【2026年】Drataで備える取引先の審査|AI回答を誰が確かめるか

「大口の取引先から、二百問近いセキュリティの質問票が届いた。締め切りは二週間後」「最近の質問票には、生成AIをどう使っているかを聞く欄が必ずある。何をどこまで書けばいいのか分からない」——BtoBの会社で、営業から質問票を受け取る情シスや管理部門の担当者が口をそろえる話です。米国では、この作業を製品にした会社が大きく伸びています。認証の自動化で知られる Drata は2025年2月に、審査対応の専用の仕組みを持つ SafeBase の買収を発表し、2026年に入ってからはAIが質問票の回答案を作り、人が承認する流れを前面に出しています。ただ、回答を速く作れることと、審査に通ることは同じではありません。この記事では、取引先の審査を受ける側として Drata を検討するときに、先に公開する範囲、AIが作った回答を誰が確かめるか、自社の生成AIやエージェントの利用をどう説明するかを整理します。
カメ先生取引先の審査は、質問票を早く埋めれば終わると思われがちなんだけど、本当に問われているのは、答えの一つ一つに裏付けがあって、誰が責任を持って答えたかなんだ。
カメ子AIに回答案を作らせると、その裏付けがあいまいになるということですか。
カメ先生作らせ方しだいだね。Drata の仕組みは、承認済みの資料だけから回答案を作って、人が承認した答えを蓄えていく考え方をとっている。だから、どの資料を承認済みにするか、どの設問を誰が確かめるかを会社が先に決めないと、速さだけが手に入ってしまう。
カメ子道具が答えを作っても、答えの持ち主は会社の側に残るんですね。
- Drata は認証の維持を自動化する米国の製品で、2025年2月に Trust Center の SafeBase の買収を発表した。現在は、資料の公開、AIによる質問票の回答案、2026年10月に一般提供となった MCP サーバーまでを一つの流れで扱う
- 審査対応が重くなる原因は、公開してよい情報の線引きがないこと、答えの出どころがばらばらなこと、自社のAI利用を説明できる形に棚卸ししていないことの三つ
- Trust Center で公開する範囲を三段に分け、AIの回答案は承認済みの資料だけから作らせ、設問の種類ごとに確かめる人を決める。AIに審査の合否を判断させない
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Drata は、認証の維持と取引先の審査対応をまとめて扱う米国の製品
Drata は、米国サンディエゴに本社を置く会社で、SOC2 や ISO 27001 といった情報セキュリティの認証を取り、維持するための作業を自動化する製品から始まりました。クラウドや社内の仕組みとつないで統制が守られているかを継続的に確かめ、監査に出す証跡を集める仕組みです。公式サイトでは、世界で8,500を超える組織が使っていると説明しています。
認証の準備そのものの進め方は、別の記事で同じ種類の製品を題材に扱っているため、ここでは繰り返しません。この記事が扱うのは、その先にある「取引先から審査を受ける側」の仕事です。認証を持っていても、取引先は自社の様式の質問票を送ってきますし、報告書を渡すにも秘密保持の手続きが要ります。Drata はこの部分を、Trust Center(自社のセキュリティ情報をまとめて見せる公開ページ)と、AIによる質問票の回答支援の二つで扱っています。
製品の紹介ページには、AIの機能として、質問票の回答支援のほか、方針文書と統制の対応付け、統制の確認に失敗したときの原因の説明、取引先から受け取った SOC2 報告書や質問票の要約、AIエージェントの統制などが並んでいます。対応する枠組みとしては、AIの管理の国際規格である ISO 42001 や、米国の NIST のAIリスク管理の枠組みも挙がっています。本記事では、このうち審査を受ける側に関わる機能に絞って見ていきます。
2025年の SafeBase 買収と、2026年に入ってからの動き
Drata は2025年2月11日、SafeBase を買収する正式な契約を結んだと発表しました。SafeBase は、セキュリティの資料を取引先に見せる Trust Center の専門の会社で、自社のブログでは千を超える顧客を持つと説明していました。米国のセキュリティ専門誌は買収額を2億5千万ドルと報じていますが、両社の発表では金額は示されていません。現在、SafeBase の旧サイトは Drata のサイトへ転送されており、製品は Drata の名前のもとで、Trust Center と質問票の回答支援として提供されています。
2026年に入ってからの動きは、AIに寄っています。公式のヘルプによれば、Drata が独自に試験提供していた質問票の自動化の機能は2026年4月30日で終了し、SafeBase 側のAIによる回答支援へ移るよう案内されました。8月4日には、社内で動くAIエージェントを見つけ、決まりに反する操作を実行前に止め、記録を証跡にする機能を、条件を満たす企業向けの限定提供として発表しています。この機能は、まず Anthropic の環境に対応し、OpenAI、Google の Vertex、Amazon の Bedrock は開発中と説明されています。
10月14日には、SafeBase の MCP サーバーが一般提供になりました。公式の更新情報では、MCP に対応したAIの道具から、権限の範囲内で Trust Center と質問票の中身を読めるようにするものと説明しています。つまり、営業担当が手元のAIアシスタントに「この取引先に出してよい資料は何か」を聞くような使い方が、製品の側では用意されつつあります。提供終了や新規受付の停止の告知はなく、更新情報は週単位で続いています。
- 顧客数や時間の削減幅は、いずれも提供元の公表値で、第三者による検証値ではありません
- AIエージェントの統制は2026年10月時点で限定提供です。国内の企業がすぐに使えるか、対応する環境はどこまでかは、見積の段階で確かめてください
課題:受ける側の審査は、件数と設問の両方で増えている
取引先の審査が重くなっているのは、海外だけの話ではありません。国内でも、大手企業が委託先や仕入先に質問票を送り、回答を年に一度更新させる運用が広がっています。経済産業省は、取引先のセキュリティ対策の水準を外から確かめられるようにする評価制度の準備を進めており、受ける側の負担は今後も減る方向にはないと見ておくのが妥当です。
負担の中身は二つあります。一つは件数です。顧客ごとに様式が違い、同じ内容を言い回しを変えて何度も答えることになります。もう一つは設問の深さです。かつては「ウイルス対策をしているか」で済んだ設問が、「どの仕組みで、誰が、どの頻度で確認し、その記録をどこに残しているか」まで問うようになりました。Drata の公式ヘルプは、質問票の回答支援を使う顧客について受け取る質問票にかける時間が8割減ったと紹介していますが、これは提供元の説明であり、自社の様式や設問の深さで同じ結果になるとは限りません。
BtoBのマーケ部門にとっても、これは他人事ではありません。審査が終わらないと契約が進まないため、商談の後半で止まる案件が出ます。営業とマーケが作った商談の勢いが、質問票の往復で冷えていく。審査対応の速さは、売上の時期を左右するというのが、Drata や SafeBase がこの領域を製品にした背景です。
課題:AIの利用を聞く設問が、答えの割れやすい欄になった
ここ一年で、質問票に生成AIの利用を聞く欄がほぼ必ず入るようになりました。「業務で生成AIを使っているか」「顧客の情報をAIに入力しているか」「AIの提供元は入力を学習に使うか」「AIが出した結果を人が確かめているか」といった設問です。答え方の一般論は別の記事で扱っているため、ここでは Drata のような道具を入れたときに起きる新しい問題に絞ります。
新しい問題とは、質問票に答える道具そのものがAIであるという点です。AIが作った回答案で「当社は生成AIの出力を必ず人が確認しています」と答える場合、その回答自体を人が確かめていなければ、答えの中身と答えた手順が食い違います。審査をする側も、こうした回答の作り方に気づき始めています。
もう一つは、エージェントの利用です。社内でAIエージェントに顧客管理の仕組みや共有フォルダを読ませている会社は、「AIに与えている権限」「AIの操作の記録」を聞かれたときに答えられる材料を持っていないことが多いはずです。人の利用の決まりは書けても、エージェントの動きは説明できない。ここが、今の質問票で最も答えが割れる欄です。
原因1:公開してよい情報と、秘密保持契約が要る情報の線が引かれていない
審査対応が遅れる最初の原因は、どの情報を誰に見せてよいかが決まっていないことです。認証の取得状況のように誰に見せてもよい情報、侵入試験の結果や SOC2 の報告書のように秘密保持契約を結んでから渡す情報、社内の構成図のように原則として出さない情報。この三つの線が引かれていないと、取引先から依頼が来るたびに、情シスと法務と営業が相談することになります。
SafeBase の公式ヘルプを見ると、Trust Center は依頼と承認の流れを前提に作られています。取引先は公開ページから閲覧を依頼し、管理者が承認して相手の会社名を設定します。秘密保持契約は、画面上で同意するだけの簡易な形、外部の電子署名の仕組み、すでに結んだ契約を記録する形、契約なしの形から選べます。顧客管理の Salesforce とつなぎ、商談や既存の契約が見つかった相手には新しい契約の締結を省く設定もあります。
つまり、仕組みとしては細かく分けられるのに、どこで分けるかを会社が決めていなければ、結局すべてを承認待ちにするか、すべてを開けてしまうかのどちらかになります。線を引くのは道具ではなく、情シスと法務の仕事です。ここが空白のまま Trust Center を公開すると、営業がよかれと思って承認を出し、渡すべきでない資料が渡る事故につながります。
原因2:質問票の答えの出どころが、人ごと・案件ごとにばらばら
二つ目の原因は、過去の回答がまとまっていないことです。前回の質問票の答えは、担当者のパソコンの中や、営業との往復のメールの中に散らばっています。同じ設問に、案件ごとに少しずつ違う答えを返していることも珍しくありません。この状態でAIに回答案を作らせると、古い答えや、ある顧客向けに特別に書いた答えを、別の顧客に流用することが起きます。
Drata の製品ページは、AIによる回答案を「Trust Center、ナレッジベース、承認の流れで管理された文書」という承認済みの情報源から作ると説明しています。仕上げた回答は自動でナレッジベースに蓄えられ、人の承認や修正から学び続けるとも書かれています。この設計は、出どころをそろえるための仕組みですが、裏返せば、最初に承認済みとして入れた資料の質が、その後のすべての回答の質を決めるということです。
もう一つ見落とされやすいのが、回答の鮮度です。認証の範囲が変わった、委託先が変わった、AIの利用の決まりを改めた。こうした変更が、蓄えた回答に反映されないまま残ると、AIは古い答えを自信を持って返します。回答の持ち主と見直しの時期を決めずに蓄えるのは、間違いを増やす仕組みを作るのと同じです。
原因3:自社のAI利用を、審査で説明できる形に棚卸ししていない
三つ目の原因は、AIの利用の実態が把握されていないことです。会社として契約しているAIの道具は分かっても、部門が個別に契約した道具、業務の仕組みに組み込まれたAI、社員が作ったエージェントまでは一覧になっていないことが多いはずです。質問票の「AIの提供元は入力を学習に使うか」という設問は、道具ごとに答えが違うため、一覧がなければ答えられません。
加えて、審査を受ける側が使う道具そのものも棚卸しの対象になります。Drata を入れれば、質問票の中身、取引先の名前、自社の構成や統制の情報が Drata の仕組みを通ります。Drata の責任あるAIの方針(2026年9月17日更新)は、既定では顧客のデータを共有の汎用モデルの学習に使わないと説明し、外部のモデルの提供元が顧客のデータを学習に使わないよう対策をとっているとしています。一方で、顧客が明示的に認めた場合の顧客専用の学習や、個人を識別できない形に集計したデータでのモデルの改善には触れています。
この方針は、そのまま質問票の答えの材料になります。「審査の回答づくりにAIを使っているか」「そのAIは何を学習に使うか」と聞かれたときに、提供元の方針と自社の設定を示せるようにしておく。道具の方針を読んだうえで、自社がどの設定を選んだかまで書けるようにするのが、棚卸しの終わりです。
対策1:Trust Center で先に公開する範囲を三段に分ける
最初の対策は、Trust Center に載せる情報を三段に分けることです。取引先が最初に知りたいことの多くは、公開しても問題のない情報で答えられます。先に公開しておけば、質問票そのものが届かなくなる案件も出てきます。Drata の Trust Center の紹介では、GitLab の元担当者が、顧客の少なくとも9割が公開ページで自己解決できたと述べています。これは一社の声ですが、公開の効果を考える材料にはなります。
| 段 | 載せる情報の例 | 見せ方 | 決める人 |
|---|---|---|---|
| 誰でも見られる | 取得済みの認証の名前と範囲、委託先の一覧、データの保存地域、生成AIの利用方針の要約 | 公開ページに常時掲載 | 情シスが案を作り、法務が確認 |
| 契約後に見せる | SOC2 の報告書、侵入試験の結果の要約、方針文書の本文、AIの道具ごとの設定 | 閲覧依頼と承認、秘密保持契約の締結 | 承認者を部門ごとに指名 |
| 原則出さない | 社内の構成図、脆弱性の個別の詳細、取引先ごとの個別の回答 | 個別の打ち合わせで口頭説明 | 情シスの責任者が個別に判断 |
表の真ん中の段で、承認者を誰にするかが運用の分かれ目です。営業に承認を任せると速いものの、相手がまだ商談の初期で、本当に報告書を渡すべき相手か判断がつかないことがあります。承認を情シスに集めると、今度は承認待ちで商談が止まります。顧客管理の仕組みとつないで、商談の段階や既存の契約の有無で自動承認の範囲を決め、それ以外は人が承認するという分け方が現実的です。
対策2:AIの回答案は、承認済みの資料だけから作らせる
二つ目の対策は、AIが回答案を作るときに参照する資料を絞ることです。Drata の回答支援は承認済みの情報源から回答案を作る設計ですが、何を承認済みにするかは会社が決めます。最初に入れるのは、認証の審査に出した方針文書と、法務が確認した過去の回答に限るのが安全です。
入れてはいけないものもはっきりさせておきます。
- 特定の顧客向けに例外として約束した内容を含む過去の回答を、そのまま承認済みにする
- 改定前の方針文書や、範囲が変わる前の認証の情報を残したままにする
- 社内の打ち合わせの議事録や、検討中の施策の資料を、参考になるからと読み込ませる
- AIが作った回答案を、人の確認なしに承認済みの回答としてナレッジベースに蓄える
最後の項目は特に注意が要ります。製品ページは、仕上げた回答が自動でナレッジベースに蓄えられると説明しています。人が十分に確かめずに承認ボタンを押すと、その答えが次の回答案の元になり、誤りが広がります。承認の操作は、確認した証拠として扱うという決まりを先に置き、急いでいるときほど承認を軽くしない運用にしておく必要があります。
対策3:AIが作った回答を誰が確かめるかを、設問の種類で決める
三つ目の対策は、確かめる人を設問の種類で分けることです。Drata の製品ページは、質問票を法務・セキュリティ・営業の担当者に振り分け、役割に応じて承認できる人を決められると説明しています。仕組みがあっても、誰に振るかが決まっていなければ、すべてが一人の情シス担当に集まります。
| 設問の種類 | AIの回答案に任せてよい範囲 | 確かめる人 | AIに判断させないこと |
|---|---|---|---|
| 認証・方針の有無 | 承認済みの文書からの引用 | 情シスの担当者 | 範囲外の業務まで認証済みと書くこと |
| 技術的な設定 | 過去の確定回答の再利用 | インフラの担当者 | 現在の設定と一致しているかの判断 |
| 契約・責任の範囲 | 下書きのみ | 法務 | 賠償や通知の期限の約束 |
| 生成AI・エージェントの利用 | 利用方針の要約の下書き | AIの利用の責任者 | 使っていない、学習に使われない、と言い切ること |
| 事故の履歴 | 使わない | 情シスの責任者 | 過去の事故の有無と内容の記載 |
表の右端の列が、この記事で最も伝えたいところです。AIは、承認済みの資料にもっともらしい答えが見つかれば、それを返します。しかし、今この瞬間の設定と一致しているか、法的な約束として出してよいかは、AIには判断できません。回答案には必ず元の資料を示させ、元の資料が見つからない設問は空欄のまま人に回す。この二つを守れば、AIの速さを使いながら、答えの持ち主を会社の側に残せます。
対策4:生成AIとエージェントの利用を、審査向けの説明に整える
四つ目の対策は、自社のAI利用を審査で説明できる形に整えることです。最低限そろえたいのは、使っているAIの道具の一覧、道具ごとの入力の扱い(学習に使われるかどうか、保存期間)、扱ってよい情報の区分、出力を人が確かめる業務の範囲、エージェントに与えている権限と操作の記録の有無、の五つです。
エージェントについては、Drata 自身が統制の機能を出し始めています。8月に発表された機能は、管理された端末で動くAIの活動を見張る仕組み、エージェントが道具を呼ぶたびに決まりと照らし合わせる MCP の中継、伏せ字にしたうえで証跡として送る記録の三つで構成され、決まりは普通の文章で書いて実行できる規則に変換すると説明されています。過去一年分の通信で、止める前に試し打ちできるとも書かれています。
ただし、これは2026年10月時点で限定提供であり、対応環境もまず Anthropic からです。この機能を前提に審査の回答を書くのは早すぎます。今の時点では、エージェントの一覧と権限の表を人の手で作り、それを質問票の答えの根拠にするのが確実です。製品の機能は、その一覧を保つ手間を減らす手段として、検討の候補にとどめておくのがよいでしょう。
社内に入れてよいか:データの流れ・権限・止め方
Drata を入れると、社外に出る情報の流れが変わります。統制の確認のために、クラウドや人事、端末管理などの仕組みと連携し、その結果が Drata に集まります。質問票の中身と回答も、取引先の名前とともに Drata に残ります。Trust Center では、取引先の担当者が資料を閲覧した記録が残ります。自社の弱点に近い情報が一か所に集まることを前提に、誰がどこまで見られるかを決めておく必要があります。
権限の面では、MCP サーバーの扱いが新しい論点です。公式の更新情報は、権限の範囲内で Trust Center と質問票の中身を読めると説明しています。便利な反面、営業がAIアシスタントに聞けば、契約後にしか見せない資料の内容まで要約されて返ってくる可能性があります。つなぐ前に、MCP 経由で読める範囲を、人が画面で見られる範囲より狭くしておくのが安全です。更新情報には、SCIM を使った細かな閲覧権限の管理も挙がっており、人事の異動と権限を連動させる準備ができているかも確かめておきます。
止め方も先に決めておきます。AIの機能は、方針の説明によれば機能や設定によって有効・無効を切り替えられる場合がありますが、すべての機能を個別に止められるかは明示されていません。契約を終えるときに、質問票の回答やナレッジベースを手元に書き出せるか、書き出したあとにいつデータが消されるかは、契約前に書面で確かめる項目です。実際に、Drata は試験提供の機能を終了する際、期日を過ぎると中身を取り出せなくなるため事前に書き出すよう案内していました。
費用の増え方と、小さく始める手順
Drata の料金は公開されておらず、見積で決まります。費用が増えるのは、対応する認証の枠組みの数、統制を確かめる対象の仕組みの数、Trust Center と回答支援の追加、利用者の数が増えたときです。審査対応だけを目的にするなら、年に受ける質問票の件数と、一件にかけている人の時間を先に数えておくと、見積と比べる物差しになります。件数が年に数件なら、承認済みの回答集を表計算で整えるだけで足りることもあります。
入れると決めた場合は、いきなり全社で使わず、次の順で小さく始めます。
誰でも見られる情報、契約後に見せる情報、出さない情報を、情シスと法務で一覧にします。この表が、Trust Center の設定の元になります。
認証の審査に出した方針文書と、法務が確認した直近の回答だけを入れます。顧客ごとの例外を含む回答は入れません。
技術、契約、AIの利用、事故の履歴の設問に、それぞれの確認者を指名します。AIの回答案に元の資料が示されない設問は、空欄のまま人に回します。
届いた質問票を一件だけ通し、回答案のうち人が直した割合と、直した理由を記録します。直した理由が資料の古さなら資料を、言い回しなら確認の手順を見直します。
AIの道具とエージェントの一覧、権限、記録の有無を表にし、生成AIの設問の根拠にします。一覧の持ち主と見直しの時期も決めます。
よくある質問
Trust Center を公開すれば、質問票は届かなくなりますか
届かなくなるわけではありません。取引先の多くは自社の様式で記録を残す必要があるため、質問票は引き続き届きます。ただ、公開ページで先に答えておけば、確認の往復が減り、質問票の中で「公開ページを参照」と答えられる設問が増えます。
AIが作った回答案は、そのまま提出してよいですか
そのまま出すことは勧めません。Drata の方針も、AIの機能は人の判断を置き換えるものではなく支えるものであり、法的・規制上の影響がある判断に使う前には出力を確かめるよう求めています。特に契約や責任の範囲、事故の履歴に関わる設問は、人が確認したうえで出します。
取引先がAIで審査をしてくる場合は、何か変わりますか
変わります。Drata 自身、取引先の資料を集めて評価するエージェントを出しており、公式ヘルプでは、そのエージェントが依頼者の名前で相手の Trust Center に閲覧を依頼する流れを説明しています。審査する側もAIで読む時代には、公開ページの記述があいまいだと、そのまま不十分と判定される可能性があります。人が読んでもAIが読んでも同じ意味になる書き方を心がけます。
国内の小さな会社でも導入する意味はありますか
受ける質問票が年に数件で、認証の取得予定もなければ、急いで入れる必要はありません。まずは公開する範囲の三段の表と、承認済みの回答集を作ることから始め、件数が増えて回答の不一致が問題になった段階で、製品の導入を検討する順番が無理のない進め方です。
まとめ
Drata は、認証の維持から取引先の審査対応までを一つの仕組みで扱う製品で、SafeBase の買収以降は Trust Center とAIによる質問票の回答案、2026年10月には MCP サーバーまで用意しています。審査対応を速くする道具としては有力ですが、速さが手に入るのは、公開する範囲の線引き、承認済みの資料の絞り込み、設問ごとの確認者が決まっている会社だけです。AIには元の資料を示させ、資料のない設問は人に回し、契約や事故の履歴の答えはAIに判断させない。自社の生成AIとエージェントの利用は、製品の機能を待たずに一覧と権限の表で説明できるようにしておく。この順番で整えれば、取引先の審査は商談を止める壁ではなく、信頼を示す場に変わっていきます。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
AIの導入・活用、何から始めるべきかお悩みですか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
