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NDAを自社ひな形と比較して差分と論点を出す

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

先方から提示されたNDAを入力に、自社のひな形および審査基準と条文単位で突合し、「どの条項が」「自社基準とどう違い」「なぜ問題になるか」を抽出させます。

サマリー
利用ツール
ChatGPT/Claude/Gemini/Make/n8n/Power Automate/Python
対象業界
IT・SaaS/商社/広告/製造
対象部門
法務
対象業務
内容確認・チェック
主な課題
人手が足りない/属人化している/確認ミスが多い
AIで行う処理
判定
主な効果
品質標準化/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★★★☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
SaaS追加(小)
人間の確認
必須
現在工数
40h/月
AI導入後
15h/月
想定削減
63%
年間削減
300h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 営業部門から「NDAのレビューをお願いします」とメールが来る
  2. 法務担当が添付のWordまたはPDFを開く
  3. 自社のひな形と、条文を1つずつ比べる
  4. 自社基準から外れている箇所を洗い出す
  5. 修正案をWordの変更履歴として作る
  6. 営業部門に「ここを直してもらってください」と返す
  7. 先方と交渉し、合意できなければ再度法務に相談が来る
導入後(After)
  1. 営業部門が、専用フォームにNDAファイルをアップロードする
  2. 自動条文を単位に分解し、自社ひな形の対応条項と突合する
  3. 自動審査基準に照らして、差分と論点を抽出する
  4. 自動差分を重要度で分類する(要交渉/要確認/許容範囲)
  5. 法務担当が抽出結果を確認し、交渉方針を決める
  6. 修正案を作成する(AIの案を下敷きにする)
  7. 自動過去に同じ相手・同じ論点で合意した内容があれば提示する
各工程の詳しい説明を読む
  1. 営業部門から「NDAのレビューをお願いします」とメールが来る
  2. 法務担当が添付のWordまたはPDFを開く
  3. 自社のひな形と、条文を1つずつ比べる
  4. 自社基準から外れている箇所を洗い出す
  5. 修正案をWordの変更履歴として作る
  6. 営業部門に「ここを直してもらってください」と返す
  7. 先方と交渉し、合意できなければ再度法務に相談が来る

問題は4つあります。

(a)条文の並び順が先方ごとに違う。 「秘密情報の定義」が第1条のこともあれば第3条のこともあります。対応する条項を探すところから始まります。

(b)レビュー待ちで商談が止まる。 法務2名で月60件を処理するため、混雑期は3営業日待ちになります。その間、営業は情報を出せません。

(c)判断が属人化している。 「この程度の差分なら許容」という線引きが、担当者の経験に依存しています。担当が変わると同じ条項の扱いが変わります。

(d)同じ論点を毎回説明している。 「損害賠償の上限がない条項は受け入れられない」という説明を、営業部門に毎回しています。

  1. 営業部門が、専用フォームにNDAファイルをアップロードする
  2. 【自動】 条文を単位に分解し、自社ひな形の対応条項と突合する
  3. 【自動】 審査基準に照らして、差分と論点を抽出する
  4. 【自動】 差分を重要度で分類する(要交渉/要確認/許容範囲)
  5. 【人】 法務担当が抽出結果を確認し、交渉方針を決める
  6. 【人】 修正案を作成する(AIの案を下敷きにする)
  7. 【自動】 過去に同じ相手・同じ論点で合意した内容があれば提示する

自動化されるのは「対応する条項を探す」「基準と比べる」「差分を列挙する」の3つです。判断と修正案の確定は人が行います。

02今回想定するシステム構成

構成図
営業部門が NDAファイルをアップロード(Forms / SharePoint)
   │
   ▼【トリガー】ファイルがアップロードされたとき
Power Automate(または Make / Python)
   │
   ├──▶ テキスト抽出(Word / PDF)
   ├──▶ 条文単位への分解
   │
   ├──▶ 自社ひな形(条文単位で構造化済み)を参照
   ├──▶ 審査基準(条項別の許容範囲)を参照
   ├──▶ 過去のレビュー履歴を参照(同一相手先)
   │
   ▼
LLM API ── 条項の対応づけ・差分抽出・論点の生成
   │
   ▼
レビュー結果(重要度別)──【法務担当が確認・判断】
   │
   ▼
修正案(Wordの変更履歴)+ 営業部門への説明
役割想定する製品代替候補
受付Microsoft FormsSharePoint、Googleフォーム、契約管理SaaS
ワークフローPower AutomateMake、n8n、Python
生成AIClaude APIOpenAI API、Gemini API
契約管理契約書管理システムSharePoint、Box

AI契約審査に特化したSaaSが国内に複数あります。まずそれを検討してください。 法務の審査基準がテンプレートとして用意されており、Wordアドインとして動作する製品もあります。自前で組む価値があるのは、自社独自の審査基準が細かく決まっている場合や、既存の契約管理システムとの連携が必須の場合です。

なお、AIによる契約審査サービスについては、法務省大臣官房司法法制部が令和5年(2023年)8月に「AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について」を公表しています。 この指針では、AIによる出力結果が最終的な判断ではなく参考情報として提供されること、利用者自身による契約書の作成・レビューを支援するものであることなどの要件を満たす場合は、原則として弁護士法第72条に違反しないと整理されています。

サービスを選定する際は、この点への対応状況を確認してください。自前で組む場合も、AIの出力を参考情報にとどめ、最終判断は法務担当者が行う構成にしてください。 §7で法解釈への言及を禁止しているのは、この整理に沿った設計です。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

NDAファイルのアップロードが起点です。

現状はメール添付で来ているため、専用フォームでの受付に変えることが前提になります。 これは運用変更ですが、レビュー依頼の起点が揃うだけでも管理が楽になります。フォームでは、ファイルに加えて次を入力させます。

  • 相手先の社名
  • 契約の目的(何の検討のためのNDAか)
  • 情報の流れ(自社が開示側/受領側/相互)
  • 希望する回答期限

情報の流れを聞くことが重要です。 自社が主に開示する側か受領する側かで、有利な条項が逆になります。これを聞かずにレビューすると、判断の方向が定まりません。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
先方提示のNDA条文全文アップロードされたファイル
自社ひな形条文単位で構造化したもの法務部が整備
審査基準条項別の許容範囲と、その理由法務部が整備
過去のレビュー履歴同一相手先との過去の合意内容契約書管理システム
案件情報契約目的、情報の流れフォームの入力
Step3

データの取得方法を決める

審査基準の構造化が、この構成でもっとも重要な作業です。

自社ひな形をそのまま渡して「違いを教えて」と聞くだけでは、些細な文言の違いまで大量に出てきます。必要なのは「どの差分が問題で、どの差分は許容できるか」の基準です。

{
  "clause_type": "有効期間・存続期間",
  "our_standard": "秘密保持義務の存続期間は契約終了後5年",
  "acceptable_range": {
    "max_years": 5,
    "conditions": "情報の性質により3年まで短縮可"
  },
  "escalation_trigger": "5年を超える、または期間の定めがない",
  "reason": "長期の管理義務は社内の情報管理体制で担保できないため",
  "negotiation_note": "対象情報を限定することで期間の長さを受け入れる余地はある",
  "severity_if_violated": "要交渉"
}

この基準表を、NDAの主要条項(10〜15項目)について作ります。 秘密情報の定義、除外事由、目的外使用の禁止、第三者開示、複製・返還、存続期間、損害賠償、差止め、準拠法・管轄、反社会的勢力の排除などです。

この作業は法務部が行ってください。外注できません。 何を許容し何を許容しないかは、その会社の事業とリスク許容度で決まります。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. テキスト抽出 … Word(.docx)は構造ごと読めます。PDFはテキスト抽出、スキャンPDFはOCRが必要です
  2. 条文単位への分解 … 「第◯条(見出し)」の単位で分けます。項・号の階層も保ちます
  3. 条項タイプの判定 … 各条文が、審査基準のどの条項タイプに該当するかを判定します。条文の見出しだけでは判定できないことがあるため、本文の内容も見ます
  4. 自社ひな形の対応条項の特定 … 条項タイプで対応づけます
Step5

AIに処理させる

させることさせないこと
条項タイプの判定契約の締結可否の判断
自社基準との差分の抽出「法的に問題ない」という判断
差分が問題になる理由の説明(審査基準の記載に基づく)審査基準にない論点の追加
重要度の分類(基準に定義されたもの)法令解釈
修正案の文言の提示修正案の妥当性の最終判断
Step6

指示内容を固定する

あなたは法務担当者を補佐する担当者です。
以下の先方提示のNDAについて、自社ひな形および審査基準との差分を抽出してください。

【厳守事項】
- 契約を締結してよいか、法的に問題があるかの判断をしないでください。
- 「問題ありません」「妥当です」といった評価を書かないでください。
- 差分の指摘には、必ず審査基準のどの項目に基づくかを記載してください。
  審査基準に定めのない事柄を、一般的な法律知識で指摘しないでください。
- 法令の条文、判例、法解釈に言及しないでください。
- 先方案の条文を引用する際は、原文のまま引用してください。要約しないでください。
- 該当する条項が先方案に存在しない場合、
  missing_clauses に記載してください。
  (例:自社ひな形にある「反社会的勢力の排除」条項がない)
- 自社が {information_flow} の立場であることを踏まえて、
  差分の影響を記載してください。
- 重要度は、審査基準の severity_if_violated の値をそのまま使ってください。
  独自に判断しないでください。

【案件情報】
相手先: {counterparty} / 契約目的: {purpose}
情報の流れ: {information_flow}(自社が開示側 / 受領側 / 相互)

【自社ひな形(条文単位)】
{our_template}

【審査基準】
{review_criteria}

【この相手先との過去の合意内容】
{past_agreements}

【先方提示のNDA(条文単位)】
{counterparty_draft}

「法令の条文、判例、法解釈に言及しない」の制約は、意図的なものです。 理由は2つあります。

  1. 正確性の問題 … LLMは存在しない判例や条文番号を生成することがあります。法務担当者がそれを信じると、誤った前提で交渉することになります
  2. 役割の線引き … このツールは「自社の審査基準と照らす」道具です。法的判断は法務担当者と、必要に応じて顧問弁護士が行います。AIに法解釈をさせない設計にすることで、§13に書く弁護士法上の論点を避けられます

「審査基準に定めのない事柄を一般知識で指摘しない」も同じ理由です。基準にない指摘が出ると、法務担当者はそれを検証しなければならず、かえって時間がかかります。

Step7

出力形式を固定する

{
  "counterparty": "",
  "clause_mapping": [
    {
      "counterparty_clause": "第6条(有効期間)",
      "clause_type": "有効期間・存続期間",
      "our_clause": "第8条",
      "mapping_confidence": "high | medium | low"
    }
  ],
  "differences": [
    {
      "clause_type": "",
      "counterparty_text": "",
      "our_standard": "",
      "difference": "",
      "impact_note": "",
      "criteria_ref": "",
      "severity": "要交渉 | 要確認 | 許容範囲",
      "suggested_revision": ""
    }
  ],
  "missing_clauses": [],
  "unmapped_clauses": [],
  "past_agreement_note": ""
}
  • unmapped_clauses … 自社ひな形にも審査基準にもない、先方独自の条項。ここは必ず人が読みます。 想定外の条項が入っているのは、最も注意が必要な箇所です
  • criteria_ref … 審査基準のどの項目に基づく指摘か。これがない指摘は無効とします
Step8

システムへ連携する

法務担当向け: レビュー結果を、重要度別に並べた画面またはスプレッドシートで表示します。先方の条文原文と自社基準を左右に並べます。

修正案: suggested_revision をもとに、Wordの変更履歴付きファイルを生成する構成も可能ですが、まずは文言の提示までにとどめることを勧めます。 変更履歴の自動生成は実装が重く、法務担当者は結局自分で書き直すことが多いためです。

営業部門向け: 法務担当が確認した後、「この条項の修正を先方に依頼してください」という形で返します。AIの出力をそのまま営業部門に渡さないでください。 法務のレビューを経ていない指摘が先方に伝わると、交渉が混乱します。

Step9

人が確認する

全件、法務担当者が確認します。 段階的な自動化もしません。

理由は、契約が法的な権利義務を生じさせる文書だからです。この構成で減らしているのは「条文を探して比べる時間」であって、「法的判断の責任」ではありません。

特に次の2つは、必ず人が読みます。

  1. unmapped_clauses … 想定外の条項。AIは審査基準に基づいて判断するため、基準にない条項の危険性を評価できません
  2. mapping_confidence が low の対応づけ … 対応づけを誤ると、比較そのものが無意味になります
Step10

例外に対処する

起きること対応
PDFがスキャン画像でテキストが取れないOCRに回す。それでも取れない場合は人が読む。読めた体で処理しない
条項の対応づけができないunmapped_clauses に入れる。無理に対応づけない
自社ひな形にある条項が先方案にないmissing_clauses に入れる。「ないこと」が最も見落とされやすい
英文のNDA審査基準を英文用に別途用意する。日本語基準のまま処理しない
準拠法が外国法自動処理の対象外にする。 審査基準は日本法を前提に作られている
NDA以外の契約書がアップロードされた書類種別を判定し、対象外なら処理せず通知する
相手先が個人(フリーランス等)処理は可能だが、審査基準の想定と異なる場合がある。注記する
過去の合意内容と矛盾する提案past_agreement_note に記載する。同じ相手と違う条件で合意すると、後で問題になる
Step11

記録を残す

  • 先方提示のNDA原本
  • AIの抽出結果
  • 法務担当者の判断と修正案
  • AIの指摘のうち、採用したもの・却下したもの

最後が改善材料です。「特定の条項タイプで毎回過剰な指摘が出る」と分かれば、審査基準の記述を調整できます。

また、合意した内容を相手先ごとに蓄積します。次回、同じ相手先とのNDAレビューで参照できます。

04実装レベルの3段階

最小構成:審査基準と先方案をチャットAIに貼る / 差分の抽出
半自動化:フォーム受付 → テキスト抽出 → 差分抽出 → 結果表示 / 受付から抽出まで
本格構成:上記+過去合意との照合+契約管理システム連携+修正案の生成 / 修正案の下書きまで

半自動化で十分な効果が出ます。 月60件の規模では、本格構成の実装コストに見合わない可能性があります。 なお、市販のAI契約審査SaaSを使う場合、半自動化に相当する機能が最初から備わっています。 自前で組む前に、必ず比較してください。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
2 名
月間件数
60 件
1件あたり現在時間
40 分
1件あたり導入後時間
15 分
現在  60件 × 40分 ÷ 60 = 40 時間/月
導入後 60件 × 15分 ÷ 60 = 15 時間/月
月間削減時間
25h
削減率
63%
年間削減時間
300h
年間金額換算(時間単価5,000円)
150万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. NDAのレビューが月30件以上あり、審査基準を明文化できる法務体制がある組織。レビュー待ちが商談の停滞になっている場合。
向いていない
  1. 月10件未満の組織。市販のAI契約審査SaaSで要件が満たせる場合。英文契約が中心の場合(別途基準の整備が必要)。

07最小構成で試す方法

  1. NDAの主要条項について、審査基準を書き出す。まず5条項(秘密情報の定義、目的外使用、存続期間、損害賠償、管轄)で構いません
  2. 過去にレビューしたNDAを5件選ぶ(うち2件は修正を求めたもの)
  3. ChatGPT、Claude、Gemini などのチャット画面に、上のプロンプトと審査基準・自社ひな形を貼る
  4. 続けて先方案を貼り、差分を抽出させる
  5. 自分が過去に指摘した内容と比較する

評価の観点は3つです。

  • 見落とし … 自分が指摘した箇所を、AIが拾えているか
  • 過剰指摘 … 許容範囲の差分まで「要交渉」にしていないか
  • 法解釈の混入 … 判例や条文への言及が出ていないか。出ていたらプロンプトを直します

見落としがゼロで、法解釈の混入がなければ、実用の目安に達しています。

この検証で、審査基準の書き方の粗さが見えます。 AIが誤るのは、多くの場合、基準が曖昧なためです。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
AIが存在しない判例や条文を挙げる法令・判例への言及を明示的に禁止する。出力チェックで「第◯条」「◯◯判決」の表現を検出する
些細な文言の違いまで大量に指摘される審査基準に許容範囲を明記する。「違いを教えて」ではなく「基準に照らして」と指示する
審査基準にない一般論の指摘が出るcriteria_ref を必須にする。参照のない指摘を除外する
条項の対応づけを誤る見出しだけでなく本文で判定させる。mapping_confidence を返させ、low は人が確認する
自社ひな形にある条項の欠落を見落とすmissing_clauses を必ず出力させる。「ないこと」の検出が最も価値が高い
先方独自の条項が評価されないunmapped_clauses として必ず人に回す。ここを自動処理しない
開示側・受領側の立場が考慮されないフォームで情報の流れを聞き、プロンプトに含める
英文NDAを日本語基準で処理する対象外にするか、英文用の基準を別途用意する
AIの指摘が営業部門に直接渡る法務のレビューを必ず挟む運用にする
同じ相手と過去と違う条件で合意する過去のレビュー履歴を参照させる

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 取引先の社名、検討中の取引内容、契約条件。まだ公表されていない事業上の取り組みが含まれます。NDAのレビュー依頼が来る時点で、その相手との取引を検討していることが分かります。

  1. NDA自体の秘密保持義務 … 皮肉な話ですが、NDAの内容そのものを第三者に開示しないという条項が、そのNDAに含まれていることがあります。 外部AIサービスへの入力がこれに抵触しないかを確認してください。抵触する可能性がある場合、入力を学習に使わず、委託契約を結べるサービスを選ぶ必要があります
  2. 未公表の取引の存在 … 「A社とのNDAをレビュー中」という事実自体が、未公表の重要情報になり得ます。上場企業では、この情報の取り扱いに注意してください
  3. 弁護士法第72条との関係 … AIによる契約審査サービスについては、法務省が2023年8月にガイドラインを公表し、一定の整理が示されています。自社で構築する場合も、社内の法務部門が使う業務支援ツールとして設計し、AIに法的判断をさせない構成にしてください。 §7で法解釈への言及を禁止しているのは、この点への対応でもあります
  4. 顧問弁護士との情報共有 … 顧問弁護士に相談する案件については、弁護士との通信の秘密に配慮が必要です。外部AIを介在させることの是非を、顧問弁護士に確認してください
  5. 学習利用 … 入力を学習に使わないことが契約で保証されるサービスを選びます
  6. アクセス権限 … レビュー結果を法務部門と依頼元の営業担当に限定します
  7. 自動実行してよい範囲 … 差分の抽出までです。契約の締結、修正案の先方への送付を自動化しないでください

本記事の記載は一般的な留意点であり、法的助言ではありません。 弁護士法との関係を含め、導入にあたっては顧問弁護士に確認してください。

10まず何から始めるか

0週目:法的な位置づけを整理する

この構成は、法的な位置づけの確認を先に行ってください。 顧問弁護士に、(a)AIによる契約審査支援ツールを社内で使うことの是非、(b)NDAの内容を外部AIサービスに入力することの是非、を確認します。市販のAI契約審査SaaSを使う場合も、同じ確認が必要です。

1〜2週目:審査基準を明文化する

NDAの主要条項について、自社基準と許容範囲を書き出します。この作業自体に価値があります。 現在、担当者の頭の中にある線引きが、文書として共有されるためです。まず5条項から始め、10〜15条項まで広げます。

3週目:5件で試す

過去のレビュー5件で最小構成(§8)を試します。見落としゼロ、法解釈の混入ゼロを確認します。

4〜6週目:半自動化を作る、または市販SaaSを試用する

自前で組む前に、市販のAI契約審査SaaSの試用を必ず行ってください。 審査基準のテンプレートが用意されており、自前で組むより早い可能性があります。

2か月目以降: 運用しながら審査基準を調整します。過剰指摘が出る条項は、許容範囲の記述を見直します。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-09-02/最終更新:2026-09-08
確認した内容情報源確認日
Claude APIのStructured Outputs(JSON Schemaによる出力形式の固定)Anthropic: Structured outputs2026-09-02
AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスと弁護士法第72条との関係についてのガイドライン(法務省、2023年8月公表)法務省: AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について2026-09-02

弁護士法との関係、および個別の契約条項の法的評価については、顧問弁護士への確認が必要です。 本記事の記載は一般的な留意点であり、法的助言ではありません。契約書管理システムとの連携仕様も製品によって異なります。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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