Typolessを社内に配る4つの決めごと|辞書と炎上の確認

Typolessを社内に配る4つの決めごと|辞書と炎上の確認

「校正のAIを入れたいが、何人分の契約にすればいいのか分からない」「炎上のおそれがあると指摘されたとき、誰が直すかを決めていない」。広報やオウンドメディアの責任者から、こうした声が増えています。無理もありません。朝日新聞社の校正AIであるTypolessは、2026年8月4日にブラウザの拡張機能を出し、記事の入稿画面や社内システム、ウェブメールの入力欄でも指摘が出るようになりました。書く場所が一気に広がったのです。配る前に決めるべきことは、契約の数ではありません。本当は、指摘を誰がどう扱うかの取り決めです。この記事では、社内に配る前に決めておく4つの決めごとを、辞書の登録と炎上の指摘の扱いを中心に整理します。


カメ先生カメ先生

校正のAIは、配った瞬間から社員それぞれの画面で指摘を出し始めるんだ。どの指摘を直して、どれを直さないかの線が無いと、人によって原稿の仕上がりがばらばらになるんだよ。


カメ子カメ子

指摘の数が増えるほど、かえって判断の負担が増えることもあるんですか。


カメ先生カメ先生

そうなんだ。特に炎上のおそれの指摘は、言葉の誤りと違って正解が一つに決まらない。だから指摘は候補として受け取り、公開するかどうかは人が決める、という順番を先に決めておくんだね。


カメ子カメ子

配る範囲、辞書、炎上の指摘、入れてよい情報。この4つを先にそろえておく、ということですね。


この記事のポイント
  • Typolessは2026年6月にプレスリリースの作成画面へ、8月にはクロームとエッジの拡張機能として入力欄全般へ広がった
  • 配る前に決めるのは、配る範囲・辞書の登録・炎上の指摘の扱い・入力する情報の線の4つ
  • AIに任せるのは誤りと炎上のおそれの候補の指摘まで。直すかどうかと公開の判断は人が持つ

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目次

Typolessは、書く場所に付いて回る校正のAIになった

Typolessは朝日新聞社が2023年10月に始めた文章の校正AIです。新聞の記事を校正してきた履歴を学んだAIが、助詞の誤り、同音異義語、誤字脱字、誤変換、打ち間違いを指摘します。2025年度のグッドデザイン賞を受けたことも、同社の発表で紹介されています。これまでは専用の画面や文書作成ソフトの中で使う道具という印象が強いものでした。

2026年に入って、使える場所が大きく二度広がりました。6月2日には、プレスリリースの配信サービスであるピーアールタイムズの作成画面に搭載されました。8月4日には、クロームとエッジの拡張機能として、ブラウザの文章の入力欄全般で指摘が出るようになりました。サファリとファイアフォックスは対象外と発表されています。

発表が挙げる入力欄は、記事の管理画面への入稿、社内システムへの入力、ワードプレスやノート、ウェブメール、業務ツール、SNSです。つまり、広報やマーケの担当者が文章を打つほとんどの場所で、打った端から指摘が出る形になります。書き終えてから校正の画面に貼り直す手間が消える一方、指摘を受け取る場面も一気に増えます。

校正のルールの数は、6月の発表では約21万個、8月の発表では約10万個と書かれていて、数え方がそろっていません。数の大小よりも、自社の書き手がよく間違える箇所を拾えるかを、試しの期間に実際の原稿で確かめるほうが確実です。ここから先は、その試しを社内の運用に変えるための決めごとを見ていきます。

生成AIが書いた下書きで、指摘が効く場所と効かない場所

生成AIが書いた下書きは、一見なめらかでも、助詞が一か所だけずれていたり、同じ読みの別の漢字が混ざっていたりします。書いた本人が読み返しても目が滑りやすい誤りです。Typolessが得意とする助詞と同音異義語の誤りは、まさにこの種類なので、生成AIを使う部署ほど効き目を感じやすいはずです。

一方で、数字や日付、製品名が事実として合っているかは、文章の外に答えがあるので、校正のAIでは確かめられません。生成AIの下書きでいちばん怖いのは、もっともらしい誤った事実です。ここは担当者か、社内の決まった人が出典に戻って確かめる工程として残します。校正のAIを入れても、この工程は消えません。

もう一つの境目は、文のつながりや論の運びです。段落の順番が読み手に分かりにくい、結論が弱い、といった点は、指摘の対象の外にあります。ここは編集者やその分野に詳しい人の目で見ます。校正のAIを入れた後も、人が読む工程を減らすのではなく、人が読む場所を事実と論の運びに寄せると考えると、社内の分担を説明しやすくなります。

  • 校正と校閲の一般的な違いや、機械が届く範囲の細かな整理は、この記事では扱わない
  • 画面の項目名や対象の範囲は変わることがある。社内の手順書には確かめた日付を添える
  • ここで挙げる機能と料金は、2026年8月の発表時点の内容

配る前に決める4つの決めごと

社内に配るときに決めておくことは、4つに絞れます。どれも、配ってから決めようとすると、すでに社員が自己流の使い方を始めていて、後から線を引き直すのが難しくなるものです。4つとも、配る日より前に紙一枚にまとめておきます。

決めごと決める中身決める人
1 配る範囲誰に配るか、何人分を契約するか、拡張機能を入れる端末広報・マーケの責任者と情シス
2 辞書の登録自社の表記と社名・製品名をどう登録し、誰が足すか表記の担当者
3 炎上の指摘の扱い指摘を受けたとき誰に相談し、誰が公開を決めるか広報の責任者
4 入力する情報の線未発表の情報や顧客の情報を入れてよい場面情シスと法務

表の右の列に人の名前が入らないうちは、配るのを待ちます。特に炎上の指摘の扱いは、広報の責任者が決めないまま現場に任せると、指摘を見た担当者が一人で抱え込むか、黙って無視するかのどちらかになりがちです。どちらも、指摘の機能を入れた意味がなくなります。

4つの順番にも意味があります。配る範囲が決まると、辞書を誰が使うかが決まり、辞書が決まると、炎上の指摘と表記の指摘を分けて扱えます。入力する情報の線は最後に置いていますが、情シスの確認には時間がかかるので、実際の作業は最初の決めごとと並行して始めておくと、配る日が延びずに済みます。

決めごと1:配る範囲は、書く量と公開までの近さで決める

最初に決めるのは、誰に配るかです。全社員に配れば公平ですが、契約の数が増えるうえ、文章をほとんど書かない人にとっては、入力欄に出る指摘がかえって作業の邪魔になることもあります。配る範囲は、書く量と、書いた文章が社外に出るまでの近さの2つで考えると整理しやすくなります。

社外に直接出る文章を毎日書く人が、最優先です。広報、オウンドメディアの編集、SNSの運用、ウェブサイトの更新を担う人がここに入ります。次が、営業資料やメールで社外に文章を出す人です。社内向けの文書だけを書く人は、最初の配布からは外し、要望が出たら足す形にしても困りません。

もう一つ見ておきたいのが、外注先です。記事の執筆を外部の書き手に頼んでいる場合、社内で校正のAIを入れても、入稿される原稿の段階では通っていないことがあります。外注先にも同じ辞書で確かめてもらうのか、社内の編集者が入稿の画面で確かめるのかを決めておくと、同じ誤りを二度直す手間が減ります。

範囲を決めたら、拡張機能を入れる端末とブラウザも確かめます。対応はクロームとエッジだけなので、別のブラウザを使う部署があれば、その人たちには入力欄での指摘が出ません。会社の端末でブラウザの拡張機能を入れられる設定になっているかは、情シスに先に確認しておきます。

契約の数と料金は、発表時点の値で見積もる

ブラウザの拡張機能を使えるのは、8月の発表時点で、法人向けのエンタープライズ+プラスと、個人向けのプレミアム+プラスの2つのプランです。画面の表記は英字混じりです。法人で配るなら前者が基本になりますが、今の契約が別のプランなら、拡張機能を使うにはプランの切り替えが要ることになります。

同じ発表で、法人向けの「法人バリューパック」が案内されています。エンタープライズ+プラスの30人分で、年間99万円(税込み)です。あわせて、6人分以上の契約で割引があり、年払いにすると15%の割引になるとも書かれています。いずれも2026年8月の発表時点の値で、条件は変わることがあります。

30人分という区切りは、配る範囲を決めるときの目安になります。決めごと1で最優先とした人数が30人に届かないなら、まとめ買いの枠を無理に埋めるより、少ない人数で始めて、足りなくなったら足す形のほうが無駄が出ません。30人を超えるなら、どの部署を先に入れるかを決めてから見積もりを取ります。

見積もりを頼むときは、人数だけでなく、辞書の数や登録できる語の数に上限があるか、拡張機能と他の使い方で数え方が同じかも尋ねておきます。後から辞書を足したくなったときに追加の費用がかかるかどうかで、決めごと2の辞書の分け方が変わるからです。回答は日付を付けて残しておきます。

決めごと2:辞書の登録は、足す人を一人に絞る

Typolessには、利用者が独自に語を登録できる辞書の機能があります。社名、製品名、サービス名、社内で決めた表記を登録しておくと、自社の言い方が誤りとして指摘されるのを防ぎ、逆に古い表記が混ざったときに気づけるようになります。配った初日から、自社の製品名が誤りとして赤く出る状態は避けたいところです。

辞書の中身をどう設計するかは、表記の決まりの問題なので、ここでは登録の運用だけを見ます。最も大切なのは、辞書に語を足せる人を一人か二人に絞ることです。全員が自由に足せると、ある人が誤った表記を登録し、それが全社に広がるという、校正の道具としては逆の結果になりかねません。

登録を担う人は、広報の表記の担当者や、オウンドメディアの編集長が向いています。現場からは「この語が誤りとして出て困る」という申し出を受け付ける窓口を一つ作り、担当者が月に一度まとめて判断して足します。すぐに登録しないのは、申し出の中に、本当に誤りだった表記が混ざっているからです。

STEP1
配る前に、必ず入れる語を洗い出す

社名、製品名、サービス名、役員や部署の正式な名前など、誤りとして出ると困る語を一覧にします。生成AIに過去の記事から候補を拾わせてもよいですが、正しい表記かどうかは担当者が決めます。

STEP2
担当者が登録し、試しの原稿で確かめる

登録した後、過去に公開した記事を数本入れて、自社の語が誤りとして出ないか、古い表記が拾われるかを確かめます。

STEP3
現場の申し出を月に一度まとめて判断する

申し出は窓口にためておき、登録するか、表記の決まりのほうを見直すか、そのまま誤りとして扱うかを担当者が決めて、結果を申し出た人に返します。

辞書を育てる運用:足した理由と外した理由を残す

辞書は、登録した日から少しずつ古くなります。製品名が変わる、事業をやめる、社内の表記の決まりを見直す。そのたびに辞書の語を足したり外したりしないと、正しいはずの新しい名前が誤りとして出たり、使わなくなった名前が正しいまま残ったりします。辞書の見直しは、製品や組織が変わる日の手順に組み込むのが確実です。

見直しを楽にするのが、登録の記録です。語ごとに、登録した日、登録した人、理由を一行残しておきます。理由の欄に「新製品の正式名」「旧社名は使わない」などと書いておけば、半年後に別の担当者が見ても、外してよいかどうかを判断できます。記録が無い辞書は、誰も触れなくなり、やがて放置されます。

辞書を部署ごとに分けるかどうかも、ここで決めます。広報とオウンドメディアでは、同じ語でも寄せる表記が違うことがあります。分けるなら、辞書の数に上限があるかを契約の条件で確かめておきます。分けないなら、どちらかの表記に寄せるか、辞書には登録せず各自の判断に任せる語として一覧に残します。

辞書を見直す周期は、製品や組織の変わり目とは別に、四半期に一度と決めておくと漏れが減ります。その日に申し出の記録と登録の記録を並べ、半年以上申し出の無い語や、実際の原稿で一度も出ていない語を確かめます。使われない語が減るほど、辞書を任されたときの負担も軽くなります。

決めごと3:炎上の指摘は、直す前に相談の順路を決める

Typolessの炎上リスクのチェックは、偏見、差別、攻撃的な表現が含まれている可能性のある箇所を指摘する機能です。6月の発表では、ステレオタイプを助長しかねない表現も対象として挙げています。ここで出るのは「可能性がある」という指摘で、炎上するかどうかの判定ではありません。この区別を、配る前に全員に伝えておきます。

言葉の誤りなら、指摘に従って直せば済みます。しかし炎上のおそれの指摘は、文脈によっては問題が無いこともあれば、指摘された語を言い換えるだけでは足りないこともあります。どちらなのかをAIに判断させず、指摘の理由を読んだうえで人が決める、という順番を守ります。

そのために決めておくのが、相談の順路です。指摘を受けた担当者が自分で判断してよい範囲と、広報の責任者に相談する範囲を分けます。たとえば、社外に出る記事やリリースで指摘が出たら必ず相談する、社内の文書なら担当者の判断でよい、という分け方です。相談の窓口は一つにします。

相談の順路を決めていないと、指摘を見た担当者は、上司に相談すべきか迷ったまま公開の時刻を迎えてしまいます。反対に、指摘が出るたびに全部を責任者に回すと、責任者のところで原稿が止まります。どの種類の文章で、どの程度の指摘なら誰に回すかを、表にしておくと迷いが減ります。

炎上の指摘を受けた後の流れと、残す記録

相談を受けた広報の責任者がすることは、三つに分かれます。そのまま公開する、表現を直して公開する、公開を見送る、のいずれかです。どれを選んだかと理由を、原稿ごとに一行残すようにします。記録は、同じ種類の指摘が次に出たときの判断の材料になります。

そのまま公開すると決めた場合こそ、理由が大事です。「この語は業界の正式な呼び方で、読者にも通じる」「文脈から差別の意図が無いことが明らか」などと書いておけば、後で問い合わせが来たときに、なぜそう判断したかを説明できます。理由が書けないなら、直すか見送る側に倒します。

直すときは、指摘された語だけを別の語に置き換えて済ませないようにします。一つの語を言い換えても、文全体が特定の人たちを一まとめにしているなら、読み手の受け取り方は変わりません。直すときは段落ごと読み直し、必要なら書いた本人と一緒に直します。生成AIに言い換えの案を出させるのはかまいませんが、採るかどうかは人が決めます。

記録がたまってきたら、半年に一度、指摘の種類ごとにどの判断が多かったかを振り返ります。同じ語が何度も指摘され、毎回「そのまま公開」になっているなら、社内の書き手向けの注意書きに、その語の扱いを一行足しておきます。現場が同じ相談を繰り返さなくて済むようになります。

決めごと4:入力する情報の線は、契約の中身で確かめる

入力欄全般で指摘が出るということは、そこに打った文章が校正のために送られるということでもあります。未発表の製品の情報、決算の前の数字、顧客の名前やメールの本文。こうした情報を打つ場面でも拡張機能が動くので、どの情報を打つ場面で使ってよいかを、配る前に決めておく必要があります。

入力した文章の扱いについて、ピーアールタイムズの作成画面に搭載した版では、入力データは朝日新聞社のサーバーに保存されず、学習データとしても使われない、と発表されています。また同社は、情報セキュリティの国際規格の認証を受けていると案内しています。ただし、ブラウザの拡張機能や自社で契約する版で同じ扱いかは、この記事の調査では公式の文書で確かめきれなかったため、契約の前に利用規約で確かめます。

確かめる項目は、入力した文章が保存されるか、保存されるならどこにどのくらいの期間か、学習に使われるか、使われない約束が契約書に書かれているか、の4つです。情シスと法務がこれを確かめ、社内の規程にある機密の区分と照らし合わせて、使ってよい区分を決めます。答えが出るまでは、機密の区分の高い文書では使わない、としておきます。

ウェブメールで指摘が出る点も見落とせません。顧客とのやりとりのメールを打つたびに文章が送られることになるので、営業部門に配る場合は、個人情報の扱いの方針とも照らし合わせます。拡張機能を特定のサイトでだけ動かせるかどうかも、画面で確かめておくと、線を引きやすくなります。

試しの期間に確かめる3つのこと

4つの決めごとの案ができたら、全社に配る前に、少人数で試す期間を置きます。最優先とした部署の数人に1か月ほど使ってもらい、指摘の数、直した割合、相談に回った件数を記録します。数字が取れると、全社に配るかどうかの判断を感覚ではなく材料で話せます。

一つ目に確かめるのは、指摘の当たり外れです。自社の原稿で、誤りでないものが誤りとして出る割合が高いと、書き手は指摘を読まなくなります。外れの多くが自社の語なら、辞書の登録で減らせます。外れが自社の語でないなら、どの種類の文章で外れやすいかを記録し、配る範囲の見直しの材料にします。

二つ目は、炎上の指摘が相談の順路どおりに回ったかです。担当者が迷わず窓口に回せたか、責任者のところで原稿が止まらなかったかを、試した人に聞きます。三つ目は、入力欄で指摘が出ることが作業の邪魔になっていないかです。社内システムの入力で指摘が多すぎる場合は、使う場面を絞る案を検討します。

試しの期間の終わりには、試した人を集めて30分ほど振り返ります。指摘で助かった場面と、邪魔になった場面を一つずつ挙げてもらうと、全社に配るときの説明の材料がそのまま手に入ります。振り返りの結果を踏まえて4つの決めごとを直してから、全社に広げます。試しの期間の数字と振り返りのメモは、全社に配った後の半年後の見直しでも比べる材料になるので、日付を付けて一か所に残しておきます。数字が良くなっていない部署があれば、その部署の書く文章の種類を確かめ、配る範囲から外すかどうかを判断します。

全社に広げるときの伝え方

配る日には、使い方の説明より先に、4つの決めごとを伝えます。指摘は候補であること、直すかどうかは自分で決めてよいこと、炎上の指摘は窓口に回すこと、入れてはいけない情報の4点です。操作の説明は画面を見れば分かりますが、決めごとは伝えないと誰も知らないままです。

伝える文書は一枚に収めます。長い手順書は読まれません。表の形で、決めごと、自分がすること、困ったときの窓口を並べ、最後に辞書の申し出の窓口を書き添えます。社内のポータルや共有のフォルダに置き、配った後に新しく入った人にも同じ一枚を渡します。

配ってから1か月ほどは、書き手からの質問が多く出ます。質問は同じ窓口に集め、よく出るものは一枚の文書の下に追記していきます。最初の数週間に出た質問の中身を見ると、どの決めごとが伝わっていないかが分かります。伝わっていない決めごとは、書き方を変えて伝え直します。

新しく入った人や異動してきた人への説明も、忘れやすい場面です。アカウントを渡す手続きの中に、一枚の文書を読むことを組み込んでおくと、配った当初の説明を受けていない人が自己流で使い始めるのを防げます。アカウントを外す手続きも、退職や異動の手順に入れておきます。

生成AIの下書きの工程のどこに置くか

生成AIで下書きを作る部署では、校正のAIをどの時点で通すかも決めておきます。おすすめは、人が事実と論の運びを確かめた後、公開の直前にもう一度通す順番です。生成AIの下書きの段階で先に通しても、その後に人が数字や段落を直すと、直した箇所に新しい誤りが入るからです。

拡張機能は入力欄で動くので、下書きの段階から指摘は出続けます。それ自体はかまいませんが、下書きの段階の指摘に全部応えようとすると、後で消す段落の誤りまで直すことになり、手間が増えます。下書きの段階では明らかな誤変換だけを直し、細かな指摘は最後の一回でまとめて見る、と分けると効率が上がります。

最後の一回を通したかどうかは、公開の手順の中で確かめられるようにします。記事の管理画面の公開前の確認の項目に、校正のAIの指摘を見たかどうかの一行を足しておくと、忙しい日にも抜けにくくなります。公開の前に一度通すことを、個人の習慣ではなく手順に書くのが要点です。

外注先から届いた原稿も、同じ順番に乗せます。届いた時点で一度通して誤りの傾向をつかみ、社内の編集者が直した後、公開の直前にもう一度通します。外注先ごとに誤りの傾向が分かってくると、辞書に足すべき語や、発注のときに伝えておくべき表記の注意が見えてきます。

やりがちな失敗

配った後につまずく形は、だいたい決まっています。どれも、道具の性能ではなく、決めごとが無いことから起きる失敗です。配る前に一度、自社に当てはまるものが無いかを確かめておきます。

  • 炎上の指摘を炎上の判定と受け取り、指摘された語を言い換えただけで公開する
  • 辞書に誰でも語を足せるようにして、誤った表記が全社に広がる
  • 入力欄で指摘が出る範囲を確かめず、未発表の情報を打つ画面でも動かす
  • 指摘が出なかった原稿を「校正済み」とみなし、数字や固有名詞の確認を省く
  • 30人分のまとめ買いに合わせて、文章をほとんど書かない人にまで配る

4つ目の失敗は特に気をつけたいところです。校正のAIが何も指摘しなかったことは、文章が正しいことを意味しません。事実の誤りや、論の運びの問題は、もともと指摘の対象の外にあります。指摘の有無とは別に、人が確かめる範囲を先に決めておき、その範囲は指摘が出ても出なくても必ず見ます。

1つ目の失敗も、忙しい時期ほど起きやすくなります。公開の時刻が迫っていると、指摘された語だけ言い換えて済ませたくなります。そうならないように、社外に出る文章で炎上の指摘が出たら、公開を少し遅らせてでも窓口に回す、と決めておき、遅らせたことを責めない空気を作っておきます。

よくある質問

ブラウザの拡張機能は、どのプランでも使えますか

2026年8月の発表では、法人向けのエンタープライズ+プラスと、個人向けのプレミアム+プラスが対象です。対応するブラウザはクロームとエッジで、サファリとファイアフォックスは対象外とされています。今の契約で使えるかは、画面か提供元の窓口で確かめます。

入力した文章が、AIの学習に使われることはありますか

ピーアールタイムズの作成画面に搭載した版では、入力データは保存されず学習にも使われないと発表されています。ただし拡張機能や自社で契約する版で同じ扱いかは、この記事では公式の文書で確かめきれませんでした。契約の前に利用規約と契約書で確かめ、答えが出るまでは機密の高い文書では使わないようにします。

炎上のおそれの指摘が出なければ、公開して大丈夫ですか

大丈夫とは言えません。指摘は、偏見や差別、攻撃的な表現の可能性がある箇所を示すもので、文章全体が炎上しないことを保証するものではありません。時期や相手によって受け取られ方が変わる表現もあります。社外に出る文章は、指摘の有無とは別に、人が読んで公開を決めます。

辞書は部署ごとに分けたほうがよいですか

同じ語でも部署によって寄せる表記が違うなら、分けたほうが指摘の外れが減ります。ただし辞書の数や登録できる語の数に上限があるかは、契約の条件によります。分けるかどうかを決める前に、見積もりの段階で上限と追加の費用を確かめておきます。

まとめ

Typolessは2026年8月のブラウザ拡張で、入稿画面やウェブメールなど書く場所のほとんどで指摘を出すようになりました。社内に配る前に決めるのは、配る範囲、辞書の登録、炎上の指摘の扱い、入力する情報の線の4つです。配る範囲は書く量と社外への近さで絞り、辞書に語を足す人は一人に絞ります。炎上の指摘は判定ではなく候補として受け取り、相談の順路と判断の記録を決めておきます。入力した文章の扱いは契約の前に利用規約で確かめます。AIに任せるのは誤りと炎上のおそれの候補を挙げるところまでで、直すかどうかと公開するかどうかは、人が決めましょう。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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