速い反面、AIが道具を選ぶぶん書き込みの経路に幅があり、製品もベータの表示です。読むだけの業務なら速さを取り、書き込む業務なら予測しやすさを取る、というのが基本の考え方になります。

すでに Retool を使っている会社が得るもの

Retool Agents の最大の利点は、すでに登録してあるつなぎ先をそのまま道具にできることです。顧客管理のデータベース、問い合わせの管理の仕組み、社内の表計算などを Retool に登録済みなら、エージェントのためにつなぎ直す必要はありません。資格情報も Retool の中で管理されているので、エージェントを作る人に接続の鍵を見せずに済みます。

権限の面でも、Retool の仕組みを流用できます。公式の運用の手引きでは、役割に応じた権限の管理で、エージェントを作る人がつなげられる道具とつなぎ先を、その人が使ってよいものだけに絞ることを勧めています。つまり、マーケの担当が作るエージェントには、マーケの担当が見てよいデータしか道具にできない、という線を基盤の側で引けるということです。

もう一つの利点は、エージェントと社内ツールを同じ場所で管理できることです。エージェントが作った下書きを人が確認する画面を、Retool で作った既存の管理画面の中に置けば、承認の画面を新しく作らずに、普段の業務の画面の中で確認できます。自前開発では、この確認の画面も一から作る必要があります。

誰の権限で動くか:共有の資格情報と、使う人の権限

エージェントを社内に入れるときにいちばん確かめるべきなのは、エージェントが誰の権限でデータに触るかです。Retool に登録したつなぎ先は、多くの場合、一つの共有の資格情報で接続されています。この場合、エージェントはその資格情報が持つ権限のすべてを使えることになり、使う社員が本来見られないデータにも届きえます。

公式の運用の手引きでは、可能な道具では OAuth を使い、共有の接続用の利用者ではなく、使う人の権限に沿ってデータに触れるようにすることを勧めています。また、エージェントには役割に必要な最小限の権限だけを与えることも明記されています。どのつなぎ先で使う人の権限に切り替えられるかは、つなぎ先の種類によって違うので、導入の前に一つずつ確かめます。

共有の資格情報のまま使うしかないつなぎ先では、エージェント専用の接続を作り、その接続の権限を読むだけに絞るのが安全です。書き込みが必要な場合も、書き込める表と項目を限った接続を別に作ります。業務データベースの管理者の権限をそのままエージェントに渡す形は、どれほど便利でも避けるべきです。

業務データベースへの書き込みを、どこまで任せるか

書き込みを任せる範囲は、三段階で考えると整理しやすくなります。一段目は読むだけです。問い合わせの履歴を探して要約する、顧客の契約の状況をまとめて返す、といった仕事で、間違えても書き換えは起きません。二段目は下書きまでです。顧客管理の更新内容や返信の文面をエージェントが作り、保存や送信は人が行います。三段目が、承認つきの書き込みです。

マーケの業務で考えると、展示会の名刺の情報を顧客管理に登録する、見込み客の状態を更新する、配信の対象から外す、といった仕事が三段目の候補になります。どれも件数が多く、エージェントに任せたくなる仕事ですが、誤った更新が営業の判断や配信の可否にそのまま響く仕事でもあります。特に配信の停止や個人情報の削除の依頼の反映は、間違えると法令の対応にも関わります。

最初は一段目と二段目だけで始め、三段目は、二段目で人が直した割合が十分に下がった業務から一つずつ移すのが現実的です。どの業務を何段目にするかを表にし、段を上げるときは、直した割合の記録を根拠にすると決めておくと、現場の「便利だから」という理由だけで書き込みが広がることを防げます。

設計の上で知っておきたい制約もあります。公式の手引きによれば、道具の処理は既定で10秒で打ち切られ、別のエージェントを道具として呼ぶ場合は最大8時間まで待てます。道具が返せる出力は1MBまでです。大量の顧客の記録を一度に読ませて判断させる作りは、この制約に当たりやすく、検索の条件を絞って必要な行だけを渡す道具を作るほうが、精度の面でも費用の面でも有利です。

承認の挟み方:道具ごとに、実行の前に人の確認を入れる

三段目の書き込みでは、エージェントが道具を呼ぶ前に人の確認を挟みます。Retool の課金の説明では、課金されない時間の一つとして人の承認を待つ時間が挙げられており、エージェントの実行の途中で人の承認を待つ仕組みがあることが分かります。どの道具に確認を求めるかは、書き込む道具には必ず付け、読む道具には付けないのが基本の線です。

承認を挟むときに決めておくのは、誰が承認するか、何を見て承認するか、承認されなかったときにエージェントがどうするかの三つです。承認者には、エージェントが書き込もうとしている内容と、その根拠になった元のデータを並べて見せるようにします。根拠を示さずに「更新してよいか」だけを聞く形では、承認者は中身を確かめずに押すようになり、承認が形だけになります。

外部のエージェントから A2A で呼び出される使い方では、承認の流れがどう働くかを特に確かめておく必要があります。外部から呼ばれたエージェントが書き込みの承認待ちになったとき、誰に通知が届き、誰が承認するのかが曖昧になりやすいからです。公式の資料で動きを確かめるまでは、外部から呼ばれるエージェントには書き込む道具を持たせないのが安全です。

A2A の呼び出しの入口は、エージェントごとに有効にし、発行された入口の場所と鍵を外部の側に渡す仕組みです。公式の説明では、外部の側はエージェントの説明書きの取得、依頼の送信、進み具合の確認、途中経過の受け取り、依頼の取り消しができます。この鍵を持つ者は誰でもエージェントに仕事を頼めることになるので、鍵を渡した相手、渡した日、取り消し方を台帳に残し、使わなくなった入口は無効に戻す運用にしておきます。

公開ベータの機能を本番に使う判断

ベータの表示が付いた機能を本番に使うかどうかは、技術の問題ではなく、何かあったときに誰が困るかの問題です。ベータの機能は、仕様の変更、動きの変化、提供条件の見直しがありえます。Retool Agents の場合、更新が頻繁に続いていること自体は良い兆候ですが、変更のたびに自社のエージェントの振る舞いが変わる可能性も意味します。

判断の目安としては、読むだけと下書きまでの業務なら、ベータの機能でも本番に使ってよい範囲です。間違えても人が気づいて止められるからです。承認つきの書き込みに使う場合は、機能が変わったときに元の手作業か、決まった流れの自動化に戻せることを条件にします。戻し方が書けない業務は、正式な機能になるまで待つか、流れにAIを挟む形で代えます。

社内の規程でベータの機能の業務利用を禁じている会社もあります。その場合は、規程の例外として承認を取るか、規程の対象を見直すかを、情シスと法務で先に決めておきます。使い始めてから規程との食い違いに気づくのがいちばん困るので、検討の最初の段階で確かめておく項目です。

評価と監視の結果を、誰が見るか

Retool Agents には、評価の機能と監視の画面があります。公式の運用の手引きでは、指示や道具の説明を大きく変えたときに評価を回し、版ごとの結果を比べることを勧めています。評価の機能そのものも、変更履歴では公開ベータの表示です。監視の画面では、エージェントごとの実行の回数、誤り、生成AIの利用量、費用、実行時間を、期間を区切って見られると説明されています。

実行の記録には、入力、出力、エージェントの考えの過程、道具と生成AIの呼び出しの詳細が残り、公式の手引きによれば保存期間は30日です。30日を過ぎると消えるので、監査や事故の調査のために長く残す必要がある記録は、自社の保管の仕組みに書き出す設計が要ります。何を書き出すかは、個人情報の扱いと合わせて決めます。

見る人は、作った人と別に決めておきます。作った人は自分のエージェントの失敗を軽く見がちです。監視の画面は情シスが週に一度見て誤りの多いエージェントを洗い出し、評価の結果はエージェントを使う業務の責任者が版の変更のたびに確かめる、といった分担にすると、作る、確かめる、止めるの三つの役が一人に集まらない形を作れます。

評価を意味のあるものにするには、版の管理も合わせて行います。公式の手引きでは、エージェントの設定を保存するたびに版の説明を付け、変更を大・中・小に分けて記録することを勧めています。内蔵の会話画面で最新の保存版を試すときも、想定外の入力や失敗の場合を必ず含めるよう書かれています。どの版から振る舞いが変わったかを追えることが、評価の結果を承認の判断につなげる前提になります。

費用の増え方:動いた時間で課金される構造

Retool の課金の説明によれば、エージェントの利用料は、呼び出されてから答えを返すまでの時間で計算され、時間あたりの単価は使う生成AIのモデルによって変わります。途中で失敗した実行も、動いた時間は課金の対象です。エージェントが別のエージェントを呼ぶと、呼ばれた側にも別に時間が計上されます。一方、呼んだ側が待っている時間、つなぎ先の認証の時間、人の承認を待つ時間は課金されません。

毎月50ドル分の無料の枠があり、モデルによっては最大20時間まで無料で使えます。枠の8割に達すると管理者にメールで知らせが届きます。チーム向けと事業向けの契約では、年契約でも枠を超えた分は毎月請求され、企業向けの契約では契約に含まれた利用枠から引かれると説明されています。課金の説明の中では、利用の上限を設定して自動で止める仕組みについては書かれていませんでした。無料の契約では枠を使い切ると実行中の処理だけが最後まで動き、その後の実行は次の請求期間まで失敗するとされていますが、有料の契約では超えた分が請求されます。つまり有料の契約では、使い過ぎを止める役は人が持つことになります。

費用が膨らむのは、エージェントが同じ処理を繰り返したり、外部の応答を長く待ったりする場合です。公式の手引きでは、エージェントの繰り返しの回数の既定値は10回、最大で50回とされています。繰り返しの上限を業務に合わせて低めにし、監視の画面で実行時間の長いエージェントを毎週見ることが、費用の管理の基本になります。請求書には使ったモデルごとに一行ずつ、秒単位の時間で載ると説明されているので、どの部門のエージェントがどのモデルで費用を使ったかを割り振る材料にもなります。自前開発では、生成AIの利用料は使った量だけで済みますが、開発と保守の人件費が別にかかるので、月の想定件数で両方を試算して比べます。

自前開発を選ぶ場面

Retool を使っている会社でも、自前開発を選んだほうがよい場面があります。一つ目は、エージェントが社外の顧客に直接向き合う場合です。問い合わせ応答や顧客への自動の返信は、障害の影響が大きく、ベータの機能に載せる判断は重くなります。動きを細かく制御し、検査の仕組みも自社で組める自前開発のほうが、説明の責任を果たしやすくなります。

二つ目は、データを社外に出せる範囲が厳しく限られている場合です。Retool のクラウド版を使うと、エージェントの実行と記録は Retool の環境で行われます。自社運用版で動かす選択肢もありますが、使う生成AIのモデルの呼び出し先も含めて、データがどの事業者を通るかを一つずつ確かめる必要があります。この確認が通らない業務は、自前開発で閉じた環境に置くことになります。

三つ目は、エージェントの数と実行の時間が大きく増える見込みがある場合です。時間で課金される構造では、利用が増えるほど費用も比例して増えます。数十のエージェントが一日中動く規模になるなら、自前開発の人件費と比べて逆転する点がどこにあるかを試算しておく価値があります。逆に、少数のエージェントを業務時間内だけ動かすなら、Retool Agents のほうが総額で安くなることが多いはずです。

止め方とやめ方を、作る前に決める

エージェントを本番に出す前に、止め方を三段階で決めておきます。一つのエージェントを止める、書き込む道具だけを外す、エージェントの機能全体を止める、の三つです。誰がどの段階の停止を判断できるか、止めたときに業務を手作業でどう回すかを、止める判断をする人の名前と一緒に手順書に書いておきます。止めた理由と再開の条件も記録に残します。

やめ方として確かめるのは、エージェントの指示、道具の定義、評価の質問と結果を書き出せるかです。これらは社内の業務の知識そのものなので、基盤を替えるときにも持っていけるようにしておきたい資産です。指示と道具の説明は、Retool の外にも原本を置いておくと、自前開発や別の基盤に移るときの手間が大きく減ります。

ベータの機能である以上、提供条件や課金の形が変わる可能性も考えておきます。変わったときに、どのエージェントから止めるか、どの業務を手作業に戻すかの順番を、業務の重さで決めておくと、慌てずに対応できます。

AIに判断させないところと、導入の順番

Retool Agents を入れるときに、AIに判断させない範囲ははっきりしています。業務データベースへの最終の書き込み、配信の停止や個人情報の削除の反映、顧客への送信、そしてエージェントに渡す権限の範囲です。AIに任せるのは、データを探して要約すること、下書きを作ること、なぜその更新が必要かの根拠を書かせることまでです。

  • 業務データベースの管理者の権限をそのままエージェントの道具に渡す
  • 書き込む道具に人の確認を付けず、試験の期間から本番の書き込みを許す
  • 根拠を示さずに「更新してよいか」だけを承認者に聞く
  • 記録の保存期間が30日であることを知らず、事故の後に調べられない
  • 繰り返しの上限を既定のままにし、実行時間の長いエージェントを誰も見ていない
STEP1
エージェントにする業務を選ぶ

判断の幅が要らない業務は、決まった流れにAIを挟む形に回します。残った業務を、読むだけ、下書き、承認つきの書き込みの三段に分けます。

STEP2
権限と接続を絞る

エージェント専用の接続を作り、読むだけの権限から始めます。使う人の権限で動かせるつなぎ先は、そちらに切り替えます。

STEP3
評価の質問を業務の担当が書く

実際の業務の依頼から質問を集め、版を変えるたびに評価を回して比べます。

STEP4
監視の担当と止める担当を決めて本番に出す

週に一度の監視の確認、費用の上限の目安、止める判断の順番を決めてから、一つ目のエージェントを出します。

よくある質問

ベータの表示が付いている機能を、本番で使ってもよいのでしょうか

読むだけと下書きまでの業務なら、人が確認して止められるので、多くの会社で許容できる範囲です。承認つきの書き込みに使う場合は、機能が変わったときに手作業か決まった流れの自動化へ戻す手順を書けることを条件にします。社内の規程でベータの機能の業務利用を制限している場合は、先に例外の承認を取ります。

Retool Workflows とは何が違うのですか

Retool Workflows は、人が設計した順番どおりに処理が動く自動化の流れです。Retool Agents は、渡された道具の中からどれをどの順で呼ぶかをAIが決めます。手順が決まっている業務は流れで作るほうが予測しやすく、問い合わせの内容によって調べる先が変わるような業務がエージェントに向いています。

費用の見込みはどう立てればよいですか

一回の実行にかかる時間の平均と、月の実行の回数を試験の期間に測り、使うモデルの時間単価を掛けて試算します。失敗した実行も課金されるので、試験の期間の失敗の割合も含めて見ます。無料の枠の8割で届く知らせを、費用の見直しのきっかけとして使うのが実際的です。

まとめ

Retool Agents は、すでに Retool で社内ツールを作っている会社にとって、つなぎ先と権限の仕組みをそのまま使ってAIエージェントを作れる手早い選択肢です。一方で、公式の資料では公開ベータの表示が続き、利用料は動いた時間で増えていきます。自前開発と比べるときの軸は作りやすさではなく、業務データベースへの書き込みをどこまで任せるかです。読むだけ、下書き、承認つきの書き込みの三段で範囲を決め、書き込む道具には人の確認を挟み、評価と監視を作った人とは別の人が見る。この線を先に引いておけば、基盤を Retool にしても自前にしても、エージェントを安全に業務に入れられます。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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