ClaudeをOfficeに入れるか|Copilotと並べる線

ClaudeをOfficeに入れるか|Copilotと並べる線

「現場から、エクセルにクロードを入れたいと言われた。コパイロットを配っているのに、まだ要るのか」「アドインを1つ許すと、次は別のAIも、と頼まれ続けて線が引けなくなりそうだ」。2026年5月にクロードのエクセル・ワード・パワーポイント向けのアドインが一般提供になってから、情シスやAI推進の窓口に届くようになった相談です。比べたくなるのは機能の差ですが、問いの中身は製品の優劣ではありません。本当は、会社の文書の中に、契約の相手もデータの行き先も違う2つ目のAIを入れるかどうかの判断です。この記事では、コパイロットの中で使うクロードとアドインの違いを先に分け、入れるかどうかを決める5つの工程と、配った後に見直して止めるまでの段取りを整理します。


カメ先生カメ先生

事務ソフトにAIのアドインを入れる話は、どっちのAIが賢いかで決めるものだと思われがちなんだ。でも本当は、誰と契約して、文書がどこへ送られて、記録がどこに残るか、の違いで決まる話なんだよ。


カメ子カメ子

同じクロードでも、コパイロットの中で選ぶのと、アドインで入れるのとでは別物ということですか。


カメ先生カメ先生

そう。コパイロットの中のクロードはマイクロソフトとの契約の内側で動く。アドインはクロードの提供元との契約で動いて、会話の履歴は社員の端末に残る。見た目が似ていても、管理の仕方がまるで違うんだ。


カメ子カメ子

だから、入れるかどうかの前に、何が違うかを並べて確かめるんですね。


この記事のポイント
  • 問いは製品の優劣ではなく、契約の相手とデータの流れが違う2つ目のAIを、会社の文書の中に入れるかどうか
  • 誰がどの作業で使うか、コパイロットで足りない理由、契約とデータの流れ、配る範囲、見直しと止め方の5工程で決める
  • 配るか・誰に配るか、扱ってよい文書の区分、二重の契約を許すか、止める判断は人が決める。アドインの出力は人が確かめてから社外に出す

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目次

いま何が使えるのか:4つのアプリに入るアドイン

クロードの提供元の公式ブログによると、エクセル・パワーポイント・ワード向けのアドインは一般提供になり、アウトルック向けは公開ベータとして出ています。対象はマックとウィンドウズの有料プランで、公式ドキュメントでは個人向けのプロとマックス、法人向けのチームとエンタープライズが挙がっています。無料プランでは使えません。エクセルについては、ウェブ版でも動くと公式ドキュメントに書かれています(いずれも2026年10月時点)。

アドインは、開いているファイルを読み、書き換えるのが仕事です。エクセルなら数式の追い方の説明やセルの書き換え、ワードなら変更履歴を付けた修正、パワーポイントなら既存のひな形に沿ったスライドの作成や修正ができると案内されています。さらに、4つのアプリの間で1つの会話がつながり、エクセルで直した数字をパワーポイントのグラフに反映させる、といった使い方も示されています。

ここで押さえたいのは、アドインは社員が開いている文書そのものを材料にするという点です。チャット画面に貼り付けた一部ではなく、ファイルの中身ごとAIに渡ります。便利さの源はそこにあり、管理の論点もそこから生まれます。スライドの作り方やエクセル作業の進め方そのものは別の記事で扱っているので、本稿では入れるかどうかの判断だけを扱います。

コパイロットの中のクロードと、クロードのアドインは別のもの

混同されやすいのが、コパイロットの中で選べるクロードです。マイクロソフトの公式ドキュメントでは、アンソロピックはマイクロソフトの再委託先として位置づけられ、マイクロソフトの製品条項とデータ保護の付属書の範囲で使われると説明されています。提供元の公式ブログも、コパイロットの利用企業がエクセルとパワーポイントの中でクロードのモデルを選べると書いています。

一方、アドインは社員がクロードのアカウントでサインインして使うのが基本の形です。契約の相手はマイクロソフトではなく、クロードの提供元になります。同じ画面の右側に出てくるAIでも、どの契約の下で、どの約束が効くのかが入れ替わります。違いを並べると次のようになります。

比べる点コパイロットの中で使うクロードクロードのアドイン
契約の相手マイクロソフト(アンソロピックは再委託先)クロードの提供元(自社のクラウド経由で使う形もある)
文書の中身の送り先マイクロソフトのサービスの内側で処理設定したモデルの接続先(既定はクロード)
会話の履歴マイクロソフトの側の仕組みで管理社員の端末の中に保存され、提供元は写しを持たない
料金コパイロットの契約に含まれる範囲クロードの有料プランの利用枠の中で使う
配り方管理センターのコパイロットの設定で、使える人を絞る管理センターの統合アプリで、組織・利用者・グループに割り当て
管理と記録マイクロソフトの管理画面と保護の仕組みクロードの管理画面・分析のAPI・独自の記録の収集先

コパイロットの中のクロードを使うか止めるか、再委託先としての扱い、地域ごとの既定の状態は、別の記事「コパイロットのクロードは使うか止めるか」で整理しています。本稿はアドインの側だけを扱います。

何もしないと、社員が自分の契約で入れられる

見落とされやすいのが既定の状態です。マイクロソフトの公式ドキュメントでは、管理センターの「ユーザーにストアへのアクセスを許可する」という設定が既定でオンになっていると書かれています。オンのままなら、社員がストアからアドインを自分で入れ、個人のプロやマックスの契約でサインインできる状態です。クロードの公式ドキュメントにも、個人で入れる手順が並んで載っています。

つまり、情シスが「まだ許可していない」と考えている間にも、個人の契約で会社のエクセルを開いている人がいるかもしれません。この場合、文書の中身は会社と契約のない窓口に送られ、会話の履歴は本人の端末にだけ残ります。入れるかどうかの判断は、何もしないことも1つの選択になっているということです。

ストアの設定を外せば、利用者が自分でアドインを入れることは止められます。ただし公式ドキュメントでは、この設定はアウトルックのアドインには効かず、アウトルックは別の管理画面で扱うとされています。また、ストアを止めると、他の業務で使っている便利なアドインも自分では入れられなくなります。止める前に、いま社内で使われているアドインを一度洗い出しておくと、問い合わせの山を避けられます。ブラウザの拡張機能の許可の考え方は別の記事に譲ります。

入れるかどうかを決める5つの工程

ここからが判断の手順です。要望を受けてから配るまでを、次の5つの工程に分けます。順番には意味があり、契約やデータの確認より先に、誰がどの作業で使いたいのかを固めるのがこつです。使い道が決まらないまま契約の話に入ると、「念のため全員に」という結論に流れやすくなります。

STEP1
誰が、どの作業で使いたいのかを書き出す

要望を出した部門と人数、使いたいアプリ、対象の作業を1行ずつ書く。「便利そうだから」は作業として扱わない。

STEP2
コパイロットで足りない理由を具体にする

同じ作業をコパイロットで試し、どこで止まったかを書き残す。理由が書けない作業は、この時点で外す。

STEP3
契約とデータの流れを確かめる

契約の相手、文書の送り先、会話の履歴の置き場所、記録の取り出し方を、公式の資料で確かめて表にする。

STEP4
配る範囲を管理センターで絞る

組織全体ではなく、工程1で決めた利用者かグループに割り当てる。ストアの設定もあわせて決める。

STEP5
見直しの時期と止め方を決める

何か月後に何を見て続けるかを決め、止めるときの手順と、端末に残る履歴の扱いまで書いておく。

この5工程は、要望が来るたびに同じ順で回せるように文書にしておきます。次に別のAIのアドインを頼まれたときも、同じ5工程に当てはめるだけで判断できるからです。「1つ許すと線が引けない」という不安の多くは、判断の物差しが1回ごとに変わることから来ています。

工程1:誰が、どの作業で使いたいのか

最初に書き出すのは、要望の出どころです。たとえば、経理の予算の表を毎月作り直している3人、営業企画で提案書の型を整えている2人、というように、部門・人数・アプリ・作業を1行にします。「エクセル全般」「資料作成」のような大きな言い方は、ここでは1行にしません。作業の単位まで下げないと、次の工程でコパイロットと比べることができないからです。

書き出すと、要望の多くが特定の数人の、特定の作業に集まっていることが分かります。全社の何千人のうち、本当に使いたいのが十数人というのは珍しくありません。この人数が、後で配る範囲と費用の上限を決める土台になります。逆に、要望が部門全体から上がってくる場合は、作業が具体になっているかを確かめます。

もう1つ書いておきたいのが、その作業で扱う文書の種類です。社内の会議資料なのか、顧客から受け取った見積りなのか、人事の評価表なのか。後の工程3で扱える文書の区分を決めるとき、この欄がそのまま材料になります。作業と文書の組み合わせが見えれば、配ってよい人とまだ配れない人の線が自然に引けてきます。

あわせて、その人たちの端末で動くかも確かめます。公式ドキュメントでは、エクセルのアドインは買い切りや一括契約の2016年版・2019年版では動かず、タブレットのアイパッドやアンドロイドの端末にも対応していないと書かれています(2026年10月時点)。工場や店舗で古い版を使い続けている部門では、要望があっても、端末の側で使えない人がいることになります。人数を書き出すときに、使っているエクセルの版と端末の種類も1列足しておくと、配った後に「入れたのに動かない」という問い合わせを減らせます。

工程2:コパイロットで足りない理由を具体にする

コパイロットを配っている会社では、まず同じ作業をコパイロットで試してもらいます。前述のとおり、コパイロットの中でもエクセルやパワーポイントでクロードのモデルを選べる場合があります。「クロードを使いたい」だけなら、アドインを入れなくても叶うことがあるので、ここを確かめずに2つ目の契約に進まないことが大切です。

試した結果は、作業ごとに「どこで止まったか」を1行で残します。たとえば、複数のシートにまたがる数式の追跡が途中で切れた、ひな形に沿ったスライドにならなかった、エクセルとパワーポイントを行き来すると前の文脈が引き継がれなかった、といった書き方です。製品の評判や一般論ではなく、自社の作業で起きたことだけを材料にします。

この工程で理由が書けなかった作業は、アドインの対象から外します。理由が書けた作業も、それが二重の契約の費用に見合うかは別の問いです。足りない理由が書けた作業と人数の分だけを、2つ目のAIの対象にすると決めておけば、話が全社配布に膨らむのを防げます。コパイロットを全社に配るかどうかの判断そのものは別の記事に譲ります。

工程3:契約とデータの流れを確かめる

クロードの公式ドキュメントによると、会話の本文、添付ファイル、AIに扱わせる文書の中身は、そのアドインに設定されたモデルの接続先に送られます。クロードのアカウントで使う場合は、クロードの提供元に直接届く形です。処理するのはマイクロソフトではない、という点が、コパイロットの中のクロードとの最も大きな違いになります。

提供元の側に送られた入出力は、公式ドキュメントでは原則として受け取りから30日以内に削除されると書かれています。ただし例外の条件があり、詳しくは提供元のプライバシーの案内に委ねられています。自社の規程に照らすときは、この「原則」と「例外」を両方読み、法務と一緒に確かめておく必要があります。数字だけを抜き出して社内に回すと、例外の部分が抜け落ちます。

確かめる先は、クロードの法人向けの契約の条項です。チームやエンタープライズで契約しているのか、社員が個人の契約で使っているのかで、適用される約束が変わります。会社として配るなら、法人の契約に乗せることが前提です。個人の契約のまま業務の文書を扱わせると、会社が中身を確かめられない約束の下に文書が流れることになります。

会話の履歴は、社員の端末の中に残る

データの流れで、もう1つ見落とされやすいのが会話の履歴の置き場所です。公式ドキュメントでは、会話の履歴やアップロードした手順書、サインインの情報は各端末の中に保存され、提供元は写しを持たず、端末の間で同期もしないと説明されています。履歴はサーバーではなく、社員1人1人の端末に散らばるということです。

保存の仕方にも癖があります。会話は利用者ごと・組織ごと・アプリごとに直近50件までで、古いものから自動で消えます。年数で消える設定はなく、管理者が保存期間を決める設定も用意されていません。組織で決めている独自の保存設定も引き継がないと明記されています。端末を作り直したり、別の人に渡したりすると履歴は消え、ウェブ版の履歴は一時的なものとして扱うよう案内されています。

ここから決めることは2つです。1つは、保存期間の規程がある会社で、端末に残る履歴をどう扱うか。公式ドキュメントは、実際に効く手段は端末の利用者の領域の作り直しや掃除だと書いています。もう1つは、端末の入れ替えや退職のときの手順です。履歴を残す必要がある作業なら、成果物と判断の根拠は会話ではなく共有の場所に保存させると決めておけば、端末の事情に振り回されません。

記録と監査で、見えるものと見えないもの

配った後に何が起きたかを確かめられるかも、契約の前に確かめておきます。公式ドキュメントによると、アドインの利用はエンタープライズの監査ログには含まれません。一方で、エンタープライズでコンプライアンス用のAPIを有効にしている場合、エクセルの会話はその対象に入ると書かれています(公開ベータ、2026年10月時点)。

利用状況については、利用者ごと・アプリごと・日ごとの利用を取り出せる分析のAPIがあり、チームとエンタープライズでは管理画面から利用額の内訳をCSVで書き出せると案内されています。どの部門がどれだけ使っているかを、費用の配賦や見直しの材料にできます。工程1で書いた人数と照らせば、配ったのに使われていない席も見つけられます。

注意したいのは、自社で用意した記録の収集先を設定する場合です。公式ドキュメントでは、独自の収集先には指示文の中身、道具の入出力、文書の参照まで含む全記録が、絞り込まれずに送られると書かれています。監査のために集めた記録そのものが、機密の文書の写しになるので、収集先の閲覧権限と保存期間を先に決めておきます。

工程4:配る範囲を管理センターで絞る

配り方は、マイクロソフト365の管理センターの「統合アプリ」から行います。クロードの公式ドキュメントの手順では、組織全体、特定の利用者、特定のグループのいずれかに割り当てられます。最初は工程1で書き出した利用者かグループだけに割り当てるのが基本です。部門単位のセキュリティグループを作っておけば、後から人を足したり外したりするのも管理センターの中で済みます。

利用者が自分でストアから入れることを止めたい会社では、前述のストアの設定を外したうえで配ります。公式ドキュメントでは、ストアを止めている環境向けに、アドインの定義ファイルを管理者が直接上げて配る方法も案内されています。ただし、管理者の役割を一時的に有効にする仕組みで権限を得ている場合、統合アプリから配れないという既知の不具合も書かれています。配る担当の権限の持ち方は、事前に確かめておきます。

アウトルック向けは扱いが別です。公開ベータであることに加え、配る前に管理者がメールや予定表へのアクセスに1回同意する手順が必要と書かれています。受信箱と予定表という、ほかの3つより広い材料に触れる入口です。アウトルックは3つのアプリと同じ日に配らず、別の判断として切り分けるのが安全です。

自社のクラウドを経由させる、もう1つの配り方

アドインには、社員1人1人にクロードのアカウントを持たせない配り方もあります。公式ドキュメントでは、アマゾン・グーグル・マイクロソフトの各社が提供する生成AIの基盤や、自社で用意したAIの中継口を経由してつなぐ形が案内されています。この場合、文書の中身の送り先は自社が契約しているクラウドの接続先になります。

この形を選ぶと、使えるモデルはクラウド側と管理者の設定で決まり、利用量と費用はクラウドの請求画面や中継口の記録で追うことになります。すでに全社でいずれかのクラウドの生成AI基盤を契約している会社なら、契約とデータの行き先を、今あるクラウドの契約の内側に寄せられるのが利点です。一方で、中継口の鍵を管理者が発行して配る場合、その鍵が全員の端末に配られることになるため、共有の秘密として扱うよう公式ドキュメントは注意しています。

もう1つの注意は、途中で配り方を切り替えたときです。クロードのアカウントでのサインインと、クラウド経由の接続を行き来すると、以前の会話は端末に残ったまま一覧に出なくなると書かれています。配り方は最初に決め、途中で変えるなら履歴が見えなくなることを先に周知するようにします。

扱ってよい文書の区分を、配る前に決める

アドインは開いている文書を丸ごと材料にするので、どの文書で使ってよいかを配る前に決めます。工程1で書き出した文書の種類を、社外秘・顧客から預かったデータ・個人情報・公開してよい情報、といった自社の区分に当てはめ、アドインで開いてよい区分と、開かない区分を1枚にまとめます。

クロードの公式ドキュメント自身が、エクセルのアドインについて推奨しない使い方を挙げています。人の確認を経ない顧客向けの最終成果物、検証を経ない監査に関わる計算、適切な管理のない機微なデータや規制対象のデータです。さらに、外部から届いたファイルには隠れた指示が仕込まれていることがあり、データの抜き出しや書き換えを誘われる恐れがあるので、信頼できるファイルだけで使うよう警告しています。

この警告は、取引先から受け取った表やダウンロードしたひな形を日常的に開く部門ほど重く効きます。外から届いたファイルは、社内で確かめた写しを作ってからアドインで開くという決まりを、扱える文書の区分と一緒に配っておきます。マクロやデータテーブルには対応していないことも、事前に利用者へ伝えておくと問い合わせが減ります。

  • 「コパイロットと同じ扱いでよい」として、文書の区分を決めずに配る。契約の相手もデータの行き先も違うので、コパイロットのために作った規程はそのまま当てはまらない
  • 取引先から届いた表を、そのままアドインで開いて集計させる。隠れた指示に誘導される恐れがあると提供元が警告している
  • アドインが作った数式や表を、検算せずに顧客向けの資料に貼る。提供元も人の確認なしの最終成果物には推奨していない

工程5:見直しの時期と止め方を決める

配るときに、続けるかどうかを判断する時期を先に決めます。たとえば配ってから3か月後に、工程1で書いた作業ごとに、使われているか、工程2で書いた足りない理由が解消したか、費用は見込みの範囲か、の3点を見ます。見直しの日付と見る項目を、配る決裁の文書に書き込んでおくと、続けるのも止めるのも感情ではなく記録で決められます。

止め方は、マイクロソフトの公式ドキュメントにある状態の違いを使います。アドインは「有効」「未割り当て」「削除」の3つの状態を取り、割り当てを外せば利用者は使えなくなり、削除すれば誰も使えなくなります。特定の時期だけ使う作業なら割り当てを外す、使う人がいなくなれば削除する、と使い分けられます。

止めたときに残るものも書いておきます。会話の履歴は各端末に残るため、管理センターで外しても履歴は端末から消えません。法人の契約の席を減らす手続きや、個人の契約で使っていた人への案内も必要です。止める判断は、使い始めた部門ではなく、配ると決めた側が持つと決めておくと、止めどきを逃しにくくなります。

判断の前に確かめる項目一覧

ここまでの工程を、決裁の前に1枚で確かめられるように並べます。すべてに答えが書けたら、配る範囲を決めて進めます。答えが書けない項目が残ったら、その項目の担当を決めてから戻ります。

  • 要望を出した部門・人数・アプリ・作業を、作業の単位で1行ずつ書いたか
  • 同じ作業をコパイロットで試し、どこで止まったかを作業ごとに書いたか
  • コパイロットの中でクロードのモデルを選べるかを、自社の設定で確かめたか
  • 法人の契約に乗せるか、自社のクラウド経由でつなぐかを決めたか
  • 文書の中身の送り先と、提供元の側での削除の原則と例外を法務と読んだか
  • 会話の履歴が端末に残ることと、保存期間の規程との関係を整理したか
  • 監査ログに含まれない範囲と、コンプライアンス用のAPIの対象を確かめたか
  • ストアの設定をどうするか、いま社内で使われているアドインを洗い出したか
  • 割り当てる利用者かグループを決め、アウトルックを別の判断に切り分けたか
  • 開いてよい文書の区分と、外から届いたファイルの扱いを決めたか
  • 見直しの日付と見る項目、止める手順と判断する人を決裁の文書に書いたか

この一覧は、別のAIのアドインを頼まれたときにもそのまま使えます。製品名を差し替えても項目は変わらないので、判断の記録を並べておけば、どの要望を通し、どれを見送ったかの理由も後から説明できます。

AIに任せる範囲と、人が決める範囲

判断の準備には、AIを使ってかまいません。要望の書き出しを作業の単位に整える、公式ドキュメントから確かめる項目を抜き出す、比べる表の下書きを作る、利用者への案内文の下書きを作る、といった作業は、根拠となる公式の資料の該当箇所を必ず書かせることを条件に任せられます。根拠が示せない記述は、表に入れません。

一方で、次の4つはAIに判断させません。配るか・誰に配るか、扱ってよい文書の区分、コパイロットとの二重の契約を許すか、使わせた後の見直しと止める判断です。これらは情シス、AI推進の責任者、法務、業務の持ち主が決めます。提供元の資料は版が変わるので、AIにまとめさせた内容をそのまま決裁に使わず、人が原文で確かめてから使います。

配った後の使い方にも同じ線を引きます。アドインが作った数式や表、スライド、メールの下書きは、人が確かめてから社外に出すことを利用の条件にします。提供元もアウトルックの出力は送信前に利用者が確かめる前提だと説明しています。確かめる人と範囲を作業ごとに先に決めておけば、便利さと引き換えに確認が抜け落ちることを防げます。

まとめ

クロードのアドインを事務ソフトに入れるかどうかは、どちらのAIが優れているかで決めるものではありません。コパイロットの中のクロードはマイクロソフトの契約の内側で動き、アドインはクロードの提供元との契約で動いて、会話の履歴は社員の端末に残ります。既定のままなら社員が個人の契約で入れられる状態であることも押さえたうえで、誰がどの作業で使うか、コパイロットで足りない理由、契約とデータの流れ、配る範囲、見直しと止め方の5工程で判断します。足りない理由が書けた作業と人数にだけ、2つ目のAIを配るという線を持っておけば、次のアドインを頼まれても同じ物差しで答えられます。まずは手元に届いている要望を、部門・人数・アプリ・作業の1行ずつに書き直すところから始めてください。

  • アドインの提供状況・対象プラン・データの扱い・配布の手順は、クロードの提供元の公式ブログと公式ドキュメントを2026年10月6日に確かめた範囲に基づきます。公開ベータの機能を含むため、配る前に最新の公式資料を確かめてください
  • コパイロットの中のクロードの位置づけ、管理センターのストアの設定とアドインの状態は、マイクロソフトの公式ドキュメント(2026年9月・3月更新)に基づきます
  • 5工程の進め方、見直しの時期、文書の区分の決め方は、判断を進めるときの考え方の一例です。実際の運用は、自社の規程と契約の条項に従ってください

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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