AI研修を製品別に分けるか|操作研修と共通研修の線

AI研修を製品別に分けるか|操作研修と共通研修の線

「コパイロットの研修を組んだのに、半年後には別のAIも配ることになった」「提供元が自前の講座を出しているのに、社内の研修では何を教えればいいのか」。AI研修の担当者から、ここ1年で増えてきた声です。社内に配るAIは、もう1製品で済まなくなっています。営業はコパイロット、開発はクロード、企画はチャットGPTやジェミニというように部門ごとに配る会社もあれば、契約の更新を機に乗り換える会社もあります。提供元の側も、オープンAIは働く人向けの講座の柱を学習サイトで公開し、マイクロソフトは導入支援のサイトで利用者向けの立ち上げ資料や講師つきの研修を用意しています。こうなると、研修を製品ごとに作るべきか、という問いが出てきます。ただ、答えは「製品別にするかしないか」の二択ではありません。本当は、製品の操作は製品が変われば作り直しになるが、任せる範囲・確認の手順・業務の切り方は製品が変わっても残るので、研修はこの2つの境目で切って作るものです。この記事では、操作研修と共通研修の線をどこに引くか、提供元の講座に何を任せるか、製品が増えたり替わったりするときに研修の資産をどう残すかを整理します。


カメ先生カメ先生

AI研修は、配った製品の使い方を教えるものだと思われがちなんだ。でも本当は、半分は製品と関係ない。何を任せて、どこを人が確かめて、どの業務のどこに入れるか。そこは製品を替えても同じ説明で通じるんだよ。


カメ子カメ子

製品の画面の説明と、仕事の進め方の説明は、別の研修として作るということですか。


カメ先生カメ先生

そう。混ぜて作ると、製品が替わったときに全部を作り直すことになる。分けておけば、作り直すのは操作の部分だけで済むし、操作の部分は提供元の講座に任せられるところも多い。


カメ子カメ子

提供元の講座で足りないのは、自社の決まりごとの部分なんですね。


この記事のポイント
  • 製品別に作るかどうかではなく、製品に依存する操作の部分と、製品が変わっても残る共通の部分の境目で研修を切る
  • 操作の部分は短く薄く作り、提供元の講座に任せられる範囲は任せる。共通の部分には自社の規程・確認の手順・業務の切り方を入れる
  • どの製品を誰に配るか、修了を利用許可の条件にするか、提供元の講座で足りる範囲、教材の改訂の持ち主は人が決める

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目次

社内に配るAIは、もう1製品では済まない

数年前までは、全社で1つのAIを契約し、その使い方を研修で教えれば済みました。いまは事情が違います。文書作成や会議の多い部門には事務系の製品に組み込まれたAIを、企画や調査の部門には対話型のAIを、開発の部門には長い文書やコードを扱いやすいAIを、というように、部門ごとに配る製品が分かれる会社が出ています。どれか1つに絞るか使い分けるかという製品選定そのものは別の記事で扱っているので、ここでは選んだ結果として複数の製品が社内にある状態から考えます。

もう1つの変化は、同じ製品でも名前や画面が変わることです。マイクロソフトの公式サポートは、事務系アプリの入口となるアプリが「マイクロソフト365」から「マイクロソフト365コパイロット」へ、さらに「マイクロソフト・コパイロット」へと名前を移してきた経緯を案内しています。前の名前への切り替えは2025年1月に展開が始まり、ウェブの入口のアドレスも1つにまとめる予定と書かれています。研修の教材に貼った画面の写しや入口の説明は、製品を替えなくても古くなるということです。

この2つが重なると、製品ごとの操作を中心に組んだ研修は、作った翌年には半分が使えなくなります。部門ごとに配る製品が違えば、同じ中身の研修を製品の数だけ作り、それぞれを別々に直し続けることになります。研修の担当が1人か2人の会社では、ここで回らなくなります。

製品別に作った研修が、半年で古くなる理由

製品ごとに作った研修が古くなるのは、中身が悪いからではありません。製品の側が、研修の改訂より速く変わるからです。機能の置き場所が変わる、ボタンの名前が変わる、できることが増える、料金の区分が変わる。どれも提供元の都合で起き、利用する会社の側では時期を選べません。

古くなり方にも差があります。いちばん速く古くなるのは画面の写しと操作の手順で、次がその製品でできることの一覧です。一方で、社外秘の情報を入れない、出てきた答えを根拠と照らしてから使う、といった中身は、製品が替わっても書き換える必要がありません。ところが製品別の研修では、この2種類が同じ資料の同じ章に混ざっています。画面の写しを直すつもりで資料を開くと、隣にある規程の説明まで読み直すことになり、改訂の手間が膨らみます。

さらに困るのは、古い部分と古くない部分が見分けにくいことです。受講者は、画面が違うと気づいた時点で資料全体を疑います。画面が1枚古いだけで、正しい規程の説明まで信用されなくなる。製品別の研修の弱さは、作り直しの手間よりも、この信用の落ち方にあります。

製品が替わっても残るもの:任せる範囲・確認の手順・業務の切り方

製品が替わっても残る中身は、大きく3つです。1つ目は任せる範囲で、どの仕事のどの部分をAIに下書きさせ、どこから人が決めるかという線です。2つ目は確認の手順で、出てきた答えのどこを、何と照らして、誰が確かめるかです。3つ目は業務の切り方で、1つの仕事をAIに渡せる大きさの作業に分けるやり方です。

この3つは、使う製品がコパイロットでもジェミニでも同じ説明で通じます。たとえば「顧客に出す文書の数字は、必ず元の資料の数字と1つずつ照らす」という確認の手順は、どの製品で下書きしても変わりません。研修の中で、受講者の仕事を実際に変えるのはこちらの側です。操作は使っているうちに覚えますが、確認の手順は誰かが決めて教えないと身につきません。

ここに自社の規程も入ります。入力してよい情報の区分、社外に出す前の承認の流れ、記録の残し方は、製品ではなく会社が決めるものです。製品が変わっても書き換えない中身を先に1つの束にしておくと、どの製品を配る部門にも同じものを配れます。研修全体の中身をどう決めるか、何を項目に入れるかの詳しい手順は、別の記事で6つの工程と6つの柱として整理しています。

線の引き方:その単元は、別の製品でも同じ説明で通じるか

操作研修と共通研修の境目は、単元ごとに1つの問いで判定できます。その単元の説明を、製品の名前だけ差し替えて別の製品の受講者に配ったら、そのまま通じるか。通じるなら共通の側、通じないなら操作の側です。説明の中に画面の写し、ボタンの名前、その製品だけの機能名が出てきたら、操作の側に置きます。

迷いやすいのは、指示の書き方の単元です。「目的・前提・出力の形を分けて書く」という型は、どの製品でも通じるので共通の側に置けます。一方、その製品に登録しておける定型の指示や、社内の文書を読み込ませる操作は製品ごとに違うので、操作の側です。1つの単元の中に両方が混ざっていたら、単元を2つに割るのが原則です。割った片方が短すぎるなら、操作の側は手順書1枚に落とします。

判定は研修の担当1人で抱えず、製品を実際に使っている部門の人と一緒に、単元の一覧を読み上げながら行います。共通の側に置いたつもりの単元に、特定の製品でしか動かない手順が紛れ込んでいることがよくあるからです。逆に、操作の側に置いた単元の中に、実は規程の説明が入っていることもあります。

単元ごとの切り分け表

代表的な単元を、製品に依存するか、作り直しの頻度、誰が作るかで並べると、次のようになります。会社によって単元の名前や細かさは違いますが、依存する列が「する」の単元ほど、作り直しの頻度が高く、作り手を社内に置く理由が薄いという傾向は共通です。

単元製品に依存するか作り直しの頻度誰が作るか
入力してよい情報と、入れてはいけない情報しない規程を改めたとき情シスと法務が決め、研修の担当がまとめる
答えの確かめ方と、人が確認する範囲しない業務の手順を改めたとき業務の持ち主と研修の担当
業務をAIに渡せる大きさに分けるしない題材の業務が変わったとき業務の持ち主
指示の書き方の型ほとんどしない年に1回の見直し研修の担当
画面の入口と基本の操作する画面が変わるたび提供元の講座を基本に、差分だけ社内で補う
その製品だけの機能(定型の登録、文書の読み込み、会議の要約など)する機能が増える・変わるたび製品を使う部門の推進役
社内の設定で使える範囲(使えない機能、つながる先)する社内の設定を変えたとき情シス

表の下の3行が操作研修、上の4行が共通研修の中身になります。最後の行は製品に依存しますが、提供元の講座には書かれていません。社内で何を止めているか、何につながるかは自社にしか書けないので、操作の側でありながら社内で作る単元です。ここを提供元の講座に任せると、受講者は講座で見た機能が社内では使えず、混乱します。

共通研修は、製品の名前を出さずに書く

共通研修の教材を作るときの決まりは1つです。本文に製品の名前を出さない。例を示すときも「事務系の製品に組み込まれたAI」「対話型のAI」のように役割で書き、画面の写しは使いません。こうしておけば、製品が替わっても共通研修の教材は1文字も直さずに使えます。

演習の題材も同じ考え方で作ります。題材は自社の業務の実物から作りますが、指示や答えの例は、どの製品で試しても似た結果になるものを選びます。受講者には、自分に配られた製品で同じ題材を試してもらいます。同じ題材を、部門ごとに違う製品で解く形になるので、研修の場で製品ごとの得手不得手が自然に見えてくるという副産物もあります。

ただし、製品の名前を消しすぎて抽象的になると、受講者は自分の画面でどうすればいいか分からなくなります。そこで共通研修の各単元の末尾に、「この単元の操作は、操作研修の何番を見てください」という参照を1行だけ置きます。共通研修から操作研修への道は1行の参照でつなぐ。中身は混ぜません。

操作研修は、短く薄く、差し替えやすく作る

操作研修は、作り直す前提で作ります。1つの単元は1つの操作だけを扱い、長さは手元で試す時間で決めます。画面の写しを貼るなら、1つの単元に数枚までに抑えます。画面の写しが多いほど、作り直しの手間が増えるからです。説明は「どの画面の、どこから、何をする」を文章で書き、画面の写しは補助にとどめます。

操作研修は集合研修の時間にあまり使いません。集合研修は共通研修に充て、操作は受講者が自分の席で、自分に配られた製品を開いて手順書を見ながら試す形が向いています。短い単元を配って刻む届け方の詳しいやり方は、別の記事で整理しています。

もう1つの工夫は、操作研修の各単元に、確かめた日付と製品の版を書いておくことです。「この手順は何月何日の画面で確かめた」と書いてあれば、受講者は画面が違っていても資料全体を疑わずに済みます。研修の担当の側も、どの単元が古くなっている可能性が高いかを日付で並べて見られるので、改訂の順番が決めやすくなります。

提供元の講座に任せる範囲

操作研修のうち、画面の入口と基本の操作は、提供元の講座に任せられる部分が多くあります。オープンAIは学習サイトで、働く人向けに指示の出し方と見直しの習慣をつける講座、組織のリーダー向けに導入を進める講座など、対象別の柱を公開しています。マイクロソフトは導入支援のサイトで、利用者の立ち上げと技術準備のための資料集、業種や職種ごとの使い方の例、講師つきの短い研修を案内しています。グーグルも、業務用の文書や表計算の中でジェミニを使う学習の道筋を自社の学習サイトに置いています。

提供元の講座の強みは、製品が変わったときに提供元の側で直してくれることです。画面の変化に追いつく作業を、提供元に肩代わりしてもらえると考えると、社内の研修の担当が手を入れる範囲を大きく減らせます。基本の操作の単元は、社内で作らずに提供元の講座の該当部分を指定するだけにしてもかまいません。

任せるときは、講座の名前と中身、対象、料金や受講の条件を、受講者に案内する前に提供元の公式ページで確かめます。提供元の講座は名前も中身も入れ替わりが速く、以前に案内した講座がなくなっていることもあります。案内するのは講座の名前だけでなく、どの単元のかわりにどの講座を受けるかの対応です。この対応表も操作研修の一部として、改訂の対象に入れておきます。

提供元の講座では足りない部分

提供元の講座がどれだけ充実していても、書かれていないことがあります。1つは自社の規程です。入力してよい情報の区分、社外に出す前の承認、記録の残し方は、提供元には分かりません。2つ目は社内の設定です。管理者が止めている機能、つないでいない社内の仕組みは、講座の画面と自社の画面の差になって表れます。3つ目は自社の業務の題材です。講座の例は一般的な文書や会議で、自社の見積書や報告書ではありません。

この3つは、ちょうど共通研修と、操作研修の最後の行に当たります。つまり提供元の講座で足りる範囲と、社内で作る範囲の線は、切り分け表の線とほぼ重なるということです。共通研修を社内で作り、操作研修の大半を提供元に任せ、社内の設定の差分だけを社内で補う。これが、研修の担当が少ない会社でも回る組み方です。

ただし、この線を引くのはAIでも提供元でもなく、自社の規程を知っている担当者です。提供元の講座で足りるかどうかの判断は、人が講座を実際に受けてから決めるのが確実です。講座の目次だけを見て任せると、肝心の確認の手順が講座では一般論で済まされていた、ということが起きます。

複数の製品を配る会社の組み方

部門ごとに違う製品を配る会社では、研修を「共通研修1本と、製品ごとの操作研修」の組で作ります。全員が共通研修を受け、そのあと自分に配られた製品の操作研修だけを受けます。受講者が受けるのは、共通1本と自分の製品の差分だけです。他の部門の製品の操作まで覚える必要はありません。

共通研修の集合の回は、部門を混ぜて行うのが向いています。同じ題材を違う製品で試した結果を並べると、「この製品は表の扱いが得意」「こちらは長い文書の要約が速い」といった違いが受講者の言葉で出てきます。こうした気づきは、どの製品を誰に配るかを次に決めるときの材料にもなります。ただし、配る製品の決定そのものは研修の場ではなく、情シスとAI推進の側で行います。

気をつけたいのは、1人が2つ以上の製品を使う場合です。事務系の製品に組み込まれたAIと、別の対話型のAIを両方配られている人は、どちらで何をするかの線で迷います。この線は研修で教えるより先に、会社として業務ごとの使い分けを決めて文書にしておく必要があります。研修はその文書を配って説明する場で、使い分けを受講者に決めさせる場ではありません。

製品ごとの差分の洗い出しに、AIをどこまで使うか

操作研修を製品ごとに作るときは、まず製品ごとの差分を洗い出します。同じ単元、たとえば「社内の文書を読み込ませて要約させる」が、製品ごとにどう違うかを並べる作業です。差分の表は、行に単元、列に製品を置き、各マスに「その製品での入口と手順」と「その製品で使えない場合の代わりのやり方」を書く形にすると、受講者は自分の製品の列だけを読めば済みます。この洗い出しの下書きや、操作手順の教材の下書き、演習の題材案づくりは、AIに任せると速く進みます。

ただし、AIに作らせた製品ごとの機能の比較を、そのまま教材にしてはいけません。AIの知っている製品の情報は、学習した時点のものか、検索で拾った二次情報です。機能の名前や置き場所、使える条件は版によって変わり、AIの答えが今の画面と合っている保証はありません。下書きには必ず、どの情報をもとに書いたかを書かせ、根拠の分からない行は消します。

確かめる作業は人が行います。洗い出した差分の1行ずつを、自社に配った製品の実際の画面と、提供元の公式の説明で照らします。確かめた人の名前と日付を各行に残すと、次の改訂のときにどの行から見直せばよいかが分かります。AIは下書きを速くする役で、正しさの責任は確かめた人が持ちます。

乗り換え・追加のときに、研修の資産をどう残すか

製品を乗り換えるときや、新しい製品を追加するときに、切り分けて作った研修の効き目がはっきり出ます。共通研修はそのまま使い続け、作り直すのは新しい製品の操作研修だけです。乗り換えの研修は、共通研修のおさらいと新しい操作研修の組で済むので、全員に一から研修を受け直させる必要がありません。

残すべき資産は、共通研修の教材だけではありません。演習の題材、受講者が研修で作った指示の型、確認の手順の書式も、製品に依存しない形で書いてあれば次の製品でも使えます。逆に、古い製品の操作研修は、乗り換えが終わったら一覧から外します。古い操作の手順書を残しておくと、受講者が間違って開くからです。外した教材は保管しておき、必要なら参照できるようにだけしておきます。

乗り換えでは、指示の型がそのまま新しい製品で同じように効くとは限りません。製品の切り替えで何が壊れるかの点検は別の記事で扱っているので、研修の側では、指示の型を新しい製品で試し直し、効き方が変わった型には注記を付けて配り直す、という作業を乗り換えの段取りに組み込んでおきます。

研修の修了を、利用の許可とどう結びつけるか

製品ごとに研修を分けると、もう1つ決めることが出てきます。研修の修了を、製品を使う許可の条件にするかどうかです。条件にする場合も、共通研修の修了で全製品の利用を許すのか、製品ごとの操作研修の修了でその製品の利用を許すのか、の2通りがあります。

この判断は研修の担当ではなく、会社が決めるものです。共通研修の修了を条件にすれば、規程と確認の手順を知った人だけが使う形になり、事故の芽を早く摘めます。一方、操作研修まで条件にすると、新しい製品を配るたびに研修が終わるまで使えない期間ができます。どちらを選ぶかは、扱う情報の重さと、利用を急ぐ事情の兼ね合いで、情シスとAI推進の責任者が決めます。

実務では、共通研修の修了を利用の条件にし、操作研修は使い始めてから受けてもよいとする組み方が回しやすいことが多いです。マイクロソフトの導入の手引きも、利用の権利を割り当てたあとに歓迎の連絡を送り、その中で研修の案内を出す流れを示しています。資格や認定を研修の到達点に置く考え方は、別の記事で整理しているので、ここでは修了と利用許可の関係だけにとどめます。

改訂の周期と持ち主を決める

切り分けて作っても、改訂の持ち主が決まっていなければ、操作研修は古いまま残ります。改訂は単元ごとに持ち主と周期を決め、共通研修と操作研修で、改訂の周期も持ち主も分けるのが基本です。次の手順で決めていきます。

STEP1
単元の一覧に持ち主の欄を足す

切り分け表の単元ごとに、改訂の持ち主を1人ずつ書く。共通研修は研修の担当と業務の持ち主、操作研修は製品を使う部門の推進役、社内の設定の単元は情シスに置く。持ち主の決定は部門長の了承を取る。

STEP2
周期を決める

共通研修は年1回の見直しと、規程を改めたときの随時の改訂。操作研修は四半期に1回、提供元の更新情報を見て画面と手順が合っているかを確かめる。

STEP3
提供元の更新情報を受け取る人を決める

製品ごとに、提供元の更新情報やお知らせを読む人を1人置き、研修に関わる変化があれば操作研修の持ち主に知らせる。

STEP4
改訂の下書きをAIで作り、人が確かめる

変更点に合わせた手順書の書き換えの下書きはAIに任せてよい。ただし実際の画面で操作して確かめ、確かめた日付と版を単元に書き込むのは持ち主が行う。

STEP5
受講者に知らせる

改訂した単元の一覧を、変わった点だけ短く書いて利用者に知らせる。全員に研修を受け直させるのは、共通研修の規程が変わったときに限る。

この手順で大事なのは、操作研修の改訂を研修の担当1人に集めないことです。製品を毎日使っている部門の推進役のほうが、画面の変化に早く気づきます。研修の担当は、改訂が周期どおりに回っているかを見る役に回ります。

よくある崩れ方

切り分けて作ったつもりでも、運用の中で線が崩れていくことがあります。よく見かけるのは次のような崩れ方です。

  • 新しい製品を配るたびに、前の製品の研修資料を複製して画面の写しだけ差し替える。共通の部分が製品ごとに少しずつ書き換わり、規程の説明が製品ごとに食い違う
  • 共通研修に、説明をわかりやすくするために特定の製品の画面の写しを足していく。1年後には共通研修が実質その製品の操作研修になっている
  • 提供元の講座を受けさせただけで研修を終える。講座で見た機能が社内では止められていて使えず、受講者が使うのをやめる
  • AIに作らせた製品ごとの機能の比較表を、確かめずにそのまま配る。版が変わって存在しない機能が載ったまま残る
  • 操作研修の改訂を研修の担当1人に任せ、半年以上だれも画面を確かめていない

どの崩れ方も、最初の切り分けを決めた人がいなくなったときに起きやすくなります。切り分けの決まりを1枚の文書にして、研修の担当が替わっても引き継げる形にしておくことが、崩れを防ぐいちばん確かな手です。共通研修に製品の名前を出さない、操作研修には確かめた日付を書く、の2つだけでも文書に残しておけば、線は保ちやすくなります。

研修を組む前のチェックリスト

製品別か共通かで研修を組み直す前に、次の項目が決まっているかを確かめます。上の4つは研修の外で人が決めることで、研修の担当だけでは決められません。決まっていない項目があれば、研修の設計より先にそちらを片付けます。

  • どの製品を、どの部門の誰に配るか(情シスとAI推進の責任者が決める)
  • 研修の修了を利用の許可の条件にするか、するなら共通研修か製品ごとか(会社が決める)
  • 提供元の講座で足りる範囲と、社内で作る範囲の線(自社の規程を知る担当者が講座を受けてから決める)
  • 教材の改訂の持ち主と周期(単元ごとに1人。部門長の了承を取る)
  • 単元の一覧を、製品に依存する単元と依存しない単元に分けたか
  • 共通研修の本文から、製品の名前と画面の写しを除いたか
  • 操作研修の各単元に、確かめた日付と製品の版を書いたか
  • 社内の設定で止めている機能とつながる先を、操作研修の単元にしたか
  • 1人で複数の製品を使う人向けに、業務ごとの使い分けを文書にしたか

このうち、最初の項目が決まらないまま研修を組み始めるのがいちばん危ないパターンです。配る製品が決まらないうちに操作研修を作ると、決まった製品が違ったときに丸ごと作り直しになります。製品が決まる前でも作れるのは共通研修のほうなので、迷っている間は共通研修から手を付けます。

まとめ

AI研修を製品別に分けるかどうかは、二択で決めるものではありません。製品の操作は、製品が替わったり名前や画面が変わったりするたびに作り直しになりますが、任せる範囲・確認の手順・業務の切り方は製品が変わっても残ります。研修はこの境目で切り、共通研修は製品の名前を出さずに社内で作り、操作研修は短く薄く作って提供元の講座に任せられる範囲は任せます。そうすれば、製品が増えても替わっても、作り直すのは操作研修だけで済むようになります。教材や差分の下書きはAIに任せてかまいませんが、どの製品を誰に配るか、修了を利用許可の条件にするか、提供元の講座で足りる範囲、改訂の持ち主は人が決めます。まずは手元の研修資料の単元を一覧にし、それぞれが別の製品でも同じ説明で通じるかを1行ずつ判定するところから始めてください。

  • 提供元の講座の記述は、オープンAIの学習サイト、マイクロソフトの導入支援の手引き(2026年9月更新)、グーグルの学習サイトの公開情報を2026年10月6日に確かめた範囲に基づきます。講座の名前・中身・受講の条件は変わることがあるため、案内する前に各社の公式ページを確かめてください
  • 製品の名前の移り変わりは、マイクロソフトの公式サポートの案内に基づきます
  • 単元の切り分け方、改訂の周期、修了と利用許可の組み方は、研修を設計するときの考え方の一例です。実際の運用は、自社の規程と情シスの判断に従ってください

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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