Canva AIは個人契約か法人契約か|学習と管理で変わる線

「バナーも資料も、もう社員がそれぞれ自分のCanvaで作っている」「AIでデザインを作れるようになったらしいが、会社として止めるべきか開けるべきか分からない」。マーケ部門と情シスの両方から、同じ時期にこの2つの声が上がってきます。実はどちらも、AIの機能の良し悪しの話に見えて、根は同じところにあります。決めるべきなのは、AIを使うかどうかではありません。本当は、誰の契約の上でAIを使わせるかです。Canvaは、個人の契約と会社のチームの契約とで、入力が学習に使われるかどうかや、管理者が開け閉めできるかどうかが違います。この記事では、契約の種類ごとの違いを4つの点で比べ、どの契約に寄せ、どのチームにAIを開くかを決める順番を整理します。
カメ先生Canvaは、社員が個人で登録して使い始めることが多い道具なんだ。だから、AIが入っても、会社の設定が届かないところで使われていることがよくあるんだよ。
カメ子同じCanvaでも、個人の契約と会社の契約では扱いが違うということですか。
カメ先生そう。公式の説明では、会社で使う種類の契約は入れたものを学習に使わないとしているけど、個人の契約は本人の設定しだいなんだ。管理者が機能を止められるかも契約で変わる。
カメ子AIの機能を見る前に、契約の種類をそろえるところから考えればいいんですね。
- Canvaは、チーム・ビジネス・エンタープライズ・教育機関向けの契約では、利用者のコンテンツをAIの改善に使わない。個人の契約は本人のプライバシー設定で扱いが決まる
- 管理者が役割に応じてAI機能を開け閉めできるのは、チームで使う契約の側。個人の契約には会社の管理が届かない
- AIに任せるのは社員への案内文と利用ルールの追記案の下書きまで。どの契約に寄せ、どのチームに開くかは人が決める
AIの導入・活用、何から始めるべきかお悩みですか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
社内のCanvaに、どんなAIが入っているか
Canvaには以前から、画像の生成や文章の下書きなど、マジック・スタジオと呼ばれるAIの機能がそろっていました。そこに2026年の年次イベントで、新しい世代のCanva AIが発表されました。公式の発表では、会話で指示するとデザインを作る機能、目的を伝えると必要な機能を選んで進めるエージェント型の編集、使うほど好みを覚えるメモリなどが挙げられています。
あわせて、外部の業務ツールとの接続、決まった時刻に作業を動かす定期の実行、ウェブの調査なども発表されました。接続先には、業務チャット、メール、クラウドのファイル置き場、予定表、顧客管理などの道具が並んでいます。デザインの道具だった製品が、社内の情報を読み、決まった作業を代わりに進める道具に近づいていると見ておくと、決めることの重さが分かります。
ここで大事なのは、こうした機能が、会社で使うためにそろえた環境だけでなく、社員の個人の契約の上でも動くことです。新しいCanva AIのヘルプでは、対応するプランとして、個人向けの有料のプロ、チーム、ビジネス、非営利団体向けが挙がっています(2026年9月に確かめた時点)。個人の契約の社員も、同じAIを使える側にいるわけです。
この記事では、デザインの作り方やブランドの決まりの守らせ方には入りません。扱うのは、社員がどの契約でCanvaを使い、その上でAIの機能をどこまで開くかという、契約と管理の線です。
新しい機能は、発表の時点では研究プレビューだった
社内の決まりを作る前に、どの機能がどの段階にあるかを確かめます。公式の発表の記事では、会話でのデザイン、エージェント型の編集、メモリ、接続、定期の実行などは、いずれも研究プレビューとして公開され、一般の利用者には数週間かけて段階的に広げると書かれていました。
研究プレビューは、完成した機能ではなく、試しに使ってもらいながら直していく段階です。動き方や名前が変わることも、途中で止まることもあります。社内の手順書に「この機能を使ってよい」と書くと、機能が変わったときに手順書だけが古いまま残ります。決まりには機能の名前ではなく、扱う情報と操作の種類を書くと、変化に強くなります。
どの機能が自社の画面で使えるかは、実際に会社の契約のアカウントで開いて確かめるのが確実です。確かめた日、確かめたアカウントの種類、表示された機能を1枚にまとめておきます。個人の契約と会社の契約とで表示が違うこともあるので、両方の画面で確かめておくと、社員からの問い合わせに答えやすくなります。
確かめた一覧は、四半期に一度ほど見直します。研究プレビューの機能が一般の提供に移ったり、新しい接続先が加わったりすると、開くかどうかの判断が変わるからです。見直しの担当は、情シスとマーケ部門から一人ずつ決めておきます。
分かれ目は、機能ではなく「誰が契約しているか」
Canvaの契約は、大きく2つの系統に分かれます。1つは、社員が自分で登録する無料の契約と、個人向けの有料の契約です。もう1つは、チーム、ビジネス、エンタープライズ、教育機関向けのように、組織で使う前提の契約です。同じAIの機能でも、どちらの系統の上で動くかで扱いが変わります。
個人の系統では、契約の持ち主は社員本人です。支払いが会社の経費であっても、アカウントの設定を決めるのは本人で、会社の管理者はその中を見ることも、設定を変えることもできません。会社のメールアドレスで登録していても、この点は同じです。ここが、情シスが気づきにくい落とし穴です。
組織の系統では、管理者がいて、メンバーを招き、役割を割り当て、機能の使い方を管理できます。AIの機能をどこまで開くかを会社として決められるのは、こちらの系統です。会社の決まりが届くのは、組織の系統の契約の中だけと考えておきます。
この違いを、4つの点で比べていきます。入力と生成物が学習に使われるか、管理者がAIの機能を開け閉めできるか、生成物の権利と補償、退職したときのデザインの行き先です。無料版の翻訳の道具を業務で使わせない話と同じ形に見えますが、Canvaでは、学習の扱いに加えて、AIの機能そのものを役割ごとに管理できるかが大きな違いになります。
違い1:入力と生成物が、AIの学習に使われるか
Canvaの安全なAIの取り組みを説明した公式の記事は、チーム、ビジネス、エンタープライズ、教育機関向けの利用者のコンテンツは、AIの機能の改善に使わず、オンにすることもできないと書いています(2026年1月に更新された版)。会社の側でうっかり有効にしてしまう心配がない、という意味でもあります。
一方、プライバシーポリシー(2026年8月25日の更新)は、利用者の活動、コンテンツ、アップロードした素材などを分析し、サービスの提供やメモリの作成に使うほか、アルゴリズムやモデル、AIの製品の学習に使うことがある、と書いています。そのうえで、学習への利用は、プライバシー設定の中の管理の画面で扱えるとしています。教育機関向けのコンテンツは学習に使わない、とも明記されています。
つまり、個人の系統の契約では、入れたデザインや素材が学習に使われるかどうかは、本人の設定で決まります。社員が社外秘の資料の図や、顧客のロゴが入った提案書をCanvaで作っていれば、その扱いも本人の設定しだいです。会社として「学習に使われていない」と言い切れるのは、組織の系統の契約の中で作ったものだけです。
学習させない設定を提供元の文書でどう確かめるか、種別ごとにどこを見るかの一般的な手順は、「入力を学習させない設定の確認項目|管理画面で確かめる順番」にまとめています。ここではCanvaに固有の点として、契約の系統で扱いが分かれることだけを押さえておきます。
個人の契約の学習の設定は、本人が持っている
個人の系統の契約で、学習への利用の設定が最初にどちらになっているかは、今回確かめた公式のヘルプとプライバシーポリシーの文面からは読み取れませんでした。外部の解説には初期の状態で有効だとするものもありますが、公式の記載で確かめられない以上、社員それぞれの画面で確かめるのが確実です。
設定の場所は、公式のヘルプでは、プロフィールのアイコンからアカウントに進み、プライバシーの管理の画面に入る流れで案内されています。社員に確かめてもらうときは、この流れを画面の写しと一緒に案内し、確かめた結果を報告してもらいます。報告は「確かめた」の一言ではなく、どの項目がどうなっていたかを書いてもらいます。
ただし、本人に設定を切り替えてもらっても、それで会社の管理になるわけではありません。本人がいつでも戻せるうえ、会社はその状態を見られないからです。個人の契約の設定の確認は、寄せ替えまでのつなぎと位置づけ、長く頼る仕組みにはしません。
また、設定を変えても、効くのはその後に入れたものだと考えておきます。すでに入れたデザインや素材がどう扱われたかまでは、本人の画面からは確かめられません。社外秘の資料を扱う部署ほど、先に組織の系統の契約に移しておく意味があります。
違い2:管理者が、AIの機能を開け閉めできるか
公式の記事によると、チームのプランの管理者は、社員の役割に応じてマジック・スタジオの機能を使えるかどうかを管理でき、職場でAIの機能をどう有効にし、どう使うかを管理者が決められるとしています。たとえば、デザインを担当する役割には開き、閲覧が中心の役割には閉じる、といった分け方ができます。
個人の系統の契約には、この管理者がいません。AIの機能を使うかどうかは本人が決めます。会社が「顧客の資料はAIの機能に入れない」と決めても、個人の契約の上ではそれを止める手段がありません。決まりを守ってもらうしかない状態です。
注意したいのは、新しい世代のCanva AIの機能まで、同じ管理の画面で開け閉めできるかという点です。今回確かめた公式の記事は、従来のマジック・スタジオを前提に書かれていました。新しい機能が管理の画面のどこに出るかは、会社の契約の管理画面で確かめる項目として、情シスの確認の一覧に入れておきます。
また、公式の記事は、入力された指示と生成された結果の両方を、機械で自動的に審査していると書いています。これは不適切な生成を減らす仕組みで、会社の情報の扱いを守る仕組みではありません。審査があることと、会社が管理できることは別だと分けて考えます。
違い3:生成物の権利と、補償の対象
AIで作ったデザインを広告や営業資料に使うとき、気になるのが、他者の権利に触れたと言われた場合の扱いです。公式の記事は、条件を満たすエンタープライズの顧客に、追加の費用なしで知的財産の補償を提供すると書いています。対象は、マジック・スタジオの機能を使ったデザインに関する知的財産の請求です。
裏を返すと、個人の契約や、エンタープライズより下の契約では、この補償の対象に入らないことになります。広告や製品のパンフレットのように社外に大きく出る制作物を、AIの機能で作る部署があるなら、どの契約の上で作るかを先に決めておく意味があります。
補償は、条件を満たした場合に限られます。どんな使い方をすると補償の外になるかは、契約の文書で確かめます。生成AIの補償が外れる条件の一般的な整理は「生成AIの著作権補償が外れる条件一覧|守られる使い方を確かめる」にまとめています。
補償があっても、社外に出す前の確認は省けません。生成された画像や文章に、他社の商品や実在の人物に似たものが入っていないか、自社の説明として正しいかは、人が確かめます。補償は事故の後の備えで、事故を防ぐ仕組みではないと考えておきます。
違い4:退職したときに、デザインがどこに残るか
個人の系統の契約で作ったデザインは、社員本人のアカウントの中にあります。会社の管理者はその中を見られないので、退職や異動のときに、どのデザインが業務のもので、どれを引き継ぐべきかを会社の側から確かめる手段がありません。作った本人がいなくなると、元のデータを直せなくなることが起きます。
よくあるのは、展示会のパネル、営業資料の表紙、交流サイトの投稿の型などが、辞めた社員の個人のアカウントにしか残っていない状態です。書き出した画像は手元にあっても、元のデザインが無いので、日付を一か所直すだけでも作り直しになります。AIのメモリに覚えさせた好みや指示も、本人のアカウントとともに離れていきます。
組織の系統の契約では、デザインは会社のチームの中に置かれ、メンバーの出入りを管理者が扱えます。ただし、退職者のデザインの引き継ぎがどう動くかの細かな手順は、今回確かめた公式の記事では確かめられませんでした。退職と異動のときのデザインの移し方は、契約の前に提供元に確かめる項目にしておきます。
個人の契約で作った業務のデザインを、会社の契約に移す作業も要ります。寄せ替えのときに、社員に「業務で作ったデザインを会社のチームに移す」ことを期限つきで頼み、移した一覧を出してもらいます。移すかどうかの判断を本人任せにすると、残るものが出ます。
契約の種類ごとの違いを、1枚で比べる
ここまでの4つの点を、契約の種類ごとに並べます。公式の記事とヘルプで確かめた範囲を書き、確かめられなかった所は「確かめる」と書いています。表は、社内の説明の資料にそのまま使える形にしてあります。
| 比べる点 | 無料・個人向けの有料 | チーム・ビジネス | エンタープライズ |
|---|---|---|---|
| 入力が学習に使われるか | 本人のプライバシー設定で扱いが決まる。初期の状態は画面で確かめる | 使わない。オンにもできない | 使わない。オンにもできない |
| 管理者がAI機能を開け閉めできるか | できない。本人が決める | チームのプランの管理者が役割に応じて管理できる | 組織の管理画面で確かめる |
| 知的財産の補償 | 対象外 | 対象外 | 条件を満たす顧客が対象 |
| 退職のときのデザイン | 本人のアカウントに残り、会社から見えない | 会社のチームに置かれる。引き継ぎの手順は確かめる | 同左。契約の前に確かめる |
| 新しいAI機能の開け閉め | 本人が使うかを決める | 管理画面のどこで扱えるかを確かめる | 同左 |
表を見ると、学習の扱いと管理の有無は、個人の系統と組織の系統の間で大きく分かれ、補償はエンタープライズだけが別になっていることが分かります。どこまで寄せるかは、扱う情報の重さと、社外に出す制作物の多さで決まります。料金の比べ方は、ここでは扱いません。
この表を作るときに、AIに手伝わせてもかまいません。ただし、表のます目に入れる言葉は、必ず公式の文書の該当する文と並べて確かめます。AIに要約させた一覧を、そのまま社内に配ることはしません。AIには根拠の文を引かせ、人が文書を開いて照らし合わせるという順番にします。
選択肢1:個人の契約のまま使わせる
1つ目の選択肢は、社員の個人の契約のまま使わせる形です。費用を会社が持たず、導入の手間もかからないのが利点です。ただ、ここまで見た通り、学習の扱いは本人の設定しだいで、会社はAIの機能を止められず、退職のときにデザインが残りません。会社の情報を入れない使い方に限るなら成り立つ選択肢です。
具体的には、社外に出す前提の公開済みの情報だけで作る、社員が個人で学ぶために使う、といった場面です。顧客の名前、社内の数字、発表前の製品の情報、社外秘の資料を入れないことが条件になります。この条件を守れるかどうかを、部署ごとに見ます。
この形を選ぶなら、社員への案内に3つを書きます。入れてはいけない情報の種類、プライバシー設定を確かめる手順、業務で作ったデザインは会社の契約に移すこと、です。案内だけで守らせる形なので、見直しの頻度を上げておく必要があります。
現実には、個人の契約のまま広く業務に使われている状態から始まる会社が多いはずです。その場合も、いきなり全面的に禁止するより、扱う情報の重い部署から順に組織の契約に移し、残る部署には案内で線を引く、という段階を踏むほうが、現場の反発が少なく済みます。
選択肢2:チームの契約に寄せる
2つ目は、チームやビジネスのような組織の系統の契約に寄せる形です。利用者のコンテンツが学習に使われないこと、管理者が役割に応じてAIの機能を開け閉めできること、デザインが会社のチームの中に置かれることの3つが、一度にそろいます。マーケ部門のように、日常的に社外向けの制作物を作る部署の標準にしやすい形です。
寄せるときは、まず対象の部署と人数を決めます。デザインを作る人、確かめるだけの人、たまに見るだけの人を分けておくと、役割の割り当てが決めやすくなります。AIの機能を開く役割と閉じる役割も、この段階で決めておきます。
次に、個人の契約から移る社員に、業務のデザインを会社のチームに移してもらいます。移し終えたら、個人の契約を業務では使わない、と案内します。会社のメールアドレスで作られた個人のアカウントが残ると、また業務のデザインがそこに溜まり始めるので、移し終えた確認までを、寄せ替えの作業に含めるようにします。
チームの契約でも、補償はエンタープライズとは別です。広告のように社外に大きく出す制作物で、権利の請求に備えたい場合は、次の選択肢を検討します。チームの契約に寄せるのは、学習と管理の線を引く段階だと位置づけておきます。
選択肢3:法人向けの上位の契約にする
3つ目は、エンタープライズのような法人向けの上位の契約です。学習に使われない点と管理できる点に加えて、条件を満たせば知的財産の補償が付きます。AIで作った制作物を広告や製品の資料として大きく社外に出す会社では、この補償の有無が判断の決め手になることがあります。
上位の契約を検討するときは、提供元の窓口に確かめる項目を先に一覧にしておきます。補償の条件、新しいAIの機能を管理の画面でどう開け閉めできるか、退職したときのデザインの移し方、接続した業務ツールのデータの扱いなどです。答えは書面でもらい、確かめた日付とともに残します。
上位の契約にしても、社内の確認の手順は変わりません。AIで作ったデザインを社外に出す前に、事実と表記と権利を人が確かめます。補償の条件の中には、利用者が守るべき使い方が含まれるのが普通なので、補償の条件を、社内の確認の手順に書き写しておくと、条件の外で使ってしまうことを防げます。
どの選択肢でも、全社で一つにそろえる必要はありません。社外に大きく出す制作物を作る部署は上位の契約、社内向けの資料を作る部署はチームの契約、会社の情報を扱わない使い方は個人の契約、と分けることもできます。分けるなら、どの部署がどの契約かを一覧にして、情シスが持ちます。
AIの機能を、どの役割に開くかを決める
組織の系統の契約に寄せたら、次はAIの機能をどの役割に開くかを決めます。目安は、その役割が扱う情報と、作ったものが社外に出るかどうかです。社外に出す制作物を作り、確認の手順に乗っている役割には開き、確認の手順が無い役割や、顧客の情報を多く扱う役割は、しばらく閉じておく、という分け方が考えやすい形です。
開くときは、使ってよい情報と使ってはいけない情報を、役割ごとに書きます。たとえば、マーケ部門の制作の役割には「公開済みの製品情報と承認済みの素材は入れてよい。顧客の名前と社内の数字は入れない」と書きます。書いた決まりは、利用ルールの追記として全員に配ります。
閉じた役割から「使いたい」という声が出たときの窓口も決めておきます。申し出を受けたら、扱う情報と確認の手順を聞き、条件がそろえば開く、という流れです。開ける条件を先に書いておけば、申し出への答えが人によってぶれないようになります。
開いた後は、月に一度ほど、使われ方を振り返ります。どの役割でどの機能が使われ、困りごとや誤りが起きていないかを聞きます。AIに利用の記録を要約させてもかまいませんが、開き続けるか閉じるかは、情シスとデータの持ち主が一緒に決めます。
メモリと外部接続は、別に線を引く
新しい世代のCanva AIで特に扱いに気をつけたいのが、メモリと外部接続です。メモリは、使うほど好みや指示を覚えていく仕組みで、プライバシーポリシーにも、利用者の活動やコンテンツからメモリを作って保存することがあると書かれています。何が覚えられているかを、利用者が意識しないまま使い続けることになりがちです。
外部接続は、業務チャット、メール、ファイル置き場、予定表、顧客管理などの道具とつなぎ、その中の情報をデザインづくりに使う仕組みです。発表の時点では研究プレビューでした。つなぐと、デザインの道具が社内の情報を読むことになるので、デザインの機能とは別の判断が要ります。
この2つは、他のAIの機能を開いた役割でも、最初は閉じておくのが無難です。開くなら、つなぐ先の道具と、読ませてよい範囲を一つずつ決めます。接続は、どの道具のどの情報を読ませるかを、つなぐ前に書き出すことが出発点です。接続を審査するときの一般的な確認の項目は、外部接続の安全を扱った別の記事で整理しています。
メモリについては、覚えた内容を確かめたり消したりする手順を、使い始める前に確かめます。担当者が替わるときや、別の顧客の案件に移るときに、前の案件の指示が残ったままにならないようにするためです。
- メモリに何が覚えられているかを、利用者が自分の画面で確かめられるか
- 覚えた内容を一件ずつ消せるか、まとめて消せるか
- 接続した道具の側で、読ませる範囲を利用者ごとに絞れるか
- 接続をやめたとき、読み込んだ情報がどう扱われるか
- 管理者が役割ごとにメモリと接続を止められるか
この5つは、今回確かめた公式の記事とヘルプでは答えが見つからなかった項目です。会社の契約の管理画面で確かめるか、提供元の窓口に問い合わせて、答えを記録に残してから開くかどうかを決めます。確かめられないまま開くことはしません。
寄せ替えの手順と、社員への案内
ここまでの判断を、実際の作業の順番に並べます。情シスとマーケ部門が一緒に進め、各段の終わりに確かめた記録を残します。
どの部署の誰が、どの契約でCanvaを使い、どんな情報を入れているかを聞き取ります。
扱う情報の重さと、社外に出す制作物の多さで、個人・チーム・上位の契約を割り当てます。
開く役割と閉じる役割、メモリと外部接続の扱いを決め、管理画面で設定します。
期限を決めて会社のチームに移してもらい、移した一覧を出してもらいます。
入れてよい情報、申し出の窓口、見直しの頻度を書いた案内を配ります。
社員への案内文と、利用ルールに足す文の下書きは、AIに作らせると速く進みます。その場合も、下書きに書かれた契約の扱いや設定の場所が公式の記載と合っているかは、人が確かめます。AIに契約の違いを判断させず、根拠の文を添えさせることが条件です。
- 会社のメールアドレスで登録しているから、会社の管理になっていると思い込む
- 個人の契約の社員に設定を切り替えてもらい、それで会社の管理が済んだとする
- 研究プレビューの機能の名前を、そのまま社内の決まりに書く
- 補償があるから、社外に出す前の確認を省く
- 業務のデザインを移すかどうかを本人任せにし、退職の後に元のデータが無くなる
まとめ
Canva AIの扱いは、AIの機能の中身より先に、誰の契約の上で使わせるかで決まります。チーム・ビジネス・エンタープライズ・教育機関向けの契約では、利用者のコンテンツはAIの改善に使われず、管理者が役割に応じて機能を開け閉めできます。個人の契約では、学習の扱いは本人の設定しだいで、会社の管理は届かず、退職のときにデザインが残りません。補償はエンタープライズの条件を満たす顧客に限られます。扱う情報の重さと社外に出す制作物の多さで、部署ごとに寄せる契約を決め、開く役割と閉じる役割、メモリと外部接続の線を書き出しましょう。AIには案内文の下書きを任せ、契約の違いの判断と公式の記載との照合は人が行います。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
AIの導入・活用、何から始めるべきかお悩みですか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
