Windows Recallは開くか止めるか|AIパソコンを配る前に

「AIパソコンに入れ替えたら、画面を全部撮られるのではないかと社員に聞かれた」「Recallは危ないから、とにかく全部止めておけと上から言われた」。入れ替えの準備を進める情シスには、こうした声が両側から届きます。どちらの心配ももっともですが、前提が1つずれています。業務用の端末では、Recallは何もしなくても動き出す機能ではありません。マイクロソフトの管理者向けの説明では、管理された端末では既定で無効にされ、部品も取り除かれています。決めるべきなのは、Recallが危ないかどうかではありません。本当は、どの部署の画面を、本人の同意のもとで、どれだけの期間、端末に残してよいかです。この記事では、マイクロソフトの公式の説明で確かめた範囲をもとに、開く・部署を限る・止めるの3択を、部署の場面ごとに比べて整理します。
カメ先生Recallは「画面を撮り続けるAI」とだけ伝わって、怖がられやすい機能なんだ。でも業務用の端末では、管理者が許して、さらに本人が選ばないと記録は始まらない作りになっているんだよ。
カメ子それなら、止めておけば何も考えなくてよい、ということにはならないのでしょうか。
カメ先生止めるのも1つの答えだよ。ただ、止めるにしても開くにしても、どの画面が記録に残りうるかを知らないと、部署ごとの線は引けない。回収する端末の扱いも同じなんだ。
カメ子開くか止めるかは、全社で1つに決めるのではなく、部署の仕事の中身で変わるということですか。
- 管理された業務用の端末では、Recallは既定で無効・取り除かれた状態。管理者が許しても、社員が自分で選ばなければ記録は始まらない
- 経理・人事は止める、顧客の画面を扱う部署は外すアプリとサイトを決めて限る、公開情報が中心の部署は条件をつけて開く、と部署の場面で比べる
- 検索で見つかるのは過去の画面そのもの。記録に残す画面は情シスと業務部門が決め、回収する端末の記録の消し方を先に決めておく
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Recallが残すのは、過去の画面そのもの
マイクロソフトの管理者向けの説明(マイクロソフト・ラーン、2025年12月10日更新)によると、Recallは、画面の内容が前の記録から変わったときに定期的に画面を撮り、その記録を時系列に並べます。記録は端末の中に保存され、端末の中で分析されます。社員は「先週見た、青い表紙の提案書」のように、覚えている様子を言葉で書くだけで、その画面を見た瞬間を探し出せます。
分析には、画像から文字を読み取る処理が端末の中で使われ、文字と画像の両方で検索できます。記録を開くと、画面の中身を操作する機能(クリック・トゥ・ドゥ)が重なり、記録の中の文字をコピーしたり、画像を別のアプリに送ったりできます。記録は眺めるだけの写真ではなく、中身を取り出せる素材だという点が、会社として扱いを決める理由になります。
一方で、記録しないものもはっきり書かれています。音声は記録せず、動画を連続して保存することもありません。著作権の保護がかかった表示内容も保存しないとされています。撮るのは画面の静止画で、会話や音は残らないと押さえておくと、社員への説明が正確になります。会議のアプリの画面は撮られうるが、話した声は残らない、ということです。
公式の説明では、Recallは今も「プレビュー」と表記されています。利用者向けのプライバシーの説明ページも同じ表記です。正式版ではない機能を、業務の本線に組み込まないという前提を置いたうえで、以下の3択を考えます。仕様が変わりうるので、決めた内容は半年ごとに公式の説明と突き合わせます。
業務用の端末では、既定で外されている
管理者向けの説明は、管理された端末では、Recallは既定で無効にされ、取り除かれていると書いています。ここでいう管理された端末には、企業向け・教育機関向けのエディションの端末のほか、管理の仕組みで管理されている、ボリュームライセンスの鍵を使っている、ドメインに参加している上位エディションの端末などが含まれます。
管理者が方針でRecallを許しても、それだけでは記録は始まりません。記録を始めるには社員本人の同意が要り、管理者が社員に代わって記録を始めることはできないとされています。社員は自分でいつでも記録をやめたり、再開したりできます。タスクバーの通知領域から一時停止もできます。
つまり、管理者が握っているのは「開く」ではなく「開いてよいと許す」ところまでです。公式の説明では、社員に記録を選ばせるには、Recallを使えるようにする方針と、記録の保存を止める方針の両方を設定する必要があるとされています。片方だけを変えても、許したつもりで社員が記録を選べない状態が起こりえます。
もう1つ、一部の業務環境ではRecallの部品が自動では配られず、管理者が手で有効にする必要があると公式に書かれています(将来の更新で直すとされています)。許したのに社員の端末で使えないという問い合わせが来たら、方針の値より先に、部品が入っているかを確かめる順番にしておくと切り分けが速くなります。
動かすのに要る端末と認証の条件
Recallが動くのは、コパイロットプラスの認定を受けたパソコンです。公式の説明では、AI処理用のチップが毎秒40兆回の演算に対応していること、メモリ16ギガバイト、論理プロセッサ8つ、記憶領域256ギガバイトが最低の条件とされています。入れ替えで配る機種がこの条件を満たすかが、最初の分かれ目になります。
記憶領域には別の条件もあります。Recallを有効にするには50ギガバイト以上の空きが要り、空きが25ギガバイトを下回ると記録の保存は自動で止まります。記憶領域の小さい機種では、記録が思ったより早く止まることがあり、社員から「急に探せなくなった」という問い合わせにつながります。
認証の条件は厳しめです。Recallを開くときと記録を見るときは、Windowsの顔または指紋の認証(ウィンドウズ・ハロー)で本人を確かめる必要があり、顔か指紋のどちらか1つは有効にしておかなければなりません。端末の暗号化も条件です。顔や指紋の読み取り装置がない端末では、そもそも使えないので、機種の選び方がそのまま方針の一部になります。
言語については、英語・中国語(簡体字)・フランス語・ドイツ語・日本語・スペイン語に最適化されていると書かれています。日本語の画面で使えることは前提にしてよいでしょう。ただし、内容や記憶領域による制限があるとも書かれているため、試験用の端末で、自社の業務の画面が本当に検索にかかるかを確かめてから広げます。
暗号化と除外の仕組みと、その限界
記録と検索のための情報は常に暗号化され、鍵は本人の顔・指紋の認証と結びついたセキュリティ用のチップで守られます。公式の説明は、同じ端末に別のアカウントで入った人も、情シスの管理者も、マイクロソフトも、社員の記録を見ることはできないと書いています。記録はマイクロソフトに送られず、記録の保存と分析にネットの接続は使わないとされています。
機微な情報を除く設定も既定でオンです。パスワード、国民の身分を示す番号、クレジットカードの番号のような情報を見つけると、その画面は保存されません。ただし、除かれるのは決められた種類の情報で、顧客の名前や取引の金額、人事の評価のような業務上の重い情報までは見分けてくれないと考えるべきです。
見落としやすいのが、サイトの除外の効き方です。公式の説明によると、除外したサイトが外れるのは、対応するブラウザで前面に出ているときや、開いているタブのときです。埋め込まれた中身、ブラウザの履歴、前面にない別のタブの一部は、記録に写り込むことがあります。除外の一覧に入れても、画面の端に写る分までは消えないということです。
会社の情報漏えい対策の仕組みとつなぐ方針もあります。現時点で対応しているのはマイクロソフトのパービューだけで、機微な情報を含むと判断された窓だけが記録から取り除かれ、残りの画面は保存されます。すでにパービューで情報を分類している会社なら、除外の一覧の穴を埋める手段になりますが、分類が整っていない会社では当てにできません。
管理者が決められる設定の一覧
公式の説明に載っている管理者の設定を、できることと注意点で並べます。方針の正式な名前は英語なので、ここでは働きを日本語で書いています。いずれも、変えたあとに端末の再起動が要るものがある点に注意してください。
| 設定 | できること(公式の説明) | 注意 |
|---|---|---|
| Recallを使えるようにする | 許すと社員の端末でRecallを選べる。止めると部品が取り除かれ、保存済みの記録は消える | 止めるときは再起動が要る |
| 記録の保存を止める | 有効にすると記録は保存されず、保存済みの記録は消える。無効にすると社員が保存を選べる | 管理者が保存を始めることはできない |
| 記録に使う容量の上限 | 10・25・50・75・100・150ギガバイトから選ぶ。上限に達すると古い順に消える | 企業向け・教育機関向けのエディションだけ |
| 記録を残す期間の上限 | 30・60・90・180日から選ぶ | 同上。未設定なら容量の上限まで消えない |
| 記録から外すアプリとサイト | 一覧を配る。社員も自分で足せる | 同上。再起動のあとに効く |
| 情報漏えい対策の提供元 | パービューを指定すると、機微な窓だけを外す | 対応はパービューだけ |
| 記録の書き出し | 社員が自分の記録を他のアプリに渡せる | 欧州経済領域の端末だけ。既定は不可 |
表で特に大事なのは3行目から5行目です。容量・期間・除外の一覧の3つは、企業向け・教育機関向けのエディションでしか効かないと書かれています。上位エディションの端末を配っている会社は、部署を限って開く選び方が、そもそも取れるかを先に確かめます。取れなければ、残る選択肢は止めるか、除外なしで開くかの2つになります。
もう1つ、記録から外す一覧は、社員が設定画面から自分で足せます。会社が配った一覧を社員が消せるかどうかは、筆者が確かめた範囲の説明には書かれていませんでした。試験用の端末で、配った一覧が社員の操作でどう変わるかを見ておきます。
3つの選び方を、部署の場面で比べる
選び方は、全社で止める、部署を限って開く、全社で開く、の3つです。どれを選ぶかは、役職や端末の値段ではなく、その部署の社員が毎日開いている画面に、どれだけ重い情報が載っているかで決まります。同じ会社でも、経理と企画では答えが変わって当然です。
以下では、3つの場面で比べます。場面1は経理・人事のように、画面そのものが機微な情報でできている部署です。場面2は営業や問い合わせの窓口のように、顧客の情報を扱いつつ、調べ物も多い部署です。場面3は企画やマーケのように、公開されている情報を読み比べる仕事が中心の部署です。
全社で止めるのは、決めるのは簡単ですが、手間がゼロになるわけではありません。入れ替えのたびに、新しい端末に方針が届いているかを確かめる作業は残ります。止めるにしても、止まっていることを確かめる手順は要ります。開く場合は、その手順に除外の一覧と期間の見直しが加わります。
どの部署をどの選び方にするかは、情シスだけでは決められません。画面にどんな情報が載っているかを一番よく知っているのは、その画面を毎日使う業務部門だからです。顧客管理・人事・経理の画面を記録に残すかは、情シスと業務部門が一緒に決めると、役割を先に書いておきます。
場面1 経理・人事:止める
経理と人事の画面には、給与の額、口座、評価、休職や家族の事情が並びます。機微な情報を除く設定が見分けるのはパスワードや身分を示す番号、カードの番号のような決まった種類なので、評価の文章や給与の一覧は、そのまま記録に残りうると考えます。この2部署は、止める側に置くのが自然です。
止めるなら、Recallを使えるようにする方針を無効のまま、明示的に配っておきます。公式の説明では、この方針を無効にすると部品が取り除かれ、保存済みの記録があれば消えるとされています。既定で外れていることに頼らず、止めていることを方針として配るほうが、あとから確かめやすくなります。
止めた部署から「前に見た画面を探したい」という声が出たら、代わりの手段を示します。会計や人事のシステムの操作の記録、社内の文書の置き場の検索、作業の手順書のように、画面を撮らずに済む方法です。代わりを示さずに止めると、社員が個人の端末や別の記録の道具に流れることがあります。
部署の中で、特定の社員だけ例外を認めるのは避けます。例外を1人認めると、その端末だけ方針の値が違う状態になり、入れ替えや修理のたびに確かめる手間が増えます。例外が必要な仕事があるなら、その仕事を別の部署の端末で行えないかを先に考えます。
場面2 営業・問い合わせ窓口:部署を限り、外す画面を決める
営業や問い合わせの窓口は、判断が最も難しい部署です。顧客管理の画面や問い合わせの履歴を毎日開く一方で、提案の準備や調べ物も多く、「先週見たあの資料」を探したい場面がいくらでもあります。開くなら、顧客管理の画面を記録から外すことを条件にするのが出発点です。
外す対象は、顧客管理のアプリ、問い合わせの管理画面、見積りや受発注の画面、顧客とのやり取りに使う画面です。ブラウザで開くものはサイトとして、端末に入れたものはアプリとして一覧に入れます。公式の説明では、一部のリモートデスクトップの接続は既定で記録から外れるとされていますが、画面の取り込みを防ぐ仕組みのない接続の道具は記録されるので、使っている道具ごとに確かめます。
ウェブ会議の画面も考えます。声は残りませんが、画面に映った参加者の顔や、共有された資料は記録に残りえます。顧客との商談が多い部署では、会議のアプリそのものを除外の一覧に入れるかを決めます。前の節で見たとおり、ブラウザで開く会議の画面は、前面にないと除外が効かない点にも注意が要ります。
期間は短めにします。記録を残す期間の上限は30・60・90・180日から選べるので、顧客の情報が写り込む前提の部署では30日から始めるのが無理のない線です。まず数名で1か月試し、外し忘れた画面が記録に出てこないかを本人に確かめてもらい、一覧を足してから広げます。
場面3 企画・マーケ:条件をつけて開く
企画やマーケの仕事は、公開されている競合のページや業界の記事、統計の資料を読み比べることが中心です。「3日前に見た、あの調査の数字」を言葉で探せるのは、調べ物の多い部署ほど効き目が大きい使い方です。3つの場面のうち、開く側に置きやすいのがこの部署です。
それでも、画面がすべて公開情報とは限りません。広告の管理画面には予算と成果が、分析の道具には顧客の行動の記録が、社内のチャットには未発表の企画が並びます。開く部署でも、除外の一覧は空にしないと決め、広告と分析の管理画面、社内のチャットを最初の候補にします。
期間と容量も決めます。場面2より長めの90日を上限にし、容量は機種の記憶領域に合わせて決めます。公式の説明では、容量を設定しない場合、記憶領域が256ギガバイトなら25ギガバイト、512ギガバイトなら75ギガバイト、1テラバイト以上なら150ギガバイトが割り当てられます。業務のファイルを置く余地を残す値にしておきます。
開いた部署でも、記録を選ぶかどうかは社員本人の判断です。選ばない社員がいてかまいませんし、選ばないことを評価に結びつけてはいけません。案内では、使い方と同時に「使わない選択も同じように認める」と書いておくと、同意が形だけにならずに済みます。
記録から外すアプリとサイトの決め方
除外の一覧は、部署を限って開くときの要です。一覧を作る作業にAIを使うのはかまいません。社内でよく使うアプリとサイトを業務の種類ごとに分類させたり、画面に載りそうな情報の種類を書き出させたりすると、洗い出しが速くなります。ただし、どの画面を外すかの判断はAIにさせないと決めておきます。
情シスが、端末に入っているアプリと、よく開かれるサイトの一覧を作る。業務部門に聞き取り、毎日開く画面を足す。
業務部門の担当者が、各画面に顧客・人事・お金・未発表の情報のどれが載るかを書く。AIに下書きさせた場合は、根拠にした画面の説明を並べさせ、担当者が実物の画面で確かめる。
業務部門の責任者と情シスが一緒に印をつける。迷う画面は外す側に置き、法務や個人情報の担当に回す。
配ったあと再起動し、外した画面が記録に出てこないかを確かめる。ブラウザの別のタブや埋め込みの写り込みもここで見る。
誰が、いつ、どの理由で外したかを1行ずつ台帳に書き、見直しの日を決める。
手順2で「根拠にした画面の説明を並べさせる」のは、AIの分類が画面の中身を実際に見たものではないからです。名前から推し量った分類は外れることがあります。印をつけるのは、画面を実際に使っている人です。
一覧は、新しい業務システムを入れたとき、取引先の窓口が変わったとき、部署の仕事が変わったときに見直します。社員が自分で除外を足した場合は、その画面を会社の一覧にも入れるべきかを見直しの日に拾い上げると、一覧の抜けが減っていきます。
保存期間と容量の決め方
期間と容量の設定を決めないまま開くと、どうなるかを先に知っておきます。公式の説明では、期間の上限を設定しない場合、記録は容量の上限に達するまで消されず、上限に達してから古い順に消えるとされています。つまり、機種によっては、かなり前の画面まで端末に残り続けます。
期間は、その部署で「探したくなる過去」の長さで決めます。先月の資料を探すことが多いなら30日で足り、四半期をまたいで振り返るなら90日が目安になります。長く残すほど、端末をなくしたときや回収するときに扱う記録が増えるので、迷ったら短い側から始めます。
容量は、期間と組み合わせて考えます。期間を30日にしても、容量の上限に先に達すれば古い記録から消えます。逆に容量を大きくしても、期間の上限で消えます。どちらか一方だけを決めるのではなく、両方を設定して、先に来たほうで消える形にしておくと、残る量が読みやすくなります。
社員も、自分で記録を消せます。利用者向けの説明では、設定画面からすべての記録を消す、アプリやサイトごとに記録を消す、保存する期間を選ぶ、といった操作ができるとされています。会社の上限は「これより長くは残さない」線で、社員が短くするのは自由、と案内しておきます。
回収する端末の記録の消し方を先に決める
端末は、退職、故障、入れ替えで必ず手元に戻ってきます。そのとき記録が端末に残っていれば、暗号化されていても、残っていること自体が扱いの対象になると考えます。記録の消し方は、開く前に決めておく項目です。
公式の説明によると、Recallを使えるようにする方針を無効にすると、部品が取り除かれ、保存済みの記録は消えます。記録の保存を止める方針を有効にしても、保存済みの記録は消えます。回収の前にこのどちらかを配り、再起動まで済ませるという順番を、回収の手順書に1行加えておきます。
故障で修理に出す場合も同じです。修理に出す前に方針で記録を消し、消えたことを確かめてから渡します。起動しない端末では方針が届かないため、記憶装置ごと会社で保管するかどうかを、修理の契約と合わせて決めておく必要があります。端末全体の消去の順番や入れ替えの時期は、AI端末の入れ替え時期を扱った別の記事に譲ります。
退職者の端末では、本人が自分で記録を消したと申告しても、それで済ませないようにします。本人の操作で消えたかを情シスが記録の中身で確かめることはできないので、方針で消すことを会社の手順として必ず通すほうが確実です。誰が、いつ、どの端末で消したかを台帳に残します。
社員への説明に入れること
開く部署にも止める部署にも、説明は要ります。止める部署には「なぜ止めているか」を、開く部署には「何が残り、何が残らないか」を伝えます。社員が一番知りたいのは、会社に自分の画面を見られるのかどうかなので、そこから書き始めます。
- Recallの記録は端末の中にだけ保存され、情シスの管理者もマイクロソフトも中身を見ることはできない
- 記録を始めるかどうかは本人が選ぶ。選ばなくてもかまわず、いつでも一時停止や停止ができる
- 顧客管理・会計・人事などの画面は、会社の設定で記録から外している(外した一覧は社内の案内に載せる)
- 記録は会社が決めた日数を超えて残らない。自分でもっと早く消してよい
- 端末を返すときは、会社の手順で記録を消す。自分で消しても手順は省かない
- 画面の共有中に記録の一覧を開かない。過去の画面がそのまま相手に映る
最後の項目は見落とされがちです。記録の一覧には、過去に開いた画面が並んでいます。ウェブ会議で画面を共有したまま記録を探すと、別の顧客の画面や社内の資料が一瞬で相手に映ることがあります。ブラウザのAIが開いているタブを読む設定は、エッジのコパイロットの設定を扱った別の記事に譲ります。
説明の下書きをAIに作らせる場合は、決めた設定の一覧を渡し、社員向けのやさしい言葉に直させるところまでにします。できあがった説明は、情シスと業務部門の責任者が読み、設定と食い違う表現がないかを確かめてから配ります。
検索で出てきたものは、AIの答えではない
Recallの検索で出てくるのは、AIが作った答えではなく、社員が過去に見た画面そのものです。ここを取り違えると、2つの失敗が起きます。1つは、過去の画面を今の事実だと思い込むこと。もう1つは、記録にあったことを根拠に、人の行動を判断してしまうことです。
過去の画面は、そのときの状態を写しただけです。価格や在庫、契約の条件は、その後に変わっているかもしれません。記録で見つけた数字は、今の元の画面か資料で確かめてから使うと決めます。記録は「どこで見たか」を思い出す手がかりで、使う根拠は元の資料に戻って取ります。
公式の説明には、画像に写った人の感情に関する結果を出すことがあり、それは見た目に基づくもので本人の内面を正確に示すとは限らない、という注意も書かれています。人に関わる判断に記録の検索結果を使わないことを、説明にも手順にも入れておきます。
- 記録で見つけた先月の見積りの金額を、元の資料を開かずに新しい提案に使う
- 経理の部署で既定の無効に頼り、方針を配らないまま入れ替えを進める
- 除外の一覧に顧客管理のサイトを入れたので安心し、背面のタブや埋め込みの写り込みを確かめない
- 期間の上限を決めずに開き、回収した端末に何か月分の記録があるか誰も分からない
- 退職者の「自分で消した」という申告だけで、方針で消す手順を省く
私物の端末と、会社が管理していない端末
ここまでは、会社が管理している端末の話でした。管理していない端末では、話が逆になります。公式の説明によると、管理されていないコパイロットプラスの認定パソコンでは、Recallは既定で使える状態にあり、記録を始めるかどうかは本人が選ぶとされています。
私物の端末で業務をすることを認めている会社では、社員が私物の端末でRecallを選べば、業務の画面が私物の端末に記録されうるということです。公式の説明は、管理していない端末について、端末の管理の仕組みや認証の仕組みに、Recallに向けた条件付きの接続の設定は今のところ組み込まれていないとも書いています。
対策として公式が挙げているのは、仮想デスクトップの画面の取り込みを防ぐ設定です。私物の端末から業務の画面に入るときは、画面の取り込みを防ぐ設定を入れた仮想デスクトップを通す、という形です。私物の端末を認めるかどうかと、Recallの扱いは、一緒に決める必要があります。
私物の端末をまったく認めていない会社でも、共用の端末や、部署が独自に買った端末が管理の外に残っていないかを確かめておきます。管理の外の端末は、方針が届かない端末です。入れ替えの機会に、管理の外に置かれた端末の一覧を作っておくと、あとで慌てずに済みます。
よくある質問
Q. 管理者がRecallを許すと、全員の画面の記録が始まりますか。
始まりません。公式の説明では、管理者は社員が記録を選べるようにするところまでで、記録の保存を始めるには本人の同意が要ります。管理者が社員に代わって記録を始めることはできないとされています。
Q. 情シスは、社員の記録を調査に使えますか。
使えません。記録は暗号化され、本人の顔・指紋の認証と結びついた鍵で守られており、管理者もマイクロソフトも中身を見ることはできないと説明されています。社内の調査の材料にはならない前提で、方針を決めてください。
Q. 止めると、すでに保存された記録はどうなりますか。
Recallを使えるようにする方針を無効にすると部品が取り除かれ、保存済みの記録は消えます。記録の保存を止める方針を有効にした場合も消えます。部品を取り除くには再起動が要るので、回収や修理の前は再起動まで済ませます。
Q. 上位エディションの端末でも、外す画面や期間を決められますか。
公式の説明では、容量・期間・除外の一覧の設定は、企業向け・教育機関向けのエディションだけに効くとされています。上位エディションの端末では、部署を限って開く選び方が取れない場合があるので、配る前にエディションを確かめてください。
まとめ
Windows Recallは、画面の記録を端末の中に残し、言葉で探せる機能です。業務用の管理された端末では既定で外され、管理者が許しても本人が選ばなければ記録は始まりません。経理・人事は方針で止め、顧客の画面を扱う部署は外すアプリとサイトと短い期間を決めて限り、公開情報が中心の部署は条件をつけて開く。どの画面を記録に残すかは情シスと業務部門が決め、AIには判断させない。検索で見つかるのは過去の画面そのものなので、数字は元の資料で確かめる。そして、回収する端末の記録を方針で消す手順を、開く前に決めておきましょう。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
AIの導入・活用、何から始めるべきかお悩みですか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
