Media > AI活用ユースケース > カスタマーサポート > 代理店からの在庫・納期の問い合わせに、チャットで一次回答する

代理店からの在庫・納期の問い合わせに、チャットで一次回答する

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

代理店からの「この型番は在庫があるか」「いつ入るか」という問い合わせに、型番を特定して基幹システムの在庫と受注残を照会し、チャットで一次回答します。営業事務の作業は、電話を受けて画面を開いて調べることから、答えられなかった質問と例外の対応に変わります。

サマリー
利用ツール
Amazon Kendra/Azure AI/ChatGPT/Claude/Gemini/OpenSearch
対象業界
商社/小売/物流/製造
対象部門
カスタマーサポート/営業
対象業務
問い合わせ対応/情報検索
主な課題
人手が足りない/問い合わせが多い/属人化している
AIで行う処理
対話
主な効果
対応スピード向上/属人化解消/工数削減
導入難易度
★★★☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
API連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
120h/月
AI導入後
37.5h/月
想定削減
69%
年間削減
990h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 代理店から電話またはメールで問い合わせが入る
  2. 営業事務が型番を聞き取る(型番が古い、略されている、聞き間違いがある)
  3. 基幹システムで型番を検索し、在庫数と受注残を確認する
  4. 出荷予定日を確認する(欠品していれば入荷予定を調べる)
  5. 廃番品であれば、後継品をカタログで調べる
  6. 電話口で回答する、またはメールを書いて返す
  7. 対応履歴を記録する(記録されないこともある)
導入後(After)
  1. 代理店が、代理店ポータルにログインしてチャットで質問する
  2. 自動質問から型番を取り出し、型番マスタで正規化する(旧型番・略称を現行型番に)
  3. 自動型番が特定できない場合、候補を示して選んでもらう
  4. 自動質問の種類を判定する(在庫・納期/仕様・後継品/価格・特別対応/その他)
  5. 自動在庫・納期は基幹システムを照会し、現在の在庫数と出荷可能日を返す
  6. 自動仕様・後継品は資料を検索し、出典を示して回答する
  7. 自動価格・特別対応・クレームは回答せず、担当営業へ引き継ぐ
  8. 営業事務は、引き継がれた質問と、回答できなかった質問だけを対応する
  9. 自動やり取りを対応履歴として記録する
各工程の詳しい説明を読む
  1. 代理店から電話またはメールで問い合わせが入る
  2. 営業事務が型番を聞き取る(型番が古い、略されている、聞き間違いがある)
  3. 基幹システムで型番を検索し、在庫数と受注残を確認する
  4. 出荷予定日を確認する(欠品していれば入荷予定を調べる)
  5. 廃番品であれば、後継品をカタログで調べる
  6. 電話口で回答する、またはメールを書いて返す
  7. 対応履歴を記録する(記録されないこともある)

問題は4つあります。

(a)電話が鳴り続ける。 月600件の電話が午前中に偏ります。調べている最中に次の電話が入り、調べ直しになります。

(b)型番が特定できない。 「HGの後ろが3桁のやつ」「去年まで使ってた給湯器」といった聞き方があり、特定に時間がかかります。旧型番と現行型番の対応を覚えているのは、経験の長い事務担当だけです。

(c)同じ質問が繰り返される。 在庫の状況は日々変わるため、同じ代理店が同じ型番を週に何度も聞いてきます。

(d)記録が残らない。 電話での回答は記録されないことが多く、「先週は在庫があると言われた」という食い違いが起きます。

  1. 代理店が、代理店ポータルにログインしてチャットで質問する
  2. 【自動】 質問から型番を取り出し、型番マスタで正規化する(旧型番・略称を現行型番に)
  3. 【自動】 型番が特定できない場合、候補を示して選んでもらう
  4. 【自動】 質問の種類を判定する(在庫・納期/仕様・後継品/価格・特別対応/その他)
  5. 【自動】 在庫・納期は基幹システムを照会し、現在の在庫数と出荷可能日を返す
  6. 【自動】 仕様・後継品は資料を検索し、出典を示して回答する
  7. 【自動】 価格・特別対応・クレームは回答せず、担当営業へ引き継ぐ
  8. 【人】 営業事務は、引き継がれた質問と、回答できなかった質問だけを対応する
  9. 【自動】 やり取りを対応履歴として記録する

自動化されるのは「型番を特定する」「調べる」「答える」「記録する」の4つです。残るのは、約束を伴う回答と、例外の判断です。

02今回想定するシステム構成

構成図
代理店ポータル(ログイン済み)のチャット
   │
   ▼ 質問文+取引先コード
   │
   ├──▶ 型番の取り出しと正規化(型番マスタ)
   │
   ├──▶ 質問の種類を判定
   │        │
   │        ├─ 在庫・納期 ──▶ 基幹システムを照会(在庫数・受注残・出荷予定)
   │        │
   │        ├─ 仕様・後継品 ──▶ Azure AI Search(カタログ・図面・お知らせ)
   │        │                     キーワード+ベクトルのハイブリッド検索
   │        │
   │        └─ 価格・特別対応・クレーム ──▶ 担当営業へ引き継ぎ
   │
   ▼
Claude API ── 照会結果と検索結果だけを使って回答文を作る
   │
   ▼
チャットで回答(出典・取得時刻つき)
   │
   ▼【人が対応】引き継がれた質問と回答できなかった質問
役割想定する製品代替候補
検索基盤Azure AI SearchAmazon Kendra、OpenSearch
生成AIClaude APIOpenAI API、Gemini API
連携基幹システム(在庫・受注残)ERP
資料の保管SharePointBox、Google Drive

在庫と納期を検索基盤に入れないでください。 在庫は分単位で変わります。資料として取り込んだ在庫数は、取り込んだ時点の値でしかありません。照会は必ず基幹システムに対して行い、検索基盤には変わらない情報(仕様・図面・後継品の案内)だけを入れます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

代理店がチャットに質問を投稿したときを起点にします。代理店ポータルにログインした状態で使うため、どの取引先からの質問かが分かります。

取引先が分かることが、この構成の前提です。 取引先によって取扱商品や取引条件が違うため、誰からの質問かが分からないと答えられません。ログインを挟まない構成(公開のチャット)は、この業務には向きません。

電話での問い合わせをすぐに置き換えることは考えません。まずチャットを用意し、電話の前にチャットで解決する代理店を増やしていく進め方にします。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
質問文代理店担当者が書いた質問チャット
取引先コードどの代理店からかログイン情報
型番マスタ現行型番、旧型番、略称、廃番区分、後継品基幹システム
在庫・受注残型番ごとの在庫数、引当済み数、入荷予定日基幹システム
資料カタログ、図面、取付説明書、製品のお知らせSharePoint
回答のルール答えてよい範囲、答えない範囲プロンプトに固定で埋め込む

3番目の型番マスタが、この構成の要です。 旧型番と現行型番の対応が整理されていないと、質問の半分に答えられません。ここが無い会社では、まず型番マスタを作ることが最初の仕事になります。

Step3

データの取得方法を決める

型番の正規化: 質問文から型番らしき文字列を取り出し、型番マスタと照合します。ハイフンの有無、英数字の全角半角、末尾の色記号の欠落を吸収します。候補が複数ある場合は、確定せずに選んでもらいます。

在庫・納期: 基幹システムのAPI、または照会用のビューへ問い合わせます。返すのは「現在の在庫数」ではなく、「出荷可能数」と「出荷可能日」にします。在庫が10台あっても、9台が引き当て済みなら答えは1台です。

資料: カタログ・図面・お知らせを検索基盤に取り込みます。検索は、キーワード検索とベクトル検索を同時に実行し、結果を統合する方式にします。型番のような文字列そのものはキーワード検索が、「お湯の出が悪いときに見る資料」のような言い換えの多い質問はベクトル検索が拾います。統合後の並べ替えでは、初期結果の上位50件が対象になるため、型番での絞り込みを先にかけて、候補を50件の中に入れておきます。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 型番の取り出しと正規化 … 表記ゆれを吸収し、現行型番に寄せます
  2. 廃番の判定 … 廃番であれば、後継品を型番マスタから取ります
  3. 質問の種類の判定 … 在庫・納期/仕様・後継品/価格・特別対応/クレームの4つに分けます
  4. 取引先の取扱範囲の確認 … その代理店が扱えない商品の在庫を答えないようにします
  5. 在庫データの取得時刻の記録 … 回答文に「◯時◯分時点」と入れるために必要です

5番を省くと、「在庫ありと言われたのに翌日には無かった」という食い違いが起きます。時刻を明示することが、この業務での約束の線引きになります。

Step5

AIに処理させる

処理内容
型番の推定質問文から型番らしき記述を取り出し、マスタの候補を挙げる
質問の分類4つの種類に分ける
回答文の作成照会結果と検索結果だけを使って、代理店向けの文面を作る
出典の明示仕様・後継品の回答では、どの資料のどこかを示す
引き継ぎの判断答えてよい範囲を超える質問を、営業へ渡す

在庫数や納期をAIに計算させないでください。 「10台あるので3営業日で出せます」といった推論をさせず、基幹システムが返した値をそのまま文章に入れます。

Step6

指示内容を固定する

あなたは住宅設備メーカーの営業事務です。
代理店からの質問に、下の照会結果と検索結果だけを使って回答してください。

【厳守事項】
- 在庫数、出荷可能日は、照会結果の値をそのまま使ってください。
  計算し直したり、丸めたりしないでください。
- 照会結果に無いことを答えないでください。
  「おそらく来週には入ります」といった見込みを書かないでください。
- 在庫と納期の回答には、必ず「{取得時刻}時点の情報です」と添え、
  「正式な納期は担当営業からの回答をご確認ください」と書いてください。
- 価格、値引き、特別対応、返品、クレームに関する質問には回答せず、
  handover を true にして、担当営業へお繋ぎする旨だけを返してください。
- 仕様・取付条件の回答には、参照した資料名とページを示してください。
  資料に無いことは「資料で確認できません」と答えてください。
- 型番が特定できない場合は、候補を並べて選んでもらってください。
  1つに決め打ちしないでください。
- 廃番品については、後継品の型番をマスタの値で示し、
  仕様が同一であるとは書かないでください。

【取引先】
{dealer_code} / 取扱区分: {dealer_category}

【質問】
{question}

【型番の候補】
{model_candidates}

【基幹システムの照会結果({取得時刻}時点)】
{stock_result}

【資料の検索結果】
{retrieved_docs}

「仕様が同一であるとは書かない」の一文は、後継品の案内で効きます。 後継品は寸法や接続口径が変わっていることがあり、「同じものです」と答えると現場で付かない事態になります。

Step7

出力形式を固定する

{
  "dealer_code": "",
  "question_type": "在庫・納期 | 仕様・後継品 | 価格・特別対応 | その他",
  "model_code": null,
  "model_candidates": [],
  "answer": "",
  "stock_snapshot": {
    "available_qty": 0,
    "shippable_date": "",
    "retrieved_at": ""
  },
  "citations": [
    { "doc": "", "page": "", "quote": "" }
  ],
  "handover": false,
  "handover_reason": "",
  "answered": true
}

stock_snapshot を回答と別に持たせるのは、後から「その時点で何と答えたか」を確認するためです。食い違いが起きたとき、照会時刻と値が残っていれば説明ができます。

answered が false のものを集計すると、この仕組みで答えられていない質問の傾向が分かります。

Step8

システムへ連携する

連携先内容
基幹システム在庫・受注残・出荷予定の照会(読み取りのみ)
対応履歴質問・回答・照会値・引き継ぎの記録
営業への引き継ぎ担当営業へ通知(取引先・質問・経緯つき)
未回答の集計答えられなかった質問を週次でまとめる

基幹システムへの書き込みは行いません。 受注の登録や引き当ては、この構成の対象外です。チャットから在庫を引き当てられる設計にすると、誤操作が出荷に直結します。

Step9

人が確認する

質問の種類によって扱いを分けます。

種類扱い
在庫・納期自動で回答してよい(時刻と「正式な回答は営業から」を添える)
仕様・後継品自動で回答してよい(出典を必ず示す)
価格・特別対応回答しない。 担当営業へ引き継ぐ
クレーム・不具合の申し出回答しない。 担当営業とサービス部門へ引き継ぐ
型番が特定できない候補を示して選んでもらう。それでも決まらなければ人へ

営業事務は、引き継がれたものと答えられなかったものだけを見ます。 すべてのやり取りを人が確認する運用にすると、工数が減りません。その代わり、週次で回答の抜き取り確認を行います。

Step10

例外に対処する

起きること対応
型番が特定できない候補を提示する。決め打ちしない
廃番で後継品がない「後継品の設定がありません」と答え、営業へ引き継ぐ
在庫はあるが取扱区分外の商品在庫を答えず、担当営業へ引き継ぐ
基幹システムが応答しない「在庫を確認できません」と答える。 前回の値を返さない
受注生産品・輸入品で入荷未定「入荷予定は未定」とそのまま答える。見込みを書かない
大量の数量を確認された数量を答えつつ、担当営業へ引き継ぐ(特別な調整が要ることがある)
同じ代理店が短時間に何度も同じ型番を聞く回答は返す。頻度が高い型番を営業へ知らせる
質問が複数の型番にまたがる型番ごとに分けて回答する
災害や供給制約でお知らせが出ている該当商品の回答に、お知らせの内容を必ず添える
Step11

記録を残す

  • 質問と回答の全文、取引先、日時
  • 型番の特定結果(候補から選ばれたものを含む)
  • 基幹システムの照会値と照会時刻
  • 参照した資料と箇所
  • 引き継いだ質問と、その後の対応
  • 答えられなかった質問

3番目を残すことが、この業務ではとくに重要です。 在庫と納期は変わる情報なので、「いつ時点の値を返したか」が残っていないと、後から検証できません。

6番目は毎週見てください。 答えられなかった質問は、型番マスタの不備か、資料の不足か、そもそも人が判断すべき質問かのどれかです。1か月ためると改善の材料になります。

04実装レベルの3段階

最小構成:よくある質問と回答を代理店ポータルに掲載する / 繰り返しの質問の一部
半自動化:チャットで型番を特定し、資料の該当箇所を案内する(在庫照会は含めない) / 仕様・後継品の回答
本格構成:上記+基幹システムの在庫・納期照会+取引先ごとの取扱区分+引き継ぎ / 在庫・納期の一次回答まで

この業務は本格構成にしないと効果が出ません。 問い合わせの6割が在庫・納期であり、そこを照会できなければ電話は減らないためです。半自動化は、本格構成へ向けた途中段階と考えてください。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
6 名
月間件数
900 件
1件あたり現在時間
8 分
1件あたり導入後時間
2.5 分
現在  900件 × 8分 ÷ 60 = 120 時間/月
導入後 900件 × 2.5分 ÷ 60 = 37.5 時間/月
月間削減時間
82.5h
削減率
69%
年間削減時間
990h
年間金額換算(時間単価3,000円)
297万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 代理店・販売店が100社以上あり、在庫と納期の問い合わせが電話とメールで日常的に入る会社。基幹システムで在庫と受注残が引けること。
向いていない
  1. 取引先が数社で、担当者が直接やり取りしている場合。受注生産が中心で、在庫という概念が薄い場合。

07最小構成で試す方法

  1. 直近1か月の問い合わせ記録から50件を書き出す(在庫・納期/仕様/その他が混ざるように)
  2. その50件を、4つの種類に人が分類する
  3. 在庫・納期の質問について、型番が質問文から特定できるかを確認する
  4. 仕様の質問について、カタログの該当箇所を貼り付けて生成AIに回答させる
  5. 営業事務が、その回答をそのまま代理店へ返せるかを判定する

3番が肝心です。 質問文から型番が特定できない割合が高ければ、チャットを作る前に型番マスタの整備が必要です。

判断の目安は次のとおりです。

50件の結果判断
8割以上で型番が特定できた本格構成に進む価値がある
5〜8割旧型番・略称をマスタに追加する。候補提示の仕組みを厚くする
5割未満型番マスタの整備が先。 チャットを作っても答えられない

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
型番が特定できない旧型番・略称をマスタに持つ。候補提示で選ばせる
在庫はあるが出せない「在庫数」ではなく「出荷可能数」を返す。引当済みを差し引く
在庫の値が古い照会時刻を回答に必ず入れる。基幹システムが応答しないときは答えない
納期を確約したと受け取られる「正式な納期は担当営業から」と毎回添える。回答の記録を残す
後継品を「同じもの」と案内してしまう仕様が同一とは書かせない。寸法差は資料で確認させる
取扱区分外の商品を案内してしまう取引先の取扱区分で絞り込む
検索で古いカタログが引っかかる版を持ち、最新版を優先する。旧版しかない場合は明示する
価格を聞かれて答えてしまう価格は回答対象外に固定する。取引先ごとの価格は特に危険
代理店が使ってくれない電話の一次応答で「チャットでも確認できます」と案内する。使われた型番の傾向を見て資料を足す

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 取引先コード、在庫数、出荷予定、製品の仕様。在庫と納期は、自社の生産・調達の状況を示す情報でもあります。

  1. 取引先の分離 … ログインした取引先の情報だけを扱います。他の代理店の受注状況や引き当て状況が見える設計にしないでください。 「この型番は他社が押さえています」といった回答は、取引上の問題になります
  2. 価格情報 … 代理店ごとに仕切価格が異なります。価格はこの構成の回答対象から外してください。 誤った価格の提示は、そのまま取引条件の食い違いになります
  3. 在庫情報の見え方 … 在庫数そのものを数値で返すか、「在庫あり/少なめ/欠品」で返すかは方針で決めます。数値を出すと、需給が読まれることがあります
  4. 外部AIへの入力 … 質問文、照会結果、資料の断片が外部のサービスへ渡ります。入力を学習に使わない設定または契約のサービスを選びます
  5. アクセス権限 … 検索基盤に取り込む資料は、代理店に見せてよいものだけにします。社内向けの原価資料や生産計画を同じ索引に入れないでください
  6. 自動実行してよい範囲 … 照会と回答までです。受注の登録、在庫の引き当て、納期の確約は行いません

誤りが起きた場合のリスクは、誤った在庫・納期にもとづいて代理店が工事日を決めてしまうことです。現場の工事が止まれば、損害は自社の出荷の遅れにとどまりません。 時刻の明示と、正式回答の建て付けを必ず入れてください。

10まず何から始めるか

1週目:問い合わせ50件を分類する

直近の問い合わせを書き出し、4つの種類に分けます。在庫・納期が何割かで、この構成の効き方が決まります。

2週目:型番マスタの状態を確かめる

質問文から型番が特定できるかを50件で測ります。5割を切るなら、型番マスタの整備から始めます。

3〜4週目:仕様・後継品だけのチャットを作る

まず在庫照会を含めず、資料の検索と回答だけのチャットを代理店10社に使ってもらいます。回答の質と、出典の示し方を確かめます。

2か月目以降: 基幹システムの在庫・納期照会をつなぎます。取扱区分の絞り込みと引き継ぎの導線を作り、対象の代理店を広げます。並行して、答えられなかった質問を毎週見直し、型番マスタと資料を足していきます。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-09-15/最終更新:2026-09-15
確認した内容情報源確認日
Azure AI Search のハイブリッド検索が、全文検索(BM25)とベクトル検索を同時に実行し、Reciprocal Rank Fusion(RRF)で結果を統合することMicrosoftDocs: Hybrid search overview2026-09-15
セマンティックランカーが、BM25またはRRFで順位付けされた初期結果の上位50件を対象に並べ替えを行うこと。新しい文字列を生成せず、索引内の文章をそのまま抜き出すことMicrosoft Learn: Semantic ranking overview2026-09-15

基幹システムの在庫・受注残の照会方式は製品によって異なります。この部分は利用環境に応じた個別確認が必要です。 代理店ポータルの認証方式と、取引先ごとの取扱区分の持ち方も自社の運用によります。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

自社の業務に使えるAI活用候補を整理します

このユースケース(UC-0085)についてのご相談はこちらから。

AI活用について相談する
目次