AI Builderクレジットは11月で終了|更新後に止まるフローを探す

「AI Builderのクレジットが11月で終わると聞いたが、請求書を読み取っている自動化は止まるのか」「そもそも、社内のどのフローでAIを使っているのか誰も把握していない」。情報システムの担当者のもとには、こうした問い合わせが増えています。慌てる必要はありませんが、放っておいてよい話でもありません。マイクロソフトの公式文書は、2025年10月にAI Builderのクレジットの段階的な終了を告知し、2026年11月1日を大きな区切りとしています。ただし、終わるのはクレジットの販売と付属で、機能ではありません。本当に止まるのは、どちらのクレジットも無い環境のAIの手順です。この記事では、公式の日程を確かめたうえで、更新の後に止まるフローを事前に探す手順を整理します。
カメ先生AI Builderの機能は、これからも使えると公式は書いているんだ。変わるのは、動かすときに使う通貨の種類なんだよ。
カメ子通貨が変わるだけなら、何も起きないように聞こえますけど、なぜ止まる話になるんですか。
カメ先生付属していたクレジットが更新の後に付かなくなり、代わりのコパイロットのクレジットも用意していないと、AIの手順が動かなくなる。しかも、どのフローがAIを使っているかが見えていない会社が多いんだ。
カメ子止まるかどうかは、契約の更新日と、使っているフローの一覧で決まるんですね。
- 2026年11月1日以後、追加容量の更新はできず、新規・更新のライセンスには付属のクレジットが付かない。機能そのものは続く
- AI Builderのクレジット、次にコパイロットのクレジットの順に使われ、どちらも無いとAIの手順が止まる。換算の比率は無い
- 対策は、管理画面での現状の確認、AIを使うフローの棚卸し、更新日ごとの影響の一覧、予算と上限、止まったときの検知の順
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11月1日に終わるのはクレジットで、機能ではない
最初に正確に押さえておきたいのは、何が終わるのかです。公式の「AI Builderのクレジットの終了」のページは、段階的な終了はAI Builderの機能には影響せず、コパイロットのクレジットを使ってすべての場面で引き続き使えると書いています。書類の読み取り、分類、プロンプトといった機能が11月に消えるわけではありません。
終わるのは、AI Builderの機能を動かすための専用の通貨です。これまでは、100万クレジットを月ごとに使える追加容量のパックと、パワー・アップスやパワー・オートメートの上位のライセンスに付いてくる付属のクレジットの2つの形で手に入りました。この2つが、別々の日程で終わっていきます。
代わりに使われるのが、コパイロット・スタジオと共通のコパイロットのクレジットです。公式の文書は、AI Builderのクレジットをコパイロットのクレジットへ自動で移す仕組みは無く、終わっていくクレジットの代わりに、コパイロットのクレジットを買うよう案内していると書いています。つまり、何もしなければ代わりの通貨は用意されません。
このため、社内への説明は「11月にAI Builderが終わる」ではなく、「11月以降の更新で、AIの手順を動かす通貨を用意し直す必要がある」とします。言い方を誤ると、使える機能まで止めようとする動きが出たり、逆に関係ないと受け流されたりします。最初の一文の正確さが、その後の棚卸しの協力の得やすさを左右します。
公式の日程を、契約の種類ごとに読む
公式のページの日程の表は、追加容量を持つ会社と、付属のクレジットを持つ会社で分けて書かれています。確かめたのは2026年9月1日付けの版です。自社がどちらに当たるか、両方に当たるかを先に確かめてから、表を読みます。
| 日付 | 追加容量を持つ会社 | 付属のクレジットを持つ会社 |
|---|---|---|
| 2025年11月1日 | 追加容量を持たない会社は新規に買えなくなる。持つ会社は更新と追加購入ができる | 変化なし。上位のライセンスを買えば付属分が付く |
| 2026年11月1日 | 持っている追加容量は使えるが、更新も追加購入もできなくなる | 以後に買う・更新するライセンスには付属分が付かない |
| 2026年11月1日より後 | 追加容量の契約が切れるまで、そのクレジットで動く | 11月1日より前に買った・更新した分は、契約期間の終わりまで使える |
表から分かるのは、11月1日にいきなり止まる会社は多くないということです。止まる時期は、11月1日より後に来る、それぞれの契約の更新日や満了日で決まります。同じ会社の中でも、ライセンスごとに更新日が違えば、止まる時期もずれます。
1つ注意があります。2026年1月付けの別の公式ページには、付属のクレジットは2026年11月1日に取り除かれる、という書き方が残っていました。9月付けの新しい2つのページは、11月1日より前に買った・更新した分は契約期間の終わりまで使えると書いています。この記事は新しい版に従いますが、自社の契約の扱いは、販売店かマイクロソフトの窓口に確かめておくと確実です。
付属のクレジットが付くライセンスと、その量
付属のクレジットは、ライセンスごとに量が決まっています。公式のページの表によると、パワー・アップスの上位のライセンスで1本あたり月500、アプリ単位のライセンスで250、パワー・オートメートの上位のライセンスで5,000です。組織全体の付属分には100万クレジットの上限があると書かれています。
このほか、パワー・オートメートの業務の処理向けのライセンスや、ロボットによる自動化の追加のライセンスにも、それぞれ5,000が付くとされています。ダイナミクス365の一部の製品にも付属分があります。上位のライセンスを多く持つ会社ほど、知らないうちに付属分でAIの手順を動かしていた可能性が高くなります。
注意したいのは、付属分は組織の共有の置き場に集められ、どの環境でも使える状態になっていることが多い点です。誰かが作ったフローが、別の人のライセンスの付属分で動いていたということが起こりえます。ライセンスを持つ人と、AIを使う人が一致していないので、ライセンスの一覧だけを見ても影響は分かりません。
公式のよくある質問は、パワー・オートメートの上位のライセンスに付く5,000クレジットについて、数枚の書類の読み取りや、数百回の文字の読み取りを試せる量だと説明しています。つまり、付属分は本来、試すための量です。業務で毎日使うフローが付属分だけで動いていたなら、更新の後に止まる筆頭の候補になります。
課題:更新の後、フローはどこで止まるのか
パワー・アップスとパワー・オートメートの中でAI Builderの機能を動かすと、まずAI Builderのクレジットが使われ、無いか使い切った場合にコパイロットのクレジットが使われます。公式は、どちらの通貨も無いか使い切った場合、AI Builderの機能は失敗すると書いています。止まるのは、フローの中のAIの手順です。
たとえば、メールで届いた請求書を読み取って会計の表に書き込むフローなら、読み取りの手順で失敗し、その後の書き込みは行われません。問い合わせのメールを分類して担当者に振り分けるフローなら、分類の手順で止まり、振り分けが起きません。止まっても、元のメールは受信箱に残るので、すぐには気づかれないことがあります。
公式の文書によると、止まったときはフローの編集画面に、この環境のAI Builderのクレジットをすべて使ったという案内が出ます。実行の履歴には、容量が見つからない、割り当てを超えた、といった意味の英語のエラーが残ります。エラーの表示を見るのは、フローを作った本人だけという状態だと、情報システムの担当者には届きません。
もう1つの落とし穴は、パワー・アップスのアプリです。アプリの中の文章の要約や分類の関数も、プロンプトと同じ扱いでクレジットを使います。アプリの画面でAIのボタンが動かなくなると、利用者からは「アプリが壊れた」という問い合わせになります。原因がクレジットにあると気づくまでに時間がかかる場面です。
止まり方の特徴:月の途中で、環境ごとに、遅れて止まる
止まり方には、気づきにくくする3つの特徴があります。1つ目は、月の途中で止まることです。消費は毎月1日に数え直され、使い残しは翌月に繰り越されないと公式は書いています。月初は動いていたフローが、月の後半に量が尽きて止まり、翌月1日にまた動き出す、という動きになります。
2つ目は、環境ごとに止まることです。クレジットは組織の共有の置き場に置いたままにもできますし、特定の環境に割り当てることもできます。公式によると、超過の制限は超えた環境だけにかかり、ほかの環境は影響を受けません。また、環境に割り当てた分を使い切っても、組織の共有分へ自動で切り替わる仕組みは無いとされています。
3つ目は、遅れて止まることです。消費の集計は理想的には毎日行われますが、公式のページは5日以上、別のページは7日ほど遅れることがあると書いています。集計が遅れている間は、超過していないという前の結果のまま動き続けます。その間に超えた分は請求されない一方で、集計が行われた時点で、次の実行から止まります。
この3つが重なると、「先月の後半に数日だけ止まり、今月は普通に動いている」という、原因の追いにくい障害になります。月末の締めの業務に使うフローほど、月の後半に止まったときの影響は大きくなります。止まる時期が予測しにくいからこそ、事前の棚卸しで、どのフローがどの通貨で動いているかを確かめておく必要があります。
原因1:課金の単位が切り替わるのに、換算が無い
止まる原因の1つ目は、課金の単位の切り替えです。これまでAI Builderのクレジットで見積もっていた量を、そのままコパイロットのクレジットに置き換えることはできません。公式のよくある質問は、一方の通貨からもう一方の通貨への換算は無く、場面ごとに単価が違うと答えています。
公式の単価の表を見ると、数える単位そのものが機能ごとに違います。プロンプトは1千トークンごと、書類の読み取りは1ページごと、画像の処理は1枚ごと、文章の分析は1千文字ごとです。同じ書類の読み取りでも、定型の請求書と、自社用に学ばせた書類では単価が違います。名刺の読み取りのように、どちらの通貨でも無料のものもあります。
このため、「これまで月に何クレジット使っていたから、同じ数だけ買えばよい」という見積もりは成り立ちません。フローごとに、どの機能を、どの単位で、月に何回使っているかを数え、新しい単価の表に当てはめて計算し直す必要があります。この記事では単価の数字を写さず、公式の表を当日に見ることを勧めます。
プロンプトの場合は、さらに使うモデルの段階で単価が変わります。基本、標準、上位の3段階があり、上位のモデルほど単価が高くなります。公式によると、モデルを選べるようになる前に作ったプロンプトは基本のモデルで作られています。作り直したときに上位のモデルに変えていれば、同じ回数でも消費は大きく増えます。
原因2:誰がどのフローでAIを使っているかが見えていない
2つ目の原因は、AIを使うフローの持ち主が見えていないことです。パワー・オートメートは、現場の担当者が自分でフローを作れることが強みです。その結果、経理の担当者が作った請求書の読み取り、営業の担当者が作ったメールの分類のように、情報システムの担当者が知らないAIの手順が各所で動いています。
作った人が異動や退職をしていると、フローは動いているのに持ち主がいない状態になります。止まったときにエラーの通知を受け取る人もいません。業務の側では、フローがあることすら忘れられ、「毎朝この表が埋まっている」という結果だけが当たり前になっていることもあります。
もう1つ見えにくいのは、プロンプトを試した段階と、動かしている段階の違いです。公式によると、プロンプトの作成画面での試しや、モデルの学習と試しはクレジットを使わないとされています。試しでは費用が出なかったので、本番で動かしたときの消費を誰も見積もっていなかった、ということが起こりえます。
この原因は、クレジットの仕組みを理解しても解消しません。解消するには、フローの一覧を作り、持ち主と業務を紐づける作業が要ります。後の節で棚卸しの手順を扱いますが、ここでは、クレジットの問題はフローの持ち主の問題でもある、と押さえておきます。
原因3:割り当てと既定の設定を、誰も覚えていない
3つ目の原因は、クレジットの割り当ての設定です。公式によると、買ったクレジットは既定では環境に割り当てられず、組織の共有の置き場に置かれます。また、割り当てていないクレジットを利用者が使ってよいという組織の設定は、既定でオンになっています。
この既定のままだと、割り当てのない環境はすべて共有の置き場から使います。どの環境がどれだけ使ったかを意識しなくても動いてきたので、付属分が減ったときに、どの環境から足りなくなるかが見えません。導入した当時の担当者が設定を覚えていない、という会社も少なくないはずです。
逆に、過去に一部の環境だけに割り当てた会社では、その環境は割り当てた分しか使えません。共有の置き場に余りがあっても、割り当てた環境が足りなくなれば、その環境だけが止まることになります。割り当てを誰がいつ決めたかの記録が無いと、止まった理由を説明できません。
まずは、今の設定を画面で確かめ、共有の置き場のまま使っているのか、環境ごとに割り当てているのかを書き出します。これが次の節からの対策の出発点になります。設定の意味が分からない場合は、公式のページの割り当ての説明を読んだうえで、販売店の担当者と一緒に画面を見るのが近道です。
対策1:管理画面で、今の量と使い方を確かめる
対策の最初は、パワー・プラットフォームの管理センターで現状を確かめることです。公式の文書によると、ライセンスの画面の容量の追加の項目にある概要のタブで、買った量、割り当てた量、使った量を棒の表示で見られます。表示の名前は画面の言語で異なることがあるので、公式のページと見比べながら探します。
- 消費の集計は毎日とは限らない。画面の最後に更新された日を必ず見る
- 消費のレポートは環境ごと・利用者ごと・日ごと。フローごとの内訳は活動の画面で見る
- 画面の項目の名前は表示の言語で変わる。公式のページの手順と見比べる
環境ごとの消費は、消費のレポートで見ます。公式によると、このレポートは日ごと、利用者ごと、環境ごとの消費を示します。当月の分を足し合わせると、その環境の月の消費が分かります。どの環境が多く使っているかが分かったら、その環境の中で、どのモデルやプロンプトが多く使っているかを次に調べます。
モデルごとの消費は、その環境のデータバースにあるAIの出来事の表や、パワー・オートメートの画面にあるAI Builderの活動の画面で見られると公式は書いています。活動の画面は、AI Builderのクレジットとコパイロットのクレジットのどちらで使ったかも示すとされているので、切り替えの後の確認にも使えます。
確かめた結果は、日付を入れて保存しておきます。数字は後から変わりますし、集計が遅れることもあります。確かめた日の数字と、その時点の割り当ての設定を残しておけば、更新の後に消費が増えたのか、設定が変わったのかを切り分けられます。
対策2:AIを使うフローを棚卸しする
次に、AIの手順を含むフローとアプリの一覧を作ります。消費のレポートで多く使っている環境と利用者が分かっているので、そこから順に調べると効率的です。一覧の項目は、フローの名前、持ち主、使っているAIの機能、月の実行回数、止まったときの業務の影響の5つを基本にします。
消費のレポートで、AIのクレジットを使っている環境を一覧にし、使う量の多い順に並べます。
各環境で、書類の読み取り、分類、プロンプトなどのAIの手順を含むフローとアプリを探し、名前を控えます。
作った人と、今そのフローに頼っている部署を確かめます。持ち主がいないものは印を付けます。
月の実行回数と、止まったときに何の業務が遅れるかを書きます。月末の締めに使うものは目立たせます。
業務の責任者と一緒に、残すフロー、止めるフロー、AIを使わない形に作り替えるフローを分けます。
この作業の一部には、AIを使ってかまいません。たとえば、書き出したフローの一覧をAIに渡し、使っているAIの機能ごとに分類させたり、影響の一覧表の形を整えさせたりするのは有効です。分類の根拠として、どの手順の名前から判断したかを書かせると、人が確かめるときに元の画面と照らし合わせやすくなります。
ただし、残すか止めるかの判断はAIに任せません。止まったときの影響の大きさは、業務の中身を知る人でなければ判断できません。持ち主がいないフローも、止めてよいかを勝手に決めず、そのフローの結果を使っている部署を探して確かめます。
対策3:更新日ごとに、影響の一覧を作る
棚卸しの一覧ができたら、ライセンスと追加容量の契約の更新日を並べます。先に見たとおり、止まる時期は11月1日そのものではなく、それぞれの契約の更新日や満了日で決まります。更新日の近い順に、その更新で消える付属分の量と、影響を受けそうなフローを書き出します。
付属分は組織の共有の置き場に集まっているので、どのライセンスの付属分がどのフローを支えていたかは、厳密には分けられません。そこで、更新のたびに共有の置き場の量がどれだけ減るかを計算し、その量と、環境ごとの月の消費を比べます。減った後の量が消費を下回る月から、止まる恐れが出てきます。
- ライセンスごとの更新日と、付属のクレジットの量を一覧にした
- 追加容量の契約の満了日を確かめた
- 更新のたびに共有の置き場の量がどれだけ減るかを計算した
- 環境ごとの月の消費と比べ、足りなくなる月を書き出した
- 足りなくなる月の前に、予算の申請と承認を終える日を決めた
この一覧は、予算の申請の根拠にもなります。「いつ、どの環境で、どの業務が止まる恐れがあるか」が書かれていれば、経営や経理の担当者も判断しやすくなります。予算の話を、止まる業務の話として説明するほうが、クレジットという耳慣れない単位で説明するより通りやすくなります。
対策4:コパイロットのクレジットを予算化し、上限を置く
足りなくなる月が分かったら、代わりの通貨であるコパイロットのクレジットを用意します。公式の文書によると、手に入れ方には、月ごとに使える前払いのパック、使った分だけ払う従量課金、前もってまとめて買う計画の3つがあります。どれを選ぶかで、上限の置き方と請求の読み方が変わります。
前払いのパックは、AI Builderのクレジットと同じように、特定の環境に割り当てることも、組織の共有の置き場に置くこともできると公式は書いています。環境に割り当てれば、その環境で使える量が決まり、使いすぎは起きにくくなります。そのかわり、量が尽きた時点で、その環境のAIの手順は止まります。
量を見積もるときは、月の最大の消費に合わせます。消費は毎月数え直され、使い残しは繰り越されないからです。月末の締めや繁忙期に消費が増えるフローは、その月の量で見積もるのが基本です。従量課金の予算化の一般的な考え方は、従量課金のAIの予算化を扱った別の記事にまとめています。
もう1つ、上限を誰が持つかを決めます。環境ごとの割り当ての量を変えられる管理者、予算の超過を承認する責任者、月ごとに消費を見る担当者を分けて書いておきます。割り当てを変える人と、予算を承認する人が同じだと、足りなくなるたびに量を足すだけになり、使い方の見直しが起きません。
対策5:止まったときに気づく仕組みと、代わりの手順
予算を用意しても、見積もりが外れれば止まることはあります。そこで、止まったときに早く気づく仕組みを置きます。まず、フローの失敗の通知を、作った本人だけでなく、業務の担当者と情報システムの担当者にも届ける設定にします。持ち主がいないフローは、通知先を決め直します。
次に、消費の見回りを月に一度から、月の後半は週に一度に増やします。集計は遅れることがあるので、画面の数字に最後に更新された日が表示されていないかを見ます。消費が割り当てに近づいている環境は、量を足すか、使い方を見直すかを、月末の前に決めます。
止まったときの代わりの手順も、重要なフローから決めておきます。請求書の読み取りなら手で入力する、問い合わせの分類なら共有の受信箱を担当者が見て振り分ける、といった手順です。代わりの手順が書かれていないフローは、止まった時点で業務が止まるので、棚卸しの一覧に代わりの手順の欄を足しておきます。
止まった後の復旧の手順は、公式に4つ挙げられています。ほかの環境や共有の置き場から量を割り当て直す、既存の会社なら2026年11月1日まではAI Builderの追加容量を買い足す、コパイロットのクレジットを買って環境で使えるようにする、従量課金を環境で使えるようにする、の4つです。誰がどれを判断するかを先に決めておくと、止まった日の対応が早くなります。
見落としやすい3つの落とし穴
最後に、公式の文書を読んでいて見落としやすい点を3つ挙げます。どれも、フローの一覧を作っただけでは見えず、作り方や置き場所の違いで消費の通貨が変わることから起きるものです。棚卸しの一覧の備考の欄に書き足しておきます。
- 従来のフローをエージェントのフローに作り替えたら、AI Builderのクレジットが使われなくなった
- AI Builderのクレジットしか無い環境で、コパイロット・スタジオのエージェントからAIの機能を呼ぼうとした
- 古い版の公式ページの「11月1日に付属分が消える」という書き方だけを見て、契約期間の残りを計算に入れなかった
1つ目について、公式は、従来のフローをエージェントのフローに作り替えると、その中のプロンプトやモデルはコパイロットのクレジットしか使えなくなると書いています。エージェントのフローでは、設計の画面からの試しの実行でもクレジットを使うとされています。作り替えの予定があるなら、その時点から消費の通貨が変わると考えます。
2つ目について、公式によると、AI Builderのクレジットしか無い環境では、パワー・アップスとパワー・オートメートの中でしかAIの機能を動かせません。コパイロット・スタジオの中では、AIの機能は常にコパイロットのクレジットを使います。環境ごとに、どの製品の中でAIを使うかを一覧に書くと、この落とし穴を避けられます。3つ目は、先に見た日程の節のとおり、新しい版の公式ページで確かめることで避けられます。
AIに任せる範囲と、人が決める範囲
この一連の作業でAIに任せてよいのは、書き出したフローの一覧の分類、影響の一覧表の下書き、社内向けの説明文の下書きまでです。たとえば、フローの名前と手順の一覧から、使っているAIの機能を推定させ、推定の根拠にした手順の名前を並べて書かせる使い方なら、人は根拠を見て正誤を確かめるだけで済みます。
人が決めるのは、残すフローと止めるフロー、予算の上限、割り当ての量、止まったときの代わりの手順です。どれも、業務の中身と会社の予算の事情を知らなければ決められません。AIが作った一覧の「重要度」の欄をそのまま使うと、月末にしか動かない重要なフローが低く評価される、といった誤りが起こりえます。
確かめる範囲も先に決めておきます。AIが分類した一覧のうち、月の実行回数が多いもの、月末の締めに関わるもの、持ち主がいないものは、必ず人が元のフローの画面を開いて確かめます。それ以外は抜き取りで確かめる、というように、人の確認の量を最初に決めると、作業が終わりやすくなります。
なお、コパイロット・スタジオで社内向けのAIを作るときの任せ方や保守の置き場は、この記事では扱いません。社内向けのAIの任せる範囲を整理した別の記事にまとめているので、エージェントのフローへの作り替えを検討している場合は、あわせて読んでください。
よくある質問
11月1日に、今動いているフローは止まりますか
11月1日に一斉に止まるわけではありません。11月1日より前に買った・更新したライセンスの付属分は、契約期間の終わりまで使えると公式は書いています。止まる恐れが出るのは、その後の更新で付属分が付かなくなり、コパイロットのクレジットも無い環境です。
AI Builderのクレジットは、コパイロットのクレジットに移せますか
自動で移る仕組みは無いと公式は書いています。環境は、まずAI Builderのクレジットを使い、無ければコパイロットのクレジットを使う二本立ての形で動きます。換算の比率も無く、場面ごとに単価が違うので、フローごとに計算し直します。
使いすぎた分は、後から請求されますか
公式のよくある質問は、集計が遅れた間に生じた超過は請求されないと書いています。ただし、集計が行われた時点で、次の実行から止まるか、コパイロットのクレジットでの消費に切り替わります。超過は猶予であって、使い続けられる状態ではありません。
試しにプロンプトを動かすだけでもクレジットを使いますか
公式によると、プロンプトの作成画面での試しと、モデルの学習や試しはクレジットを使いません。フローやアプリの中で実際に動かしたときに使います。エージェントのフローは、設計の画面からの実行でもクレジットを使うとされています。
まとめ
2026年11月1日から、AI Builderの追加容量は更新できなくなり、新しく買う・更新するライセンスには付属のクレジットが付かなくなります。機能そのものは続きますが、AI Builderのクレジットもコパイロットのクレジットも無い環境では、フローの中のAIの手順が止まります。止まる時期はそれぞれの契約の更新日で決まり、月の途中で、環境ごとに、集計が遅れて止まります。管理画面で現状を確かめ、AIを使うフローを棚卸しし、更新日ごとの影響を一覧にしてから、予算と上限と検知の仕組みを決めましょう。残すフローと予算の上限は、人が決めます。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
AI活用を戦略に落とす前に、まずは導入・定着から始めませんか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
