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介護事業所の採用で応募者から受け取る介護福祉士の登録証と研修の修了証明書の写しを読み取り、資格・登録番号・取得日を応募者台帳にそろえて、求人の要件との不足と読み取りに自信のない欄を拾う

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

応募者から届く介護福祉士の登録証や研修の修了証明書の写しを Azure AI Document Intelligence で読み取り、資格の種類・登録番号・日付を応募者台帳にそろえます。求人の要件に足りない資格と、読み取りに自信のない欄を一覧にします。

サマリー
生成AI
Azure OpenAI Service/Claude/Gemini
AIサービス
Azure AI/Google Document AI
対象業界
介護/医療
対象部門
採用
対象業務
データ入力・転記/内容確認・チェック
主な課題
人手が足りない/入力作業が多い/確認ミスが多い
AIで行う処理
読み取り(OCR)
主な効果
入力漏れ削減/品質標準化/工数削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
API連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
24h/月
AI導入後
8h/月
想定削減
67%
年間削減
192h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 応募フォームの添付と、スキャンした紙のコピーを、応募者ごとのフォルダに保存する
  2. 写しを1枚ずつ開き、何の資格の写しかを見分ける
  3. 資格の種類、登録番号や証明書番号、登録日や修了日、発行元を応募者台帳へ打ち込む
  4. 応募者の氏名と写しの氏名が違えば、旧姓の併記がないかを探す
  5. 求人の要件の一覧を開き、足りない資格がないかを見る
  6. 読みにくい写しや足りない資格があれば、応募者へ再提出や追加の提出を頼む文面を書く
  7. 事業所の面接担当に、台帳の内容を伝える
導入後(After)
  1. 人応募フォームの添付と、スキャンした紙のコピーを、応募者ごとのフォルダに保存する
  2. 自動ファイルの保存をきっかけに中継の処理が動き、形式・画像の大きさを確かめる
  3. 自動Azure AI Document Intelligence のレイアウトモデルで、写しの文字を読み取る
  4. 自動本籍の行を読み取り結果から取り除く
  5. 自動生成AIが、写しの種類、氏名(旧姓・通称の併記を含む)、登録番号や証明書番号、日付、発行元を項目に取り出す
  6. 自動中継の処理が、登録番号の頭の文字と求人の要件を規則で照らし、`meets` / `lacks` / `needs_validity_doc` / `name_check` / `unreadable` を付ける
  7. 人採用担当が `meets` 以外の応募者を確かめ、台帳への登録を承認する
  8. 人足りない資格や有効期限の通知書の提出を、応募者へ頼む
各工程の詳しい説明を読む
  1. 応募フォームの添付と、スキャンした紙のコピーを、応募者ごとのフォルダに保存する
  2. 写しを1枚ずつ開き、何の資格の写しかを見分ける
  3. 資格の種類、登録番号や証明書番号、登録日や修了日、発行元を応募者台帳へ打ち込む
  4. 応募者の氏名と写しの氏名が違えば、旧姓の併記がないかを探す
  5. 求人の要件の一覧を開き、足りない資格がないかを見る
  6. 読みにくい写しや足りない資格があれば、応募者へ再提出や追加の提出を頼む文面を書く
  7. 事業所の面接担当に、台帳の内容を伝える

(a)書式がばらばらで、見る場所が決まらない。 登録証は全国で同じ書式ですが、研修の修了証明書は発行元ごとに違います。修了日がどこに書いてあるかを探すところから始まる写しが、毎月何十枚もあります。

(b)経過措置の登録を見落とす。 登録番号の頭の「E」は、写真の写しでは小さく、見慣れていない担当者は気づきません。台帳に「介護福祉士」と入った時点で、有効期限の確認は誰も行わなくなります。

(c)氏名が合わない。 結婚などで姓が変わった応募者の写しには、旧姓が併記されている場合と、されていない場合があります。外国籍の応募者の登録証には、氏名の後にカッコ書きで通称が記載されることがあります。どこまで同じ人と見てよいかの判断が、担当者によって違います。

(d)本籍の欄が台帳に写る。 3番目で写しの文字を上から順に打ち込むと、本籍の欄まで台帳に入ることがあります。 採用選考で把握すべきでない情報が、法人の中に残ります。

  1. 【人】 応募フォームの添付と、スキャンした紙のコピーを、応募者ごとのフォルダに保存する
  2. 【自動】 ファイルの保存をきっかけに中継の処理が動き、形式・画像の大きさを確かめる
  3. 【自動】 Azure AI Document Intelligence のレイアウトモデルで、写しの文字を読み取る
  4. 【自動】 本籍の行を読み取り結果から取り除く
  5. 【自動】 生成AIが、写しの種類、氏名(旧姓・通称の併記を含む)、登録番号や証明書番号、日付、発行元を項目に取り出す
  6. 【自動】 中継の処理が、登録番号の頭の文字と求人の要件を規則で照らし、meets / lacks / needs_validity_doc / name_check / unreadable を付ける
  7. 【人】 採用担当が meets 以外の応募者を確かめ、台帳への登録を承認する
  8. 【人】 足りない資格や有効期限の通知書の提出を、応募者へ頼む

7番目で人が見るのは、全員ではありません。 要件を満たし、読み取りにも自信のある応募者は、台帳の内容を流し見て承認します。時間を使うのは、不足のある応募者と、確認の要る欄のある応募者だけです。

6番目を規則にしているのも意図してのことです。 「E」で始まるかは文字列の比較で、要件を満たすかは法人の対応表で決まります。AIに判断させると、写しの体裁から「有効な登録」に見えるものを有効と書いてしまいます。

02今回想定するシステム構成

構成図
応募フォームの添付・スキャンしたコピー
   │  応募者ごとのフォルダへ保存
   ▼【トリガー】ファイルの保存
Azure Functions(中継の処理)
   ├──▶ 形式・画像の大きさの確認
   ▼
Azure AI Document Intelligence(レイアウトモデル)
   │   文字・位置・単語ごとの信頼度
   ▼
Azure Functions ── 本籍の行を取り除く
   ▼
Azure OpenAI(Microsoft Foundry) ── 構造化出力
   │   写しの種類/氏名/番号/日付/発行元
   ▼
Azure Functions ── 「E」の判定、求人の要件との照合
   ▼
照合結果の一覧 ──【採用担当が確認・承認】
   └──▶ 応募者台帳へ登録
役割想定する製品代替候補
OCRAzure AI Document Intelligence(レイアウトモデル)Google Document AI
生成AIAzure OpenAI(Microsoft Foundry)(構造化出力で写しの項目を取り出す)Claude API、Gemini API
連携Azure Functions(本籍の行の除去、規則での照合)Azure Logic Apps
保管法人のファイルサーバー(写しと照合の控え)Azure Blob Storage
台帳既存の応募者台帳―

応募者台帳と応募のフォームは、新しく足すものではありません。 足すのは中継の処理と読み取り・取り出しのAPIです。最初の準備は、求人の要件を「資格の種類の対応表」として持つことです。 「実務者研修以上」と書かれた要件に、どの資格が当たるかを表にしておかないと、規則で照合できません。

読み取りには、レイアウトモデル(prebuilt-layout)を使います。 文字を行と単語で取り出し、単語ごとに位置(polygon)と信頼度(confidence)が付きます。位置が分かるので、本籍の行を文字だけでなく画像の上でも特定できます。 日本語は、印刷の文字も手書きの文字も対応言語に入っています。修了証明書には、修了日や氏名を手書きで書き入れた様式もあります。

入力はPDFと画像(JPEG/JPG、PNG、BMP、TIFF、HEIF)です。 1枚の明瞭な写真か高品質なスキャンを入れると最もよい結果になるとされています。写真で届く応募者が多いので、ここが質を決めます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

応募者ごとのフォルダにファイルが保存されたことを起点にします。 フォルダは応募の受付番号で分け、どの応募者の写しかをフォルダで決めます。 写しの氏名から応募者を推し量ると、旧姓や通称の併記で取り違えます。

写しは届いたその日に処理します。 応募から面接の案内までの時間が、介護の採用では結果を左右します。不足の資格や読めない写しが分かるのが面接の前日だと、追加の提出を頼む時間がありません。

面接の日に持参された紙のコピーも、採用担当がスキャンして同じフォルダへ入れます。 経路ごとに確認の手順を変えると、紙で受け取った応募者だけ照合が抜ける期間ができます。後から届いた有効期限の通知書や撮り直しの写しも、同じ応募者のフォルダに入れれば、もう一度同じ流れで読み直します。

処理が終わったファイルは、照合の結果と一緒に処理済みフォルダへ移します。 移すのは成功したときだけにし、フォルダに残っている数を、そのまま未処理の数にします。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
写しのファイル登録証・修了証明書の写真やスキャン。応募者1人に1〜3枚応募者ごとのフォルダ
読み取り結果行と単語の文字、位置(polygon)、単語ごとの信頼度Azure AI Document Intelligence
応募の情報受付番号、応募者の氏名(漢字・カナ)、応募した求人応募のフォーム
求人の要件事業所・職種ごとの必須の資格と、手当の対象の資格本部の要件の一覧
資格の対応表資格の種類と、どの要件を満たすか(旧課程の扱いを含む)本部で用意する表

質を決めるのは、資格の対応表です。 旧課程の研修の修了証明書を、どの要件に当てるかは法人ごとの取り決めです。表に無い資格は、AIに当てさせず「対応表に無い」として返します。

応募の情報からは、氏名と応募した求人だけを使います。 住所や連絡先、職歴は照合に要りません。写しの項目と突き合わせるのは氏名だけで、求人は要件を引くためのキーです。

Step3

データの取得方法を決める

読み取りは、中継の処理からレイアウトモデルを呼ぶだけです。

指定するもの値理由
モデルprebuilt-layout行・単語の位置が要る
outputContentFormatmarkdown生成AIに渡す文字を、行のまとまりのまま渡せる
言語の指定しない公式の案内では、言語が確かでない限り指定しないほうがよいとされている
返ってくる値content、pages の行と単語(polygon、confidence)、手書きかどうかの styles本籍の行の特定と、読み取りの確かさの判定

読み取りの確かさは、項目に当たる単語の confidence の最小値で見ます。 登録番号は1文字の読み違いが別人の番号になるので、番号の単語の信頼度だけは、しきい値を厳しくします。

手書きかどうかの印も使います。 応答には、行ごとに手書きの書き方かどうかと、その信頼度が付きます。修了日が手書きで書き入れられた証明書は、印刷の欄より読み違いが起きやすいので、確認の一覧で目立たせます。

「E」の判定は、中継の処理が番号の文字列で行います。 判定の前に全角の「E」を半角にそろえ、先頭の「第」と空白を除いてから1文字目を見ます。このそろえ方は規則として1か所に書き、AIの出力の側では直しません。 番号の単語の信頼度がしきい値未満なら、「E」かどうかにかかわらず unreadable に回し、画像で確かめます。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 形式の確認 … PDFまたは画像であることを確かめます。それ以外の形式は応募者に頼み直します
  2. 画像の寸法の確認 … 50×50ピクセルから10,000×10,000ピクセルの間である必要があります
  3. 文字の高さの確認 … 抽出する文字の最小の高さは、1024×768の画像で12ピクセルです。遠くから撮った写真はこれを下回ります
  4. パスワードの確認 … パスワードでロックされたPDFは、提出前にロックを解除する必要があります
  5. 本籍の行を取り除く … 読み取り結果から「本籍」で始まる行を見つけ、その行の文字を生成AIに渡す文字から消します
  6. 保存用の画像を作る … 5番目の行の polygon の範囲を塗りつぶした画像を作り、元の写しは承認の後に消します
  7. 重複の確認 … 同じ応募者のフォルダに同じ写しが二度入っていれば、二重に照合しません

5番目と6番目が、第1章の2つ目の要点です。 文字を消すだけでは、保存した写しの画像に本籍が残ります。応募フォームの案内にも「本籍の欄を隠して撮影してください」と書き、隠されていなかったときの備えとしてこの処理を置きます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、読み取り結果から写しの項目を取り出すことだけです。

取り出すものやり方判断できないときの扱い
写しの種類表題から、登録証・研修の修了証明書・それ以外を見分ける決まらなければ other
資格・研修の名前表題と本文にある名前をそのまま言い換えない
氏名氏名の欄の文字。旧姓の併記・通称の併記があれば別に読めなければ null
登録番号・証明書番号番号の欄の文字をそのまま。全角・半角も変えない読めなければ null
登録日・修了日元号と日付の文字をそのまま西暦に直さない
付記された行為登録証に喀痰吸引等の行為の記載があれば、その文字記載が無ければ空
発行元修了証明書を発行した事業者・都道府県の名前読めなければ null

研修の修了証明書は、発行元ごとに欄の並びが違う前提で扱います。 表題に研修の名前があり、本文に「修了したことを証明する」といった文と日付が続く形が多いものの、決まった位置はありません。 そのため位置ではなく、言葉の並びから項目を取り出す役を生成AIに任せます。

有効期限の通知書も、同じ流れで読みます。 応募者から届いた「資格登録有効期限(変更)通知書」なら有効期限の日付を、「資格登録有効期限解除通知書」なら通知書であることを取り出し、needs_validity_doc を解く材料にします。

登録番号は、欄の名前を根拠に取らせます。 登録証には、上部にも番号を書く欄があります。「登録番号」の欄の文字を取り、位置で取らないことを指示に書きます。

させないこと理由
資格が有効かの判断写しからは分からない。「E」の判定は規則で行う
求人の要件を満たすかの判断法人の対応表で決まる。AIに要件を見せない
同じ人かどうかの判断旧姓・通称の扱いは採用担当が確かめる
番号の補い・形の修正「E」と「F」、「0」と「O」をそれらしく直さない
本籍の記載渡していない。出力の項目にも置かない

4行目がいちばん効きます。 読み取りで「E」が「F」や「E」になることがあり、AIに直させると、直した結果が経過措置の判定を左右します。 文字はそのまま返させ、判定の前に中継の処理が全角と半角だけをそろえます。

Step6

指示内容を固定する

あなたは介護事業所の採用担当として、応募者から届いた資格の写しの
読み取り結果から、項目を取り出す立場です。
読み取り結果に書かれている文字だけを使ってください。推測で補わないでください。

【取り出す項目】
1. document_type … registration(介護福祉士などの登録証)/
   training(研修の修了証明書)/
   validity_notice(資格登録有効期限の通知書・解除通知書)/ other
2. qualification_name … 資格や研修の名前。書かれているとおり
3. name / former_name / alias … 氏名、旧姓の併記、通称の併記
4. number … 「登録番号」または「証明書番号」の欄の文字
5. date … 登録年月日または修了年月日。元号のまま
6. annotated_acts … 登録証に記載された喀痰吸引等の行為
7. issuer … 修了証明書を発行した事業者や自治体の名前
8. validity … 有効期限の通知書なら、表題と「資格登録有効期限」の日付

【厳守事項】
- 登録番号は「登録番号」と書かれた欄の文字を取ってください。
  書類の上部にある別の番号を、登録番号として扱わないでください。
- 番号の文字を直さないでください。アルファベットと数字を入れ替えたり、
  全角と半角を変えたりしないでください。
- 年月日は元号のまま書いてください。西暦に直さないでください。
- 資格が有効か、求人の要件を満たすかは書かないでください。
- 読めない項目は null にしてください。
- 各項目に、根拠にした行の文字をそのまま evidence に写してください。
- 手書きの印が付いた行から取った項目は、handwritten を true にしてください。

【読み取り結果】{layout_markdown}

「上部にある別の番号を、登録番号として扱わない」を明記しないと、位置の上の番号を取ることがあります。 登録証の上部の番号と登録番号の欄の両方に番号があり、どちらを取ったかで経過措置の判定が変わります。

求人の要件を渡していないことにも注意してください。 要件を見せると、読みにくい資格名を要件に合う名前に寄せて読みます。

Step7

出力形式を固定する

次の形のJSONで受け取ります。 Azure OpenAI の構造化出力で、このスキーマに従わせます。

{
  "document_type": "registration | training | validity_notice | other",
  "qualification_name": null,
  "name": null,
  "former_name": null,
  "alias": null,
  "number": null,
  "date_era": null,
  "annotated_acts": [],
  "issuer": null,
  "validity": { "notice_title": null, "expiry_era": null },
  "fields": [
    { "item": "number", "evidence": "", "handwritten": false }
  ]
}

構造化出力では、すべての項目を必須にし、省略したいものは null との共用体型で表します。 オブジェクトには additionalProperties: false が必要です。「書いていない」と「読めない」を空文字で表さず null にすると、照合の側で機械的に拾えます。

中継の処理は、この出力に規則を当てて照合の結果を作ります。

結果条件採用担当の対応
meets対応表で求人の要件を満たし、番号の信頼度も十分流し見て承認
lacks求人の必須の資格に当たる写しが無い追加の提出を頼むか、要件の違う求人を案内する
needs_validity_doc登録番号が「E」で始まる有効期限の通知書の提出を頼む
name_check写しの氏名が応募の氏名と違い、旧姓・通称の併記でも合わない本人に確かめる
unreadable番号・日付の信頼度がしきい値未満、または手書きの日付写しの画像で確かめる

needs_validity_doc は、要件を満たしていても付けます。 センターの案内では、確認には「資格登録有効期限(変更)通知書」か「資格登録有効期限解除通知書」を使うとされています。この2つのどちらかが届くまで、台帳の資格の欄は「確認中」にしておきます。

通知書が届いたら、中継の処理が validity を見て印を解きます。 解除通知書なら印を外し、有効期限(変更)通知書なら読み取った有効期限を台帳に入れて、入職予定日より前に切れる場合は needs_validity_doc を残します。 元号の日付は中継の処理の表で変換し、期限との比較も規則で行います。ここにもAIは関わりません。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
応募者ごとのフォルダ中継の処理のトリガーファイルの保存を検知する
Azure AI Document IntelligenceAPI呼び出し文字・位置・単語の信頼度を返す
Azure OpenAIAPI呼び出し(構造化出力)写しの項目を取り出す
求人の要件と資格の対応表中継の処理が読む規則での照合
応募者台帳承認の後に登録資格の種類・番号・日付・照合の結果

応募者台帳への登録は、採用担当が承認した後です。 meets でも自動では書き込みません。台帳は面接担当と事業所が見る情報で、誤った資格が入ると配置や手当の判断にまで進みます。

Step9

人が確認する

人が開くのは meets 以外の応募者だけです。 順番を決めておきます。

  1. needs_validity_doc を最初に見る … 応募者へ、有効期限の通知書の提出を頼みます
  2. unreadable を画像で確かめる … 番号と日付を写しの画像で見ます。読めなければ撮り直しを頼みます
  3. name_check を確かめる … 旧姓や通称の扱いを本人に確かめます
  4. lacks を面接担当と相談する … 要件の違う求人を案内するか、資格取得の予定を聞くかを決めます

1番目を後回しにしないでください。 有効期限の通知書は応募者の手元にあっても、すぐに見つからないことがあります。 頼むのが遅いほど、面接や内定の日までにそろいません。

国家試験に合格して登録申請の途中の応募者もいます。 センターは登録申請中であることの証明書は無いとし、合格証書・登録手数料の払込の受領証・簡易書留の受領証の3点を見せるよう案内しています。この3点が届いた応募者は「登録申請中」として台帳に入れ、登録証が届いた時点で読み直します。

Step10

例外に対処する

起きること対応
写真が傾く・反射で欄が読めないunreadable。撮影の見本を応募フォームに載せて撮り直しを頼む
文字が小さすぎる1024×768の画像で12ピクセルが下限。撮り直しを頼む
パスワード付きのPDF提出前にロックを解除する必要がある。応募者に解除して送ってもらう
本籍の欄が隠されずに届いた前処理で行を消し、画像を塗りつぶす。元の写しは承認の後に消す
1枚に表と裏、または2つの資格が写る写しの種類ごとに分けて取り出し、それぞれ照合する
対応表に無い資格名lacks にせず担当者へ回し、対応表に足すかを本部で決める
登録申請中の3点が届いた「登録申請中」として台帳に入れ、登録証の到着後に読み直す
写しではない書類(履歴書など)document_type: other として担当者へ戻す
読み取りのAPIが応答しないフォルダに残す。処理済みへ移すのは成功したときだけ

上から6行目は、本部の判断を集める仕組みです。 旧課程の研修や他県の研修の名前は、対応表に無いことがあります。AIに「近い資格」を当てさせず、表を育てる材料にします。

Step11

記録を残す

  • 本籍を塗りつぶした写しの画像と、受け取った日時・経路
  • 読み取り結果のJSON(本籍の行を取り除いたもの)
  • 生成AIの出力と、照合の結果、そのとき使った求人の要件と対応表の版
  • 採用担当が承認・修正した記録 … 誰が、いつ、どの項目を、何から何に変えたか
  • 有効期限の通知書を頼んだ日と、届いた日、通知書から読み取った有効期限
  • 対応表に無かった資格名と、本部が決めた扱い
  • 不採用となった応募者の写しを消した日

最後の行を残すのは、応募者の書類を必要以上に持ち続けないためです。 不採用の応募者の写しをいつ消すかは、法人の個人情報の取り扱いの規程で決め、消した記録を残します。

04実装レベルの3段階

最小構成:読み取り結果を手でAIの画面に貼り、項目を取り出させる / 1人ごとの項目の取り出し
半自動化:上記+フォルダを起点に読み取り・本籍の除去・取り出しを自動で動かし、規則で照合した一覧を作る / 読み取り、本籍の除去、照合の一覧
本格構成:上記+応募のシステムと台帳を直接つなぎ、追加の提出の依頼と有効期限の通知書の到着までを追う / 依頼と到着の追跡まで

最小構成では、人数がさばけません。 1人ずつ貼り付けるので、月120人には使えません。確かめるための段階です。 半自動化で、1人12分が4分になり、この段階が本記事の想定です。 転記と要件の照合は自動になり、採用担当は照合の一覧を見て承認と依頼を行います。本格構成まで進めると依頼の文面と追跡も減りますが、応募のシステムとの接続が要るため、本記事の工数には入れていません。 段階を飛ばさないでください。 半自動化の一覧を1か月見ると、対応表に無い資格の名前と、unreadable の多い撮り方が分かります。対応表と撮影の案内を直してから先へ進むほうが、空振りの依頼が減ります。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
120 件
1件あたり現在時間
12 分
1件あたり導入後時間
4 分
現在  120件 × 12分 ÷ 60 = 24 時間/月
導入後 120件 × 4分 ÷ 60 = 8 時間/月
月間削減時間
16h
削減率
67%
年間削減時間
192h
年間金額換算(時間単価2,500円)
48万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

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06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 複数の事業所の採用を本部でまとめて受け、毎月100人前後の応募者から資格の写しを受け取っている介護事業の法人。写しが紙・PDF・スマートフォンの写真で混ざって届き、応募者台帳への転記を担当者が手で行っている場合。求人ごとに求める資格(介護福祉士、実務者研修、初任者研修、喀痰吸引等)が決まっている場合。
向いていない
  1. 応募が月に数人で、写しを目で見て足りる事業所。資格の確認を人材紹介会社に任せており、法人の側で写しを受け取らない場合。採用管理のシステムが資格証の読み取りに対応している場合。なお、資格が有効か、採用してよいかの判断は、原本の確認を含めて人が行うもので、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月に受け取った写しから20人分を選ぶ(写真で届いたもの、旧姓の併記があるもの、手書きの修了日があるものを入れる)
  2. その20人について、当時の応募者台帳の内容を用意しておく
  3. Document Intelligence Studio のレイアウトで20人分を読み取り、結果を手元のAIサービスに貼り付ける
  4. 「この読み取り結果から、書類の種類・資格の名前・氏名・登録番号(『登録番号』の欄の文字)・登録日または修了日・発行元を取り出してください。番号の文字は直さず、本籍は書かないでください」と指示する
  5. 取り出した項目を、当時の台帳と突き合わせる

20人分は必ずやってください。 中継の処理を組む前に、「写真でどこまで読めるか」と「登録番号の欄を取り違えないか」を確かめます。

出てきた内容判断
当時の台帳と同じ項目が取れた中継の処理と規則の照合に進む
上部の番号を登録番号として取った指示の書き方で直る。構成は有効
写真で読めない写しが多い撮影の案内が先。 AIの問題ではない

3行目が出たら、応募フォームの案内を直します。 撮影の見本(明るい場所で、真上から、欄が画面いっぱいに入るように)を載せ、同じ応募者に撮り直してもらった写しで読み直してください。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
経過措置の登録を見落とす登録番号の頭の「E」を規則で判定する。 要件を満たしていても通知書を頼む
上部の番号を登録番号として取る「登録番号」の欄の文字を取るよう指示する
「E」が「F」や全角に読まれるAIに直させない。全角と半角だけを規則でそろえ、信頼度が低ければ画像で確かめる
本籍が台帳や保存の画像に残る行を消し、画像を塗りつぶす。応募フォームでも隠して撮るよう案内する
旧姓・通称の併記で別人扱いになるformer_name と alias を別に取り、name_check で人が確かめる
読みにくい資格名が要件に寄るAIに求人の要件を見せない
旧課程の研修の扱いがばらつく対応表で決める。表に無いものは担当者へ回す
写真が読めない撮影の見本を応募フォームに載せる
手書きの修了日を読み違える手書きの印で目立たせ、画像で確かめる
登録申請中の応募者を lacks にする3点の書類が届いたら「登録申請中」として扱う

上の3行が、この構成の失敗のほとんどです。 どれも登録番号という1つの欄の扱いです。番号の1文字が、資格の有効期限の確認が要るかどうかを決めます。

4行目も早く効いてきます。 本籍の欄は読み取りでは他の欄と区別なく文字になり、何もしなければ、そのまま台帳と保存の画像に残ります。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 応募者の氏名、生年月日、資格の登録番号と日付、旧姓や通称、そして写しに写った本籍の欄です。採用に至らない応募者の情報も多く含まれます。

  1. 本籍を把握しない … 公正な採用選考の案内で、本籍・出生地に関することの把握は就職差別につながるおそれがある事項とされています。応募フォームで隠して撮るよう案内し、読み取りの後にも行を消します
  2. 生成AIに渡すのは、本籍の行を取り除いた読み取り結果だけにする … 応募者の住所や連絡先は渡しません
  3. 資格の有効性を写しで判断しない … 写しは真正性を保証しません。原本の確認は入職の手続きで人が行います
  4. 台帳への登録を自動にしない … 承認した後に登録します
  5. 応募者に利用目的を示す … 資格の写しを読み取りのサービスで処理することを、応募フォームの個人情報の取り扱いの説明に書いておいてください
  6. 不採用の応募者の写しを持ち続けない … 消す時期を法人の規程で決め、消した記録を残します

誤りが起きた場合のリスクは、有効でない登録を有効として扱うことと、持つべきでない情報を持つことの2つです。 前者は登録番号の1文字の見落としで、後者は本籍の欄の転記で起きます。前者は規則の判定、後者は前処理での除去で、設計で防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:資格の対応表を作る

求人の要件の一覧を、「どの資格が、どの要件を満たすか」の対応表に直します。旧課程の研修の扱いもここで決めます。12事業所の要件を一度にそろえる必要はありません。応募の多い職種から始めます。

2週目:20人分で試す

先月の写しから20人分を選び、Studio で読み取って手元のAIサービスで項目を取り出します。登録番号の欄を取り違えていないか、写真でどこまで読めるかを最優先で見ます。

3週目:応募フォームの案内を直す

撮影の見本と、「本籍の欄を隠して撮影してください」という案内を応募フォームに載せます。資格の写しを読み取りのサービスで処理することも、個人情報の取り扱いの説明に書き足します。

4週目:フォルダから照合の一覧までをつなぐ

応募者ごとのフォルダを起点に、読み取り、本籍の除去、取り出し、規則での照合までを動かします。この時点では台帳へ登録せず、照合の一覧だけを採用担当が見ます。

2か月目: 承認の後に台帳へ登録する流れを足し、needs_validity_doc と unreadable の件数を毎週数えます。3か月目以降: 1人12分が何分になったかを実測し、対応表に無い資格名が出なくなり、撮り直しの依頼が減った時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-08/最終更新:2026-10-08
確認した内容情報源確認日
登録申請中であることの証明書は無く、合格証書・登録手数料の払込の受領証・簡易書留の受領証の3点を職場に見せるよう案内されていること。旧姓の併記ができること。外国籍等の場合は氏名の後にカッコ書きで通称が記載されること。登録証を変更しても登録年月日・登録番号は変わらないこと。経過措置登録者の登録証は登録番号の下の記載が異なること社会福祉振興・試験センター: 資格登録 よくあるご質問2026-10-08
登録番号がアルファベットの「E」で始まる者が経過措置登録者で、登録が有効かを「資格登録有効期限(変更)通知書」または「資格登録有効期限解除通知書」で確認すること。経過措置が卒業した年度の翌年度の4月1日から5年間であること。対象が令和14年3月31日までに養成施設を卒業した者に延長されたこと社会福祉振興・試験センター: 介護福祉士経過措置登録について2026-10-08
特定事業所加算等で、介護福祉士の登録申請手続き中の者を登録証の到着を待たずに含めることができる場合があり、詳細は都道府県に問い合わせるよう案内されていること社会福祉振興・試験センター: 事業所の方へ(加算について)2026-10-08
本籍・出生地に関することの把握が、就職差別につながるおそれがある事項として挙げられていること厚生労働省: 公正な採用選考の基本(配慮すべき事項)2026-10-08
レイアウトモデル(prebuilt-layout)が文字・表・選択マークを取り出し、outputContentFormat=markdown でMarkdownを返すこと。入力がPDFと画像(JPEG/JPG、PNG、BMP、TIFF、HEIF)で、1枚の明瞭な写真か高品質なスキャンが最もよいとされること。画像が50×50から10,000×10,000ピクセル、文字の最小の高さが1024×768の画像で12ピクセルであること。パスワード付きPDFは提出前に解除が必要なことMicrosoft Learn: Document layout analysis2026-10-08
印刷の文字・手書きの文字とも日本語(ja)が対応言語に入っていること。言語が確かでない限り言語コードを指定しないよう注意されていることMicrosoft Learn: Language and locale support for Read and Layout2026-10-08
構造化出力でモデルが指定したJSONスキーマに従うこと。すべての項目を必須にし、省略したいものは null との共用体型で表すこと。additionalProperties: false が必要なことMicrosoft Learn: Azure OpenAI で構造化出力を使用する方法2026-10-08

資格の有効性と採用の判断は、原本の確認を含めて法人の採用担当が行ってください。 本記事は公開されている案内と仕様で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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