エージェントの接続はMergeか自作か|資格と記録で比べる

エージェントの接続はMergeか自作か|資格と記録で比べる

「マーケのエージェントに顧客管理と共有ドライブを読ませたいが、つなぎ方を開発に頼むと数か月かかると言われた」「とりあえず管理者のアカウントでつないだら、誰の操作か分からない記録しか残らなかった」——エージェントを業務に組み込み始めた企業の、マーケと情シスの両方から聞こえてくる声です。2026年6月2日、業務ソフトの連携を手がける米国の Merge は、AIエージェントを業務の仕組みにつなぐ接続層 Merge Agent Handler を Microsoft のエージェントストアに載せると発表しました。接続を買うか自作するかは、開発の手間の比較ではありません。誰の資格で動き、何が外に出て、どう止めるかを、誰が持つかの比較です。この記事では、Merge Agent Handler が何をする製品かを押さえたうえで、マーケのエージェントの接続を買うか自作するかを、資格・データの流れ・記録・止め方・費用・分担の観点で整理します。


カメ先生カメ先生

エージェントの接続は「つながれば終わり」と思われがちなんだけど、本当はつないだ後に、誰の権限で何を読み書きしたかを説明できるかどうかが本題なんだ。


カメ子カメ子

つなぐ作業と、つないだ後の管理は別の仕事ということですか。


カメ先生カメ先生

そう。自作すればつなぐ部分は自由に作れるけれど、利用者ごとの認証、機密情報の検査、記録、止め方まで自分たちで作って守り続けることになる。接続層を買うと、その部分を外の事業者に預けることになる。どちらを持つかの判断なんだよ。


カメ子カメ子

作る手間より、預ける範囲と持ち続ける範囲を比べるんですね。


この記事のポイント
  • Merge Agent Handler は、AIエージェントと顧客管理・MA・共有ドライブなどの業務ソフトの間に置く接続層。利用者ごとの認証、道具の絞り込み、機密情報の検査、操作の記録を受け持つ
  • 買うか自作するかは、接続の数ではなく、誰の資格で動くか、何が外に出るか、記録と止め方を誰が持つかで比べる
  • 接続層を入れても、エージェントに渡す仕事の範囲と、書き込みの前の人の承認は自社で決める。AIによる検査の判定は補助として扱う

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目次

Merge Agent Handler は、エージェントと業務ソフトの間に置く接続層

Merge は、もともと人事・会計・顧客管理などの業務ソフトの連携を、一つの共通の窓口でまとめて提供してきた会社です。Merge Agent Handler はその延長にある製品で、公式の説明では、AIエージェントを企業の業務ソフトにMCPでつなぎ、認証・権限・監視を受け持つ基盤と位置づけられています。エージェントそのものを作る製品ではなく、エージェントが外の仕組みに触るときの通り道を受け持つ製品です。

公式サイトでは、既製の接続先として Salesforce、HubSpot、Slack、Jira、GitHub などを挙げ、数千の既製の道具があると説明しています。公開されているMCPサーバーを取り込むこともでき、まだない接続先は要望を出せば多くが数週間で加わると案内しています。利用者は、自社でエージェントを作る開発チームのほか、社員のAI利用を統制したい情シスや安全管理の担当も想定されています。個人が Claude や Cursor、ChatGPT から使う形も用意されています。

中心になる仕組みは四つです。利用者ごとに業務ソフトへの認証を行う仕組み、エージェントごとに使える道具を束ねて絞る仕組み、道具の呼び出しの入出力を検査して機密情報を伏せたり止めたりする仕組み、そして呼び出しの記録です。以下では、この四つを、自作した場合と比べながら見ていきます。

2026年の動き:エージェントストア、汎用の接続、自己申込の支払い

2026年6月2日の発表では、Microsoft 365 の利用企業が、管理者が一度入れるだけで Copilot のエージェントから数百の業務ソフトにつながると説明されています。製品ページの案内では、管理者がエージェントストアからテナント全体に追加し、社員はそれぞれ自分の業務ソフトに認証し、エージェントは管理者が決めた範囲でその接続を引き継ぐ流れです。読み書きのすべてが、役割と接続先ごとに管理者が決めた範囲の中で行われるとされ、書き込みは管理者が許した操作に限られると書かれています。

同年7月31日の更新情報では、数百の汎用のMCP接続を一覧に加えたこと、それらにも Merge が作った接続と同じ認証・権限・統制が効くこと、管理画面からカードを登録して支払いを始められるようになったことが告知されています。同じ更新で、機密情報の検出と、検査の決まりをその場で試せる画面が一か所にまとめられました。一方、ある金融データの接続は提供を終えて一覧から外されたとも書かれており、接続先の追加と削除が続いていることが分かります。

終了や新規受付の停止の告知はなく、更新は月単位で続いています。ただし、エージェントストアの掲載時期については、発表の時点で「今後数週間のうちに」と案内されていたため、自社のテナントで実際に入れられるかは、管理センターで確かめてから計画に入れるのが安全です。

  • エージェントストアの掲載、接続先の数、認証の取得状況は、提供元の発表と公式サイトの説明によるもので、契約の形や時期によって使える範囲が変わります
  • ある報道は、管理者が項目単位で読める範囲を決められ、営業のエージェントには顧客の名前は見せても決済の番号は見せない、といった設定ができると伝えています。自社の業務ソフトでどの単位まで絞れるかは、試験導入で確かめてください

マーケのエージェントを業務ソフトにつなぐと、何が起きるか

マーケのエージェントが扱う仕組みは、顧客管理、MA、共有ドライブ、広告や分析の管理画面と多岐にわたります。展示会の名刺を顧客管理に入れる前に重複を調べる、商談の記録を読んで追客の文面を下書きする、共有ドライブの資料から提案書の素材を集める。どれも便利ですが、一つのエージェントが複数の仕組みを読み書きするため、権限の広さと情報の流れが、人が手作業でやっていたときより一気に広がります。

典型的な問題は次のようなものです。どれも、つなぐ技術の問題ではなく、つないだ後の管理を誰も設計していないことから起きます。

  • 試作のときにマーケ部長のアカウントでつなぎ、そのまま全員が使うエージェントの接続になっている
  • エージェントが読める範囲が、顧客管理の全件と共有ドライブの全フォルダになっている
  • 顧客の連絡先や商談の金額が、どのAIモデルの事業者に送られているかを誰も把握していない
  • 記録には共有アカウントの名前しか残らず、どの社員の依頼で書き込んだか分からない
  • 担当者が異動した後も、その人の資格でつないだ接続が動き続けている

代理の権限がどう膨らむかという一般論は、別の記事で扱っています。ここでは、こうした問題を防ぐ部品を、自分たちで作るのか、接続層として買うのかに絞って比べます。

比べる3つの形:自作、汎用の自動化ツール、接続層を買う

マーケのエージェントを業務ソフトにつなぐ方法は、大きく三つあります。一つ目は、各業務ソフトの公開されている接続口に向けて、自社でMCPサーバーや接続の部品を作る形です。二つ目は、すでに社内にある汎用の自動化ツールのエージェント機能を使う形。三つ目が、Merge Agent Handler のような、エージェントの接続に特化した層を買って間に置く形です。

自作は、接続先が一つか二つで、読み取りだけなら現実的です。業務ソフトの多くはMCPサーバーを公式に出し始めており、それを直接つなぐこともできます。ただし、つなぐ先が増えると、認証の更新、利用者ごとの資格の保管、検査、記録を、接続先ごとに作って守ることになります。接続先の数より、それを守り続ける人がいるかどうかで判断が分かれると考えてください。

汎用の自動化ツールは、すでに社内で使っているなら追加の契約が少なくて済みます。マーケのエージェントを自動化ツールの上で作る判断は別の記事で扱っているため、ここでは、自動化ツールの接続は多くの場合、決まった手順を共有の接続で動かす前提で作られていることだけ指摘しておきます。社員ごとの資格でエージェントを動かしたいなら、その点が設計に合うかを確かめる必要があります。

6つの観点で比べる

三つの形を、社内導入の判断で効いてくる観点で並べると次のようになります。表の内容は一般的な傾向で、汎用の自動化ツールは製品によって差があります。

観点自作汎用の自動化ツール接続層を買う
誰の資格で動くか作り方次第。利用者ごとにすると認証の仕組みを自前で持つ共有の接続が中心になりやすい利用者ごとの認証が標準。共有の接続も選べる
触れる範囲の絞り込み接続ごとに自前で実装手順ごとに決めるエージェントごとに道具の束で絞る
機密情報の検査自前で作るか、別製品を足す製品による入出力を検査し、伏せ字・遮断ができる
記録自前で設計。抜けが出やすい実行の記録は残るが、利用者単位とは限らない誰の代わりに・どの道具を・どの接続先にを残す
データの通り道自社の中で閉じられる自動化ツールの事業者を通る接続層の事業者を通る
費用の増え方開発と保守の人件費実行回数や処理量道具の呼び出し回数に応じたクレジット

この表から分かるとおり、接続層を買う利点は、利用者ごとの認証・絞り込み・検査・記録が最初からそろっていることです。その代わり、エージェントと業務ソフトの間のやり取りが、接続層の事業者を通ることになります。どちらを重く見るかで答えが変わるため、次の章からは観点ごとに掘り下げます。

誰の資格で動くか:利用者ごとの認証と、共有の接続

公式の説明では、Merge Agent Handler に登録した利用者は、それぞれが案内に沿って業務ソフトに認証し、エージェントの呼び出しはその利用者自身のアカウントに対して行われます。認証の方式は、OAuth、APIキー、独自の方式に対応しています。一方で、テナント内の利用者で一つの業務ソフトのアカウントを共有する設定もあると書かれています。便利な機能ですが、共有の接続を使うと、記録に残る資格はその共有アカウントになり、誰の依頼かを追う手がかりが弱くなります。

マーケのエージェントでは、原則として利用者ごとの資格を使い、共有の接続は、全員が同じ権限で見てよい読み取り専用の情報に限るのがよいでしょう。たとえば、社内の公開資料のフォルダや、製品の価格表のように全員に見せている情報です。顧客管理への書き込みや、商談の金額の読み取りには共有の接続を使わないと決めておきます。

自作でも同じことはできますが、利用者ごとの資格を安全に保管し、期限切れを更新し、退職や異動のときに取り消す仕組みを、自分たちで作って守る必要があります。接続先ごとに認証の作法が違うため、接続先が五つ、十と増えると、この部分の保守が自作の費用の大半を占めるようになります。

道具の束で、エージェントごとに触れる範囲を絞る

Merge Agent Handler では、エージェントが使える道具をまとめた束を作り、エージェントごとに見える道具を絞ることができます。公式の説明では、この束はエージェントの種類や環境ごとに分けて管理し、変更の履歴を持たせられ、道具の範囲をエージェントのプログラムに埋め込まずに済むとされています。

マーケでの使い方の例を挙げます。名刺の取り込みを手伝うエージェントには、顧客管理の検索と登録の下書きだけを渡し、削除や一括更新の道具は渡さない。追客の文面を下書きするエージェントには、商談の記録の読み取りとメールの下書きの作成だけを渡し、送信の道具は渡さない。送信・削除・一括更新のような取り消しにくい道具は、束に入れないことを既定にすると、エージェントが誤った判断をしても被害が下書きの段階で止まります。

道具の束は、試験と本番で分けておくと安全です。試験の束では幅広い道具を試し、本番の束には、業務の持ち主が承認した道具だけを入れます。束を変更したときは誰が承認したかを残し、本番の束の変更はマーケと情シスの二者の承認を条件にすると、便利だからと道具を足していくうちに範囲が膨らむのを防げます。

何が外に出るか:データの流れを三つの区間で見る

接続層を入れたときのデータの流れは、三つの区間に分けて考えると整理しやすくなります。一つ目は、エージェントから接続層への区間で、ここでは道具の呼び出しの指示と引数が流れます。二つ目は、接続層から業務ソフトへの区間で、実際の読み書きが行われます。三つ目は、業務ソフトの応答が接続層を経てエージェントに戻り、エージェントが使うAIモデルの事業者に渡る区間です。

接続層の事業者が見るのは、一つ目と二つ目の区間です。公式の説明では、通信中と保存時の暗号化に加え、個人情報には追加の暗号化をかけるとしています。認証については、SOC 2 タイプ2、ISO 27001 を取得し、米国の医療情報の規制や欧州の個人データ保護の規則などへの対応を案内しています。ただし、道具の呼び出しの中身や記録をどれだけの期間保存するかは、公開の資料からは確認できなかったため、契約前に書面で確かめてください。

見落とされやすいのは三つ目の区間です。接続層が守るのは業務ソフトとの間のやり取りで、エージェントが読み取った顧客の情報をどのAIモデルに渡すかは、エージェントを作る側の設計です。接続層を入れたから顧客情報が外に出ない、とは言えません。どのモデルの事業者に何が渡るかは、エージェント側の設定として別に管理する必要があります。

機密情報の検査:伏せ字と遮断、AIによる判定の限界

Merge Agent Handler は、道具の呼び出しごとに、入力と出力を検査する仕組みを持っています。公式の説明では、検査の決まりは三種類です。個人を特定する情報や金融の番号、健康の情報などの定型の項目、自社で書く文字の並びの決まり、そして平文で書いた決まりをAIが判定する仕組みです。定型の項目と文字の並びの決まりは、許可・伏せ字・遮断のいずれかを選べ、業務ソフトに渡る前に処理されるとされています。

平文の決まりをAIが判定する仕組みは、遮断するか記録だけするかを選べ、応答の側も検査できます。便利ですが、AIの判定には見落としも誤検知もあります。AIの判定を唯一の防御にしないことが大切です。顧客の連絡先や商談の金額のように、絶対に外に出したくない項目は、定型の項目や文字の並びの決まりで確実に止め、AIの判定は、決まりで書ききれない場合の補助として使います。

日本の情報への効き方も確かめておきます。検出の対象として案内されている定型の項目は、海外の番号の形式が中心である可能性があり、日本の電話番号や住所、社内の顧客番号の形式をどこまで拾えるかは公開情報では分かりません。試験導入では、自社の顧客データに近い試験用の文字列を流して、伏せ字と遮断が期待どおりに働くかを確かめ、足りない分は自社で文字の並びの決まりを書き足します。

接続の記録:誰の代わりに、どの道具を、どの接続先に

公式の説明では、記録には、誰がどの道具を、どの接続先に対して、どの利用者の代わりに呼び出したかが残り、検査で検出した内容も記録されます。Microsoft のエージェントストア向けの案内では、読み書きのすべてを変更できない記録として残すと説明されています。記録はすべての料金の形で使えると案内されています。

自作の場合、記録は後回しにされがちです。エージェントのプログラムの側で残す記録には、モデルへの問い合わせは残っても、業務ソフトに対して誰の資格で何を書き込んだかが抜けていることがよくあります。接続層で記録を一か所に集められる点は、買う側の大きな利点です。

ただし、記録は読まれて初めて役に立ちます。マーケの業務の持ち主は、週に一度、書き込みの記録と検査で止まった記録を読み、意図しない書き込みや、止まるべきでないものが止まっていないかを確かめます。情シスは月に一度、新しく追加された接続と道具の束の変更を確かめます。記録を自社の監視の仕組みに取り込めるか、保存期間はどれだけかも、契約前に確かめておきたい点です。

止め方:利用者の接続を切る、道具を外す、テナントから外す

接続層を入れる前に、止め方を三段階で決めておきます。一つ目は、ある利用者の業務ソフトへの接続を切る。異動や退職、アカウントの乗っ取りが疑われたときです。二つ目は、ある道具を束から外す。書き込みの誤りが見つかったときです。三つ目は、接続層そのものをテナントから外し、エージェントを業務ソフトから切り離す。三つ目は情シス、一つ目と二つ目はマーケの業務の持ち主も実行できるという分け方が分かりやすいでしょう。

確かめておきたいのは、利用者の接続を切ったとき、業務ソフト側に残った許可も取り消されるかです。接続層で接続を消しても、業務ソフトの側には認証の許可が残っていることがあります。退職時の手続きに、業務ソフト側の許可の取り消しを入れると、接続層をやめた後に許可だけが残る状態を防げます。

書き込みの前の人の承認も、止め方の一部です。接続層は、管理者が許した書き込みだけを通しますが、許した書き込みの中身が正しいかは判断しません。顧客管理への登録や、メールの送信のように社外や顧客に影響する書き込みは、エージェントに実行させず、下書きを作らせて人が確定する形にしておくと、誤りが見つかったときに止める範囲が小さくて済みます。

費用の増え方と、やめ方

公式サイトでは、無料で始められ、月ごとのクレジットをエージェントの道具の呼び出しで消費する利用量に応じた料金と説明しています。量の多い場合や利用者の席数が多い場合は、個別見積もりの企業向けの料金になります。2026年7月からは、管理画面からカードで支払いを始められるようになりました。

呼び出し回数で数える料金は、エージェントの作りによって費用が大きく変わります。一つの依頼で、エージェントが検索を何度も繰り返したり、確認のために同じ道具を呼び直したりすると、呼び出し回数はすぐに膨らみます。試験導入の段階で、一件の業務あたりの呼び出し回数を記録から数えておくと、本番の件数から費用を見積もれます。エージェントごとに呼び出しの上限を設けられるかも確かめます。

やめ方も先に決めます。接続層をやめると、エージェントは業務ソフトに直接つなぐか、別の接続の手段に移ることになります。道具の束の中身と、記録を自社に持ち出せるかを確かめておくと、乗り換えのときに、どのエージェントが何に触っていたかを失わずに済みます。

自作を選ぶ場面

接続層を買うのが常に正解ではありません。自作が向いているのは、接続先が少なく、自社の開発チームが保守を続けられる場合です。たとえば、社内の独自の顧客データベース一つにだけつなぎ、読み取りしかしないエージェントなら、接続層を間に置く利点は小さく、通り道が一つ増える分だけ確かめる相手も増えます。

もう一つは、データを外の事業者に通したくない場合です。接続層の事業者を通る区間がある以上、顧客情報を社外の事業者に通さないことが社内の決まりになっている会社では、自社の中で閉じた接続を自作するか、自社環境に置ける製品を選ぶことになります。その場合も、利用者ごとの資格、道具の絞り込み、検査、記録の四つは自作の範囲に入れて設計し、つなぐ部分だけを作って終わりにしないことが大切です。

逆に、接続先が五つを超える、社員ごとの資格で動かしたい、情シスが接続の統制を一か所でしたい、という条件がそろうなら、接続層を買う利点が大きくなります。判断の分かれ目は、接続先の数より、統制の部品を自社で持ち続けられるかです。

情シスとマーケの分担と、試験導入の進め方

接続層を入れると、マーケと情シスの持ち場がはっきりします。マーケは、エージェントに渡す仕事の範囲、道具の束の中身、書き込みの前の承認、記録の中身の確認を持ちます。情シスは、接続層の契約と管理者の設定、認証の方式、検査の決まり、テナント全体の停止を持ちます。どの業務ソフトにつないでよいかの許可は情シス、その中で何をさせるかはマーケと分けると、責任の置き場が重なりません。

情シスが特に気をつけたいのは、社員やエージェントが個別に契約を始めてしまうことです。公式の資料では、アカウントを持たないエージェントが接続の窓口に直接申し込み、鍵と最初の道具の束を受け取って使い始め、後から人がその組織を引き取る流れが説明されています。開発の手間を減らす仕組みですが、裏を返せば、情シスの知らないところで接続層の利用が始まりうるということです。社内の決まりとして、接続層の契約と組織の管理者は情シスに一本化し、個人や部門で始めた利用は見つけしだい情シスの管理下に移すと定めておきます。個人で使える無料の枠や、管理画面からのカード払いが用意されている分、この決まりは早めに周知しておく必要があります。

STEP1
つなぐ業務ソフトと業務を一つ決める

顧客管理の検索と下書きの作成のように、読み取りが中心で取り消しの効く業務を一つ選びます。業務の持ち主と、情シス側の管理者を名前で決めます。

STEP2
利用者ごとの資格で、試験の束を作る

共有の接続は使わず、試験に参加する社員それぞれの資格でつなぎます。束には読み取りと下書きの道具だけを入れます。

STEP3
検査の決まりを自社のデータで試す

日本の電話番号や社内の顧客番号に近い試験用の文字列を流し、伏せ字と遮断が働くかを確かめます。足りない分は文字の並びの決まりを足します。

STEP4
記録を読み、呼び出し回数を数える

一週間分の記録から、誰の代わりに何が呼ばれたかを読み、一件あたりの呼び出し回数と費用を見積もります。

STEP5
止め方を試してから本番に移す

利用者の接続を切る、道具を外す、テナントから外すを実際に試し、業務ソフト側の許可の取り消しまで確かめてから本番の束を作ります。

よくある質問

Microsoft 365 を使っていない会社でも使えますか

使えます。エージェントストアへの掲載は Copilot のエージェント向けの入口の一つで、公式サイトでは、自社で作るエージェントや Claude、Cursor、ChatGPT などからMCPでつなぐ形も案内されています。どの入口を使うかで、管理者の設定の場所が変わる点に注意してください。

接続層を入れれば、エージェントの誤操作は防げますか

防げるのは、許していない道具の呼び出しと、決まりに当たる機密情報の通過です。許した書き込みの中身が正しいかは判断しません。AIに判断させず、取り消しにくい書き込みは下書きにとどめて人が確定する形を組み合わせてください。

すでに Merge の連携製品を使っている場合は、何が変わりますか

公式の資料では、従来の連携製品と同じ認証の案内の流れと、利用者の資格の保管場所を共有すると説明されています。既存の連携で認証済みの利用者の資格を、エージェントからも使える形になりうるため、どの資格をエージェントに使わせてよいかを、改めて情シスとマーケで決め直してください。

日本の業務ソフトにもつながりますか

公式の一覧は海外の業務ソフトが中心です。国内の業務ソフトについては、公開されたMCPサーバーを取り込む方法や、接続の要望を出す方法がありますが、個別に確かめる必要があります。つなぎたい仕組みの一覧を作り、商談の段階で対応状況を書面でもらってください。

まとめ

Merge Agent Handler は、AIエージェントと業務ソフトの間に置き、利用者ごとの認証、道具の束による絞り込み、入出力の検査、操作の記録を受け持つ接続層です。2026年にはエージェントストアへの掲載の発表や汎用の接続の追加が続きました。マーケのエージェントの接続を買うか自作するかは、接続先の数ではなく、誰の資格で動くか、何が外に出るか、記録と止め方を誰が持ち続けるかで比べます。接続層を入れても、エージェントに渡す仕事の範囲、取り消しにくい書き込みの前の人の承認、AIの検査を唯一の防御にしない設計は自社で決めることです。小さな業務一つから試し、記録を読み、止め方を確かめてから広げてください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

AI活用を戦略に落とす前に、まずは導入・定着から始めませんか?

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