業種分類でリストを切る方法|表記ゆれをAIで寄せる

業種分類でリストを切る方法|表記ゆれをAIで寄せる

総務省の日本標準産業分類は、大分類20、中分類99、小分類536、細分類1,473という4つの階層でできています。「業種で絞ったのに、出てきたリストが営業の感覚とまるで合いません」「同じ会社が製造業にも卸売業にも入っていて、どちらが正しいのか決められません」——法人リストを業種で切ろうとした担当者は、たいていこの2か所で止まります。止まる原因は、分類表の細かさでも、データの汚れでもありません。本当は、目的の違う2つの分類を、1つの列に詰め込んでいることから起きています。この記事では、どの分類体系をどの粒度で使い、AIにどこまで任せ、付けた分類をどう検証するかを順に組み立てます。


カメ先生カメ先生

業種で切るというのは分類表から選ぶ作業だと思われがちなんだけど、本当は、どの分類表を使うかを決めるところが本体なんだよ。


カメ子カメ子

分類表がいくつもある、ということですか。


カメ先生カメ先生

そう。国の統計に合わせるための分類と、打ち手を変えるための営業の区分は、そもそも作られた目的が違ってね。1つの列に両方を詰めると、どちらの目的にも使えなくなる。


カメ子カメ子

同じ会社に2つの業種が付いていても、おかしくはないんですね。


この記事のポイント
  • 国の産業分類は事業所が主にしている経済活動で決まる。企業単位の営業リストとは前提が違う
  • 分類は1つに絞らない。統計と突き合わせる列と、打ち手を変えるための列を分けて持つ
  • AIの受け持ちは呼び名の正規化と候補出しまで。主業の確定と区分の設計は人が決める

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目次

場面:同じリストを、2つの部署が別の業種で切っていた

具体的な場面を1つ置いて、記事の最後まで同じ題材で追います。産業用の機器を扱う従業員600人規模のメーカーで、マーケ部門と営業企画が同じ8,000社の法人リストを共有していました。マーケはメールと資料の出し分けに業種を使い、営業企画は担当の割り振りと訪問の優先度に業種を使います。使う目的は正反対に近いのに、参照している業種の列は1つしかありませんでした

ずれは、ある会社の扱いではっきり表に出ました。自社の工場で部品を作りながら、他社の製品も仕入れて売っている会社です。マーケ側の資料では製造業に入り、営業企画の一覧では商社に入っていました。どちらかが入力を間違えたわけではありません。見ている面が違えば、同じ会社に別の業種が付くのは当たり前です。むしろ、両方の顔を持つ会社ほど取引の規模は大きくなります。

部門が最初に出した結論は「データが汚れているから整備しよう」でした。ところが整備を始めても決着がつきません。正しい業種が1つに定まらない会社が、8,000社のうち1割前後は必ず残るからです。この記事では、この8,000社を題材に進めます。なお、同じ会社が二重に登録されている状態を1つにまとめる名寄せの手順は扱いません。名寄せが終わったところから始まるのが、分類の話です。

国の産業分類は「事業所が主にしている経済活動」で決まる

まず、公的な分類が何を指しているのかを正確に押さえます。日本標準産業分類は、総務省が統計法にもとづいて定める統計基準です。国勢調査や経済センサスをはじめとする統計の産業区分がこれで揃うので、市場規模や事業所数を外の資料と突き合わせるときの共通の物差しになります。

構造は4段階です。大分類がアルファベット、中分類が2桁、小分類が3桁、細分類が4桁の番号で表されます。令和5年7月に告示された第14回改定では、大分類20、中分類99、小分類536、細分類1,473という項目数になっています。細分類まで下りると1,473通りあり、営業のリストで使い切れる細かさをはるかに超えています

実務で最も効いてくるのは、分類の単位です。この分類が分類しているのは企業ではなく、事業所です。事業所が行う主な経済活動によって1つに割り当てられ、主な活動かどうかは生産額や従業者数で判断されます。つまり、本社と工場と物流拠点がそれぞれ別の分類になり得ます。企業に1つの業種を持たせたい営業リストとは、そもそも数える対象が違うわけです。冒頭のずれの半分は、ここから来ています。

分類表は動く。改定で増えた項目と、実務への影響

もう1つ、忘れられがちな性質があります。分類表は固定ではありません。第14回改定は令和5年6月29日に告示され、令和6年4月1日に施行されました。改定前の第13回改定の構成は小分類530、細分類1,460でしたから、小分類は6項目、細分類は13項目増えたことになります。

何が増えたのかを見ると、分類が現実を追いかけていることが分かります。東京商工リサーチが2023年4月24日に伝えた記事では、新設された項目としてペストコントロール業、電気小売業、電気炉・電熱装置製造業、ワンプライスショップが挙げられています。背景は、感染症対策の広がり、電力小売の全面自由化、燃焼炉から電気炉への転換です。10年前の分類表には、いまの主要な取引先を表す項目が無いことがあるという意味になります。

ここから実務上の決めごとが1つ出ます。分類の番号をそのまま条件分岐に書き込まないことです。改定で番号の意味が変わると、書き込んだ側は気づかないまま古い条件で動き続けます。対処は簡単で、リストに分類の版(どの改定にもとづく番号か)を1列持たせるだけです。列が1つ増えるかわりに、次の改定のときに影響範囲を数分で洗い出せます。

公的分類・業界団体の区分・自社の営業区分を並べて比べる

使える分類体系は1つではありません。目的が違う3種類を並べると、どれを軸にするかの判断がつきます。右端に弱いところを書いたのは、弱点を知らずに軸へ据えると必ず後で作り直しになるからです。

分類体系何のために作られたか向いている使い方弱いところ
国の産業分類(日本標準産業分類)統計を比較できるようにするため市場規模の推計、母集団に対する自社の占有率、官公庁の資料との突合単位が事業所で企業ではない。営業の打ち手の違いとは対応しない
業界団体・展示会・専門媒体の区分その業界の中での位置づけを示すため展示会の出展分野の設計、専門媒体への出稿、業界向けの事例の並べ方業界の外側にいる会社が1社も入らない。区分の定義が団体ごとに違う
自社の営業区分提案や担当を変えるため担当の割り振り、事例と資料の出し分け、配信の分岐、広告の除外社外の数字と比べられない。決めた人が異動すると定義が失われる

表を見て分かるのは、どれか1つを選ぶ問題ではないということです。市場規模を役員に説明する場面では国の分類でしか話が通じませんし、メールの本文を出し分ける場面では国の分類はほとんど役に立ちません。両方が要ります。

だから結論は二階建てになります。1階に国の産業分類を置いて外の数字と接続し、2階に自社の営業区分を置いて打ち手を変える。2階は1階の集合として定義するのが要点です。たとえば自社区分の「装置系の製造」を、国の分類の中分類のどれとどれを合わせたものかで書いておく。こうしておくと、区分を作り直したいときに何が動くのかを機械で追えます。

1つの列に2つの目的を詰めると、なぜ壊れるのか

冒頭の部門が詰まったのは、この二階建てを1階だけで済ませようとしたからです。壊れる理由は、更新の契機がまったく違うところにあります。国の産業分類が変わるのは約10年に一度の改定のときだけですが、自社の営業区分は事業の方針が変わるたびに動きます。

同じ列に両方を入れると、営業区分を変えた瞬間に過去の集計と比べられなくなります。去年の「製造業向けの反応率」と今年の数字が、違う母集団を指してしまうからです。列を分けておけば、区分を作り直しても時系列の比較だけは守れます。分けるコストは列1つ、混ぜるコストは過去のデータ全部です。

実務では、最低でも次の4列を持たせます。国の産業分類の番号、その番号がどの改定によるものかの版、自社の営業区分、そしてその区分を付けた根拠(会社概要のどの記述で判断したか)。4列目は面倒に見えますが、後で説明する検証の作業がこれで一気に軽くなります。根拠が書いてあれば、確かめる作業が探すことから突き合わせることに変わります。

列を増やすことに抵抗が出る場面もあります。入力する人が迷うから増やしたくない、という理由がほとんどです。ここは運用で解けます。国の産業分類にあたる2列は人が触らない列だと決めて、入力の対象から外します。人が手で入れるのは自社の営業区分と根拠の2列だけ。触らない列だと最初に宣言しておけば、列の数そのものは現場の負担になりません。

粒度は階層の深さではなく「打ち手が変わる単位」で決める

次に決めるのは細かさです。ここで階層を先に選ぼうとすると答えが出ません。大分類20では、製造業という1つの箱に精密機器も食品も入ってしまいます。細分類1,473では、8,000社を割り振ったときに1社も入らない区分が大量に生まれます。階層から選ぶ限り、粗すぎるか埋まらないかの二択にしかなりません

決め方を裏返します。基準はその境目で自社の打ち手が変わるかどうかです。送る事例が変わる、訴求する導入効果が変わる、担当する営業が変わる、参照する規制が変わる。どれか1つでも当てはまるなら分ける価値があります。逆に、同じ資料を同じ担当が送るだけなら、分類上どれだけ離れていても1つにまとめて構いません。

目安も置いておきます。区分の数は、実際に運用できる出し分けの数に揃えます。事例の資料が5種類しかないのに業種を20に割っても、15の区分は同じ資料を受け取るだけです。もう1つは件数の下限で、1区分あたり100社を切ったら、区分ではなく個別対応の対象として扱うと決めておくと、区分がむやみに増えません。冒頭の8,000社は、最終的に7区分に落ち着きました。

表記ゆれは3種類に分かれる。寄せ方もそれぞれ違う

分類の付与でつまずく最大の原因が表記ゆれです。ひとくくりに語られますが、実際には性質の違う3種類が混ざっています。混ざったまま一括変換をかけると、直したはずのものが別の形で戻ってきます。

1つ目は呼び名のゆれです。同じ実体を情報通信業、情報サービス業、ソフトウェア開発と別々の言葉で書いている状態を指します。これは対応表を作れば機械的に寄せられます。2つ目は粒度のゆれで、1つの列に大分類の名前と細分類の名前が混在している状態です。こちらは寄せるのではなく、上位の階層へ丸めます。細かいほうへ広げるのは推測になるので、やってはいけません。

3つ目が見落とされがちな古さのゆれです。改定で廃止された区分の名前や、社名が変わる前の業種がそのまま残っている状態を指します。これは対応表でも丸めでも直りません。判定に必要なのは分類の版で、いつの分類表で付けた値なのかが分からないデータは、直しようがありません。前の節で版を列に持たせたのは、この3つ目に効かせるためです。

業種が1つに決まらない会社の型を、先に4つ数えておく

どんな分類体系を選んでも、必ず決まらない会社が出ます。事前に型を知っておくと、現場が迷う時間が短くなります。冒頭の8,000社で実際に止まったのは、次の4つでした。

持株会社は、それ自体は管理をしているだけで事業を行っていません。兼業の会社は、製造と卸のどちらが主なのかが売上と人数で答えが割れることがあります。受託が中心の会社は、名目上の業種と、実際に納品している先の業種が食い違います。そして新しい業態の会社は、分類表そのものにまだ項目がありません。

  • 決まらない会社を、とりあえず「その他」に入れて先へ進む(後で必ず読み直すことになる)
  • 会社名に含まれる語(工業・商事・システムなど)だけで業種を推定する
  • 上場企業向けの株式市場の区分と、国の産業分類を1つの列に混ぜて入れる
  • 決まらない会社を空欄のままにして、集計のときに黙って除外する

実務での扱い方は決まっています。主業は、売上の構成比、従業員の配置、そして自社にとってその会社が何を買う相手なのかの3点で決めます。3点目が入るのが営業リストならではのところで、統計としては製造業でも、自社の製品を買う理由が物流部門にあるなら区分は物流側に置くほうが打ち手に合います。

  • 判定できない会社は空欄にせず「未判定」という値を明示的に入れる。空欄と未判定は意味が違う
  • 未判定の件数を毎月数える。増え続けるなら区分の定義が現実に合わなくなっている合図
  • 持株会社は、事業を行っている子会社と紐づけて別の行として持つほうが後で扱いやすい

AIに任せてよい範囲と、任せてはいけない判断

ここからAIの出番です。ただし全部を任せる話ではありません。分類は下流のすべて、つまり配信も担当割りも集計も左右するので、間違いが混ざったときの被害が広く出ます。範囲を先に決めます。

任せてよいのは3つです。呼び名の正規化、候補の提示、そして根拠の抜き出しです。会社の公開情報を読んで「この会社は自社の区分でいうとどれとどれの候補に当たり、判断の根拠は会社概要のこの一文です」という形まで持ってこさせる。ここまでは人がやっても同じ結論になる作業なので、任せても判断がぶれません

任せてはいけないのも3つあります。主業の確定、区分そのものの設計、そして廃止された区分の読み替えです。理由は共通していて、これらはデータの中に答えが無く、自社の方針の中にしか答えが無いからです。方針が書かれていない問いを投げると、それらしい答えが必ず返ってきます。返ってきた答えは筋が通って読めるので、間違っていても気づけません。判断を求めず、候補と根拠を求めるのが線の引き方です。

付与を依頼するときに、必ず入れる5項目

候補を出させるときの指示は、毎回同じ形に固定します。担当者ごとに書き方が変わると、出てきた候補の粒度が揃わず、比べられなくなるためです。入れる項目は5つで足ります。

  • 使う分類表と版を明示する(自社の営業区分なら、その定義文をそのまま渡す)
  • 選ばせる階層を1つに固定する(中分類まで、あるいは自社区分の7つから、と限定する)
  • 根拠となる一文と、それがどの資料のどこにあるかを併記させる
  • 確信度を3段階で返させる(高い・迷う・判定できない、の3つに限る)
  • 判定できないときは無理に選ばず、判定できないと返してよいと先に許可する

5つ目が抜けると、必ず何かの区分に押し込まれた答えが返ります。選択肢の中から選べという指示は、選べないという答えを禁止する指示でもあると考えたほうが実態に合います。許可を明示すると、迷う会社が迷うものとして返ってくるようになります。

確信度を数字ではなく3段階にするのも理由があります。数字で返させると、高い数字が付いた答えほど確からしいと読んでしまいますが、その数字自体に根拠はありません。3段階なら、人が見る対象を「迷う」と「判定できない」に絞れるので、確認する件数が現実的な量まで下がります。

検証は全件ではなく、抜き取りと一致率で見る

付け終わったら検証します。8,000件を全部見直す計画は、必ず途中で止まります。見るのは抜き取りで十分です。ただし抜き取り方に条件があります。

条件は2つです。1つは、リスト全体からではなく区分ごとに抜くこと。全体から100件抜くと、件数の多い区分ばかりが当たり、少ない区分の誤りが見えません。もう1つは、1区分あたり最低30件を目安にすること。極端に少ない区分は、その区分自体を残すかどうかの議論に回します。

見る数字は一致率です。ここで効く工夫があって、AIの答えと人の答えを比べる前に、人を2人立てて、同じ会社を独立に分類させます。人同士が一致しない区分があったら、それはAIの精度の問題ではなく定義の問題です。人が2人で割れる区分は、どんな道具を使っても揃いません。定義を書き直してから、あらためてAIの答えと突き合わせます。

合格の線も、検査を始める前に決めます。区分ごとの一致率が8割を下回ったらその区分は定義から書き直す、というように具体的に置いてください。線を決めずに検査すると、結果を見てから「これなら使える」と判断することになり、検査そのものが儀式に変わります。あわせて、不一致だった会社は1件ずつ理由を残します。不一致の理由が3件も溜まれば、たいていは同じ1つの曖昧さに行き着きます。個別に直すより、定義の1行を書き換えるほうが早く終わります。

国の分類は手で入力しない。公開されている法人情報から機械で付ける

二階建ての1階、つまり国の産業分類にあたる列は、人が入力する対象ではありません。法人番号を鍵にすると、国が公開している法人情報の検索の仕組みから、所在地、資本金、従業員数、業種、設立の年月日といった項目を機械で引けます。無料で使える応答の窓口が用意されているので、数千件の規模なら1日の作業で埋まります。

ただし、引けるものと引けないものをはっきり分けておく必要があります。引けるのは登記や届け出に由来する事実です。引けないのは、その会社がいま主力にしている事業と、自社にとってその会社が何を買う相手なのかという2点です。公開情報が示しているのは登録されている姿であって、いまの姿ではありません。設立時の届け出から一度も更新されていない会社は珍しくありません。

だから1階の値は出発点として扱います。営業が訪問した結果、実態が届け出と違うと分かった場合でも、公的分類の列は書き換えません。直すのは自社の営業区分の側です。公的分類の列を現場が書き換え始めた時点で、外の統計との比較はできなくなります。比較できることが1階を持つ唯一の理由なので、ここだけは例外を作らないでください。

業種でリストを切る5工程

ここまでを、そのまま進められる順番に並べます。工程1を飛ばして工程3から始めるのが最もよくある失敗なので、順番は崩さないでください。

STEP1
何を出し分けるために切るのかを1行で書く

送る事例が変わるのか、担当が変わるのか、参照する規制が変わるのか。出し分ける対象が書けないうちは、区分を作っても使われません。

STEP2
列を二階建てにして、版と根拠の列を足す

国の産業分類の番号、その版、自社の営業区分、判断の根拠の4列を用意します。既存の1列を書き換えるのではなく、列を足すのが安全です。

STEP3
国の産業分類は、公開されている法人情報から機械で付ける

法人番号を鍵にすると、国が公開している法人情報の検索の仕組みから業種や所在地を引けます。ここは人が入力する工程にしません。

STEP4
自社の営業区分を、中分類の集合として定義する

区分ごとに、どの中分類を含むかと、含めない例外を書きます。定義文ができてから、AIに候補を出させて一括で付けます。

STEP5
抜き取り検査をして、見直す日をカレンダーに入れる

区分ごとに30件を抜き、人2人の一致率と、AIとの一致率の順に見ます。あわせて次の見直し日を先に決めます。

工程3と工程4の順番にも意味があります。先に公的分類を機械で入れておくと、自社区分の定義を書くときに、どの中分類に何社いるのかを見ながら決められます。定義を先に書くと、実際には5社しかいない区分を作ってしまいます。

一度切ったリストを腐らせないための更新の設計

分類は付けた瞬間から古くなります。腐り方は2通りあって、原因が違うので対処も分かれます。1つは会社の側が変わる腐り方、もう1つは分類表の側が変わる腐り方です。

会社の側は、事業の売却や吸収合併、主力事業の転換で変わります。全件を毎年見直すのは現実的ではないので、対象を絞ります。取引のある会社と、商談が動いた会社だけを更新の対象にすると、実際に判断へ影響する範囲が優先されます。取引の無い会社の業種が古いままでも、実害は配信の出し分けが少しずれる程度で収まります。

分類表の側は、改定の告示が出たときにだけ動きます。ここで版の列が効きます。版が入っていれば、古い版で付けた行だけを抽出して、変更のあった項目に該当するかを機械で確かめられます。版の列が無いリストは、改定のたびに全件を見直すしかありません。列1つの差が、10年後に数日分の作業の差になります。

更新の担当も、あわせて決めておきます。分類の維持はどの部署の業務にも書かれていないので、放っておけば必ず止まります。実際に回るのは、リストを使う側の部署が持つ形です。配信を出す担当が、配信の準備のついでに未判定の件数を確認するようにしておくと、独立した作業として立ち上げなくて済みます。維持のための会議を新しく作るより、すでにある作業の中に1つ足すほうが続きます。

切った後:どの区分で何を出し分けるかを決めておく

最後に、切った分類を実際に使う場面を決めます。ここが空欄のまま分類だけが整った状態は、実務でよく見かける止まり方です。分類の維持には手間がかかるので、使われない分類は必ず放置されます。

出し分ける対象は、たいてい4つに収まります。案内に載せる導入事例、メールの件名と冒頭、担当の割り振り、そして広告の配信除外です。逆に、出し分けないと決めるものも同時に書きます。全部を業種別に作り分けると、資料の維持だけで担当者の時間が消えます。冒頭の部門は、事例と件名は分け、資料本体は共通と決めました。

効いているかどうかの見方も置いておきます。区分ごとの反応の差を見て、どの区分も似た数字になるなら、その分け方は打ち手の違いを生んでいません。差が出ないこと自体が、区分を統合してよいという判断材料になります。分類を増やす方向の議論はよく起きますが、減らす議論はこの数字がないと始まりません。

社内で説明するときの材料も、この数字から作れます。区分を作った理由を「細かく見たいから」ではなく「この区分だけ資料の請求が2倍だから」と言えるようになります。分類を維持する手間は、出し分けで得られた差でしか正当化できません。差が出た区分は残し、出なかった区分は統合する。この判断を半年に1度だけ入れておけば、区分の数が増え続けることはありません。

よくある質問

国の産業分類だけで運用してはいけないのですか

してはいけないわけではありません。市場全体の規模を見る、官公庁の統計と自社の顧客構成を比べる、といった用途なら国の分類だけで足ります。困るのは打ち手を変える場面です。事業所単位で付けられた分類は、企業に対して何を提案するかという問いに答えるようにはできていません。両方の用途があるなら、列を分けるほうが結局は早く済みます。

分類の付与を外部のリスト提供会社に任せる場合、何を確認すればよいですか

確認するのは3点です。どの分類表のどの版に準拠しているか、企業単位で付けているのか事業所単位で付けているのか、そして未判定の会社をどう扱っているかです。3点目が曖昧なまま納品されると、その他の区分に大量の会社が入った状態で受け取ることになります。納品前に、区分ごとの件数分布を出してもらうと判断できます。

個人事業主や設立したばかりの法人はどう扱えばよいですか

公開情報が薄いので、無理に分類しないのが安全です。未判定として持ち、実際に問い合わせや商談が発生した時点で人が付けます。設立直後の法人は事業内容が定まっていないことも多く、早い段階で付けた分類ほど早く古くなります。件数が読めない相手を先回りして分類する労力は、既存の取引先の更新に回すほうが回収できます。

あとから区分を増やしたくなったときは、どう進めますか

既存の区分を分割する形で増やします。新しい区分を横から足すと、どの区分にも入り得る会社が生まれて定義が崩れます。分割する場合は、分割前の値を別の列に残しておきます。残しておけば、分割前後の期間をまたいだ集計を後から作り直せます。増やした区分は、3か月後に反応の差が出ているかを必ず確認してください。差が出ていなければ元に戻します。

まとめ

業種でリストを切る作業は、分類表から正しい項目を選ぶ作業ではありません。国の産業分類は事業所が主にしている経済活動を統計のために整理したもので、大分類20から細分類1,473まで4階層に分かれ、約10年ごとの改定で中身が動きます。企業に1つの業種を持たせて打ち手を変えたい営業リストとは、そもそも数える対象が違います。だから列を分けて二階建てにし、粒度は階層の深さではなく打ち手が変わる単位で決めます。表記ゆれは呼び名・粒度・古さの3種類に分けてから寄せ、決まらない会社は未判定として明示的に持ちます。AIには呼び名の正規化と候補出しと根拠の抜き出しまでを任せ、主業の確定と区分の設計は人が持つ。検証は全件ではなく区分ごとの抜き取りで行い、人が2人で割れる区分は定義から書き直す。この順で進めれば、切ったリストは営業の感覚と合うようになり、改定が来ても列1つで影響範囲を追えます。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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