【2026年】Demandbaseの新AI|エージェントに任せる範囲

「ABMの基盤にAIエージェントが付いたと聞いたが、どこまで任せてよいのか分からない」「エージェントが広告の配信まで動かすなら、予算の歯止めは誰が持つのか」——ABMを運用するマーケ担当と、その決裁者の間で、2026年秋に増えている問いです。米国のABM基盤 Demandbase は、2026年10月20日にニューヨークで開いた自社イベントで、AI回答での自社の見え方を追う AEO Agent を含む三つの新しいエージェントを発表しました。その前月の9月には、施策の企画から実行までを担うマーケ用のエージェントも公開しています。発表の数字はそろっていますが、エージェントに任せる範囲を決めるのは、使う側の仕事です。この記事では、発表の中身を事実で確かめたうえで、対象企業の選定・広告配信・施策の提案という三つの場面ごとに、任せる範囲と人が承認する線、予算の増え方、国内での使いどころを整理します。
カメ先生ABMの基盤にエージェントが付くと、狙う企業を選ぶところから広告を回すところまで、全部自動で回ると思われがちなんだけど、本当は場面ごとに任せてよい深さが違うんだ。
カメ子選ぶのと、配信するのと、提案するのとで、何が違うんでしょうか。
カメ先生間違えたときの戻しやすさが違う。提案は採らなければ済むけれど、配信は出た広告費が戻らないし、選定を誤ると営業が無関係な会社に時間を使う。だから戻しにくい場面ほど、人の承認を前に置くんだよ。
カメ子任せるかどうかより、承認をどこに置くかを決めるんですね。
- Demandbase は2026年10月に AEO Agent、施策のエージェント、対象企業の一覧を保つエージェントの三つを発表。いずれも9月公開のマーケ用エージェントと連携する
- 提案は任せてよいが、対象企業の確定と広告予算の変更は人が承認する。エージェントの判定は、営業が連絡してよい理由にはならない
- 提供元が示すデータ量は全世界の数字。日本企業の名寄せの精度は、自社の一覧で照合して確かめてから判断する
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Demandbase とは:狙う企業を絞って動かすABMの基盤
Demandbase は、米国サンフランシスコの会社が提供するABM(アカウントベースドマーケティング)の基盤です。ABMは、個人の見込み客を数で集めるのではなく、狙う企業を先に決め、その企業の中の関係者にまとめて働きかける考え方です。Demandbase の主力製品である Demandbase One は、企業ごとの購買意欲の兆候(いわゆるインテントデータ)、企業単位での広告配信、営業向けの企業情報を一つにまとめています。
HubSpot の連携アプリの紹介では、Demandbase は顧客の企業情報を取り込み、企業ごとの関与の追跡、優先順位付け、ABMの効果測定、複数の経路をまたいだ自動化を担うと説明されています。HubSpot との双方向の連携で、HubSpot の画面から Demandbase の情報を確認できますが、利用には Demandbase 本体の契約が必要です。9月の発表では、Salesforce もつながる先として挙がっています。
インテントデータやABMそのものの考え方は、別の記事で扱った一般論です。この記事では、Demandbase という個別の製品に2026年に加わったエージェントを、自社の業務に入れてよいかという判断に絞ります。
2026年10月の発表:AEO Agent と二つのエージェント
Demandbase は2026年10月20日、ニューヨークで開いた自社イベント「GO」で、三つのエージェントを発表しました。業界紙の報道によれば、一つ目の AEO Agent は、主要なAIアシスタントが自社をどう説明し、どう勧めているかを比べ、購買に関わる人の立場ごとの回答まで見て、その回答の元になっている情報源を探す機能です。古い情報や、自社の内容が足りない箇所を知らせ、改善の施策をそのまま立ち上げられると説明されています。
二つ目は施策のエージェントで、マーケの活動を掲げた売上の目標に結び付け、届いていない箇所を見つけて修正を提案します。三つ目は対象企業の一覧(オーディエンス)を保つエージェントで、理想の顧客像、購買に関わる人の集まり、企業の行動をもとに一覧を作り、購買に関わる人の欠けを見つけて、一覧を最新に保つとされています。CEO のゲイブ・ロゴル氏は「買い手はもう検索から始めない。人に向けたマーケだけでは足りない」と述べています。
押さえておきたいのは、報道でも第三者による比較の検証は発表に付いていないと指摘されている点です。AEO Agent が複数のAIの回答をどれだけ正確に評価できるか、提案どおりに直すとAIの回答がどれだけ変わるかは、まだ示されていません。提供時期と料金も、報道の範囲では明らかにされていません。
土台にあるもの:マーケ用エージェントと、外部のAIからの接続口
三つの新しいエージェントは、2026年9月19日に公開されたマーケ用のエージェント(名称はモジョ)と連携する位置づけです。公開時の発表によれば、このエージェントは、自社の対象企業、施策の組み立て、売上の流れ、過去にうまくいった施策を学んだうえで、一枚の企画書から複数の経路の施策を立ち上げ、つながった道具の中で実行と管理をします。計測の不具合や、成果の帰属の食い違い、対象の誤りを見つけると、修正の案をマーケ担当に戻して承認を求めると説明されています。
つながる先として名前が挙がっているのは、Google Ads、LinkedIn の広告、Meta、Marketo、Salesforce、Slack などで、MCP に対応した道具やデータ源にもつながるとしています。さらに10月の発表では、基盤の情報を API と MCP で外に出す設計を強調しており、自社で使っているAIアシスタントや自作のエージェントから Demandbase の情報を呼び出せるとしています。
エージェントの系譜はもう少し前からあります。2025年5月に、AWS の上に作った複数のエージェントの集まりとして Agentbase を発表し、同年7月には AWS Marketplace のAIエージェントの区分に掲載されました。公式サイトのエージェントの一覧には、企業の関与の要約、購買意欲の兆候の整理、営業メールの下書き、購買に関わる人の集まりの設定、広告の入札の調整などが並んでいます。新しいエージェントは、これらの上に「施策を動かす側」を足したものと読めます。
9月の発表で、ロゴル氏は「方向を決めるのはマーケ担当で、施策を回すのはエージェントだ」と述べています。発表に言葉を寄せた外部の経営者も、戦略と創造性と判断は人の手に残す、と表現しています。これは提供元自身が示している線なので、契約の場では、この線が設定と画面でどう担保されているかを具体的に聞く材料になります。方向を決める、という言葉が、予算の上限や対象の範囲を人が決めて、エージェントがその外に出られないことまで含むのかを確かめます。
エージェントが使うデータ:3億4,200万人・1,300万社という主張
10月の発表で、Demandbase は自社のデータの規模を、3億4,200万人以上の連絡先と、1,300万社としています。業界紙はこれを、AIでの見え方が良くなることの証拠ではなく、材料の量についての主張だと注記しています。エージェントの判断の質は、このデータが自社の狙う市場をどれだけ正しく映しているかで決まります。
9月の発表には、Demandbase のAIとの対話機能の利用状況を72時間抜き出した数字も載っています。176社の252人が1,240の質問をし、そのうち約20%が対象企業の一覧作り、約17%が施策の投資対効果や成果の帰属に関するもので、結果が表計算に書き出された回数は284回だったとしています。利用者がAIに最も求めているのは、一覧作りと成果の説明だということが分かります。
この数字は、エージェントに任せる範囲を考えるうえでも示唆があります。一覧作りと成果の説明は、どちらもデータの誤りがそのまま判断の誤りになる作業です。表計算への書き出しが多いのは、利用者が結果をそのまま信じず、手元で確かめている表れとも読めます。エージェントの導入後も、この確かめる工程は残すべきです。
国内での使いどころ:日本企業のデータの厚みを先に確かめる
日本企業が Demandbase を検討するときの最初の論点は、日本の会社と担当者のデータがどれだけ厚いかです。1,300万社という数字は全世界のもので、そのうち日本企業がどれだけ含まれ、部署や役職まで分かる連絡先がどれだけあるかは、公開情報では確かめられません。国内の正規の販売代理店や日本語の窓口も、今回の調査では確認できませんでした。
購買意欲の兆候は、英語圏の媒体での閲覧や検索の行動が中心になりやすいと考えられます。日本語の情報だけで比較検討する国内企業の兆候は、拾いにくい可能性があります。また、ウェブの訪問を企業に結び付ける仕組みは、通信回線の情報などから企業を推定するもので、国内の中小企業やテレワークの多い企業では当たりにくくなります。
このため、国内での使いどころは、海外に拠点や顧客を持つ企業、または外資系企業を狙う商材から考えるのが現実的です。国内企業が中心の商材であれば、契約の前に、自社の狙う企業の一覧を提供元に渡し、何割が名寄せでき、何割に兆候のデータが付くかを試算してもらいます。この率が低いなら、エージェントの判断の材料が薄いということなので、任せる範囲は狭くします。
試算を頼むときは、狙う企業の一覧を社名だけでなく、公式サイトの住所や所在地を付けて渡すと、名寄せの誤りを減らせます。英語の表記が複数ある企業や、持株会社と事業会社が分かれている企業は、どちらに寄せて数えるかを先に決めておきます。ここが曖昧なままだと、名寄せの割合が実態より高く見えます。
シナリオ1:対象企業の一覧づくりを、エージェントに任せる
ここからは、場面ごとに任せる範囲を見ていきます。最初の場面は、対象企業の一覧づくりです。新しいエージェントは、理想の顧客像と企業の行動から一覧を作り、購買に関わる人の欠けを見つけて最新に保つとされています。手作業では四半期に一度しか見直せない一覧が、常に更新されるのは大きな利点です。
ただし、一覧に入るかどうかは、営業がどの会社に時間を使うかを決めます。エージェントが足した企業は「候補」の欄に置き、営業とマーケが週に一度見て正式な一覧に移す運用にします。外す方向も同じで、エージェントが「関心が下がった」と判断した企業を、営業が商談中なのに一覧から落とす、という事故を避けるため、商談中の企業は自動で外さない設定を確かめます。
エージェントには、なぜその企業を足したのかの根拠を必ず残させます。どの行動の兆候、どの理想の顧客像の条件に当たったのかが書かれていない追加は、受け付けない決まりにします。根拠の書かれていない一覧は、誰も説明できない一覧になるからです。
もう一つ見落としやすいのが、購買に関わる人の欠けを見つける機能です。エージェントが「この企業には情報システムの責任者が欠けている」と示し、Demandbase の連絡先のデータから候補を足すと、その人が Salesforce や HubSpot の顧客情報に入っていきます。顧客情報に誰が、どの経緯で入ったかを後から追えるよう、エージェントが足した連絡先には印を付ける設定にします。営業が名刺交換した相手と、データから足した相手が区別できないと、後で連絡の経緯を説明できなくなります。
シナリオ2:広告の配信と入札の調整を、エージェントに任せる
二つ目の場面は広告です。Demandbase は以前から、施策ごとに狙う成果を選ぶと入札を調整するエージェントを提供しており、公式サイトではクリック率が最大40%高まるとしています。9月公開のエージェントは、さらに Google Ads、LinkedIn の広告、Meta などで施策を立ち上げて管理するとされています。
広告は、出た費用が戻らない場面です。任せてよいのは、人が決めた月の予算と対象の範囲の中での、入札と配信の配分の調整までです。予算の上限の変更、新しい媒体での配信の開始、対象企業の一覧の外への配信は、人の承認を必須にします。広告の文面や画像も、エージェントが作ったものは公開前に人が見ます。
クリック率の改善という数字の読み方にも注意します。ABMの広告は、狙う企業の中の関係者に繰り返し届けることが目的で、クリック率が上がっても、商談につながる企業が増えたとは限りません。エージェントの成果は、クリック率ではなく、対象企業の中で関与が深まった企業の数や、商談化した企業の数で見ます。
シナリオ3:施策の提案を、エージェントから受ける
三つ目の場面は、施策の提案です。新しい施策のエージェントは、マーケの活動を売上の目標に結び付け、届いていない箇所を見つけて修正を提案します。9月公開のエージェントも、問題を見つけると修正の案をマーケ担当に戻して承認を求め、何が起きてなぜそうしたかの記録を残すとされています。
提案は、採らなければ影響がないので、最も任せやすい場面です。注意したいのは、提案の質を左右するのが、Demandbase に入っている売上の目標と成果の帰属のデータだという点です。成果の帰属の設定が自社の実態と合っていなければ、エージェントは誤った前提から筋のよさそうな提案を出します。提案を採る前に、その根拠になった数字を Salesforce などの元のデータで確かめる工程を入れます。
提案の採否は、記録に残します。採った提案と採らなかった提案、その理由を残しておくと、半年後にエージェントの提案がどれだけ当たっていたかを評価できます。提供元はエージェントが施策ごとに学ぶと説明していますが、学んだ中身が正しいかを確かめられるのは、人が残した記録だけです。
シナリオ4:AIの回答での見え方を、AEO Agent で追う
四つ目は、新しく加わった AEO Agent の場面です。BtoBの買い手がAIアシスタントで製品を調べるようになり、AIが自社をどう説明しているかを追う必要が出てきました。AEO Agent は、購買に関わる人の立場ごとの回答まで比べ、元になった情報源と、古い情報や内容の不足を示すとされています。報道では、AI経由の訪問を企業や担当者の単位で特定できるとも紹介されています。
この場面で任せてよいのは、監視と、古い情報の洗い出しまでです。どのAIのどの質問を追うのか、結果がどのくらいの頻度で更新されるか、引用の元を自分で確かめられるかは、報道でも導入前に確かめるべき点として挙がっています。AIの回答は日によって変わるため、一回の結果で判断せず、傾向で見ます。
AEO Agent が「施策をそのまま立ち上げられる」とされている点は慎重に扱います。AIの回答を変えるための記事やページの修正は、自社の公式な説明を変えることです。公開する内容の判断は、AIの見え方の担当ではなく、内容の持ち主が行う線を引いておきます。日本語のAIの回答をどこまで追えるかも、契約の前に確かめます。
報道にある、AI経由の訪問を担当者の単位で特定できる、という機能も慎重に扱います。どの仕組みで担当者まで特定するのかは公開されておらず、個人を特定した行動の記録は、個人情報の扱いの対象になりうるからです。会社単位の集計で足りる用途なら、担当者の単位の特定は使わない設定にするのが無難です。使う場合は、自社のプライバシーの方針に、AI経由の訪問を企業や個人に結び付けることを書いているかを先に確かめます。
人が承認する線:任せる・提案だけ・触らせない
ここまでの四つの場面を、任せる深さで整理すると次の表になります。基準は、間違えたときに戻せるかどうかと、社外に何かが出るかどうかです。
| 場面 | 任せてよい範囲 | 人が承認する線 | 触らせない |
|---|---|---|---|
| 対象企業の一覧 | 候補の追加、欠けの指摘 | 正式な一覧への追加と削除 | 商談中の企業の自動の除外 |
| 広告の配信 | 決めた予算内の入札と配分 | 予算の上限、新しい媒体、文面と画像 | 一覧の外への配信 |
| 施策の提案 | 提案と根拠の提示 | 提案の採否 | 承認なしの実行 |
| AIでの見え方 | 監視と古い情報の洗い出し | 直す内容の決定 | 公式の説明の自動の書き換え |
| 営業への通知 | 関与の要約 | 連絡するかどうか | 営業メールの自動の送信 |
表の右端の列は、設定で止められるかを導入前に確かめる項目でもあります。提供元は「マーケ担当が主導権を持ち、エージェントは繰り返しの作業を担う」と説明していますが、新しい三つのエージェントに、9月のエージェントと同じ承認の仕組みが付くかどうかは、発表の範囲では確かめられません。デモの段階で、承認なしでは動かない設定を実際に見せてもらいます。
予算の増え方:契約・広告費・確かめる手間
Demandbase の料金は公開されておらず、見積もりで決まります。新しいエージェントの料金体系も、報道の範囲では明らかにされていません。予算を考えるときは、契約の費用、エージェントが動かす広告費、社内で確かめる手間の三つに分けて見ます。
見落としやすいのは広告費です。エージェントが対象企業を広げ、施策を増やすほど、配信先が増えて広告費が膨らむ方向に働きます。月の広告費の上限と、エージェントが増やしてよい幅を、契約の前に社内で決めておくことが歯止めになります。AWS Marketplace で購入する場合は、AWS の請求にまとまるので、マーケの予算とは別の費目で見えにくくなる点にも注意します。
確かめる手間も費用です。候補企業の確認、提案の採否、広告の文面の確認、AIでの見え方の監視の読み解きと、人が関わる工程はエージェントを入れても残ります。エージェントの導入で減る作業と、新しく増える確認の作業を両方書き出し、差し引きで工数が減るかを見積もります。
営業との約束:エージェントの判定は、連絡してよい理由にならない
ABMのエージェントが最も影響を与えるのは、実は営業の動きです。関与の要約や購買意欲の兆候が営業に届くと、「この会社が検討を始めている」と受け取って、すぐに連絡したくなります。しかし、エージェントの判定は推定であり、相手から連絡の許可をもらったわけではありません。
営業との間で、兆候を受けたときの動き方を約束しておきます。兆候だけで初めての相手に連絡するのではなく、既存の接点がある担当者への情報提供から始める、相手が見ていると推定されるページの内容を、連絡の文面でほのめかさない、といった線です。相手が知らないところで行動を見られていると感じさせる連絡は、信頼を損ねます。
連絡先のデータの扱いにも注意します。3億人を超える連絡先のデータには、個人の名前と勤務先が含まれます。日本の担当者の情報を使って連絡するときは、取得の経緯や利用目的の通知について、個人情報の保護の観点から法務と確認しておきます。営業メールの下書きをエージェントに作らせる場合も、送るかどうかは人が決めます。
営業と共有しておきたい、避けるべき動き方は次のとおりです。
- 兆候の通知だけを理由に、接点のない担当者へいきなり電話をかける
- 「御社が当社の料金のページを見ていたので」と、閲覧の事実を連絡で口にする
- エージェントが作った営業メールの下書きを、読まずにそのまま送る
- データから足した連絡先と、名刺交換した連絡先を区別せずに一斉に配信する
止め方・やめ方
エージェントを入れる前に、止める手順を決めておきます。止めたくなる場面は、広告費が想定より速く減っている、一覧に無関係な企業が増えた、AIでの見え方の提案が自社の方針と合わない、などです。どのエージェントを、誰が、どの画面から止められるかを、導入の前にデモで確かめます。
止める単位も考えておきます。広告の調整だけを止めて一覧の更新は続ける、といった部分的な停止ができるかどうかで、運用の柔軟さが変わります。エージェントが動かしていた広告の施策は、止めた後に人が引き継ぐ必要があるので、エージェントが何を動かしているかの一覧を、常に人が見られる状態にしておくことが前提です。
契約をやめる場合は、Demandbase の中に蓄積した一覧、施策の記録、エージェントの学習の中身を持ち出せるかを確かめます。提供元は、エージェントが施策ごとに学んで自社固有の知識が積み上がると説明していますが、その知識が契約の終了後に手元に残るかは別の問題です。やめるときに持ち出す情報の範囲を、契約の段階で書面にしておくのが確実です。
- MCP や API で外部のAIから Demandbase の情報を呼び出している場合は、契約の終了とともにその接続も止まります。社内の自作のエージェントが Demandbase に依存していないかも確かめます
- AWS Marketplace で購入した場合の解約の手続きは、直接契約の場合と異なることがあります
導入前のチェックリスト
ここまでの論点を、導入前に確かめる項目として並べます。マーケ、営業、情シス、法務で手分けして、すべてに答えが出てから契約に進みます。
- 自社の狙う企業の一覧を渡し、名寄せできる割合と兆候のデータが付く割合を試算してもらったか
- 日本語のAIの回答を AEO Agent でどこまで追えるか、追う質問と頻度を確かめたか
- 新しい三つのエージェントに、承認なしでは動かない設定があるかをデモで見たか
- 月の広告費の上限と、エージェントが増やしてよい幅を社内で決めたか
- エージェントが足した企業を候補として置き、人が正式な一覧に移す運用を決めたか
- 商談中の企業を自動で一覧から外さない設定を確かめたか
- 提案の採否と理由を残す場所と担当を決めたか
- 兆候を受けたときの営業の動き方と、連絡で言ってはいけないことを約束したか
- 連絡先のデータの利用について、法務と確認したか
- エージェントを止める手順と担当、契約終了時に持ち出せる情報を確かめたか
このうち最初の項目で名寄せの割合が低い場合は、ほかの項目を詰める前に、導入そのものを見直します。データが薄いままエージェントを入れても、もっともらしい判断が増えるだけだからです。
小さく試す手順
導入を決めた場合も、すべてのエージェントを一度に動かさず、戻しやすい場面から順に試します。試す期間は、ABMの施策が一巡する3か月程度を目安にします。
施策のエージェントと AEO Agent を、提案と監視だけに使う。実行の権限は渡さず、提案の採否と理由を記録する。
対象企業の一覧のエージェントに候補を出させ、週に一度、営業とマーケで正式な一覧に移すかを決める。
一つの施策、決めた予算の範囲に限って、入札と配分の調整を任せる。予算の変更と新しい媒体は人が承認する。
クリック率ではなく、対象企業の関与の深まりと商談化した企業の数で、任せた場面と任せなかった場面を比べる。
提案の当たり具合と商談の数を見て、任せる範囲を広げるか、今の範囲に留めるかを決める。
この順番なら、途中で期待どおりでないと分かっても、失うものは小さく済みます。任せる範囲は、結果を見てから広げるのが、エージェントと付き合う基本です。
まとめ
Demandbase は2026年秋、9月のマーケ用エージェントに続き、10月に AEO Agent、施策のエージェント、対象企業の一覧を保つエージェントを発表し、ABMの基盤を「施策を動かす側」へ広げました。3億4,200万人・1,300万社というデータの規模や、提案を承認に戻す仕組みは魅力ですが、第三者の検証や料金、新しいエージェントの承認の仕組みはまだ示されていません。任せる範囲は、提案と監視から始め、対象企業の確定と広告予算の変更は人が承認し、エージェントの判定を営業の連絡の理由にしない線を引いてください。国内企業が中心の商材であれば、まず自社の一覧で名寄せの割合を確かめることが、導入の判断の出発点になります。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
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