ハイパーケアに入れるべき項目一覧|AIを配った直後の支え方

ハイパーケアに入れるべき項目一覧|AIを配った直後の支え方

「AIを全社に配った翌週から、問い合わせが一気に来た。どれから手をつければいいのか分からない」「導入支援の会社にハイパーケアを提案されたが、何週間置けばいいのか決められない」。展開を担う情シスやAI推進の担当者から、繰り返し聞かれる2つの声です。期間の長さに迷うのは無理もありません。IT用語辞典でも、ハイパーケアの期間は「短い場合は数日、一般には数週間程度、長い場合は数か月」とされ、決まった長さはないからです。期間は、先に週の数で決めるものではありません。本当は、終わらせる条件を先に決め、その条件がそろった日に終えるものです。この記事では、AIを配った直後のハイパーケアに入れる項目を、受け付けの分け方、毎日の点検、直す順番、通常の窓口へ戻す条件の順に整理します。


カメ先生カメ先生

ハイパーケアは、本番で使い始めた直後だけ、支援を厚くする期間のことなんだ。AIの場合は、止まっていないのに答えが外れる、という報告が混ざるのが普通のシステムと違うところだよ。


カメ子カメ子

動いているのに問い合わせが来る、ということですか。


カメ先生カメ先生

そう。不具合と答えの外れと使い方の相談と設定の要望が、同じ窓口に一緒に届く。だから最初に受け付けを分けて、重さを人が決める仕組みを置くんだ。


カメ子カメ子

期間を区切るのは、支援をいつまでも厚くしておけないからなのでしょうか。


この記事のポイント
  • ハイパーケアは展開直後に支援を厚くする期間。長さは週で決めず、件数・重い報告の残り・同じ相談の割合で終わらせる条件を先に書く
  • AIの報告は「不具合」「答えの外れ」「使い方の相談」「設定の要望」の4つに分けて受け、効く範囲の広い所から直す
  • 仕分けの下書き・同じ報告の束ね・日次のまとめはAIに任せ、重さの判定・直すかどうか・終わらせる判断は人が決める

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目次

ハイパーケアとは、期間を区切った集中支援のこと

ハイパーケアは、システムや製品を本番で使い始めた直後に設ける、集中的な支援の期間を指す言葉です。IT用語辞典では、移行の後に起きやすいトラブルに素早く対応するための特別な支援体制と説明されています。担当者が待機してすぐ対応できる体制、問い合わせ窓口の受付時間の延長、障害対応の優先度の引き上げ、使う人への操作の説明などが含まれます。

期間の長さは、同じ辞典で「短い場合は数日、一般には数週間程度、長い場合は数か月」とされています。つまり、期間の長さに業界の決まりはありません。規模や複雑さで変わるという説明は、言い換えれば、何週間と先に決めても、その数字に根拠を付けにくいということです。

もう1つ大事なのは、期間中に記録を取ることです。同じ説明では、稼働の状況や起きた問題を記録して分析し、再発を防ぐ手立てと、通常の運用への引き継ぎの資料を並行して整えることが多いとされています。ハイパーケアは、支援を厚くする期間であると同時に、通常の運用へ渡す材料を集める期間でもあります。

この記事が扱うのは、社内の対話AI、社内の文書に答えるAI、業務に組み込んだAIエージェントを、全社や部門に配った直後の期間です。配る前の設定や、配った後に使われるかどうかの打ち手には入りません。導入後にいったん生産性が下がる形の読み方は、別の記事「AI導入後のJカーブとは?」で整理しています。

  • 期間の定義と長さの幅は、IT用語辞典の「ハイパーケア」の説明に基づいています
  • 導入支援の会社と契約する場合は、ハイパーケアの範囲と終わらせる条件を、契約の段階で書面にしておきます

AIを配った直後は、普通のシステムと3つの点で違う

普通の業務システムの立ち上げでは、届く報告の多くは「画面が開かない」「数字が合わない」といった、再現できる不具合です。直せば直ったと確かめられます。AIを配った直後は、ここが3つの点で変わり、受け付けと点検の組み方もそれに合わせる必要が出てきます。

1つ目は、動いているのに答えが外れるという報告が出ることです。同じ質問でも答えが毎回少しずつ変わるため、報告した人の画面で起きたことを、担当者がそのまま再現できないことがあります。壊れているのか、その質問には向いていないのかを、報告の文面だけでは決められません。

2つ目は、使い方の相談が不具合の報告に混ざることです。「使えない」という報告の中身を聞くと、指示の書き方が短すぎた、読ませたい文書を選んでいなかった、という使い方の話であることが少なくありません。逆に、使い方の相談に見えて、実は権限の設定の漏れだったということもあります。

3つ目は、提供元の更新で振る舞いが変わることです。クラウドで提供されるAIは、提供元が中のモデルや機能を入れ替えます。自社が何も変えていないのに、昨日までと違う答えが返ることが、ハイパーケアの期間の中でも起こりえます。自社の変更の記録と、提供元の更新の記録を並べて見る仕組みが要るのはこのためです。

項目1:期間の長さではなく、終わらせる条件を先に決める

ハイパーケアの計画で最初に決めるのは、何週間置くかではなく、何がそろったら終わるかです。週の数だけを決めると、期限の日に重い報告が残っていても終わってしまうか、だらだらと延びて担当者が通常の業務に戻れなくなるかの、どちらかになりがちです。

終わらせる条件は、数えられる形で書きます。代表的なのは3つです。1日あたりの新しい報告の件数が決めた水準を下回って続いていること、業務が止まる重さの報告が残っていないこと、届く相談のうち同じ内容の繰り返しが決めた割合を下回ったこと、です。水準の数字そのものは、展開の規模と最初の1週間の件数を見てから決めてかまいません。最初に決めておくのは、どの数字で判断するかです。

条件に加えて、延ばす条件と、利用を止める条件も書いておきます。延ばすのは、重い報告が期限の目安までに片づかないときや、提供元の大きな更新が期間の中に入ったときです。利用を止めるのは、AIの使用そのものを見合わせる判断で、ハイパーケアの担当者ではなく、導入を決めた責任者が下します。

終わらせる条件を書いた紙には、判断する人の名前も入れます。条件を満たしたかを数字で確かめるのは担当者でも、終わりを宣言するのは責任者です。終わらせる判断をAIのまとめに任せず、人が数字を見て決めることを、計画の段階で書き込んでおきます。

項目2:受ける人・直す人・決める人を分け、名前で置く

ハイパーケアの体制は、役割を3つに分けると決めやすくなります。報告を受けて仕分ける人、設定や文書を直す人、重さと対応を決める人です。小さな展開では1人が2つを兼ねてもかまいませんが、決める人だけは受ける人と別に置き、判断が窓口の忙しさに引きずられないようにします。

受ける人は、問い合わせ窓口の担当者や、部門ごとに置いた相談役が担います。部門の相談役は、その部門の業務を知っているので、使い方の相談か本当の不具合かを最初に切り分けやすい立場です。部門ごとに1人ずつ、期間中だけ時間を割ける人を、上長の了解をとって決めておきます。

直す人は、AIの管理画面の設定、読ませる文書、指示のひな形、権限を触れる人です。情シスのほかに、読ませる文書の持ち主(規程なら総務、手順書なら各部門)を必ず含めます。文書の中身が古いことが答えの外れの原因なら、正しく直せるのは文書の持ち主だけだからです。

決める人は、導入の責任者か、その人から任された人です。報告の重さ、直すか見送るか、利用者に一部の使い方を止めてもらうかを決めます。提供元や導入支援の会社と契約している場合は、その窓口と、問い合わせてから返事が来るまでの目安も、次の表と同じ紙に書き込みます。

役割担う人の例期間中にすること
受ける・仕分ける窓口の担当者、部門の相談役報告を4つの種類に分け、書式の抜けを聞き返す
直す情シス、読ませる文書の持ち主設定・文書・ひな形・権限を直し、直した日と中身を記録する
決める導入の責任者、任された人重さの判定、直すか見送るか、使い方を止めるか
外の窓口提供元、導入支援の会社製品の不具合の確認、更新の予定の確認

項目3:報告を4つの種類に分けて受け付ける

AIを配った直後に届くものを、まとめて「問い合わせ」と呼ぶと、扱いが決まりません。受け付けの段階で、不具合、答えの外れ、使い方の相談、設定の要望の4つに分けます。分けておけば、誰に回すか、どれくらい急ぐかが種類ごとに自然に決まります。

不具合は、開けない、つながらない、権限があるはずの文書が読めない、といった、誰が試しても同じことが起きるものです。普通のシステムと同じく、再現の手順を集めて直します。答えの外れは、動いているが答えが事実と違う、古い規程を根拠にしている、といったもので、原因は文書、設定、使い方、製品のどこにもありえます。

使い方の相談は、指示の書き方や、どの機能を使えばよいかの質問です。相談は直す対象ではなく、案内と事例集で返す対象です。設定の要望は、読ませる文書を増やしてほしい、この部門にも機能を開いてほしい、という変更の依頼で、期間中にすぐ応じるか、通常の変更の手続きに回すかを決める人が選びます。

1件の報告に2つの種類が混ざることもあります。「答えが違う」という報告をよく聞くと、読ませる文書を選んでいなかった、という場合です。このときは、まず使い方の相談として返し、同じことが別の人から続くなら、画面の初めの案内を直す対象に格上げします。1件ずつの扱いより、同じ形が何件続くかで直す対象を決めるのが、AIの報告の受け方のこつです。

項目4:報告の書式を決め、確かめられる形で受け取る

答えの外れは、報告の書き方しだいで、調べられるかどうかが決まります。「変な答えが出た」だけでは、担当者は何も確かめられず、聞き返しの往復で1件に何日もかかります。期間の初日から、報告の書式を決めて配っておきます。

書式に入れる項目は多くなくてかまいません。入れた指示の全文、返ってきた答え、本来はどうあるべきだったか、日時、使った機能や読ませた文書の5つです。画面の写しを添える欄もあると、担当者の聞き返しが減ります。部門の相談役が最初に受けるなら、この5つがそろっているかを見てから窓口へ回してもらいます。

気をつけたいのは、報告の中に個人情報や取引先の情報が入りやすいことです。答えの外れを伝えるために、顧客の名前を含む指示文をそのまま貼る人がいます。報告の置き場所の閲覧範囲を絞るか、報告の前に固有の名前を伏せてもらう決まりを、書式の先頭に1行入れておきます。

書式は、対話AIの画面の中に報告用の入口があれば、それを使うのが手軽です。製品によっては、答えごとに良い・悪いを付ける機能があります。ただし、その記録が誰にどこまで見えるかは製品ごとに違うため、社内で集めて見られる記録かどうかを、管理画面で確かめてから使うようにします。

項目5:重さを3段階に分け、判定は人がする

4つに分けた報告には、重さの段階を付けます。段階は3つで足ります。業務が止まるか、間違った答えがそのまま社外に出るおそれがあるもの。業務は回るが手間が増えているもの。不便だが待てるもの、です。段階の名前と例を、受ける人が迷わないように1枚にまとめておきます。

AIならではの重い報告は、答えの外れが外に出る場面です。顧客への返信の下書きに誤った条件が入った、社外向けの資料に古い価格が載った、といった報告は、1件でも最上位に置きます。件数の多さと重さは別の物差しで、少ない件数でも外に出るものが先です。

段階の判定は、決める人が行います。AIに報告を読ませて重さの見立てを下書きさせることはできますが、その見立てに根拠(どの文言から重いと判断したか)を添えさせ、決める人が確かめてから段階を確定させます。報告の文面が穏やかでも、中身が重いことがあるからです。

最上位の報告が出たときの動き方も、先に決めておきます。決める人への連絡の手段、利用者への注意の出し方、必要なら機能の一部を止める手順です。止める権限を誰が持つかを、期間の初日までに名前で決めておくと、夜や休日に重い報告が出ても、担当者が判断を抱え込まずに済みます。

項目6:毎日の点検で見る数字を固定する

ハイパーケアの期間中は、毎日同じ時刻に、同じ数字を見る点検を置きます。見る数字が日によって変わると、増えたのか減ったのかが分からなくなります。点検は短くてよく、15分ほどで終わる形を目指します。

見る数字は、新しく届いた報告の件数を4つの種類ごとに、残っている報告の件数を重さごとに、同じ内容の繰り返しの割合、の3つです。ここに、AIの利用の記録から読める、使った人の数と使われた回数を添えます。報告が減っても使う人まで減っていれば、落ち着いたのではなく離れただけだからです。

もう1つ、提供元の更新の告知を見る時間を、点検の中に入れておきます。管理画面のお知らせと、提供元の更新の案内を、点検のたびに1回見ます。答えの外れが急に増えた日に、提供元の更新が重なっていないかを、その場で確かめられるようにするためです。

点検の結果は、その日のうちに関係者へ短く流します。数字の変化、新しく出た重い報告、直したこと、明日までに決めることの4行で足ります。この4行を毎日続けた記録が、終わらせる条件を満たしたかを判断する材料になり、通常の窓口へ渡す資料の土台にもなります。

項目7:同じ報告の束ねと日次のまとめは、AIに任せる

期間の前半は、報告の件数が多くなりがちです。1件ずつ人が読んで、同じ内容かどうかを見比べるのは手間がかかります。ここは、AIに任せやすい仕事です。届いた報告の一覧を読ませ、同じ原因と思われるものを束ねて、束ごとの件数と代表的な文面を出させます。

束ねるときは、AIに束ねた根拠を書かせます。どの言い回しが共通しているか、どの文書や機能の名前が共通しているかを、束ごとに1行で添えさせます。根拠の書けない束ねは採らず、人が読み直すと決めておくと、別の原因の報告がまとめて片づけられる事故を防げます。

日次のまとめの下書きも任せられます。点検の数字と、その日に束ねた結果を渡し、前の日との違いと、新しく出た束を書き出させます。ただし、まとめに書かれた「落ち着いてきた」「問題は少ない」といった評価の言葉は、人が数字で確かめてから流します。AIのまとめは、文面がもっともらしくても、数字の読み違いを含むことがあるからです。

報告の4つへの仕分けも、AIに下書きさせてかまいません。仕分けの候補と、そう分けた理由を出させ、受ける人が確かめて確定させます。なお、仕分けや束ねに使うAIに社内の報告の中身を渡してよいかは、配ったAIと同じ扱いの決まりで判断し、報告の置き場所の閲覧範囲の外へ持ち出さないようにします。

項目8:直す順番は、効く範囲の広い所から

束ねた報告のうち、何から直すかは、件数だけでなく、直したときに効く範囲で決めます。AIの答えの外れには直す場所がいくつかあり、場所によって効く範囲と手間が違います。目安の順番を手順にしておくと、毎回の議論が短くなります。

STEP1
権限と設定を確かめる

読めるはずの文書が読めない、部門によって使える機能が違う、といった報告は、管理画面の設定の漏れから確かめます。直せば全員に効きます。

STEP2
読ませる文書を直す

古い規程が残っている、同じ内容の文書が2つある、という場合は、文書の持ち主が直すか外します。答えの外れの根が文書なら、ここで多くが止まります。

STEP3
指示のひな形と初めの案内を直す

使い方の相談が同じ形で続くなら、画面の最初の案内や、配ったひな形の書き方を直します。

STEP4
使わない用途を周知する

向いていない使い方は、直すのではなく「この用途には使わない」と全員に知らせます。

STEP5
提供元に問い合わせる

自社の設定と文書で説明がつかない外れは、報告の書式の5項目をそろえて提供元へ回します。

この順番にするのは、製品の振る舞いそのものは、自社では直せないことが多いからです。自社で直せる設定、文書、案内を先に片づけると、提供元に回すべき報告だけが残り、問い合わせの中身も具体的になって返事が早くなります。

直すたびに、何をいつ変えたかを記録します。設定の変更、文書の差し替え、ひな形の書き換えが同じ日に重なると、どれが効いたのか分からなくなります。1日に変えるものを絞り、変えた翌日の報告の件数で効いたかを見ると、次に同じ報告が来たときの判断が速くなります。

直すか見送るかの判断は、決める人がします。直す手間が大きいのに効く範囲が狭いもの、提供元の次の更新で変わる見込みのものは、見送って周知で済ませる選択もあります。見送ったものは理由と一緒に一覧に残し、通常の窓口へ渡します。

項目9:提供元の更新と、自社の変更を同じ表に並べる

AIの答えの外れが急に増えたとき、原因が自社の変更か提供元の更新かを切り分けられないと、直す場所を間違えます。期間中は、自社の変更の記録と、提供元の更新の告知を、日付で並べた1枚の表にしておきます。

自社の変更の欄には、設定の変更、文書の追加と差し替え、ひな形の書き換え、権限の変更を書きます。提供元の欄には、管理画面のお知らせや更新の案内に出た、機能の追加、既定の値の変更、中のモデルの入れ替えを書きます。報告の件数の推移を同じ表に並べると、どの日の変化で外れが増えたかが目で追えます。

提供元の更新は、告知の時期と、実際に自社の環境に届く時期がずれることがあります。告知が出たら、届いたかを管理画面で確かめる担当を決め、届いた日を表に書きます。届く前に、部門の相談役へ「この日から答え方が変わる可能性がある」と伝えておくと、受け付けが慌てずに済みます。

大きな更新が期間の中に入るとわかったら、終わらせる条件の判断を、その更新の後まで待つことを決める人と合わせておきます。更新の前に落ち着いていた数字が、更新の後に戻ることがあるためです。この判断も、更新の後の数日の数字を見てから、人が決めるようにします。

項目10:直したことを、報告した人と全員に返す

ハイパーケアの期間で見落とされやすいのが、返すことです。報告した人に何も返らないと、次からは報告しなくなり、困ったまま使わなくなります。そうなると、報告が減ったのが落ち着いたからなのか、報告されなくなっただけなのか、区別がつかなくなります。

返す相手は2つに分けます。報告した本人には、受け付けたこと、種類と重さ、直したか見送ったかを返します。全員に向けては、週に1回ほど、よく届いた相談とその答え、直したこと、使わないでほしい用途をまとめて流します。使い方の相談への答えは、1人に返すより全員に流したほうが、同じ相談が減ります。

全員への知らせは、AIに下書きさせてかまいません。束ねた報告と直した記録を渡して、利用者向けの言葉で短くまとめさせます。ただし、使わないでほしい用途や注意の文言は、決める人が言い回しまで確かめます。言い方が弱いと伝わらず、強すぎると使う人が離れるからです。

返した内容は、そのまま事例集の材料になります。よくある相談と答えの組を期間中にためておくと、通常の窓口に移った後の案内や、次に配る部門への説明にそのまま使えます。次の部門に配るときのハイパーケアは、この事例集があるぶん短く終えられることが多くなります。

通常の窓口へ戻す条件と、引き継ぎで渡すもの

終わらせる条件を満たしたかは、毎日の点検の記録で判断します。新しい報告の件数が決めた水準を下回って続いているか、業務が止まる重さの報告が残っていないか、同じ相談の繰り返しの割合が下がったか、の3つを、直近の数日分の数字で確かめます。1日だけ下がった数字では判断しません。

3つがそろっても、一度に全部の支援をやめる必要はありません。たとえば、窓口の受付時間の延長を先にやめ、部門の相談役は少し残す、という段階の付け方があります。どの支援をどの順にやめるかを、終わらせる条件と一緒に書いておくと、終わり方で揉めません。通常の窓口へ渡すものは、次の5点です。

  1. 4つの種類の分け方と、重さの3段階の決め方
  2. 束ねた報告の一覧と、直したこと・見送ったことの記録(理由つき)
  3. よくある相談と答えの組
  4. 自社の変更と提供元の更新を日付で並べた表
  5. 提供元と導入支援の会社の窓口と、問い合わせの手順

渡した後も、通常の窓口が受けたAIの報告を、月に1回ほど決める人が見る場を残しておきます。ハイパーケアを終えても、提供元の更新で振る舞いが変わることは続くからです。期間中に作った4つの分け方と重さの段階は、そのまま通常の運用の決まりとして使い続けます。

ハイパーケアの項目のチェックリスト

ここまでの項目を、始める前、期間中、終わるときに分けて並べます。展開の計画の打ち合わせで、1行ずつ埋まっているかを確かめてください。

始める前に決めること

  • 終わらせる条件を、件数・重い報告の残り・同じ相談の割合の3つの数字で書いた
  • 延ばす条件と、利用を止める判断をする人を決めた
  • 受ける人・直す人・決める人を名前で置き、部門の相談役の時間を上長と合わせた
  • 報告の4つの種類と、5項目の書式を配った
  • 報告に個人情報や取引先の名前を入れない決まりを書いた
  • 重さの3段階と、最上位のときの連絡の手段と止める手順を決めた

期間中に続けること

  • 毎日同じ時刻に、同じ数字を見ている
  • 提供元の更新の告知を、点検のたびに確かめている
  • AIの束ねと日次のまとめの下書きに、根拠を添えさせている
  • 1日に変えるものを絞り、変えた日と中身を記録している
  • 報告した人に返し、週に1回は全員に流している

終えるときに確かめること

  • 3つの数字を、直近の数日分で確かめた
  • やめる支援の順番を決めた
  • 引き継ぎの5点を通常の窓口に渡した
  • 月に1回、決める人が報告を見る場を残した

埋まらない欄があれば、それは期間中に誰かが決めることになり、決める人がいちばん忙しい時期に判断が溜まります。最初の打ち合わせで、空欄のまま始めない項目を決めておくと、期間の前半の混乱を小さくできます。

AIに任せる仕事と、人が決める仕事

ハイパーケアの中でAIに任せやすいのは、量の多い読み取りと書き出しの仕事です。報告の4つへの仕分けの下書き、同じ報告の束ね、日次のまとめと全員への知らせの下書きがそれに当たります。どれも、根拠を添えさせ、人が確かめる前提で使います。

人が決める仕事は3つです。報告の重さの判定、直すか見送るかの判断、終わらせる判断です。この3つは、外れたときに業務や社外への影響が出るので、AIの見立てを参考にしても、決めるのは名前の決まった人です。期間中によくある失敗も、この線が崩れたところで起きています。

  • 期間を「4週間」と先に決め、重い報告が残ったまま終える
  • 報告を全部「問い合わせ」として1つの列で受け、急ぐものが埋もれる
  • 答えの外れの報告に指示文と答えが無く、確かめようがない
  • 設定・文書・ひな形を同じ日に変え、どれが効いたか分からなくなる
  • 提供元の更新に気づかず、自社の文書を直し続ける
  • AIの日次のまとめの「落ち着いた」を、数字を見ずに上へ報告する

失敗の多くは、期間を週の数で決め、数字で終わりを判断しなかったことから来ています。項目を先に決め、毎日同じ数字を見て、人が終わりを決める。この3つを守れば、AIを配った直後の混乱は、通常の運用へ渡す材料に変えられます。

まとめ

ハイパーケアは、AIを配った直後に支援を厚くする期間ですが、長さに決まりはありません。だからこそ、週の数ではなく、新しい報告の件数、重い報告の残り、同じ相談の割合という3つの数字で、終わらせる条件を先に書きます。報告は不具合、答えの外れ、使い方の相談、設定の要望に分けて受け、5項目の書式で確かめられる形にし、重さを3段階で付けます。直すのは設定、文書、案内の順で、提供元の更新と自社の変更は同じ表に並べます。仕分けの下書き、束ね、日次のまとめはAIに根拠つきで任せ、重さの判定、直すかどうか、終わらせる判断は名前の決まった人が数字を見て決める。この分担で集めた記録が、そのまま通常の窓口へ渡す引き継ぎの資料になります。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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