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新商品名の候補を先行商標と突き合わせて出願前のリスクを一次仕分けする

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

商品開発チームが出した名称候補を入力に、特許庁のJ-PlatPat(特許情報プラットフォーム)で検索した結果を読み取り、候補ごとに「先行する登録商標とどれくらい近いか」を高・中・低に仕分けて、その理由を文章で返します。

サマリー
利用ツール
ChatGPT/Claude/Gemini/Google Apps Script/Power Automate/Python
対象業界
EC/士業/小売/製造/飲食
対象部門
マーケティング/知財
対象業務
内容確認・チェック/情報検索/比較検討
主な課題
判断に時間がかかる/属人化している/情報が見つからない
AIで行う処理
判定
主な効果
判断支援/品質標準化/工数削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
既存ツールのみ(小)
人間の確認
必須
現在工数
30h/月
AI導入後
10h/月
想定削減
67%
年間削減
240h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 商品開発チームが名称候補を10〜30個まとめて知財担当へ渡す
  2. 知財担当が候補ごとに読み方(称呼)のバリエーションを考える
  3. J-PlatPatの商標検索に称呼を入れて検索する
  4. ヒットした登録商標を開き、指定商品・指定役務の区分と類似群コードを見る
  5. 自社が使いたい商品・役務と同じ棚に入っているかを判断する
  6. 見た目(外観)、読み(称呼)、意味(観念)の近さを見て、危ないものに印を付ける
  7. 結果をスプレッドシートに転記して開発チームへ返す
  8. 残った候補について、弁理士へ正式な調査を依頼する
導入後(After)
  1. 商品開発チームが候補名をスプレッドシートに登録する
  2. 自動候補ごとに読み方のバリエーションを作る
  3. 知財担当がJ-PlatPatで検索し、検索結果一覧をCSV出力する
  4. 自動CSVを読み込み、特殊記号を含む表記を正規化する
  5. 自動類似群コードを使い、自社が使う商品・役務と棚が重なるものだけを残す
  6. 自動残った先行商標について、外観・称呼・観念の3観点で近さを高/中/低に仕分け、理由を書く
  7. 知財担当が「高」「中」を確認し、候補を絞る
  8. 絞った候補について弁理士へ正式な調査を依頼する
  9. 自動候補名、検索条件、判定、最終結論を台帳に保存する
各工程の詳しい説明を読む
  1. 商品開発チームが名称候補を10〜30個まとめて知財担当へ渡す
  2. 知財担当が候補ごとに読み方(称呼)のバリエーションを考える
  3. J-PlatPatの商標検索に称呼を入れて検索する
  4. ヒットした登録商標を開き、指定商品・指定役務の区分と類似群コードを見る
  5. 自社が使いたい商品・役務と同じ棚に入っているかを判断する
  6. 見た目(外観)、読み(称呼)、意味(観念)の近さを見て、危ないものに印を付ける
  7. 結果をスプレッドシートに転記して開発チームへ返す
  8. 残った候補について、弁理士へ正式な調査を依頼する

問題は4つあります。

(a)候補が多いのに、調べる人が足りない。 月40件を2名で、しかも1名は兼務です。開発チームからは「今週中に返してほしい」と言われます。

(b)称呼の振り方が人によって違う。 「白梅」に「ハクバイ」と「シラウメ」の両方があるように、1つの名前から複数の読みが生じます。片方しか検索しなければ、そこで漏れます。

(c)検索結果の表記がそのままでは読みにくい。 J-PlatPatの「商標(検索用)」欄には、特殊な構成の商標に記号が付きます。2段組みの商標は「花\FLOWER」、縦書きと横書きが混ざる商標は「大黒∞正宗」のように表示されます。この規則を知らないと、一覧を見ても何の商標か分かりません。

(d)調べた結果が残らない。 スプレッドシートに最終結果だけ書いて終わるため、翌年に似た候補が出てきたとき、また一から調べ直しています。

  1. 商品開発チームが候補名をスプレッドシートに登録する
  2. 【自動】 候補ごとに読み方のバリエーションを作る
  3. 【人】 知財担当がJ-PlatPatで検索し、検索結果一覧をCSV出力する
  4. 【自動】 CSVを読み込み、特殊記号を含む表記を正規化する
  5. 【自動】 類似群コードを使い、自社が使う商品・役務と棚が重なるものだけを残す
  6. 【自動】 残った先行商標について、外観・称呼・観念の3観点で近さを高/中/低に仕分け、理由を書く
  7. 【人】 知財担当が「高」「中」を確認し、候補を絞る
  8. 【人】 絞った候補について弁理士へ正式な調査を依頼する
  9. 【自動】 候補名、検索条件、判定、最終結論を台帳に保存する

自動化されるのは「読みを洗い出す」「一覧を整形する」「棚が重なるものを選ぶ」「近さを説明する」の4つです。検索操作そのものと、最終的な判断は人が行います。

02今回想定するシステム構成

構成図
候補名リスト(スプレッドシート)
   │
   ▼【自動】読み方(称呼)のバリエーション生成
LLM API
   │
   ▼
【人】J-PlatPat 商標検索 ──▶ 検索結果一覧を CSV出力
   │
   ▼
Google Apps Script
   │
   ├──▶ 特殊記号の正規化(§ ∞ ▲▼ ¢ \)
   │
   ├──▶ 類似群コードによる絞り込み
   │       └─ 参照:類似商品・役務審査基準(Excel版)
   │
   └──▶ LLM API ── 外観・称呼・観念の3観点で高/中/低に仕分け
   │
   ▼
スプレッドシート(判定+理由)──【人が確認】
   │
   ▼
弁理士へ正式調査を依頼 + 台帳へ保存
役割想定する製品代替候補
検索基盤J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)商用の商標調査サービス
参照データ類似商品・役務審査基準(特許庁が公開するExcel版)商用サービスの内蔵データ
処理Google Apps ScriptPython、Power Automate
生成AIClaude APIOpenAI API、Gemini API
保管・共有GoogleスプレッドシートExcel、SharePoint

商用の商標調査サービスを先に検討してください。 検索、類否の候補提示、調査履歴の管理までパッケージ化されています。自前で組む価値があるのは、候補の件数が多く、社内の商品マスタや発売スケジュールと結び付けて管理したい場合です。

なお、J-PlatPatは検索結果一覧のCSV出力に対応していますが、利用申請が必要です。 検索結果一覧の「CSV出力」ボタンから「CSV認証」画面が開き、そこから申請します。商標検索の場合、一覧の表示件数は3,000件・500件・100件から選べます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

商品開発チームがスプレッドシートに候補名を書き込み、「調査依頼」ボタンを押したことを起点にします。Google Apps Scriptならスプレッドシート上のメニューやボタンから関数を呼び出せます。

候補が1件ずつバラバラに届くと、検索の手間が件数分そのまま増えます。10件以上まとまってから動かす運用にしてください。J-PlatPatでの検索は人が行うため、ここをまとめられるかどうかで効果が変わります。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
候補名リスト候補となる名称、想定する商品・役務、発売予定時期スプレッドシート
自社の指定商品・役務使う予定の区分と類似群コード知財担当が事前に設定
類似商品・役務審査基準商品・役務と類似群コードの対応表特許庁が公開するExcel版
検索結果J-PlatPatの商標検索結果一覧(CSV)人が検索してダウンロード
過去の調査履歴過去に調べた候補名と、そのときの結論社内の台帳
Step3

データの取得方法を決める

検索結果: J-PlatPatの商標検索で候補の称呼を検索し、検索結果一覧からCSV出力します。この操作は人が行います。 J-PlatPatに一般提供のAPIがあることを確認できていないため、自動取得を前提にした構成にはしません。

CSVには、出願番号・登録番号、商標(検索用)、称呼(参考情報)、区分、出願人・権利者、出願日、登録日、ステータスといった項目が並びます。検索結果一覧のCSV出力ではURLも出力されるため、あとから原本を開き直せます。

類似群コード: 特許庁が公開している類似商品・役務審査基準を使います。これは類似関係にあると推定される商品・役務をグループにまとめ、各グループに検索用のコードを付けたものです。PDFのほかExcel版も公開されているので、Excel版を取り込んで対応表にします。適用される版が決まっている点に注意してください。 国際分類第13-2026版対応の基準は、令和8年1月1日から適用されています。

自社の指定商品・役務: 「この商品名は第30類の菓子で使う」というように、候補ごとに使う区分をあらかじめ決めておきます。ここが決まらないと、どの先行商標が問題になるかが決まりません。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 称呼のバリエーション生成 … 「白梅」から「ハクバイ」と「シラウメ」の両方を出すように、1つの候補から生じ得る自然な読みを列挙します。ここを人手でやると漏れます
  2. 特殊記号の正規化 … J-PlatPatの「商標(検索用)」には特殊記号が付きます。「§」は特殊な構成や態様、「∞」は構成の分離(縦書きと横書きなど)、「▲」「▼」は文字コードにない漢字の置換、「¢」はアクセント記号付きのラテン文字、「\」は2段以上の併記を表します。これらを機械的に外して読める文字列に戻すか、記号の意味を残したまま後段へ渡すかを決めます
  3. 棚の絞り込み … 類似群コードが自社の使う商品・役務と1つも重ならない先行商標は、この段階で外します。ここを外さないと、AIに渡す件数が数百件になります
  4. 権利の生死の確認 … ステータスが消滅・拒絶になっているものは引用の対象になりません。ただしCSVの表示だけで断定せず、フラグを付けて人が見られるようにします
Step5

AIに処理させる

検索と法的な判断はAIにさせません。AIにさせるのは「読みの洗い出し」と「近さの説明」だけです。

処理内容
称呼のバリエーション生成候補名から自然に生じる読みを列挙する
外観の近さの説明文字の並び、長さ、共通する部分を比べる
称呼の近さの説明音質・音量・音調・音節のどの要素で近いのかを書く
観念の近さの説明候補名と先行商標から想起される意味が重なるかを書く
3観点をまとめた仕分け高/中/低の3段階に分け、理由を書く

商標審査基準では、商標の類否は「外観、称呼又は観念等によって需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に観察し」判断するとされています。称呼の類否については、音質・音量・音調・音節という判断要素が示されており、たとえば相違する1音の母音が共通する場合(「ダイラマックス」と「ダイナマックス」)や、清音と濁音の違いにすぎない場合(「バーテラックス」と「バーデラックス」)が例示されています。AIにはこの4つの判断要素のどれに当たるのかを書かせます。 そうすると、人が確認するときに何を見ればよいかが分かります。

Step6

指示内容を固定する

あなたは知財担当を支援する担当者です。
新しい商品名の候補と、J-PlatPatで検索した先行商標の一覧をもとに、
両者がどれくらい近いかを説明してください。

【厳守事項】
- 商標登録ができるかどうかを判断しないでください。
  あなたの役割は、人が確認する順番を決めるための仕分けです。
- 類似群コードが1つも重なっていない先行商標を「近い」と書かないでください。
  棚が違えば、名前が似ていても問題にならないことがあります。
- 称呼の近さを書くときは、音質・音量・音調・音節のどの要素によるものかを
  必ず明示してください。「なんとなく似ている」と書かないでください。
- 観念については、需要者がその意味を直ちに理解できると考えられる場合に限り
  書いてください。辞書に載っているだけの意味を根拠にしないでください。
- 出願人名や権利者名から、企業の関係を推測しないでください。
- 判断に必要な情報が一覧にない場合は、その項目を unknown とし、
  needs_review に理由を書いてください。

【候補名】
{candidate_name}

【この候補で使う予定の商品・役務と類似群コード】
{our_classes}

【検索結果(類似群コードが重なるものだけに絞り込み済み)】
{search_results}

「登録できるかどうかを判断しない」の1行が重要です。 これを書かないと、AIは「登録可能と考えられます」と結論を出してきます。その一文があるだけで、現場は調査が終わったものとして扱ってしまいます。

Step7

出力形式を固定する

{
  "candidate_name": "",
  "readings": [],
  "risk_level": "高 | 中 | 低",
  "conflicts": [
    {
      "registration_no": "",
      "prior_mark": "",
      "prior_reading": "",
      "overlapping_class_codes": [],
      "appearance": { "close": true, "reason": "" },
      "pronunciation": { "close": true, "factor": "音質 | 音量 | 音調 | 音節", "reason": "" },
      "concept": { "close": false, "reason": "" },
      "status_note": ""
    }
  ],
  "needs_review": [],
  "summary": ""
}

risk_level は3段階に固定します。5段階やパーセント表示にすると、その数字が独り歩きして「85%だから大丈夫」という使われ方をします。

Step8

システムへ連携する

結果はスプレッドシートに書き戻します。1行1候補とし、判定、理由の要約、引っかかった登録番号、J-PlatPatの該当ページへのリンクを並べます。原本へ1クリックで飛べる状態にしておくことが、確認時間を左右します。

候補名は商品マスタや発売スケジュールと結び付けて管理します。「この候補は第30類で使う予定、発売は来春」という情報がないと、調査の優先順位が付けられません。

弁理士への依頼は、この仕組みの外で行います。 スプレッドシートの状態を「一次仕分け済み」「弁理士へ依頼中」「結論あり」と更新していく運用にしてください。

Step9

人が確認する

全件、人が確認します。運用が安定しても自動化しません。

理由は2つあります。1つは、この仕組みが商標登録の可否を判断していないためです。もう1つは、名前を決めたあとで先行商標が見つかると、パッケージ、広告、ドメイン、登記まで作り直しになり、損害が大きいためです。

確認を速くするための設計が重要です。

  • 判定が「高」「中」のものを上に並べる
  • 引っかかった先行商標の登録番号から、J-PlatPatの該当ページへ直接リンクする
  • 類似群コードの重なりを、コードそのものではなく「同じ棚:菓子」のように日本語で表示する
  • needs_review に入った項目を色分けする

最終的な調査と判断は弁理士に依頼してください。 この構成で作るのは、弁理士に渡す前に候補を絞るための材料です。

Step10

例外に対処する

起きること対応
文字を含まない図形商標が引っかかった対象外として人へ回す。図形の類否はこの構成では扱わない
候補名に複数の自然な読みがあるすべて列挙して、それぞれで検索する。1つに決めない
「商標(検索用)」に特殊記号が入っている正規化ルールで処理する。記号の意味が判断に影響する場合は人へ回す
国際登録(番号末尾にアスタリスク)が出た日本で登録されているかを確認したうえで扱う
検索結果が3,000件を超えた称呼を絞るか、区分を指定して検索し直す。AIに渡す前に人が絞る
ステータスが消滅・拒絶になっている引用の対象外だが、フラグを付けて人が見られるようにする
候補名が普通名称や品質表示に当たりそう先行商標との類否とは別の論点。この構成では扱わず、弁理士へ回す
類似群コードが重なるものがゼロ件だった「安全」と表示しない。「この検索条件では見つからなかった」と表示する
出願中でまだ登録されていない商標別枠で表示する。将来登録される可能性がある
Step11

記録を残す

  • 候補名と、その候補で使う予定の商品・役務
  • 検索した日、検索に使った称呼、検索条件
  • J-PlatPatからダウンロードしたCSVの原本
  • AIが付けた判定と理由
  • 人が判定を変えた場合、変える前と後の値
  • 弁理士に依頼したかどうかと、最終的な結論

最後の2つが、この仕組みの資産になります。 「AIが高と判定したが、弁理士は問題なしと判断した」という記録がたまると、判定の癖が見えます。また、過去に調べた候補名を検索できるようにしておけば、翌年に似た候補が出たときに一から調べずに済みます。

04実装レベルの3段階

最小構成:検索結果のCSVをAIに貼り付けて仕分けさせる / 仕分けのみ
半自動化:スプレッドシート → 称呼生成 → 人が検索してCSVを置く → 正規化・絞り込み・仕分け → 結果を書き戻す / 検索操作以外
本格構成:上記+商品マスタ・発売スケジュールとの連携+調査履歴の全文検索 / 検索操作と最終判断以外

半自動化で十分に効果が出ます。 1件45分が15分程度になるのは、称呼の洗い出しと結果の読み取りが自動化されるためです。検索操作そのものは残りますが、まとめて実行できるので時間あたりの処理件数が上がります。本格構成にすると過去の調査履歴が資産になりますが、効果の大半は半自動化の段階で取れます。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
2 名
月間件数
40 件
1件あたり現在時間
45 分
1件あたり導入後時間
15 分
現在  40件 × 45分 ÷ 60 = 30 時間/月
導入後 40件 × 15分 ÷ 60 = 10 時間/月
月間削減時間
20h
削減率
67%
年間削減時間
240h
年間金額換算(時間単価3,500円)
84万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 新商品・新サービスの名称候補が月20件以上あり、知財の専任が1〜2名しかいない企業。候補を出す部署と調べる部署が分かれていること。
向いていない
  1. 年に数件しか名称を決めない場合。図形やロゴの類否が主な論点の場合。商用の商標調査サービスを既に契約していて、そこで足りている場合。

07最小構成で試す方法

  1. 過去に調べた候補名を5件用意する(うち2件は、弁理士が問題ありと判断したものを選ぶ)
  2. J-PlatPatの商標検索で、それぞれの称呼を検索する
  3. 検索結果一覧をCSV出力する(初回は「CSV認証」画面から利用申請が必要)
  4. CSVの中身をそのままChatGPTやClaudeに貼り、上のプロンプト例の内容を指示する
  5. AIの仕分けと、当時の結論が合っているかを見る

過去に問題ありと判断した候補を必ず混ぜてください。 すべて「低」と返ってくるなら、この構成は使えません。安全なものばかりで試すと、判定が甘いことに気づけません。

判断の目安は次のとおりです。

結果判断
問題ありだった候補を「高」または「中」に入れられた一次仕分けとして使える
問題ありだった候補を「低」に入れたプロンプトか絞り込み条件を見直す。特に類似群コードの扱いを確認する
すべてを「高」に入れた仕分けになっていない。3段階の基準を具体的に書き直す

称呼のバリエーション生成だけなら、候補名を並べて「この名前から自然に生じる読みをすべて挙げて」と聞くだけで試せます。ここだけでも検索漏れは減ります。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
AIが「登録できます」と結論を出してくるプロンプトで可否判断を明確に禁じる。出力スキーマに「登録可否」の欄を作らない
検索結果が多すぎてAIに渡しきれない類似群コードによる絞り込みを前段に必ず入れる。ここを省くと後段が破綻する
「商標(検索用)」の表記が読めない特殊記号(§ ∞ ▲▼ ¢ \)の意味を正規化ルールに落とす
称呼の検索漏れが残る1つの候補から複数の読みを出させ、すべてで検索する。1つに決めない
類似群コードの版が古い適用される版を確認して更新する。第13-2026版対応の基準は令和8年1月1日から適用
判定が全部「中」になる3段階の基準を、抽象的な言葉ではなく具体的な条件で書く
現場が仕分け結果を最終判断として使う画面に「弁理士の調査前の一次仕分けである」と常時表示する
図形やロゴの類否を期待される扱わないことを最初に明示する。この構成は文字商標が対象
未発表の商品名が外部に出るセキュリティの項を参照。ここが最大の論点

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 未発表の商品名、発売予定時期、想定する商品カテゴリ。発表前の商品計画そのものです。

  1. 外部AIへの入力可否 … 未発表の名称は、社内でも限られた人しか知らない情報です。外部の生成AIに入力してよいかを、情報管理規程で確認してください。この用途については、他のユースケース以上に慎重な判断が必要です
  2. 先に出願されるリスク … 名称が外部に漏れると、第三者に先に出願される恐れがあります。入力を学習に使わないことが契約で保証されるサービスを選び、ログの保存期間も確認してください
  3. 検索履歴そのものが情報 … 「どの名前を調べたか」の履歴も社外秘です。共有端末での検索や、履歴が他部署から見える設定を避けてください
  4. アクセス権限 … 候補名リストと調査結果へのアクセスを、知財担当と商品開発の担当者に限定します。全社共有のフォルダに置かないでください
  5. 自動実行してよい範囲 … 仕分けまでが自動化の範囲です。候補の採否をこの仕組みで決めないでください。 また、AIの出力を社外に「調査結果」として提供しないでください

誤りが起きた場合のリスクは、発売後に先行商標が見つかることによるパッケージや広告の作り直し、他社からの警告への対応です。この構成は、そのリスクを弁理士に相談すべき候補を絞ることで下げるものであって、リスクをなくすものではありません。

10まず何から始めるか

1週目:判定の教材を集める

過去2年分の調査結果から、問題ありと判断した候補を5件、問題なしとした候補を5件集めます。この10件がこの仕組みの合否を決めます。 手元にない場合は、この構成を作る前に記録を残す運用から始めてください。

2週目:自社の棚を決める

自社が使う商品・役務の区分と類似群コードを一覧にします。「菓子なら第30類」「飲食店なら第43類」というように、主力のカテゴリだけで構いません。ここが決まっていないと、絞り込みが効きません。

3〜4週目:半自動化を作る

スプレッドシートから称呼生成、CSVの取り込み、絞り込み、仕分けまでを作り、知財担当1名が2週間使います。1件45分が何分になるかを実測します。

2か月目以降: 効果が確認できたら、商品マスタとの連携と調査履歴の検索を足します。並行して、弁理士に「一次仕分けの結果をこの形で渡してよいか」を相談してください。渡す形が揃うと、弁理士側の作業も軽くなります。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-09-14/最終更新:2026-09-14
確認した内容情報源確認日
商標の類否は外観・称呼・観念等によって需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に観察して判断すること。称呼の類否に音質・音量・音調・音節の判断要素があり、母音の共通や清音・濁音の差などが例示されていること。商品・役務の類否に生産部門・販売部門・用途・需要者の範囲等の基準があること。現行版は改訂第17版(令和8年4月1日適用)特許庁: 商標審査基準〔改訂第17版〕2026-09-14
類似商品・役務審査基準が、類似関係にあると推定する商品・役務をグルーピングし検索用のコードを付与したものであること。商標法第4条第1項第11号の審査で用いられること。Excel版が公開されていること。国際分類第13-2026版対応の基準が令和8年1月1日から適用されること特許庁: 類似商品・役務審査基準〔国際分類第13-2026版対応〕2026-09-14
J-PlatPatの商標検索で検索結果一覧をCSV出力できること(利用申請が必要)。一覧の表示件数が3,000件・500件・100件から選べること。「商標(検索用)」に特殊記号(§ ∞ ▲▼ ¢ \)が付与されること。一覧に商標(検索用)・称呼(参考情報)・区分・ステータス等が表示されることJ-PlatPat ヘルプ: 検索結果一覧(商標検索)2026-09-14
商標には検索式(論理式)での検索がないこと。簡易検索は部分一致、商標検索は完全一致であること。検索結果一覧のCSV出力を加工して目録が作れることINPIT: J-PlatPat講習会でのご質問と回答2026-09-14

J-PlatPatに一般提供のAPIがあるかは確認できていないため、本構成では検索操作を人が行う前提にしています。この部分は利用環境に応じた個別確認が必要です。 商標登録の可否、および先行商標との類否の最終的な判断は、弁理士に依頼してください。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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