Doppelで自社のなりすましを止める方法|検知後の担当を先に決める

Doppelで自社のなりすましを止める方法|検知後の担当を先に決める

「自社の名前を使った偽の通販サイトが出ていると、お客様から問い合わせが来た」「偽のアカウントが広告まで出しているのに、通報しても消えるまで何日もかかる」——ブランドを預かるマーケ担当と情シスの間で、たらい回しになりやすい相談です。なりすましの対策が遅れる原因は、検知の道具が無いことより、見つけた後の持ち主がいないことにあります。米国の Doppel は、偽サイト、偽アカウント、偽広告をAIで見つけ、削除の申請までを自動で回す基盤で、2026年6月には CTCエスピーが国内での提供を始めました。この記事では、Doppel を入れるときに、検知から申請、顧客への告知までを誰の業務にするかを、運用に定着させる順に整理します。


カメ先生カメ先生

なりすましの対策は、良い検知の道具を入れれば片づくと思われがちなんだけど、本当は、見つけた後に誰が確かめて、誰の名前で申請するかで止まることが多いんだ。


カメ子カメ子

検知と削除を自動でやってくれる道具でも、人の出番は残るんですか。


カメ先生カメ先生

残るよ。本物の販売店やファンのページを偽物と取り違えることもあるし、顧客への告知は道具が代わりに書けない。だから人が見る範囲を先に決めておくんだ。


カメ子カメ子

道具を入れる前に、社内の役割分担を決めておくということですね。


この記事のポイント
  • Doppel は、ウェブ、SNS、広告、アプリストア、ダークウェブなどを見張り、AIが証拠をそろえて削除の申請まで行う米国の基盤。国内は CTCエスピーが販売と導入支援を担う
  • マーケの持ち物の偽物は誰の業務でもないまま放置されやすい。持ち主、確認の担当、申請の承認者、告知の担当を先に決める
  • 自動の申請に任せる範囲と、人が承認する範囲を契約前に確かめる。正規の販売店やパートナーの一覧を渡して取り違えを防ぐ

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目次

Doppel とは:偽サイト・偽アカウント・偽広告を見つけて削除申請までを回す基盤

Doppel は、サンフランシスコを拠点とする会社が提供する、AIを前提にしたソーシャルエンジニアリング対策の基盤です。公式サイトは、ドメイン、SNS、広告、通信、マーケットプレイス、ダークウェブなどを見張り、なりすましや詐欺の兆候を見つけると説明しています。見つけた偽物を、まとまった攻撃の一部として結び付けて扱うのが特徴で、偽の検索広告、その飛び先の偽のログイン画面、同じ攻撃に使われる偽のアプリを、一つの攻撃としてまとめて止める例を挙げています。

製品は大きく三つに分かれます。外部のなりすましを見つけて止めるデジタルリスク対策、実際の攻撃をもとに社員向けの訓練と模擬攻撃を行う人的リスクの管理、そしてメールの防御です。役員のなりすましや個人情報の暴露から守る機能も、ブランドの保護と並べて案内されています。マーケの立場で関わりが深いのは、自社の名前や商品を使った偽サイト、偽アカウント、偽広告への対応です。

AIが働く場所について、公式サイトは、専門家のデータで鍛えた言語モデルが人の監督の下で削除の流れを動かし、AIのエージェントが各事業者の申請の窓口や上申の経路を通じて削除を求めると説明しています。複雑な案件は専門の分析担当が扱い、自社の監視の部門が支えるとしています。AIだけで完結する仕組みではなく、提供会社側の人の確認が組み込まれていると書かれている点は、導入の判断で押さえておきたいところです。

2025〜2026年の動き:シリーズC、国内提供、メールの防御

報道によれば、Doppel は2025年11月に7,000万ドルのシリーズCを調達しました。米国の投資会社ベッセマー・ベンチャー・パートナーズが主導したと伝えられています。2026年6月16日付の発表では、顧客が250社を超え、年間の継続収益が前年の3倍に伸び、社員が200人を超えたとしています。人工知能の管理の国際規格である ISO 42001 の認証を、世界で最初の350組織の一つとして取得したとも述べています。

同じ6月16日には、日本への本格的な進出と、伊藤忠テクノソリューションズのグループ会社である CTCエスピーとの提携を発表しました。報道によると、CTCエスピーにとって Doppel との国内の販売代理店契約は初めてで、北米の新興企業との協業の取り組みの一環として、米国のベンチャーキャピタルとの協業で実現したと説明しています。主な対象は、金融、通販、会員制のサイトなど、ウェブやアプリで顧客と接点を持つ企業とされています。

製品の面でも動きは続いており、2026年5月には、社員が報告した不審メールを自動で仕分ける機能と、メールの防御の製品を相次いで出しています。鮮度の点では、直近半年に発表と提供の開始が重なっていることが確認できます。数字の多くは提供会社の発表なので、規模の目安として読み、自社の判断は自社の試用の結果で行います。

地域の広がりで見ると、2025年10月に欧州・中東・アフリカへの展開を始め、カナダやオランダでも採用を進めたと発表しています。公式サイトに載る顧客の事例では、米国の資産運用会社が、詐欺の削除にかかる時間を数週間から数分に縮め、なりすましの件数を前年から50%減らしたとしています。事例は提供会社が選んで示したもので、日本語の偽サイトや国内のSNSでの成果を示す公開の事例は、2026年10月時点では確かめられませんでした。

マーケの持ち物の偽物は、誰の業務でもないまま放置される

なりすましの対策が止まりやすいのは、被害の入り口と対応の担当がずれているからです。偽の通販サイトや偽アカウントに気づくのは、多くの場合、顧客の問い合わせを受けるサポートや営業です。ところが、自社のSNSアカウントや広告はマーケが持ち、ドメインや証明書は情シスが持ち、商標と申し立ては法務が持っています。どの部署も一部を持っているが、全体を持っている部署がない状態です。

この状態で検知の道具だけを入れると、通知が来ても誰も動かないか、複数の部署が別々に動いて同じ偽物に重ねて申請することになります。逆に、情シスだけに任せると、偽広告への対応や、顧客への告知といったマーケの判断が要る場面で止まります。Doppel の公式サイトは、なりすましの対策を、セキュリティの部門と、マーケや広報の部門の両方に関わる課題として案内しています。

隣接する話題として、役員の声を使った偽の送金指示や、メールの受信箱でのブランドの表示といった対策は別の記事で扱っています。ここでは、ブランドの偽物を見つけてから消すまでの流れを、誰の業務にするかに絞って考えます。

運用定着の全体像:検知・確認・申請・告知・振り返り

Doppel を社内に定着させるには、五つの工程を順に決めます。検知は道具が担い、確認と申請の承認は人が担い、告知はマーケと広報が担い、振り返りは全員で行います。公式サイトが示す流れは、見張って見つける、結び付けて分析する、止める、の三段階ですが、社内の運用としては、その前後に人の工程を足す必要があります。

STEP1
守るものの一覧を作る

自社の正規のドメイン、SNSアカウント、アプリ、商品名、ロゴ、役員の名前を一覧にします。正規の販売店や代理店、パートナーのサイトも一覧に入れ、取り違えを防ぎます。

STEP2
検知の通知を受ける窓口を決める

通知を受ける担当を一つに決めます。マーケと情シスのどちらが受けるかより、受けた人が次に誰へ回すかが決まっていることが大切です。

STEP3
偽物かどうかを人が確かめる

AIが偽物と判断したものを、正規の一覧と照らして確かめます。確かめる範囲と、確かめずに申請してよい範囲を、次の章の基準で分けます。

STEP4
申請を承認し、記録を残す

削除の申請を出す承認者を決めます。申請と結果の記録は、提供会社の画面と、自社の台帳の両方に残します。

STEP5
告知と振り返りを行う

顧客に影響が出た場合は告知を出し、月ごとに件数と対応の時間を振り返って、守るものの一覧を更新します。

この流れのうち、最初の一覧づくりが、後のすべての工程の精度を決めることを覚えておきます。一覧が古いと、AIは本物を偽物と見なし、偽物を本物と見逃します。

持ち主を決める:マーケ・情シス・法務・広報の分担

分担は、会社の規模によって形が変わりますが、決めておく役割は共通です。全体の持ち主を一人置き、その下に確認、承認、告知の担当を割り当てます。全体の持ち主は、通知を受け、必要な担当に回し、期限までに処理されたかを見届ける人です。マーケの持ち物の偽物が多い会社では、マーケの側に持ち主を置くほうが動きが速くなります。

役割主な担当部署決めておくこと
全体の持ち主マーケまたは情シス通知の受け先、処理の期限、月次の報告
偽物かどうかの確認マーケ(ブランド・SNS)正規の一覧の管理、迷う案件の上げ先
削除申請の承認法務または情シス自動で出してよい範囲、承認が要る範囲
顧客への告知マーケと広報告知を出す基準、文面の承認者、掲載場所
役員・社員を狙う攻撃情シスと総務役員の名前の監視、訓練の頻度

法務を承認者に入れるのは、削除の申請が、相手のサイトやアカウントを止める強い手段だからです。申し立ての根拠が商標なのか、詐欺なのか、利用規約の違反なのかで、申請の通りやすさも、誤った場合の責任の重さも変わります。根拠の整理を誰が持つかを、最初に決めておきます。

AIの検知を、誰がどの基準で確かめるか

AIの検知は、似た名前、似たロゴ、似た画面を広く拾うのが役目です。広く拾うほど、本物を偽物と見なす取り違えも増えます。取り違えやすいのは、正規の販売店や代理店のサイト、ファンが運営する非公式のアカウント、自社の旧ドメインや閉じたキャンペーンのサイトなどです。これらに削除の申請を出すと、取引先や顧客との関係を傷つけます。

  • AIが偽物と判断したものを、正規の販売店の一覧と照らさずに、すべて自動の申請に回す
  • 自社のキャンペーン用に代理店が作った期間限定のサイトを、一覧に入れ忘れて偽物として申請する
  • 批評やパロディのアカウントを、なりすましと同じ扱いで削除させようとする
  • 検知の通知を受けた担当が判断に迷い、誰にも上げずに数日放置する

確かめる基準は三段階に分けると運用しやすくなります。偽のログイン画面や、支払いを求める偽サイトのように、顧客の被害に直結するものは、確認を待たずに申請を優先します。名前や画像が似ているだけで、詐欺の動きが見えないものは、マーケの担当が確かめてから申請します。批評やファンの活動に当たるかもしれないものは、法務に上げます。AIに白黒を決めさせず、迷う案件の上げ先を決めておくことが、取り違えを防ぐいちばんの手立てです。

確かめる担当の負担を軽くするには、AIが偽物と判断した理由を、人が読める形で受け取ることが欠かせません。公式サイトは、メールの防御の製品について、検知の判断に人が読める根拠を付けると説明しています。ブランドの偽物の検知でも、どの点が正規のものと似ていて、どの点が詐欺の兆候なのかを示してもらえるかを、試用の段階で確かめます。根拠が示されない判定は、確かめる側が一から調べ直すことになり、結局は人手が減りません。

見逃しへの備えも要ります。利用者のレビューサイトには、新しく作られた偽アカウントや偽のドメインを自動の検知が拾えず、手動で知らせて削除してもらうことがある、という声も載っています。顧客の問い合わせや社員の気づきから届いた偽物を、Doppel に手動で登録する経路を、窓口の手順に入れておきます。

削除申請を自動で出す範囲と、人が承認する範囲

Doppel の売りは、削除の申請を自動で回すことです。国内の報道によれば、検知した脅威について、削除や閉鎖に必要な証拠をAIが自動で集めて整理し、SNSの事業者や通信事業者への申請まで行うことで、分析や申請書の作成の手間を減らし、申請の不備や差し戻しを減らすとしています。公式サイトは、ドメイン、SNS、有料広告での削除までの時間の中央値が10時間未満、フィッシングのURLでは12分だとしています。削除の代行を案内する別のページでは、100を超える事業者を対象に、最短24〜48時間で偽サイトや不正なドメインを消せるとも書いています。いずれも提供会社の公表値です。

一方で、公開されている資料からは、顧客の側で「どの種類の偽物は自動で申請し、どれは承認を待つか」をどこまで設定できるかは確かめられませんでした。公式サイトが述べているのは、言語モデルが人の監督の下で動くこと、複雑な案件は専門の分析担当が扱うことまでです。自動の申請の範囲と、自社の承認を挟めるかどうかは、契約前に必ず確かめる項目です。

確かめるときは、具体的な場面で聞くのが確実です。たとえば、正規の販売店と名前が似たサイトが見つかった場合に、申請の前に自社へ確認の依頼が来るのか。自社の承認を必須にした場合に、削除までの時間はどれくらい延びるのか。誤って申請した場合に、取り下げは誰がどう行うのか。答えを書面で受け取り、社内の承認の基準と突き合わせます。

証拠の残し方と、申請の記録

削除の申請は、相手の事業者が判断するものです。通りやすさは、証拠のそろい方で変わります。公式サイトは、対応の証拠と記録を、法令順守や報告のために提供し、削除の記録や対応の範囲を示す画面を用意していると説明しています。記録は、社内の監査や、取引先、法務への説明に使える形で残すとしています。

社内では、提供会社の画面に頼るだけでなく、自社の台帳にも要点を書き写しておきます。書くのは、見つけた日時、偽物の場所、偽物と判断した理由、申請の根拠、承認した人、申請の結果と完了の日時です。契約をやめた後も、過去の対応を説明できるようにするためです。

公式サイトは、セキュリティの監視の基盤や自動対応の道具と連携して、削除の流れと監査の記録をつなげられること、Notion と連携して調査の担当や進み具合を整理できること、Google Workspace と連携して不審メールの受け箱の処理を自動にできることを挙げています。連携先に記録が散らばらないよう、正本をどこに置くかを決めることも、運用の決めごとに入れておきます。

顧客への告知:いつ、どこで、何を書くか

偽サイトで顧客が支払いをしてしまった、偽アカウントから個人情報を求める連絡が届いた、といった被害が出たときは、削除と並行して告知が要ります。告知はAIや提供会社が代わりに出せるものではなく、自社が自社の名前で出すものです。告知を出す基準と文面の承認者を、検知の運用と同時に決めておきます。

告知を出す基準は、被害の有無と広がりで決めます。偽物が見つかっただけで被害の報告が無い段階では、公式サイトに正規の窓口の一覧を載せる程度にとどめ、問い合わせが複数届いた段階や、支払いの被害が出た段階で、注意喚起を出す、といった線です。告知の文面には、偽物の特徴、正規の窓口、被害に遭った場合の連絡先を書き、偽サイトのアドレスをそのまま載せるかどうかは、二次被害を避ける観点で判断します。

告知の掲載場所は、公式サイトのお知らせ、公式SNS、メールの三つが基本です。偽アカウントが出ているSNSでこそ、公式アカウントから告知することが、顧客が本物を見分ける手がかりになります。AIに告知の下書きを作らせる場合も、事実の確認と、断定の強さの確認は人が行います。

偽広告への対応:広告の配信面と、自社の広告運用への影響

Doppel の公式サイトは、検索広告などの偽広告を見つけ、飛び先の偽サイトと一緒に止める例を挙げています。偽広告は、自社の指名の検索語に出ることが多く、マーケにとっては顧客を奪われるうえに、自社の広告の費用まで押し上げる厄介な相手です。偽広告の対応は、広告運用の担当と必ず情報を共有します。

広告運用の側では、指名の検索語の広告で、見慣れない広告主の表示が増えていないか、クリックの単価が急に上がっていないかを、日々の運用の中で見ています。この気づきを、Doppel の窓口に回す経路を作っておくと、検知の見逃しを補えます。逆に、Doppel が偽広告を見つけた場合は、広告運用の担当に知らせ、自社の広告の出し方を一時的に強めるかどうかを判断します。

広告の配信面の事業者への申し立ては、自社の広告アカウントの担当窓口からも行える場合があります。同じ偽広告に、Doppel と自社の両方から重ねて申し立てないよう、どちらの経路で出すかを案件ごとに台帳に書きます。

役員のなりすましと、社員向けの訓練をどこまで含めるか

Doppel は、ブランドの保護に加えて、役員を狙うなりすましや個人情報の暴露への対策、社員向けの模擬攻撃と訓練も提供しています。2026年6月の発表では、ビデオ会議の場で偽の参加者が話しかける模擬攻撃も加えたとしています。公式サイトは、偽の映像の相手との会話が平均9分続き、参加者の全員が相手を人だと信じたという、自社の模擬攻撃の数字を挙げています。

マーケの立場からは、最初から全部を入れる必要はありません。まずはブランドの偽物の検知と削除から始め、運用が回ってから範囲を広げるのが現実的です。役員の名前を監視の対象に入れるかどうかは、役員が社外への発信を多く行っているか、過去に役員を名乗る連絡があったかで判断します。

訓練を含める場合は、総務や人事との分担も要ります。訓練の結果は社員一人ひとりの評価に結び付きやすく、扱いを誤ると反発を招きます。訓練の結果は、個人を責める材料ではなく、手順を直す材料として使うと、始める前に社内に示しておきます。

何が社外に出るか:預ける情報と権限

Doppel に預けるのは、守るものの一覧です。正規のドメイン、SNSアカウント、アプリ、商品名、ロゴ、役員の名前などで、多くは公開されている情報です。ただし、正規の販売店や代理店の一覧は、取引関係を示す社内の情報です。役員の監視を含める場合は、役員の個人のアカウントや連絡先を預けることもあり、個人情報としての扱いが要ります。

メールの防御や不審メールの仕分けまで使う場合は、社員の受信メールの中身が提供会社の基盤で処理されることになります。この場合、預ける範囲は一気に広がるので、情シスと法務で、委託先としての扱い、データの保存の期間と場所、学習への利用の有無を確かめます。公式の発表では、人工知能の管理の国際規格の認証を含む三つの ISO 認証を得たとしていますが、認証の有無は、自社が預けてよい範囲を決める代わりにはならないことに注意します。

もう一つ確かめたいのが、自社の案件の情報がほかの顧客のために使われるかどうかです。公式サイトは、一件の削除が、すべての顧客のための脅威の関連図を強くすると説明しています。攻撃の基盤を顧客の間で共有することで検知が速くなるのは利点ですが、自社が狙われた事実や、正規の販売店の一覧がどの範囲で共有の材料になるのかは、公開情報からは読み取れません。共有される情報の範囲と、匿名にする方法を、契約前に書面で確かめます。

権限の面では、提供会社に自社の名前で削除を申請させることになるので、どの範囲の申し立てを任せるかを契約で明らかにします。自社のSNSアカウントや広告アカウントの管理権限を渡す必要があるかどうかも確かめ、渡す場合は最小限の権限にとどめます。

国内での調達:CTCエスピー経由で入れるときに確かめること

国内では、CTCエスピーが販売代理店として、販売に加えて、導入から運用までの設定の支援などを提供するとしています。国内の企業にとっては、日本の会社と日本語で契約し、支援を受けられることが、海外の新興企業の製品を入れる際の大きな助けになります。発表では、CTCグループの企業顧客の基盤や、システムの構築、セキュリティの運用、運用の代行の力を生かして、導入の前後まで支えるとしています。

確かめたいのは、まず、国内の利用者が多いSNSや、国内の通信事業者、国内のドメインの登録事業者への申請に、どこまで対応しているかです。国内の報道ではSNSの事業者や通信事業者への申請を行うとされていますが、個々の事業者ごとの対応の範囲は、公開情報からは確かめられません。次に、検知の通知や記録の画面、申請の文面が日本語で扱えるか、日本語の偽サイトの判定の精度をどう確かめているかです。

  • 国内で使われるSNS、通信事業者、ドメインの登録事業者への申請の対応範囲
  • 検知の通知と、削除の記録の画面を、日本語で扱えるか
  • 自社の承認を挟む設定ができるか、挟んだ場合に削除までの時間はどう変わるか
  • 障害や誤った申請のときの問い合わせ先が、CTCエスピーか提供会社か
  • 契約の主体と、データの保存場所、解約時のデータの扱い

問い合わせ先の切り分けは、見落とされやすい点です。運用の相談は CTCエスピー、製品の不具合は提供会社、と窓口が分かれる場合は、急ぎの案件でどちらに連絡するかを、運用の手順書に書いておきます。

費用の考え方と、止め方・やめ方

Doppel の料金は公開されておらず、国内の報道でも価格の記載はありません。費用は、守るブランドや商品の数、監視する範囲、役員の監視や訓練、メールの防御を含めるかどうかで変わると考えるのが自然ですが、具体的な体系は見積もりで確かめます。CTCエスピーの支援の範囲も、費用に関わります。

費用に見合うかの判断では、今の対応にかかっている手間と比べます。偽物一件ごとに、誰が何時間かけて証拠を集め、申請書を書き、事業者とやり取りしているか。顧客の問い合わせ対応や、告知、広告の費用の上振れまで含めて、月の件数で掛け合わせると、比べる土台ができます。偽物がほとんど出ていない会社では、まず社内の窓口と手順だけを整え、件数が増えてから道具を入れる判断もあります。

やめるときに残すものは、守るものの一覧、自社の台帳に書き写した申請の記録、告知の文面の三つです。提供会社の画面にしか記録が無い状態にしないことで、別の手段に移っても過去の対応を説明できます。連携した監視の基盤やメールの設定から Doppel を外し、預けた役員の情報の削除を求めることも、やめる手順に入れておきます。

運用のチェックリストとミニ用語解説

導入の前と、運用が始まってからの月次の見直しで使えるよう、確認の項目をまとめます。一つでも空欄があれば、その工程で止まると考えて手当てします。

  • 全体の持ち主、確認の担当、申請の承認者、告知の担当が決まっている
  • 正規のドメイン、アカウント、販売店、代理店、期間限定サイトの一覧が最新になっている
  • 顧客被害に直結するもの、確認が要るもの、法務に上げるものの三段階の基準がある
  • 自動の申請の範囲と、自社の承認を挟む範囲を、提供会社から書面で受け取っている
  • 顧客の問い合わせや広告運用の気づきを、手動で登録する経路がある
  • 申請の記録を自社の台帳にも書き写している
  • 告知を出す基準、文面の承認者、掲載場所が決まっている

用語も、社内で言葉をそろえておくと、通知の受け渡しが速くなります。

  • 削除申請:偽サイトや偽アカウントの載っている事業者に、規約や権利の違反を根拠に削除や停止を求める手続き
  • ソーシャルエンジニアリング:技術の弱点ではなく、人の思い込みや信頼につけこんで情報や金銭をだまし取る手口
  • なりすまし:他社や他人の名前、ロゴ、見た目をまねて、本物と思わせる行為。偽サイト、偽アカウント、偽広告などがある
  • 取り違え:本物を偽物と判定してしまうこと。正規の販売店やパートナーのサイトで起きやすい

まとめ

Doppel は、偽サイト、偽アカウント、偽広告をAIで見つけ、証拠をそろえて削除の申請までを回す基盤で、2026年6月からは CTCエスピー経由で国内でも導入できるようになりました。ただ、なりすましの対策が止まる原因は、検知の道具よりも、見つけた後の持ち主がいないことにあります。入れる前に、全体の持ち主と、確認、承認、告知の担当を決め、正規の一覧を整え、AIに白黒を決めさせず迷う案件の上げ先を決め、自動の申請の範囲を契約前に確かめます。顧客への告知は自社の名前で出すものであり、記録は自社の台帳にも残します。検知と申請はAIに任せ、判断と説明は人が持つ、という線で運用を定着させます。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

AIの導入・活用、何から始めるべきかお悩みですか?

デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。

運営会社:株式会社デボノ

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