Media > AI活用ユースケース > 人事 > 就業規則を根拠付きで答える人事FAQを作る

就業規則を根拠付きで答える人事FAQを作る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

従業員からの質問(「有給は半日単位で取れますか」「育休から復帰したときの時短勤務は何歳まで使えますか」)を入力に、就業規則・育児介護休業規程・給与規程などから該当条項を検索し、条項番号を明示した回答案を返します。

サマリー
利用ツール
Amazon Kendra/Azure AI/Azure OpenAI Service/ChatGPT/Claude/Gemini/Google Vertex AI
対象業界
IT・SaaS/介護/小売/製造
対象部門
人事
対象業務
問い合わせ対応/情報検索
主な課題
問い合わせが多い/属人化している/情報が見つからない
AIで行う処理
検索(RAG)
主な効果
対応スピード向上/属人化解消/工数削減
導入難易度
★★★★☆
実装レベル
本格構成
費用感
個別開発(大)
人間の確認
必須
現在工数
80h/月
AI導入後
24h/月
想定削減
70%
年間削減
672h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 従業員から質問が来る(経路はばらばら)
  2. 労務担当が、どの規程に書いてあるかを考える
  3. 該当する規程ファイルを開き、条文を探す
  4. 雇用区分(正社員・パート・契約)によって扱いが違う場合、質問者の区分を確認する
  5. 回答を書く
  6. 判断が難しい場合は、労務担当のリーダーに相談する
導入後(After)
  1. 従業員が、社内チャットのボットまたは専用画面で質問する
  2. 自動質問者の雇用区分を、人事マスタから取得する
  3. 自動規程から該当条項を検索する
  4. 自動条項を根拠にした回答を返す。条項を特定できない場合は「人事部にお問い合わせください」と返す
  5. 従業員が回答で解決すれば、そこで終わり
  6. 解決しない場合、または個別判断が必要な質問は、人事部へ回る
  7. 自動人事部が回答した内容を記録し、FAQの改善に使う
各工程の詳しい説明を読む
  1. 従業員から質問が来る(経路はばらばら)
  2. 労務担当が、どの規程に書いてあるかを考える
  3. 該当する規程ファイルを開き、条文を探す
  4. 雇用区分(正社員・パート・契約)によって扱いが違う場合、質問者の区分を確認する
  5. 回答を書く
  6. 判断が難しい場合は、労務担当のリーダーに相談する

問題は4つあります。

(a)同じ質問が繰り返される。 600件のうち相当数は「有給の繰越は何日まで」「慶弔休暇は何日」といった、規程に明記されている定型の質問です。

(b)規程が12本に分かれている。 どの規程に書いてあるかを知っているのは、経験のある担当者だけです。新任は探すだけで10分かかります。

(c)雇用区分による違いを見落とす。 パート社員に正社員の規定を答えてしまう誤りが起きます。

(d)電話・来訪で作業が中断される。 月100件以上が電話と直接の来訪で、そのたびに作業が止まります。

  1. 従業員が、社内チャットのボットまたは専用画面で質問する
  2. 【自動】 質問者の雇用区分を、人事マスタから取得する
  3. 【自動】 規程から該当条項を検索する
  4. 【自動】 条項を根拠にした回答を返す。条項を特定できない場合は「人事部にお問い合わせください」と返す
  5. 【人】 従業員が回答で解決すれば、そこで終わり
  6. 【人】 解決しない場合、または個別判断が必要な質問は、人事部へ回る
  7. 【自動】 人事部が回答した内容を記録し、FAQの改善に使う

自動化されるのは「どの規程のどこに書いてあるかを探す」部分です。個別事情の判断は人が行います。

02今回想定するシステム構成

構成図
【準備フェーズ】
規程12本(PDF / Word)
   │
   ▼
条文単位への分割(条・項・号)
   │  ※ここが最重要。ファイル単位・ページ単位で分けない
   ▼
メタデータ付与(規程名 / 条項番号 / 適用対象の雇用区分 / 施行日)
   │
   ▼
埋め込みベクトル化 → 検索インデックス
   (Azure AI Search / Vertex AI Search など)

【利用フェーズ】
従業員の質問(Teams / Slack ボット)
   │
   ▼
人事マスタ ── 質問者の雇用区分を取得
   │
   ▼
ハイブリッド検索(ベクトル+キーワード)
   + 雇用区分でのフィルタ
   + 施行日でのフィルタ(現行の規程のみ)
   │
   ▼
LLM API ── 条項を根拠にした回答生成
   │
   ├──【条項を特定できた】→ 回答+条項番号を表示
   └──【特定できない】→「人事部へお問い合わせください」
   │
   ▼
問い合わせログ(未解決分は人事部へ)
役割想定する製品代替候補
検索基盤Azure AI SearchVertex AI Search、Amazon Kendra
生成AIClaude APIOpenAI API、Gemini API、Azure OpenAI Service
入口Microsoft Teams ボットSlackアプリ、社内ポータル
人事マスタ人事システムスプレッドシート

社内FAQに特化したSaaSや、Microsoft 365 Copilot のような既存環境の機能を先に検討してください。 ただし、後述の「条項番号を必ず示す」「雇用区分でフィルタする」という要件を満たせるかを確認してください。汎用のFAQツールでは、この2点が実現できないことがあります。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

従業員の質問投稿が起点です。Teamsボットへのメンション、または専用画面での入力です。

準備フェーズ(規程の取り込み)は、規程改定のたびに実行します。頻度は年数回です。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
規程本文就業規則ほか12本の条文人事部が管理するファイル
労使協定時間単位年休、時間外労働などの協定内容人事部
質問者の雇用区分正社員/契約社員/パート/管理監督者人事マスタ
質問者の所属事業所(事業所ごとに規程が違う場合)人事マスタ
過去のFAQ人事部が回答した実績問い合わせ記録

質問者の雇用区分を自動で取得することが、この構成の要件です。 従業員に自己申告させると誤りが起き、誤った回答につながります。

Step3

データの取得方法を決める

規程の分割が、この構成でもっとも重要な作業です。

規程を条文単位(第◯条第◯項)に分割し、それぞれにメタデータを付けます。ファイル単位やページ単位で分けると、検索結果が「就業規則の3ページ目」のような粒度になり、条項を特定できません。

{
  "doc_id": "SR-032-03",
  "regulation": "就業規則",
  "article": "第32条",
  "paragraph": "第3項",
  "text": "年次有給休暇は、半日単位で取得することができる。...",
  "applies_to": ["正社員", "契約社員"],
  "excludes": ["パート"],
  "effective_from": "2025-04-01",
  "effective_to": null,
  "related_articles": ["SR-032-04"],
  "requires_agreement": "時間単位年休に関する労使協定"
}
  • applies_to / excludes雇用区分によるフィルタに使います。 これがないと、パート社員に正社員の規定が返ります
  • effective_from / effective_to … 改定前の規程が検索に出ないようにします
  • related_articles … 「ただし〜」で続く条項を一緒に返すために使います

この構造化作業は、規程12本で数日かかります。 外注せず、人事部の担当者が行ってください。作業の過程で、規程自体の矛盾や不明確な箇所が見つかります。それを直すことが、この構成の副次的な効果になります。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 条文の分割 … 条・項・号の階層を保ったまま分けます
  2. 「ただし書き」の紐づけ … 本文と但し書きが別の項になっている場合、related_articles で結びます。片方だけが検索に出ると、誤った回答になります
  3. 雇用区分の判定 … 各条文がどの区分に適用されるかを人が判定します。規程本文に明記されていない場合が多いため、ここは人の作業です
  4. 旧版の除外 … 改定前の条文にも effective_to を設定し、現行版のみが検索対象になるようにします
Step5

AIに処理させる

させることさせないこと
検索された条項をもとに、質問への回答を組み立てる労働基準法の一般論で答える
条項番号を明示する規程にない事柄を推測で答える
雇用区分による違いを説明する個別事情への判断(「あなたの場合は取れます」)
関連する条項を併せて示す例外的な取り扱いの可否を判断する
条項を特定できないことを申告する曖昧な回答でごまかす
Step6

指示内容を固定する

あなたは人事部の問い合わせに一次回答する担当者です。
以下の検索結果(社内規程の条文)だけを根拠に、質問に回答してください。

【厳守事項】
- 回答は、提示された条文に書かれている内容のみに基づいてください。
  労働基準法などの一般的な知識で補わないでください。
- 回答には必ず、根拠となる規程名と条項番号を記載してください。
  条項を示せない場合は回答せず、
  「規程で確認できませんでした。人事部にお問い合わせください」と返してください。
- 質問者の雇用区分は「{employment_type}」です。
  この区分に適用されない条文を根拠にしないでください。
- 個別の事情に対する判断をしないでください。
  (例:「あなたの場合は取得できます」ではなく
    「規程上は◯◯の場合に取得できると定められています」)
- 例外的な取り扱いの可否を判断しないでください。
  人事部への相談を案内してください。
- 条文に「ただし」「〜を除く」がある場合、必ずその内容も回答に含めてください。
- 検索結果に該当する条文がない場合、無理に関連づけて回答しないでください。

【質問者の雇用区分】{employment_type}
【質問者の所属】{location}

【検索された条文】
{retrieved_articles}

【質問】
{question}

「労働基準法などの一般的な知識で補わない」の1行が、この構成でもっとも重要です。 LLMは労働法の一般論を知っているため、規程に書かれていなくても答えられてしまいます。しかし自社の規程は法定を上回る内容を定めていることも、逆に法定どおりのこともあります。一般論で答えると、自社の運用と食い違います。

「ただし書きを必ず含める」も重要です。「有給は半日で取れます」だけを答え、「ただし年5日まで」を落とすと、従業員は誤った理解をします。

Step7

出力形式を固定する

{
  "answer": "",
  "citations": [
    { "regulation": "", "article": "", "paragraph": "", "text": "" }
  ],
  "applies_to_asker": true,
  "has_exception": false,
  "exception_note": "",
  "needs_hr_consultation": false,
  "consultation_reason": "",
  "answerable": true
}
  • answerable: false … 条項を特定できなかった場合。このとき answer は空にし、人事部への案内だけを返します
  • needs_hr_consultation … 個別判断が必要な質問(「私の場合はどうなりますか」型)。回答はしつつ、人事部への相談を案内します
  • citations … 条文の原文を含めます。従業員が自分で確認できるようにするためです
Step8

システムへ連携する

入口はTeamsまたはSlackのボットにします。 従業員が毎日使っているツールに置くことが重要です。専用ポータルを作ると、従業員は結局メールで人事部に聞きます。

回答には、条文の原文と、規程ファイルへのリンクを併せて表示します。

answerable: false または needs_hr_consultation: true の場合は、そのまま人事部への問い合わせフォームに転送できるボタンを表示します。質問文と検索結果を引き継ぐことで、従業員が同じ内容を書き直す手間をなくします。

人事マスタとの連携は、Teamsのユーザーアカウントから社員番号を引き、雇用区分を取得する形にします。この部分は利用環境に応じた個別確認が必要です。

Step9

人が確認する

回答を人が事前確認する運用にはしません。 即時回答でなければ、この構成の価値(従業員が待たずに答えを得る)が失われます。

代わりに、次の3つで品質を担保します。

  1. 条項を示せない質問には答えさせない … 誤答の大半は「規程に書いていないことを答える」ことで起きます。これを構造的に防ぎます
  2. 回答ログを人事部が日次で確認する … 事後確認です。誤答を見つけたら、その質問をFAQに追加するか、規程データを直します
  3. 個別判断が必要な質問は人へ回すneeds_hr_consultation の判定を入れます

導入初月は、ボットの回答を人事部にも同時通知し、全件を事後確認してください。 誤答率を測り、1%を下回ることを確認してから通常運用に移ります。

Step10

例外に対処する

起きること対応
該当する条文が検索されないanswerable: false。人事部へ案内する。無理に答えさせない
雇用区分に適用されない条文しか出てこない「ご質問の内容は、◯◯の区分には適用される規定が見当たりません」と返し、人事部へ案内する
質問者の雇用区分が人事マスタで特定できない回答せず、人事部へ案内する。区分不明のまま答えない
個別事情を含む質問(「私は先月入社したが」)needs_hr_consultation: true。一般的な規定を示しつつ、個別判断は人事部へ
規程改定の直後改定内容が反映されているかを確認するまで、該当分野の質問を人事部へ回す運用にする
ハラスメント・体調・退職に関する相談AIに答えさせない。 キーワード検出で、直接人事部の担当者へつなぐ。この分岐は必須
労使協定の内容を聞かれた協定も検索対象に含める。含めていない場合は人事部へ
事業所ごとに規程が違うlocation でフィルタする。フィルタできない場合は人事部へ

ハラスメント・体調・退職に関する相談をAIに答えさせないことは、必須の設計です。 これらは規程の条文を返して済む相談ではありません。キーワード(ハラスメント、パワハラ、セクハラ、体調、休職、退職、辞めたい など)を検出したら、条文検索を行わず、人事部の担当者へ直接つなぎます。

Step11

記録を残す

  • 質問文と回答(条項番号を含む)
  • 検索された条文と、そのスコア
  • answerable: false になった質問
  • 人事部へエスカレーションされた質問

answerable: false の質問の蓄積が、もっとも価値があります。 これは「規程に書かれていないが、従業員が疑問に思っていること」の一覧です。規程を改定すべき箇所が見えます。

なお、質問内容には従業員の個人的な事情が含まれることがあります。 ログのアクセス権限を人事部に限定し、上長や同僚が見られない設計にしてください。

04実装レベルの3段階

最小構成:規程1本をチャットAIに読み込ませて質問 / 検索の有効性の検証
半自動化:規程12本を条文分割してインデックス化。人事部内でのみ利用 / 人事部の検索時間の短縮
本格構成:上記+雇用区分フィルタ+Teamsボット+従業員への公開 / 従業員の自己解決

半自動化(人事部内での利用)を先に必ず通してください。 人事部の担当者は、回答が正しいかを判断できます。従業員に公開する前に、人事部が数週間使って誤答の傾向を把握することが、事故を防ぎます。 半自動化の段階でも、規程の確認5分が1分程度になるため、月40時間程度の削減効果が出ます。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
600 件
1件あたり現在時間
8 分
1件あたり導入後時間
2.4 分
現在  600件 × 8分 ÷ 60 = 80 時間/月
導入後 600件 × 2.4分 ÷ 60 = 24 時間/月
月間削減時間
56h
削減率
70%
年間削減時間
672h
年間金額換算(時間単価3,500円)
235万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 従業員300名以上、規程が複数本に分かれ、雇用区分が複数ある組織。問い合わせが月300件以上あり、その半数以上が規程に明記されている定型質問である場合。
向いていない
  1. 規程が1本で従業員100名未満の組織。問い合わせの大半が個別事情の判断を要する場合。

07最小構成で試す方法

RAGの基盤を作る前に、検索が成立するかを確かめてください。

  1. 就業規則1本を、条文単位に分割してテキストファイルにする(第1条から順に)
  2. 過去の問い合わせから20件を選ぶ(よくある質問を中心に)
  3. ChatGPT、Claude、Gemini などのファイル添付機能で、就業規則を読み込ませる
  4. 上のプロンプトを貼り、20件の質問を順に投げる

評価の観点は2つです。

  • 条項番号が正しいか … 示された条項を実際に確認します。存在しない条項番号を返していないかを必ず見てください
  • 一般論で答えていないか … 規程に書かれていないことを、労働基準法の知識で補っていないか

条項番号の誤りが1件でもあれば、そのまま進めてはいけません。 従業員は条項番号を信用します。誤った番号を示すことは、答えないことより悪い結果になります。

NotebookLM のように、読み込んだ文書に基づいて根拠つきで回答するツールでも試せます。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
存在しない条項番号を返す検索結果に含まれる条項番号のみを使わせる。出力の citations を、実際の条文データと機械的に突合して検証する
労働基準法の一般論で答える「一般的な知識で補わない」制約を入れる。検索結果を根拠にすることを強制する
ただし書きが落ちる本文と但し書きを related_articles で紐づけ、必ず一緒に検索結果に含める
パート社員に正社員の規定を返す雇用区分メタデータでフィルタする。区分不明なら答えない
改定前の規程が検索に出るeffective_from / effective_to でフィルタする
ファイル単位・ページ単位で分割して条項が特定できない条・項・号の単位で分割する。ここを妥協しない
ハラスメント相談にボットが条文を返すキーワード検出で人へ直接つなぐ分岐を必ず入れる
従業員が使わず結局メールで聞くTeams / Slack など既に使っているツールに置く。専用ポータルを作らない
規程改定が反映されず古い回答をする改定時のインデックス更新を運用に組み込む。改定直後は該当分野を人へ回す
質問ログが上長に見えるアクセス権限を人事部に限定する

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 就業規則等の社内規程、従業員の雇用区分・所属、質問内容。質問内容には、従業員の個人的な事情(体調、家庭の事情、退職の検討)が含まれることがあります。

  1. 質問ログの取り扱い … 「育休はいつから取れますか」という質問は、その従業員の私生活に関する情報です。ログのアクセス権限を人事部の担当者に限定し、上長や同僚が閲覧できない設計にしてください。 これは技術的な設定だけでなく、運用ルールとしても明文化します
  2. 外部AIへの入力 … 規程本文と質問文が外部に出ます。規程は社外秘であることが多く、質問文には個人的な事情が含まれます。入力を学習に使わないことが契約で保証されるサービスを選んでください
  3. 匿名利用の検討 … 雇用区分の取得には本人特定が必要ですが、ログに氏名を残す必要があるかは別問題です。社員番号のみを記録し、氏名を紐づけない設計も検討してください
  4. 誤回答の責任 … ボットの回答は人事部の回答として従業員に受け取られます。回答画面に「これは規程に基づく一次回答です。個別の判断は人事部にご相談ください」と明示してください
  5. ハラスメント等の相談 … §7に書いたとおり、AIに答えさせません。相談窓口へ直接つなぎます。これは法令上の相談体制の整備義務にも関わります
  6. 自動実行してよい範囲 … 回答の提示までです。手続きの実行(有給の申請、休職の受付など)を自動化しないでください

規程の内容そのものが法令に適合しているかは、この構成の対象外です。社会保険労務士の確認を別途受けてください。

10まず何から始めるか

1週目:問い合わせの内訳を数える

過去3か月の問い合わせを分類し、「規程に明記されていて、条項を示せば答えられる質問」が何割かを数えます。 これがこの構成の効果の上限です。5割を下回るなら、投資に見合わない可能性があります。

2週目:就業規則1本で検証する

就業規則だけを条文単位に分割し、最小構成(§8)で20件の質問を試します。条項番号の誤りがゼロであることを確認してください。

3〜5週目:規程12本を構造化する

条文分割と、雇用区分メタデータの付与を行います。この作業の過程で、規程の矛盾や不明確な箇所が見つかります。 見つかったものは一覧にして、規程改定の検討材料にしてください。

6〜8週目:人事部内で使う

インデックス化し、人事部の3名だけで使います。この期間に誤答の傾向を把握します。 誤答率が1%を下回るまで、規程データとプロンプトを調整します。

3か月目以降: ハラスメント等のキーワード検出とエスカレーションを実装したうえで、従業員へ公開します。初月は全回答を人事部に同時通知し、事後確認してください。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-09-02/最終更新:2026-09-08
確認した内容情報源確認日
Azure AI Search のベクトル検索・RAG用途での利用Microsoft Learn: Azure AI Search とは2026-09-02
ハイブリッド検索(ベクトル検索とキーワード検索の併用)Microsoft Learn: ハイブリッド検索2026-09-02
Claude APIのStructured OutputsAnthropic: Structured outputs2026-09-02

人事システムからの雇用区分の取得方法、Teamsボットの実装は、利用環境に応じた個別確認が必要です。 また、規程の内容が労働関係法令に適合しているかについては、社会保険労務士への確認が必要です。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

自社の業務に使えるAI活用候補を整理します

このユースケース(UC-0011)についてのご相談はこちらから。

AI活用について相談する
目次