cotomi Agentに操作を覚えさせる|見せて任せる前の線

cotomi Agentに操作を覚えさせる|見せて任せる前の線

「ベテランの操作を一度見せれば、あとはAIが代わりにやってくれるらしい」「操作を見せるだけで覚えるなら、手順書を作る手間はもう要らないのでは」。NECのcotomi Agentの発表を受けて、業務改革や情シスの担当者の間では、こうした期待が広がっています。手作業の転記や申請に追われる現場からすれば、そう受け取りたくなるのは自然なことです。けれど、一度見せれば任せきりにできる、ではありません。本当は、見せる前に誰の操作を・どの画面で・どこまで任せるかを決めてはじめて、覚えた手順が役に立つのです。この記事では、公式の発表で確かめられる範囲を押さえたうえで、受発注の転記、定型の申請、調べ物の3つの場面に沿って、見せて任せる前の線を整理します。


カメ先生カメ先生

cotomi Agentは、ブラウザの上での操作の履歴から手順を読み取って、同じ手順を自分で繰り返すAIエージェントなんだ。チャットで手順を教えてくれるAIと違って、業務システムの画面を実際に操作して、仕事そのものを進めるところが大きな違いだよ。


カメ子カメ子

操作をまねるなら、ベテランが画面の前で迷った理由や、例外のときの判断も一緒に覚えてくれるんですか。


カメ先生カメ先生

発表では、暗黙知を操作の履歴から読み取るとされている。でも、画面に表れない判断の理由まで全部写るとは限らないんだ。だから、何を任せて、どこで人に返すかを、見せる前に決めておく必要があるんだよ。


カメ子カメ子

覚えさせる前に、任せる範囲と返す場面を決める。順番が逆だと困るんですね。


この記事のポイント
  • NEC cotomi Agentは2026年8月に販売が始まった。ブラウザの拡張機能として動き、熟練者の操作を一度見せると手順を再現する。価格は1ユーザー月15,000円(税別)で、専用テナントの利用費が別に要る
  • 見せる前の線は3本。誰の操作を見せるか、どの画面とアカウントで動かすか、止めて人に返す場面を決める
  • AIに任せるのは覚えた手順の実行まで。例外の判断・承認・社外への送信は人が持ち、まず人が見ている前で動かす

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目次

誤解:一度見せれば、あとは任せきりにできる

よくある誤解は、ベテランの操作を一度見せれば、その人と同じ仕事をAIが任せきりでこなせる、というものです。NECの発表には、ベテラン社員の実際の操作を一度示すだけで、その手順を再現した自動実行ができると書かれています。この一文だけを読むと、見せた時点で仕事の引き継ぎが終わるように見えます。

けれど、発表が約束しているのは、手順を再現した自動実行です。ベテランがその手順を選んだ理由や、いつもと違う伝票が来たときにどう判断しているかまで、必ず写し取れるとは書かれていません。画面の上に表れない判断は、操作の履歴にも残らないことがあるからです。

もう一つ見落とされやすいのは、見せた一回が、その業務のすべての場合を代表しているとは限らないことです。受発注の転記なら、ふだんの注文、数量の変更、取り消しでは、画面の進み方が違います。一度見せたのは、たくさんある場合のうちの一つだと考えるほうが、実態に合っています。

誤解を解くと、やるべきことが見えてきます。見せる前に、どの業務のどの場合を見せるのか、見せていない場合が来たらどうするのかを決めることです。この記事の残りでは、その決め方を、発表で確かめられる事実から順に組み立てていきます。

NEC cotomi Agentで確かめられること

まず、公式の発表で確かめられる範囲を押さえます。NECは2026年8月18日、業務を自動化するAIエージェント「NEC cotomi Agent」を、2026年8月からマイクロソフトのマーケットプレイスで販売すると発表しました。まずは日本の市場向けに展開し、その後に海外へ広げるとしています。

販売の条件は、1ユーザーあたり月15,000円(税別)で、別に専用テナントの利用費が必要とされています。専用テナントの利用費の額は、確かめた時点の発表には書かれていません。発表では、ウェブブラウザの拡張機能として簡単に準備でき、すぐに使い始められるとも説明されています。

中核になっているのは、NEC独自のエージェントの技術「コトミ アクト」です。2025年8月27日の発表によると、この技術はブラウザの上の操作の履歴やログから暗黙知を自動で抜き出し、意味や背景まで理解したうえで形式知にするものとされています。その時点では、2026年度中のサービス提供を目指すとされていました。

想定される使い方として、発表には、メールやPDFのような決まった形の無いデータの読み取りから、業務システムへの入力、処理が終わった後のチャットでの関係者への通知までを、ひと続きで自動で進める例が挙がっています。具体的には、経費の精算や受発注の社内システムへの登録、取引先の審査、市場調査の報告書の作成です。

数字の読み方:人を上回る成功率が意味すること

発表では、コトミ アクトがウェブ操作の国際的な評価の物差し「ウェブアリーナ」で、人の成功率78.2パーセントを上回る80.4パーセントを記録したとされています。2025年8月の発表によると、これは公式に人による評価が行われた179の課題で測った値で、従来のAIエージェントは40〜70パーセント前後にとどまっていたとされています。

この数字は技術の高さを示すものですが、業務に置き換えるときは読み方に注意が要ります。80.4パーセントは、裏返せば評価の課題のおよそ5つに1つは、うまくいかなかったということです。人の成功率を上回ったとはいえ、失敗がなくなったわけではありません。

しかも、評価の課題は、通販のサイトや掲示板、地図の検索などを模した環境で作られたものです。発表によると、ページの移動やフォームへの入力、状態の変更といった、長い思考と複雑な操作が求められる課題です。自社の業務システムの画面で、同じ成功率が出るとは限りません。

だからこそ、自社の業務で試すときは、自社の数字を取ります。見せた業務を20件ほど動かし、何件が最後まで正しく終わったか、どこで止まったかを記録します。判断の材料にするのは、発表の数字ではなく、自社の画面で取った数字です。

写るのは手順、写りにくいのは判断の理由

操作を見せて覚えさせる仕組みの強みと限りを、もう少し具体的に見ておきます。発表の説明に沿えば、覚える材料になるのはブラウザの上の操作の履歴とログです。どの画面を開き、どの欄に何を入れ、どのボタンを押したかは、履歴として残ります。手順の骨組みは、見せることでよく写ります。

一方で、ベテランが画面の外でしていることは、履歴に残りにくいものです。取引先に電話で確かめてから数量を直した、紙の控えを見て日付を決めた、前任者のメモを思い出して例外の扱いにした、といった判断は、画面の上では「数字を入れた」という操作にしか見えません。

発表では、覚えた暗黙知を使うことで、あいまいな指示にも、業務の文脈を理解して対応できるとされています。それでも、画面に表れない判断を、自社の業務でどこまで補えるかは、実際に動かして確かめるしかありません。写らない判断が多い業務ほど、人に返す場面を多く決めておくのが安全です。

見せる前に、ベテランに一つだけ頼んでおくと役に立ちます。操作をしながら、画面の外で確かめていることを口に出してもらうことです。その言葉を書き留めておけば、覚えた手順のどこに判断が隠れているかが分かり、人に返す場面を決める材料になります。業務の手順書を作る工程そのものは別の記事で扱っているので、ここでは見せる直前の準備に絞ります。

見せる前の線1:誰の操作を見せるか

最初の線は、誰の操作を見せるかです。発表にある「ベテラン社員の操作」という言葉どおり、速くて間違いの少ない人を選びたくなります。けれど、いちばん速い人の操作が、いちばん覚えさせやすい操作とは限りません。速い人ほど、確認の画面を飛ばしたり、画面の外の知識で近道をしたりしていることがあるからです。

選ぶときの目安は3つです。社内で決められた手順どおりに操作していること、例外が来たときに止まって周りに確かめる人であること、そして操作を見せることに本人が納得していることです。3つ目は特に大事で、自分の仕事がAIに置き換わると受け取られると、協力が得にくくなります。

見せる人には、なぜその人の操作を使うのかを伝えます。手順が正しいから選んだこと、覚えさせた後も例外の判断はその人に返ってくることを、最初に説明しておきます。見せる人は、覚えさせた後も手順の持ち主であり続ける、と位置づけると、手順が変わったときの見直しも頼みやすくなります。

一人の操作だけで決めない工夫もあります。同じ業務を二人に見せてもらい、進み方が違う所を書き出すのです。違いが出た所は、人によって判断が分かれる所です。そこは覚えさせる手順から外し、人に返す場面の候補にします。

見せる前の線2:どの画面とアカウントで動かすか

2本目の線は、覚えさせた手順を、どの画面で、誰のアカウントで動かすかです。cotomi Agentはブラウザの拡張機能として動くと説明されているので、動くのはそのブラウザで開ける画面、つまりその利用者がログインして操作できる業務システムです。ベテランのアカウントでそのまま動かすと、ベテランと同じ権限で操作が進みます。

そこで、動かすアカウントの権限を先に見直します。受発注の転記だけを任せるなら、そのアカウントで開ける画面を転記に要る画面に絞れないかを、業務システムの管理者と確かめます。承認のボタンを押せる権限や、取引先の登録を変えられる権限が付いたままなら、手順が迷ったときにそこまで進んでしまうおそれがあります。

試しの段階では、本番の業務システムではなく、試験用の環境で動かせるかも確かめます。試験用の環境が無い業務では、最初は入力の画面の手前で止まる手順にし、入力の内容を人が見てから確定する形にします。本番の画面で最初に動かすのは、戻せる操作だけにしておきます。

専用テナントでの動き方、操作の記録を誰が見られるか、アカウントごとに使える画面を管理者が絞れるかは、確かめた時点の発表には書かれていません。ここは契約の前にNECへ確かめる項目です。画面操作をAIに任せるときの一般的な段階の分け方は別の記事で扱っているので、ここではこの製品に固有の確認に絞ります。

見せる前の線3:止めて人に返す場面を決める

3本目の線は、覚えた手順の途中で止めて、人に返す場面です。発表では、判断を伴うウェブ上の仕事の流れを、ひと続きで自動で進めるとされています。けれど、どの判断をAIに任せ、どの判断は人に返すかは、使う会社が決めることです。AIに判断させない所を、先に書き出します。

返す場面の候補は、3種類に分けると整理しやすくなります。1つ目は、金額や数量がいつもの範囲を外れたときです。2つ目は、承認や確定のように、押したら戻せない操作の直前です。3つ目は、メールの送信やチャットでの社外への連絡のように、会社の外に何かが出る直前です。

返し方も決めます。止まったときに、どこまで進んだか、なぜ止まったか、何を確かめてほしいかを、担当者に一目で分かる形で知らせてもらいます。発表には、処理が終わった後にチャットで関係者へ知らせる例が挙がっています。同じ仕組みを、止まったときの知らせにも使えないかを試しの段階で確かめます。

返した後に人がした判断は、記録に残します。どんな場合に返ってきて、人がどう判断したかがたまれば、手順を見直すときの材料になります。反対に、人に返る回数が少なすぎるときは、返すべき場面を見落としていないかを疑います。返ってくる回数は、1週間ごとに数えて、試しの記録の表に書き足していきます。数が急に増えた週は、業務の側で何かが変わった合図として、手順の持ち主に知らせます。

シナリオ1:受発注の転記

ここからは、3つの場面で線の引き方を具体的に見ていきます。1つ目は、取引先からメールやPDFで届いた注文を、社内の受発注のシステムに転記する仕事です。発表でも、メールやPDFの読み取りから業務システムへの入力、通知までをひと続きで進める例が挙がっています。件数が多く、手順が決まっているので、最初に試す業務の候補になりやすい場面です。

見せる操作は、ふだんの注文を一件転記する流れです。メールを開き、PDFの注文書から品番と数量と納期を読み、システムの注文の画面に入れ、保存する。この流れを、手順どおりに操作する担当者に見せてもらいます。数量の変更や取り消しは、最初は見せず、届いたら人に返す場合にします。

人に返す場面は、品番がマスタに見つからないとき、数量がふだんの範囲を大きく外れるとき、納期が短すぎるとき、の3つを目安にします。最後の保存は、試しの間は人が内容を見てから押します。読み取った数字は、必ず元の注文書と照らし合わせることを、試しの間のきまりにします。

取引先への受注の確認のメールは、最初は任せません。送るのは、転記の内容を人が確かめた後に、担当者が自分で送ります。転記が安定してきたら、メールの下書きまでを作らせ、送信は人が押す形に進めます。社外に出る操作は、最後まで人の手元に残しておくのが基本です。

シナリオ2:定型の申請

2つ目は、経費の精算のような定型の申請です。発表でも、経費の精算の社内システムへの登録が想定される使い方として挙がっています。申請の画面は項目が決まっていて、領収書の日付、金額、支払先、勘定の区分を入れる流れは誰がやってもほぼ同じです。入力の手間を減らす効果が見えやすい場面です。

この場面で線を引くべきなのは、申請を出す側と承認する側を分けることです。覚えさせるのは、申請を作って下書きで保存するところまでにします。申請を出す操作は本人が押し、承認はこれまでどおり上長が画面で判断します。AIが作った申請を、同じAIが承認の画面まで進めることは避けます。

勘定の区分の選び方は、判断が隠れやすい所です。会議の費用か接待の費用か、消耗品か備品かは、社内のきまりと、その支払いの事情で決まります。見せる人に区分の選び方を口に出してもらい、迷う区分は選ばずに空けておく手順にして、本人が選ぶ形にします。

申請の締め日が近いときほど、まとめて任せたくなります。けれど、締め日の前に誤った申請がまとめて出ると、差し戻しの手間が経理の側に集まります。試しの間は、1日に任せる件数を決め、経理の担当者と差し戻しの件数を毎週確かめます。申請と承認にAIを入れる段階の一般論は別の記事に任せ、ここでは入力の範囲に絞ります。

シナリオ3:取引先の下調べと調べ物

3つ目は、調べ物です。発表では、取引先の審査や、市場調査の報告書の作成のように、ウェブページやデータベースを横断して調べる仕事が挙がっています。マーケや営業の現場では、新しい取引先の会社の概要、所在地、最近の発表を集めて表にまとめる、といった下調べが当てはまります。

この場面では、手順より、どこを見るかが大事になります。ベテランは、どの公的なサイトを見て、どの順で確かめ、どの情報を信用しないかを知っています。見せるときは、見る場所と見る順番そのものを、手順として覚えさせるのが効果的です。検索して最初に出たページを使う、という手順にしないことが肝心です。

調べた結果には、根拠を書かせます。表の一行ごとに、どのページのどの記述から取ったかを添えさせ、取れなかった項目は空けておく形にします。根拠の無い項目は、人が確かめるまで使わない、と決めておくと、もっともらしい誤りが報告書に紛れ込むのを防げます。

取引先の審査の判断そのものは、AIに任せません。集めた情報から、取引を始めてよいかを決めるのは、審査の担当者と責任者です。AIの仕事は、判断の材料を決まった場所から集めて並べるところまでと、試しを始める前に審査の担当者と合意しておきます。

まず、人が見ている前で動かす

3つの場面のどれでも、最初の動かし方は同じです。覚えさせた手順を、人が画面の横で見ている前で動かすことから始めます。見ている人は、見せた本人か、同じ業務をよく知る人にします。どこで迷ったか、どこで止まったか、止まるべき所で止まったかを、その場で書き留めます。

STEP1
見せる業務と場合を決める

業務を1つ選び、見せる場合をふだんの一件に絞ります。見せない場合は、人に返す場合として書き出します。

STEP2
手順の持ち主に見せてもらう

手順どおりに操作する人に、画面の外で確かめていることを口に出しながら操作してもらいます。

STEP3
人の前で20件動かす

試験用の環境か、戻せる操作だけの手順で、人が横で見ながら20件ほど動かし、正しく終わった件数と止まった所を記録します。

STEP4
返す場面を見直す

止まるべきなのに進んだ所、止まらなくてよいのに止まった所を洗い出し、人に返す場面を足したり外したりします。

STEP5
見ている人を減らす

記録が安定してから、毎回見る形から、終わった後に結果を確かめる形へ移します。確定と社外への送信は人に残します。

最後の段で、見ている人を減らしても、確定と社外への送信を人に残すことは変えません。人が確認する範囲を先に決めておけば、任せる範囲を広げても、どこまでが人の仕事かがぶれません。

画面が変わったとき、例外が来たとき

発表では、操作の履歴を自動で抜き出して使うので、システムの画面が変わるたびにコードを直す必要がなくなるとされています。これは、画面の変更で止まりやすい従来の自動化に比べた強みとして説明されています。それでも、画面が大きく変わったときに、覚えた手順がどこまで通用するかは、自社で確かめる項目です。

業務システムの更新の予定は、情シスや業務システムの担当者が知っています。更新の予定が分かったら、更新の直後の数日は、人が見ている前で動かす段に一時的に戻します。画面が変わった後の最初の数件は、人が必ず見ると決めておけば、手順が静かにずれていくのを防げます。

例外の扱いは、手順の外に置きます。見せていない場合が来たときに、AIが似た場合の手順を当てはめて進めてしまうと、誤りに気づくのが遅れます。例外は、止まって人に返すのを原則にし、同じ例外が何度も来るようになったら、その場合の操作を改めて見せて、覚えさせる範囲に足します。

業務のきまりが変わったときも同じです。承認の金額の線が変わった、取引先ごとの扱いが変わった、といった変更は画面に表れません。手順の持ち主が、きまりの変更を知ったら、覚えさせた手順を見直す、という流れを、業務のきまりを変えるときの手続きに組み込んでおきます。

契約の前に確かめる項目

公式の発表で確かめられるのは、販売の開始の時期、1ユーザーあたりの価格、専用テナントの利用費が別に要ること、ブラウザの拡張機能として動くこと、想定される使い方までです。管理の仕組みについては、確かめた時点の発表には書かれていないことが多く、契約の前にNECへ書面で確かめる必要があります。

確かめる項目確かめること発表に書かれているか
料金1ユーザー月15,000円(税別)の対象と、専用テナントの利用費の額価格は記載あり、利用費の額は記載なし
動く場所ブラウザの拡張機能を入れる端末と、専用テナントの役割拡張機能として動くことは記載あり
覚えた手順の置き場操作の履歴と覚えた手順がどこに保存され、誰が見られるか記載なし
操作の記録いつ、どの画面で、何を操作したかの記録を管理者が見られるか記載なし
止め方動いている手順を管理者や利用者がその場で止められるか記載なし
権限利用者ごとに任せる業務や画面を絞れるか記載なし
段階的な導入部門ごとの検証と展開の支援の中身段階的な検証に対応と記載あり

表の「記載なし」の行は、答えが書面で返ってくるまで、試しの範囲を超えて広げない行です。口頭の答えしか得られなかった行は、試しの段階で実際に確かめる項目に回します。

操作の履歴には、業務システムの画面に出ている取引先の名前や金額が含まれることがあります。どの画面の操作を見せてよいかは、その画面の情報の持ち主と相談して決めます。個人の情報や取引先との秘密の取り決めに関わる画面は、確かめが済むまで見せる対象から外しておきます。

やりがちな失敗

見せて覚えさせる仕組みでつまずきやすい形を並べておきます。どれも、見せる手軽さに対して、決めごとが追いつかないことから起きます。

  • いちばん速い人の操作を見せ、近道や確認の飛ばしまで覚えさせる
  • ベテランのアカウントのまま動かし、承認や登録の変更まで押せる状態で任せる
  • 発表の成功率を自社の業務でも出るものと考え、自社で数字を取らない
  • 見せていない例外が来ても止まらない手順にし、誤りに気づくのが遅れる
  • 取引先への確認のメールまで任せ、人が読まないまま社外に出る

2つ目と4つ目は、組み合わさると被害が大きくなります。権限が広いアカウントで、例外でも止まらない手順を動かすと、見せていない場合に、見せていない画面まで進むおそれがあります。権限を絞ることと、例外で止まることは、必ず一組で決めます。

失敗が起きたときは、誰が悪いかより、どの線が抜けていたかを確かめます。見せる人の選び方か、動かすアカウントか、返す場面か。抜けていた線を直し、直した日付を記録に残しておくと、次の業務に広げるときに同じ失敗を繰り返さずに済みます。

  • 価格と販売の開始の時期は、2026年8月18日のNECの発表に基づきます
  • 専用テナントの利用費の額、管理の仕組み、記録の扱いは、確かめた時点の発表に記載がありません
  • 成功率の数字は、評価のための環境で測った値です。自社の業務での数字は、試しで取ります

よくある質問

手順書が無い業務でも覚えさせられますか

発表では、操作の履歴から手順を抜き出すので、専門家による複雑なルールの設計が要らないとされています。手順書が無くても、操作を見せることはできます。ただし、見せた一回がどの場合の手順なのか、見せていない場合はどうするのかは、人が決めて書き留めておく必要があります。

操作を見せた社員の評価に使ってもよいですか

覚えさせる仕組みは、手順を再現するためのものです。見せた操作の速さや迷いを、個人の評価の材料にすることは避けるのが無難です。評価に使われると受け取られると、見せる人の協力が得にくくなり、手順の持ち主として見直しを頼むことも難しくなります。

チャットで手順を教えてくれるAIとは何が違いますか

発表では、従来のチャット型のAIが考える手助けや手順を示すことにとどまっていたのに対し、cotomi Agentは業務システムやブラウザを実際に操作して、仕事そのものを進めると説明されています。操作まで進むぶん、止める場面と人に返す場面を先に決めておく重みが増します。

どの業務から始めるのがよいですか

件数が多く、手順が決まっていて、止まっても手作業に戻せる業務から始めるのが目安です。この記事の3つの場面では、受発注の転記が最初の候補になりやすいでしょう。社外に何かを送る業務や、承認を伴う業務は、試しの結果が安定してから広げます。

覚えさせた手順は、誰が直すのですか

見せた人を手順の持ち主にしておくのがおすすめです。画面が変わった、きまりが変わった、例外が増えた、といったときに、持ち主が操作を見せ直します。持ち主が異動するときは、後任に操作を見せてもらい、覚えさせ直すところまでを引き継ぎの項目に入れます。

まとめ

NEC cotomi Agentは2026年8月に販売が始まったAIエージェントで、ブラウザの拡張機能として動き、熟練者の操作を一度見せると手順を再現して業務システムを操作します。ただし、写るのは手順で、画面の外の判断の理由は写りにくいものです。見せる前に、手順どおりに操作する人を選び、動かすアカウントの権限を絞り、金額の外れ・確定の直前・社外への送信で止めて人に返す場面を決めます。例外の判断と承認はAIに判断させず、調べ物には根拠を書かせます。まず人が見ている前で20件ほど動かし、自社の数字を取ってから広げましょう。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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