ロジックツリーで課題を分けきる4型|打ち手を絞り込む

「問題そのものは分かっているのに、どこから手を付けるかが決まりません」「分解はしてみたのですが、結局どの枝も大事に見えて絞れませんでした」——課題を割るところで止まっている相談は、この2つの形で並んで届きます。詰まっている原因は、分け方を知らないことではありません。分け方を1つしか持っていないことです。ロジックツリーには立てている問いが違う型がいくつかあり、どの問いで割るのかを決めないまま枝を伸ばすと、途中で軸が入れ替わって崩れます。本当は、木をきれいに作ることが目的ではなく、末端の枝を誰かが明日から動かせる大きさにすることが目的です。この記事では、4つの型の使い分けと、枝を切るときに実務で足す基準、そして生成AIに任せてよい工程と人が決める工程を、順に整理します。
カメ先生課題を分けると聞くと、細かくすればするほどよいと思われがちなんだ。でも実際に効いてくるのは、細かさよりも、どの問いで割ったかのほうだね。
カメ子同じ課題でも、割り方によって出てくる枝が変わるということですか。
カメ先生枝が変わるどころか、木そのものが別に立つ。なぜ起きたのかで割るのと、どうするのかで割るのとでは、まったく別の木が立つ。両方を1枚に混ぜると、兄弟の枝が原因と打ち手の寄せ集めになって、足し合わせても元の課題に戻らなくなるんだ。
カメ子先に、何を問うための木なのかを決めておく必要があるのですね。
- ロジックツリーには立てる問いの違う4つの型がある。要素分解は何でできているか、原因追究はなぜ起きたか、問題解決はどうするか、課題設定はそもそも何を問うか。混ぜると途中で破綻する
- 枝を切る基準は「重ならず、漏れなく」だけでは足りない。動かせる人が社内にいるか、その枝の数字が取れるかを足して切る。足すと木は左右非対称になる
- 生成AIに任せるのは候補出しと、重なり・漏れ・粒度の指摘まで。どの枝を残し、どこで止めるかは人が決める
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課題が大きすぎて動けないのは、割り方を決めていないから
「売上が伸びない」「問い合わせが減った」。この形のまま会議に置かれた課題は、誰も動かせません。大きいから動けないのではなく、1つの塊のまま扱われているので、担当も期限も置きようがないからです。塊に対して「まず全員で頑張ろう」以外の言葉が出てこないとき、足りていないのは意欲ではなく分解です。
分解とは、その塊を担当と期限が置ける単位まで下ろす作業を指します。逆に言えば、担当と期限が置ける大きさになった時点で分解は終わりです。ここを見誤ると、際限なく細かくして満足するか、粗いまま止めて何も動かないかのどちらかに転びます。分けきったかどうかは、枝の細かさではなく、末端に人と日付を書けるかどうかで判定します。
そしてもう一つ、分ける前に決めることがあります。何を問うために割るのか、です。原因を知りたいのか、打ち手を並べたいのか、そもそも問い自体が正しいのかを確かめたいのか。目的が違えば、同じ課題でもまったく違う木が立ちます。次の章から、その型を4つに分けて見ていきます。
4つの型は、立てている問いが違う
実務で使われるロジックツリーは、大きく4つに分かれます。要素分解は「それは何でできているか」を問い、対象を構成する部分に割ります。原因追究は「なぜそうなったか」を問い、因果でさかのぼります。問題解決は「ではどうするか」を問い、打ち手を並べます。課題設定は「そもそも何を問うべきか」を問い、答えるべき問いを下位の問いに割ります。呼び名は現場によって揺れますが、区別しているのは常にこの4つの問いです。
実務の並びは、たいてい課題設定から始まって要素分解へ、そこから原因追究、最後に問題解決へ移ります。いきなり打ち手の型から入ると、思い付く範囲の施策が並ぶだけになります。打ち手が思い付かないときは打ち手の型が足りないのではなく、その手前の原因追究が済んでいないことがほとんどです。
なお、ロジックツリーという道具そのものについて、はっきりした提唱者と初出年は残っていません。一方で、枝を切るときの原則として引かれる「重ならず、漏れなく」は、マッキンゼーに在籍したバーバラ・ミントが体系化して名前を付けたものとされています。ミントは1963年に同社へ入社し、1970年代に社内向けの小冊子として自身の体系をまとめました。日本語版『考える技術・書く技術』の翻訳出版は1995年です。
| 型 | 立てている問い | 枝に並ぶもの | 使う場面 | 止めどころ |
|---|---|---|---|---|
| 要素分解 | 何でできているか | 対象を構成する部分 | どこで起きているかを絞りたいとき | 枝の合計が元に戻る単位 |
| 原因追究 | なぜそうなったか | 先に起きていた事実 | 起きた理由を特定したいとき | 手を打てる事実に届いたところ |
| 問題解決 | どうするか | 打ち手の候補 | 対策を並べて比べたいとき | 担当と期限を書ける動作 |
| 課題設定 | そもそも何を問うか | 答えるべき下位の問い | 議論の的が定まらないとき | 調べれば答えが出る問い |
型を混ぜると、途中で破綻する
いちばん多い壊れ方は、原因追究で割り始めた木の途中に、打ち手が混ざり込むことです。「問い合わせが減った」を原因で割っていたはずが、第2階層に「広告の出稿を増やす」が並ぶ。この瞬間から、兄弟の枝は原因と打ち手の寄せ集めになります。原因の枝と打ち手の枝は、足し合わせても元の課題に戻りません。戻らない木は、どこを潰せば課題が減るのかを教えてくれません。
同じことは軸の混在としても起きます。「売上を伸ばすには」という問いに、新規の獲得・既存の継続・単価の見直しと並べたところへ「費用を削る」を加える。最後の一つだけが利益の問いなので、この階層はもう売上の分解ではなくなっています。粒度でも起きます。同じ階層に「新規顧客の獲得」という戦略の話と「広告の反応率の改善」という施策の話が並ぶと、片方は数か月、もう片方は数日の仕事になり、比べる意味が消えます。
防ぎ方は単純で、階層ごとに1つの問いだけを許すことです。枝を書き足すたびに「この階層の問いは何だったか」を声に出して確かめる。書き終えたあとの検算としては、兄弟の枝を足し合わせて親に戻るかを見ます。要素分解の型なら、右側の枝の合計が左側の親と等しくなっていなければ、どこかに別の型が混ざっています。
「重ならず、漏れなく」だけでは、切る基準として足りない
枝を分けるときの原則として広く知られているのが、重ならず、漏れなく、という条件です。兄弟の枝どうしで意味が重ならず、全部を合わせると親が過不足なく埋まる状態を指します。これは必要な条件で、外すと同じ話を二度数えたり、大きな抜けに気付かないまま打ち手を決めたりします。
ただし実務では、この原則を全階層に同じ強さで当てるとかえって進まなくなります。参照した解説でも、厳密に守るのは第1階層と第2階層までで、深い階層では現実的な分け方を優先し多少の重なりは許容する、という運用が示されています。一方で軸の選択と粒度の統一は、どの階層でも外さないとされています。ここは押さえる場所と緩める場所を分けている、と読むのが実際に近いはずです。
そして、より大きな問題があります。この条件は紙の上の整合性しか見ていない、ということです。重なりも漏れもない、きれいに割れた木を作ったのに、どの枝も動かせないという状態は普通に起こります。整合性は分解の必要条件であって、打ち手に変わる条件ではありません。だから実務では、もう2つ基準を足します。
実務で足す2つの基準は、動かせる人がいるかと、数字が取れるか
1つ目は、その枝を動かせる人が社内にいるかです。「市場が縮小している」「業界全体で単価が下がっている」といった枝は、事実として正しくても、社内の誰にも手が届きません。届かない枝を3段掘り下げても打ち手にはならず、掘った時間だけが消えます。こういう枝は、割るのをやめて前提として脇に置き、そのぶん動かせる枝を深く掘ります。
2つ目は、その枝の数字が取れるかです。取れないと、打ち手を実行したあとで良くなったのかどうかが誰にも分かりません。ここで見るのは正確な指標がすでにあるかどうかではなく、代わりに置ける数え方を思い付けるかどうかです。たとえば「営業資料が古い」という枝なら、資料の更新日ではなく、商談で差し替えを頼まれた回数のような、記録から拾える数え方を置けるかを確かめます。
この2つを足すと、木は左右対称でなくなります。動かせて数字も取れる側だけが深く伸び、そうでない側は浅いまま止まる。これが正しい形です。枝の数をそろえようとした時点で、動かせない枝を無理に割っていることになります。見た目の整った木を作りたくなったら、目的が判定から鑑賞にすり替わっていないかを疑ってください。
掛け合わせで割るか、足し合わせで割るかで、見えるものが変わる
要素分解の型では、割り方が大きく2通りあります。1つは掛け合わせで割る方法です。売上を単価と件数に割る、件数を訪問数と成約率に割る、といった形になります。もう1つは足し合わせで割る方法です。売上を新規と既存に割る、製品ごとに割る、地域ごとに割る、といった形です。
この2つは、見えるものが違います。掛け合わせで割るとどの係数を動かすと全体がどれだけ動くかが見えます。単価を1割上げるのと件数を1割増やすのとで、必要な労力がまったく違うことが分かる。足し合わせで割るとどの塊が効いていて、どの塊が沈んでいるかが見えます。全体は横ばいでも、新規が減って既存が伸びているといった中身の入れ替わりが出てきます。
使い分けの目安は、打ち手が仕組みの側にあるなら掛け合わせ、対象の側にあるなら足し合わせです。注意点は、同じ階層に掛け合わせの枝と足し合わせの枝を混ぜないこと。混ざると合計が親に戻らなくなり、検算ができなくなります。どうしても両方を見たい場合は、第1階層を片方で割り、第2階層でもう片方に切り替えます。
深さは3段から4段で止める。止める理由がある
参照した解説では、第1階層に置く中核の枝は3個から5個、全体の標準は3階層から4階層、末端の枝は15個から30個程度、という目安が示されています。別の解説では、第1層から第3層を中心に展開し、第4層より下は重要な論点だけを個別に切り出し、重要度の低いものは「その他」でまとめる、という運用が挙げられています。どちらも、全部を等しく深掘りしない点で共通しています。
止める理由は、末端が30を超えると優先順位を付けられなくなるからです。会議で全部を眺めることができず、結局は声の大きい枝から着手されます。末端の数は、そのまま議論に載せられる上限で決まると考えたほうが実際に合います。深さを足すのは、末端に人と日付を書けなかったときだけです。
逆に、3段で止めているのに末端に人と日付が書けないなら、まだ浅すぎます。よくあるのは、末端が「営業力を強化する」のような名詞で止まっている場合です。名詞で止まっている枝は動作に置き換えられるまで、もう1段だけ掘ります。深さは一律に決めず、枝ごとに「書けたら止める」で決めるのが実務的です。
枝が2本しか出ないときに疑うこと
割ってみたら枝が2本しか出なかった、という場面はよく起こります。2分割そのものは悪くありません。内と外、既存と新規、といった分け方は漏れが出にくく、検算も簡単です。ただ、2分割ばかりが続く木は、横に広がらず縦にだけ伸びていきます。視野を広げるために作ったはずの木が、最初に思い付いた1本道をなぞるだけになります。
枝が2本で止まったときに疑うことは3つあります。1つ目は、軸が単なる二分でしかなく情報量がない場合です。内と外に割っても、その先で何を見ればよいかが増えていないなら、割った意味がありません。2つ目は、片方が実質的に「その他」で、中身が空の場合です。3つ目は、そもそも親の問いが狭く、割る余地が残っていない場合です。
対処は、軸を1つ上に取り直すことです。「広告の反応が悪い」を内と外で割る代わりに、届いていないのか、届いたが読まれていないのか、読まれたが動機にならなかったのか、という届き方の段階で割り直す。枝の数が増えないのは、割る力の問題ではなく軸の選び方の問題だと考えると、たいてい抜けられます。
末端の枝は「誰が・いつまでに・何を」で検算する
分けきったかどうかを判定する手順は、道具立てが要りません。末端の枝を1本ずつ取り出して、主語と期限と動作を書けるかを確かめるだけです。書けたら、その枝はもう打ち手の入口に立っています。書けなかったら、割り方が悪いのか、そもそも動かせない枝なのかを分けます。
その枝を動かす担当を、部署名ではなく人の単位で書きます。部署名までしか書けない枝は、誰も自分の仕事だと思わないまま放置されます。
いつまでに結果が出るかを日付で書きます。書けないなら、その枝は複数の仕事が束になっている可能性が高いので、もう1段割ります。
名詞ではなく動詞で書きます。「体制の強化」は動作ではありません。「毎週の商談記録から失注理由を3分類に振り分ける」であれば動作です。
3つのうち1つでも書けなかった枝に印を付けます。この時点で全体の何割に印が付いたかが、その木の完成度そのものです。
もう1段割れば書けるようになる枝と、社内の誰にも動かせないので割っても意味がない枝に分けます。後者は前提として脇に置き、木からは外します。
この検算を通すと、末端の数はたいてい減ります。減ることは失敗ではありません。動かせない枝が木から外れて、残った枝に人と日付が付いた状態が、分けきった状態です。外した枝は捨てずに別紙に残しておくと、状況が変わって動かせるようになったときに拾い直せます。
BtoBで詰まるのは、原因の枝が人の側に伸びるところ
法人向けの商材で原因追究をすると、枝はどこかで必ず人の側に伸びます。「決裁者にそもそも届いていない」「現場は導入したいが情報システム部門が止めている」「窓口の担当者が異動して話が振り出しに戻った」。購買に複数の人が関わり、検討が長いので、原因の相当部分が人の配置と社内の力関係として現れます。教科書の例に出てくる工程や数値の分解とは、ここが大きく違います。
人の側に伸びた枝は、そのままでは動かせません。役職や部署を枝に書いても、打ち手は「関係を作る」以上に具体化しないからです。効くのは、その人が判断に使う材料に置き換えて割り直すことです。情報システム部門が止めているなら、止めている理由は権限管理なのか、既存の仕組みとの接続なのか、社内規程との整合なのかに割る。ここまで下ろすと、資料を1本作るという動作に変わります。
もう一つ、法人向けでは件数が少ないという制約があります。年間の商談が数十件では、統計で原因を切り分けることはできません。代わりに使えるのは、直近の失注と受注を1件ずつ読んで枝を起こす方法です。数で割るのではなく記述から割る。件数が少ない領域では、平均を見るより1件ずつの記録を読むほうが、枝の精度が上がります。
生成AIの使いどころ1:枝の候補を数多く出させる
分解でAIがいちばん効くのは、候補出しの工程です。人が自力で挙げると、どの階層でも3つか4つで打ち止めになります。ここで20から30の候補を出させると、自分の担当領域の外にある枝が混ざってきます。出てきたものは候補であって結論ではないので、そのまま木に貼らず、いったん別の場所に並べます。
頼み方には形があります。「原因を挙げて」とだけ伝えると、抽象度の高い一般論が返ってきます。軸を先に指定してください。たとえば「この課題を、社内の工程で分ける場合、社外の相手で分ける場合、情報の流れで分ける場合の3通りで割り、それぞれの軸ごとに候補を10個ずつ挙げてください」と頼むと、軸違いの候補が並列で得られます。軸ごとに並ぶので、あとで人が選び直せます。
あわせて、根拠を必ず書かせます。社内の資料や商談記録を渡している場合は、どの記述から出した枝なのかを枝ごとに併記させる。渡していない場合は、一般論として挙げた枝であることを明示させる。こうしておくと、出典のない枝を打ち手の議論に持ち込む事故を、その場で止められます。
生成AIの使いどころ2:重なりと漏れ、粒度のばらつきを指摘させる
2つ目の工程は、作った木を渡して問題点を挙げさせることです。見てもらうのは3つ。兄弟の枝どうしで意味が重なっているところ、親を埋めきれていない抜け、そして同じ階層に混ざっている粒度のばらつきです。人が自分で作った木は、作った本人には整って見えるので、この工程を外部に投げる価値があります。
粒度については、指摘だけでなく書き直しまで頼めます。「この階層の枝を、すべて同じ言葉の高さにそろえて書き直してください。書き直した理由も枝ごとに添えてください」と伝えると、戦略の話と施策の話が混ざっている箇所が浮きます。ただし、返ってきた文言をそのまま採用しないでください。書き直しの過程で、元の枝が持っていた具体性が落ちることがあります。
- 渡す木は、階層と親子関係が分かる形にする。箇条書きの字下げでよい。図を渡す必要はない
- 指摘は箇条書きで受け取り、1つずつ人が採否を決める。まとめて反映させない
- 抜けの指摘は一般論に流れやすい。「この課題に固有の抜けだけを挙げ、どの記述からそう判断したかを書いてください」と条件を付ける
- 重なりの指摘は、言葉が似ているだけの枝も拾ってくる。意味が重なっているのか、呼び方が違うだけなのかは人が読んで分ける
AIに任せると起きる失敗は、揃いすぎて動かせない枝が出ること
最も多い失敗は、見た目がきれいで中身が動かない木です。階層ごとに枝の数がそろい、言葉の長さもそろい、どこにも重なりがないように見える。ところが末端の枝が全部同じ抽象度で、担当と期限を書けるものが1本もない。分解ではなく、課題の言い換えが階層状に並んでいる状態です。
これは実際に観察されている現象でもあります。生成AIにロジックツリーを作らせた検証の記事では、返ってきた枝に「報酬」と「賃金」のように概念が重なるものが含まれ、重ならずという条件が成立していなかったこと、階層が浅く対象の業界に限らない一般的な内容が混ざっていたこと、時間の流れで分ける視点が抜けていたことが報告されています。書き手の結論は、統計的な語のつながりで項目を並べる仕組みである以上、決まった手法に沿った分解までは難しく、専門家の補助として使う位置づけになる、というものでした。
見分け方は前の章の検算と同じです。末端に人と日付と動作を書いてみる。1本も書けなければ、その木は使えません。もう一つの兆候は枝の数が各階層でぴったりそろっていることです。現実の課題は非対称なので、動かせる枝が集まる側だけが深くなるはずです。均等に整った木は、現実ではなく形式に合わせて作られています。
残す枝と、止める場所は人が決める
工程を分けると、AIに任せる範囲がはっきりします。候補を広げる、重なりと漏れを指摘する、粒度をそろえて書き直す。ここまでは任せてよい範囲です。一方で、どの枝を残すか、どこで掘るのをやめるか、どれから着手するかは、人が決める工程です。この3つは、社内の事情と予算と人の空き具合に依存していて、木の外にある情報で決まるからです。
| 工程 | 任せてよい範囲 | 人が必ず決めるところ |
|---|---|---|
| 枝の候補出し | 軸ごとに候補を数多く挙げる | どの軸で割るか、どの候補を木に載せるか |
| 重なりと漏れの点検 | 重複と抜けを指摘する | 指摘のうち何を直すか、直さない理由 |
| 粒度の調整 | 同じ高さの言葉に書き直す | 書き直しで具体性が落ちていないかの確認 |
| 深さの決定 | 掘れる余地を示す | どこで止めるか、末端に人と日付を置けるか |
| 優先順位 | 影響度の見立てを並べる | 着手する順番と、着手しない枝の宣言 |
決めたあとに残すものが1つあります。落とした枝と、落とした理由です。これを書き残さないと、3か月後の会議で同じ枝が「まだ検討していない論点」として戻ってきます。参照した解説でも、論点の設計は途中で古くなるので、使い捨てにせず更新し続ける生きた文書として扱うべきだ、とされていました。木は成果物ではなく、更新される台帳として持つのが実務的です。
やりがちな失敗の型
最後に、分解が失敗するときの型をまとめます。どれも「作業としては進んでいるように見える」のが共通点で、途中では気付きにくいものばかりです。作った木を人に見せる前に、この一覧と照らしてください。
- 型を混ぜる:原因の枝と打ち手の枝が同じ階層に並ぶ。足し合わせても親に戻らないので、どこを潰せば課題が減るのかが分からなくなる
- 末端まで割らずに満足する:「営業力の強化」のような名詞で止まっている。動詞に置き換えられるまで、もう1段だけ掘る
- 枝の数をそろえようとする:各階層を3本ずつに整えるために、動かせない枝を無理に割ったり、動かせる枝を削ったりする
- 一度作って更新しない:調べた結果が返ってきても木に反映しない。次の会議では誰も見ない資料になる
- 分母を決めずに割る:要素分解で、どこまでを全体として数えるかを決めないまま枝を並べる。合計が親に戻らない
- 問いを決めずに描き始める:何を答えるための木かが曖昧なので、軸も粒度も途中で揺れる。描く前に問いを1文で書く
この6つのうち、最初に潰すべきは最後の1つです。問いが曖昧なままだと、軸の選択も粒度の統一も判断のしようがありません。参照した解説でも、問いの設定に投資した時間がツリー全体の質を決める、と書かれていました。分解に入る前の10分を、問いを1文に書くことに使ってください。
よくある質問
4つの型は、毎回すべて作るのですか
いいえ。1つの検討で全部を作る必要はありません。実務では、議論の的が定まっていないときだけ課題設定の型を作り、どこで起きているかを絞りたいときに要素分解、理由を特定したいときに原因追究、対策を比べたいときに問題解決を使います。多くの場合、1つの検討で使うのは2つまでです。4枚作ったのに議論が進まないときは、型を増やしたことが原因である可能性が高いといえます。
「重ならず、漏れなく」は完璧でないといけませんか
上のほうの階層では厳密に、深い階層では現実的な分け方を優先する、という運用が実務では一般的です。参照した解説でも、第1階層と第2階層は厳密に守り、深い階層では若干の重なりを許容する、と示されていました。ただし軸の選択と粒度の統一は、どの階層でも外しません。完璧さを追って手が止まるくらいなら、粗くても一度末端まで下ろして、検算で戻るほうが早く進みます。
何階層まで掘るのが正解ですか
階層数そのものに正解はありません。目安として、標準は3階層から4階層、末端は15個から30個程度とされています。ただし判定に使うのは数ではなく、末端に担当と期限と動作を書けるかどうかです。3階層で書けたならそこで止め、4階層でも書けないなら、その枝は動かせない枝である可能性を先に疑ってください。
生成AIに全部作らせてはいけないのですか
たたき台として作らせるのは有効です。使ってはいけないのは、出てきた木をそのまま議論の土台に置くことです。候補の量では人を上回りますが、どの枝を残すかの判断には、社内で誰が動けるか、どの数字が取れるかという木の外の情報が要ります。作らせた木は必ず末端の検算を通し、書けなかった枝を落としてから会議に出してください。
作った木は、いつ更新すればよいですか
枝の1つについて調べた結果が返ってきたときが更新のタイミングです。原因だと思っていた枝が違ったなら、その場で枝を書き換え、代わりにどこを見るかを追記します。更新しないまま放置された木は、2週間もすると誰も参照しなくなります。更新の担当を1人決めておくと、台帳として生き続けます。
まとめ
課題が大きすぎて動けないのは、割り方を1つしか持っていないからです。要素分解は何でできているか、原因追究はなぜ起きたか、問題解決はどうするか、課題設定はそもそも何を問うかを立てています。階層ごとに問いを1つに保ち、兄弟の枝を足し合わせて親に戻るかで検算してください。混ざった瞬間に、木は打ち手を教えてくれなくなります。
枝を切る基準は、重ならず漏れなくに、動かせる人がいるかと数字が取れるかを足します。足すと木は非対称になり、それが正しい形です。深さは3段から4段、末端は15個から30個程度を目安にしつつ、実際の止めどころは末端に人と日付と動作を書けるかで決めます。書けない枝は、もう1段割るか、動かせない枝として木から外します。
生成AIには、軸を指定した候補出しと、重なり・漏れ・粒度の指摘までを任せてください。返ってくる木は揃って見えても、末端に担当と期限を書けないことがよくあります。どの枝を残し、どこで止め、どれから着手するかは人が決め、落とした枝とその理由を台帳に残す。この形にしておくと、分解は毎回やり直す作業ではなく、積み上がる資産に変わります。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
AI活用を戦略に落とす前に、まずは導入・定着から始めませんか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
