Pangramに外注原稿のAI判定を任せる?|受け入れ規程の決め方

「外注先から届く記事がAIで書かれていないか、判定の道具で全部確かめたい」「判定で高い数字が出たライターに、どう伝えればいいのか分からない」——記事の制作を外部に頼んでいる編集担当から、2026年に入って増えている声です。判定の道具の精度が上がったのだから、道具を入れれば受け入れの問題は片付く、と考えられがちです。米国の Pangram は2026年7月に新しい判定モデル Pangram 4 を公開し、提供元の検証では人の文をAIと誤る割合をごく小さく抑えたと公表しています。しかし、受け入れで起きる揉め事の多くは、判定の精度ではなく、何を問題にするかを決めていないことから生まれます。この記事では、Pangram がどんな判定をする道具かを押さえたうえで、外注・寄稿原稿の受け入れ規程に判定を入れるかの判断、判定結果だけで相手を責めない手順、契約での取り決め、誤判定が疑われたときの扱いを、課題・原因・対策の順に整理します。
カメ先生判定の道具は「AIで書いたかどうかを当てる道具」だと思われがちなんだけど、本当は、文章のどの部分がAIらしいかを統計的に推定する道具なんだ。
カメ子推定ということは、判定の結果だけでは決めつけられないということですか。
カメ先生そう。しかも外注原稿で本当に問題になるのは、AIを使ったこと自体より、約束と違う使い方をしたかどうかのほうなんだ。だから道具を選ぶ前に、相手と何を約束するかを決めておく必要がある。
カメ子判定の前に、取り決めのほうを整えるということなんですね。
- Pangram は、文章を区間ごとに、人が書いたもの・AIが手を入れたもの・AIが書いたものに分けて推定する製品。2026年7月の Pangram 4 で、手直しと混在の見分けを強めたと公表している
- 揉め事の原因は精度より、「AIを使ったか」と「取り決めに反したか」の混同、提供元の数字を自社の原稿に当てはめること、契約に取り決めがないことにある
- 判定は確認のきっかけにとどめる。契約と発注書でAIの使い方を決め、相手の説明を聞く手順と誤判定時の扱いを先に文書にしておく
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Pangram は、文章を区間ごとに人かAIかを推定する製品
Pangram は、米国ニューヨークに拠点を置く会社の判定の道具です。米国の大学で機械学習を学んだ2人が立ち上げ、2026年7月29日には米国の投資会社が主導する900万ドルの資金調達を発表しました。ウェブの画面、ブラウザの拡張機能、Workspace 向けの追加機能、API で使えます。報道によれば、米国のニュースレター配信サービスが書き手のAI利用を読者に示すために組み込んだほか、学校や出版社、採用の担当者なども利用しています。
特徴は、文書全体に一つの点数を付けるのではなく、文章を区間ごとに見て、人・AIの手直し・AIの生成を分けることです。公式の説明では、校正や誤字の修正程度のAI利用は通常「人」のまま判定され、言い回しの書き換えを提案させた程度なら「AIの手直し」、大きく書き直させたものは「AIの生成」、人の文をAIで書き足したものは区間ごとに書き手が分かれた「混在」として表示されます。
隣接する記事では、判定の道具一般の限界と、受け入れのときに何を確かめるかを扱いました。ここでは Pangram という具体的な道具を前にして、外注・寄稿原稿の受け入れ規程に組み込むかどうか、組み込むならどう使うかに絞ります。判定の仕組みの一般論は繰り返さず、この道具の作りと公表内容から決まる判断に集中します。
2026年の動き:Pangram 4 の公開と、旧モデルの終了
7月29日に公開された Pangram 4 は、前のモデルの6倍を超える規模だと説明されています。提供元の検証では、人が書いた文書をAIと誤った割合は0.0041%で、約2万4千件に1件の水準です。AIが書いた文書を見逃した割合は0.3396%で、前のモデルの1.99%から下がったとしています。AIの文を人らしく書き換える市販の道具13種を通した文でも、98.83%でAIの関与を見つけたと公表しました。同時に、画像の判定も試験的に公開しています。
前のモデルの Pangram 3 は、2026年9月30日に提供を終えると告知されました。料金の数え方も変わり、1回の判定を1,000語単位で切り上げる方式から、100語単位で数える方式になっています。公式ブログは10月下旬も更新が続き、新しい言語モデルが出るたびにその文を見分けられるかの結果を公表しています。サービスの終了や新規受付の停止を告げる案内は見当たりません。
API で組み込んでいる会社には、とくに注意が要ります。公式の移行の手引きによれば、モデルを指定しない呼び出しは、旧モデルの終了まで旧モデルと旧来の料金の数え方に回り続ける扱いでした。社内の仕組みに判定を組み込んでいると、いつ新しいモデルに切り替わったのかが利用者から見えにくいということです。受け入れの記録に判定の結果を残すなら、仕組みの担当者がモデルの切り替えの日付を編集部に知らせる取り決めも要ります。
ここで押さえておきたいのは、判定のモデルは数か月単位で入れ替わり、同じ原稿でも判定した時期によって結果が変わりうることです。受け入れ規程で判定を使うなら、どのモデルで、いつ判定したかを記録に残すことが前提になります。半年前の判定と今日の判定を並べて比べる、といった使い方はできません。
課題:判定を入れたのに、受け入れの揉め事が減らない
外注原稿に判定の道具を入れた編集部で起きがちなのは、次のような流れです。判定で高い割合が出た原稿をそのまま差し戻し、ライターは「使っていない」と反論し、編集の担当者は判定の画面以外に根拠を示せない。やり取りがこじれて関係が悪くなり、丁寧に書く書き手ほど離れていく。逆に、判定で「人」と出た原稿を安心して受け入れ、事実の誤りや他のサイトの言い換えを見落とすこともあります。
こうした揉め事は、精度の高い道具を使っても起きます。米国の技術系メディアが Pangram 4 を試した記事では、人が書いた記事を言語モデルで磨いた原稿は13%が「AIの手直し」と判定され、記者はおおむね妥当と評価しました。一方で、細かな言葉の置き換えを見逃し、人が書いた文の一部をAIの手直しと判定した例や、記者が自分で全面的に書き直したはずの文をAIの文と判定した例も報告しています。精度が高くても、区間単位の判定には揺れが残るということです。
つまり問題は、道具の精度だけにあるのではありません。判定の結果を、受け入れの判断にどうつなぐかが決まっていないことにあります。以下では、この揉め事の原因を三つに分けて見ていきます。
原因1:「AIを使ったか」と「取り決めに反したか」を混同している
多くの編集部は、外注先のAI利用を全面的に禁じているわけではありません。構成の整理、誤字の確認、言い回しの候補出しにAIを使うことを認めている会社も少なくありません。それにもかかわらず、判定の画面に「AI」の文字が出ると、取り決めに反したかのように扱ってしまう。認めている使い方と、判定の表示が対応づけられていないことが、混同の出発点です。
Pangram の三段階の分類は、この混同をほどくのに役立ちます。校正程度の利用なら「人」のまま、言い回しの書き換えなら「AIの手直し」と出る作りだからです。判定の段階と、自社が認める使い方の範囲を対応させておけば、判定の結果がそのまま違反の認定にはならない。逆に、どこまでの利用を認めるかを決めていなければ、三段階のどれが出ても判断のしようがありません。
提供元の共同創業者も、報道の取材に対し、この道具で書き手を追い詰めることは望まないと述べ、AIの支援は開示されていれば許されるという考えを示しています。作り手自身が、判定を断罪の道具として使うことを想定していない点は、受け入れ規程を作るときに押さえておきたいところです。
原因2:提供元の数字を、自社の原稿の数字として読んでいる
0.0041%という数字は、提供元が用意した約205万件の人の文書で測った値です。分野別に見ると、学術的な文章で0.019%、手順を説明する記事で0.016%、料理のレシピで0.049%、詩で0.078%と、分野によって差があります。どれも提供元自身の検証で、日本語の外注原稿で測った数字ではありません。
数字の定義にも目を向けておきます。提供元は、人の文書の中で一つの区間でもAIと判定されれば、その文書全体を誤判定として数える厳しい数え方をしていると説明しています。そのうえで、長さによる差も公表しており、50〜99語の文では人の文の誤判定が0.02%、AIの文の見逃しが1.29%、250〜499語では0.004%と0.21%でした。短い原稿ほど見逃しが増える設計で、誤判定より見逃しに寄せていると説明しています。短い寄稿やコラムを判定にかけるときは、この偏りを踏まえて読みます。
日本語については、公式の多言語のページが対応言語の一つに日本語を挙げていますが、言語ごとの精度を示した表に日本語は含まれていません。また公式は、機械翻訳した文、表や数式、目次や参考文献、詩やレシピのように形式の強い文は対象外か精度が下がり、50語に満たない短い文は見逃しが増えると説明しています。PDFは読み取りの際に余計な文字が混ざりうるため、文書ファイルか元の文で判定するよう勧めています。記事の原稿は見出し、箇条書き、表、引用を多く含むため、判定にかける前に本文だけを取り出す手間がかかります。
外部の検証もあります。米国シカゴ大学の研究者が2025年に公表した論文は、市販の判定の道具を比べ、Pangram が人の文の誤判定とAIの文の見逃しの両方でほぼゼロに近かったと報告しました。ただ、検証は英語の文書が中心で、その時点の言語モデルを相手にしたものです。自社で使うなら、人が書いたと確かな自社の過去の原稿と、AIで作った原稿を数十本ずつ用意し、試しに判定してみるのが確実です。
原因3:契約に、AIの使い方の取り決めがない
外注の契約や発注書にAIの使い方が書かれていなければ、判定で何が出ても、ライターに違反を問う根拠がありません。取り決めのないまま、後から「AIは使わない約束だった」と言っても、相手にとっては後出しの条件です。判定の道具を入れる前に、まずこの空白を埋める必要があります。
取引の法律の面でも注意が要ります。2024年11月に施行された特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(いわゆるフリーランス法)は、発注のときに業務の内容や、検査をする場合はその完了の期日などを明示するよう求めています。2026年1月には下請法が改正され、中小受託取引適正化法として施行されました。明示していない基準で原稿の受け取りを拒んだり、やり直しを求めたりすると、これらの法律で問題になるおそれがあります。判定の結果だけを理由に原稿を受け取らない運用は、とくに慎重に考えます。
社外の専門家や顧客から寄稿を受ける場合は、報酬が発生しないこともあり、契約書を交わさないことも多いでしょう。その場合でも、寄稿をお願いする段階で、AIの使い方の方針と、判定の道具を使う可能性を伝えておくことで、後の行き違いを防げます。寄稿者は取引先でもあるため、判定の扱いを誤ると、記事の問題では済まなくなります。
三段階の判定を、受け入れのどこで使うか
原因1で見た混同を避けるには、判定の段階ごとに、受け入れで次に何をするかを決めておきます。次の表は、自社の取り決めに合わせて書き換えるための例です。
| 判定の表示 | 起こりうる使い方 | 受け入れでの扱い(例) |
|---|---|---|
| 人 | 自分で書いた。校正や誤字の確認にAIを使った | 通常の編集の確認に進む |
| AIの手直し | 言い回しの書き換えをAIに提案させた | 取り決めで認めていれば通常の確認。申告の有無と照らし合わせる |
| 混在 | 人の文にAIで書き足した。区間ごとに書き手が分かれる | AIの区間の事実と出典を重点的に確かめる |
| AIの生成 | 大部分をAIに書かせた、または大きく書き直させた | 取り決めと照らし、書き手に経緯を聞く。この時点で結論を出さない |
公式の検証では、AIで校正や推敲をした文の99.45%が「人」と判定され、AIで大きく手を入れた文では55%が「混在」、41%が「人」でした。提供元は、混在した文では人の側に寄せて判定する設計だと説明しています。手直しの程度が、そのまま判定の段階に出るわけではないため、境目の判定は相手の申告と合わせて読みます。実際の利用者とAIのやり取りから作った手直しの文では、65%が混在、28%が人、7%がAIの生成と判定されており、同じ「手直し」でも結果は大きく散らばります。
実務で効くのは、段階ごとに「次に何をするか」だけを決め、どの段階にも「不合格」を直接結びつけないことです。判定は確認の重点をどこに置くかを決める材料であって、受け入れの可否を決める材料ではない、と規程に書いておきます。
対策1:受け入れ規程に入れるかを、三つの条件で決める
判定を受け入れ規程に入れるかどうかは、次の三つの条件で決めます。一つ目は、AIの使い方の取り決めが契約か発注書にあるか。なければ、判定より先に取り決めを作ります。二つ目は、判定にかける原稿が、提供元が対象とする形かどうか。長い散文の記事なら向いていますが、商品説明の短文、表の多い比較記事、海外記事の翻訳が中心なら効果は小さくなります。三つ目は、判定の結果を受けて、話を聞き、原稿を確かめる人手があるかどうかです。
三つがそろわないなら、規程には入れず、編集担当の任意の確認手段にとどめるほうが安全です。規程に入れると、判定は「必ず行う検査」になり、結果をどう扱ったかについて発注側の説明責任も生じます。全件に判定をかけたのに、高い割合が出た原稿をそのまま受け入れていれば、規程と運用の食い違いを問われかねません。
判定を入れないという選択も正当です。読者に対する品質に直結するのは、事実の確認、出典の確認、取材した内容が本当に含まれているかの確認です。判定は原稿の質を保証しないことを踏まえ、判定に割く手間を、こうした確認に回したほうが成果につながる編集部もあります。
対策2:判定結果だけで相手を責めない手順
判定を使うと決めたら、結果が出た後の手順を先に決めておきます。判定の結果が出るたびに担当者が個別に判断すると、書き手によって扱いが変わり、不公平だという不満につながります。
本文だけを取り出し、見出し・表・引用・参考文献を除く。文書ファイルか元の文で判定し、使ったモデルの名前と判定の日を記録する。
段階と区間を記録し、その時点では結論を出さない。判定の画面を相手にそのまま送りつけない。
AIの区間とされた部分の事実・数字・出典を確かめる。誤りや出典のない主張があれば、判定とは関係なく修正を求められる。
責める形ではなく、作り方を尋ねる形で聞く。下書きの経緯や使った道具を確かめ、取り決めとの関係を一緒に確認する。
取り決めに反していたか、どう扱ったかを、判定とは切り離して編集の責任者が判断し、記録する。
この手順の要は、判定の結果を、相手に突きつける証拠として使わないことです。判定は推定なので、相手が反論しても、判定が正しいことを発注側から証明できません。原稿の誤りや取り決めとの食い違いのように、相手と一緒に確かめられる事実で話すほうが、結論に早く着きます。
- 判定の割合だけを根拠に、理由を説明せず差し戻す
- 判定の画面を書き手に送り、AIを使ったと認めるよう求める
- 判定で高い割合が出た書き手を、次の発注から黙って外す
- 判定の結果を、他の書き手や社外に共有する
- 取り決めにない基準を、判定の結果を見てから持ち出す
対策3:契約と発注書にAIの使い方を書く
取り決めに書く項目は、多くはありません。使ってよい用途、使ってはいけない用途、申告の方法、発注側が判定の道具を使うかどうかとその結果の扱い、発注側が渡す資料をAIに入れてよいか。この五つを、契約書か発注書の別紙として1枚にまとめます。
- 使ってよい用途:構成案の検討、校正、誤字の確認、言い回しの候補出しなど
- 使ってはいけない用途:本文の大部分の生成、取材していない体験談や声の作成、出典のない数字の作成など
- 申告の方法:使った用途と道具を、納品時に一言添える
- 発注側が判定の道具を使う場合があること。その結果だけで受け取りを拒まず、経緯を聞く手順を踏むこと
- 発注側が渡す未公開の資料を、書き手が外部のAIに入れてよいか
とくに入れておきたいのは、発注側が判定の道具を使うこと、その結果だけで受け取りを拒まないことの明記です。書き手にとっては何が起きるかを予見でき、発注側にとっても、後から基準を足したと言われずに済みます。
逆向きの取り決めも必要です。発注側が渡す未公開の製品情報や顧客の事例を、書き手がAIに入れてよいか。ここは判定とは関係なく、情報管理の問題として発注側が決めておく事項です。書き手にAIの使い方を問う以上、発注側の資料の扱いも明確にしておくのが公平です。
別紙の書き方は、短く具体的なほうが守られます。たとえば「本件の原稿作成にあたり、構成案の検討と校正に生成AIを使うことができる。本文の大部分の作成には使わない。発注者は受け入れの確認にAI判定の道具を使う場合があるが、その結果のみを理由に受領を拒まず、受注者に経緯を確認する」といった文面です。法律の観点での最終的な文面は、法務や専門家に確かめてもらう前提で、まず編集部として何を約束し、何を約束してもらうかを言葉にしておきます。
誤判定が疑われたときの扱いを決めておく
書き手が「使っていない」と訴えたときに、まず確かめるのは判定の条件です。判定の対象外の文が混ざっていなかったか(表、引用、目次、機械翻訳した部分など)、PDFから判定していなかったか、原稿が短すぎなかったか、どのモデルで判定したか。提供元は、詩のように形式の強い文にはとくに注意するよう促しています。条件を整えて判定し直すと、結果が変わることがあるため、ここを飛ばさないようにします。
そのうえで、書き手に下書きの経緯や取材のメモを任意で見せてもらうことはあってよいでしょう。ただし、経緯の資料を出せないことを、AI利用の証拠として扱わないことを規程に書いておきます。頭の中で構成して一気に書く書き手もいれば、紙のメモで下書きする書き手もいます。報道調の淡々とした文はAIの文に似やすいという指摘もあり、手順を説明する解説記事はまさにこの文体です。
書き手の属性による偏りについて、提供元は、英語を学ぶ学生や障害のある学生を含む約2万6千件の作文で誤判定がなかったこと、神経発達の特性がある書き手の文書でも目立った偏りがなかったことを公表しています。ただ、いずれも英語の文書での検証です。日本語を母語としない書き手や、定型の言い回しを多く使う専門家の原稿で同じ結果になるかは、自社で確かめるまで分かりません。こうした書き手の原稿で高い割合が出たときは、判定よりも話を聞くことを先にします。
誤判定と判断したら、その結果を記録に残し、同じ書き手の次の原稿で判定の扱いを変えないようにします。誤判定の件数と、そのときの原稿の特徴(分野、長さ、文体)を集めておくと、自社の原稿で判定がどう揺れるかが見えてきます。これは提供元の公表値では分からない、自社だけの判断材料になります。
原稿を外に送ることになる:データの流れ
判定をするということは、原稿を米国の事業者に送るということです。公式のプライバシーの方針では、サービスは米国のクラウド基盤で動いており、送った文は判定のモデルの学習に使わず、新しい製品の開発や宣伝にも使わないとしています。登録した利用者の送信内容は、アカウントを閉じてから30日以内に削除するか、契約で定めた期間に従うと説明しています。履歴から個別に削除することもできますが、判定を行った記録そのものは請求と分析のために残るとされています。
外注原稿には、公開前の製品情報、顧客の事例、取材相手の発言が含まれることがあります。顧客や取材相手との秘密保持の取り決めで、外部のサービスに入れてよいかを確かめます。寄稿の原稿は寄稿者の著作物なので、判定のために外部に送ることを、寄稿をお願いする時点で伝えておくと揉めにくくなります。
- サイト上では第三者評価の報告書(SOC2 タイプ2)を示している。内容は契約前に取り寄せて確かめる
- ブラウザの拡張機能は、閲覧中のSNSの投稿などに判定の表示を付ける。編集部員が個人で入れてよいかを社内で決める
- 無料の利用でも送った文は収集されると方針に書かれている。業務の原稿は会社の契約のアカウントで判定する
- 判定の結果を社内の共有フォルダに置く場合、閲覧できる人を編集の責任者に限る
費用の見積もり方と、やめ方
Pangram 4 から、料金は100語単位で数える方式になりました。公式の告知では、個人向けのプランで月30万語と画像100件まで、上位のプランで月150万語と画像500件までが使え、API は100語あたり0.05ドルです。報道では、ウェブ版は月20ドルとされています。日本語の原稿がどのように語数として数えられるかは、公開の説明からは読み取れなかったため、試しに自社の原稿を数本判定して、消費量を確かめるのが確実です。
ただ、費用として大きいのは利用料より人の時間です。判定の後に原稿を確かめ、必要なら書き手に話を聞き、記録を残す。この人の時間が、判定の本当の費用です。月の原稿の本数、確認に回る割合、1件あたりの確認の時間を掛け合わせて見積もると、判定を全件にかけるか、一部の原稿に絞るかの判断がしやすくなります。判定の件数を増やすほど、確認する人の負担も増えることを、導入の前に編集の責任者と共有しておきます。
やめ方も先に決めておきます。判定の記録を受け入れの記録として残すなら、製品の中だけに置かず、社内の記録として保存します。解約するとアカウントの送信内容は30日以内に削除されるため、必要な記録はその前に取り出しておきます。
受け入れ規程に入れる前のチェックリスト
最後に、Pangram を受け入れ規程に組み込む前に確かめる項目をまとめます。一つでも答えられない項目があれば、規程に入れる前にそこを埋めます。
- 契約書か発注書に、AIの使い方の取り決めがあるか
- 判定の段階ごとに、次に何をするかを決めたか。どの段階にも不合格を直接結びつけていないか
- 自社の過去の原稿で試し、日本語の原稿での揺れ方を確かめたか
- 判定の前に本文だけを取り出す手順と、使ったモデルと判定日を記録する手順があるか
- 判定の後に原稿を確かめ、書き手に話を聞く人手と時間を見込んだか
- 誤判定が疑われたときの扱いと、経緯の資料を出せなくても不利にしない旨を書いたか
- 原稿を米国の事業者に送ってよいかを、秘密保持の取り決めと照らしたか
- 判定の結果を誰が見られるか、どれだけ保存するかを決めたか
この一覧が埋まれば、判定は「書き手を疑う道具」ではなく、確認の重点を決める道具として受け入れの流れに収まります。埋まらないうちは、判定を規程に入れず、編集の確認を強めることから始めても遅くはありません。
まとめ
Pangram は、文章を区間ごとに、人・AIの手直し・AIの生成に分けて推定する道具で、2026年7月の Pangram 4 で精度と手直しの見分けを強めたと公表しています。ただし公表されている数字は提供元自身の検証で、日本語の外注原稿での精度は示されていません。受け入れの揉め事は、AIを使ったかと取り決めに反したかの混同、提供元の数字の読み違い、契約の取り決めの欠落から生まれます。判定を受け入れ規程に入れるなら、まず契約と発注書にAIの使い方を書き、判定の段階ごとに次の行動だけを決め、判定の結果を相手に突きつけず、原稿そのものの事実と出典で話す。AIに判断させない範囲を先に決めたうえで、道具を使うかどうかを判断してください。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
AIの導入・活用、何から始めるべきかお悩みですか?
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