AIに計画を先に立てさせるか|その場で決める形との違い

AIに計画を先に立てさせるか|その場で決める形との違い

「AIエージェントに仕事を渡したら、途中で何をしているのか誰にも分からないまま動き続けていました」「同じ調べ物を何度も繰り返して、成果物は出ないのに費用だけが増えます」——AIエージェントの作り方を調べて、実際に社内で動かし始めた部署から届く声です。指示文の書き方が下手だったわけではありません。本当は、段取りをいつ決めるのかという「進め方の形」を選ばないまま、仕事だけを渡していることに原因があります。仕事の渡し方には、先に手順をひととおり立てさせてから実行させる形と、一手ごとに考えながら進ませる形の2つがあり、噛み合う仕事が違います。この記事では、2つの形の違いと、どちらをどこに置くのかを順に見ていきます。


カメ先生カメ先生

AIエージェントって、渡せば自分で段取りを考えてくれるものだと思われがちなんだけど、本当は『段取りをいつ決めるか』を人が選んでいるんだ。


カメ子カメ子

先に全部決めさせるか、その都度決めさせるか、ということですか。


カメ先生カメ先生

そう。先に決めさせると、動き出す前に人が読んで止められる。その都度だと変化には強いけれど、どこまで進むかが読めない。


カメ子カメ子

同じエージェントでも、置く仕事によって答えが変わりそうです。


この記事のポイント
  • 進め方には、手順を先に全部立てさせる形と、一手ごとに考えながら進ませる形の2つがある
  • 計画を先に固定する最大の利点は速さでも安さでもなく、動き出す前に人が読んで止められること
  • どちらの形も費用が下がる保証はない。同じ材料と同じ権限で並べて測ってから決める

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目次

「渡せば段取りは考えてくれる」で止まっていないか

AIエージェントの種類を調べると、たいてい道具のつなぎ方や、何体に分けるかという切り口で説明されています。そこを一通り読んで実際に動かすと、多くの現場が同じところでつまずきます。動き始めてから終わるまで、何をしているのかが見えないという点です。3時間動いたあとに出てきたのが要約1枚だった、途中で同じ検索を7回繰り返していた、といった話は珍しくありません。

ここで見落とされているのは、道具でも体数でもなく、段取りを決める時点です。2024年末に公開された設計の指針では、あらかじめ決めた道筋にそって道具とモデルを動かす形と、モデル自身が進め方を決める形を、はっきり別のものとして分けています。前者は予測できることが強みで、後者は決めきれない仕事に向く。どちらが優れているかではなく、どちらの性質が欲しいのかを先に決めるという整理です。

この整理を飛ばすと、判断の基準が持てません。「うまくいかないから指示文を直す」「モデルを大きいものに替える」と手を動かしても、進め方の形が仕事に合っていなければ結果は変わらないからです。まず、自分たちが渡そうとしている仕事が、始める前に手順を書けるものなのかどうかを見ます。書けるなら計画を先に出させる形が、書けないなら一手ごとに進ませる形が、それぞれ噛み合います。

同じ指針には、もう1つ押さえておくべき一文があります。モデル自身に進め方を決めさせる系は、成果と引き換えに待ち時間と費用を差し出している、という趣旨の記述です。自由に動ける形ほど高く、遅い。これは欠点ではなく性質で、だからこそ「自由に動ける必要が本当にあるのか」を仕事ごとに問い直すことに意味が出てきます。また同じ指針では、下位の仕事を前もって決められない場合に向いた型が別に用意されています。裏を返せば、前もって決められるかどうかが、そもそもの分岐点として置かれているということです。

用語を分ける:計画役と実行役、そして一手ごとに決める形

先に言葉を整理します。1つ目の形では、仕事を受け取ってから手順の一覧を作る役と、その手順を1つずつ実行する役に分かれます。この記事では前者を計画役、後者を実行役と呼びます。計画役が「対象月を確定する」「配信の記録を取り出す」といった行を並べ、実行役はその行を上から順に実行します。同じモデルが両方を担うこともありますが、担っている役は別です。

2つ目の形では、この分業がありません。考える、1つ動く、返ってきたものを見る、また考える。この繰り返しで先に進みます。次の一手は、直前の結果を見てから決まるので、始める時点では何手かかるかも、何をするかも決まっていません。この記事では、一手ごとに考える形と呼びます。

名前で覚えようとすると混乱するので、見分け方を1つ持っておくと楽です。実行が始まる前に、手順が文書として残るかどうか。残るなら計画先出しの形、残らないなら一手ごとの形です。この線引きは、あとで出てくる「人がどこで口を挟めるか」という話に直結します。文書がなければ、口を挟む対象そのものが存在しないからです。

同じ仕事で並べる(1)月次の配信結果をまとめる

違いは、同じ仕事に両方を当ててみると見えます。まずメール配信の月次のまとめを渡した場合です。計画先出しの形では、実行の前にこういう一覧が出ます。対象月を確定する、配信の記録を取り出す、開封と反応を集計する、前月と比べる、上下した施策を3つ選ぶ、図表を作る、要約を書く。7行です。

この7行は、実行される前に人が読めます。読めば「前月比ではなく前年同月比にしてほしい」と1行だけ直せますし、「図表は不要、数値の表だけでいい」と削れます。直すのは出てきた成果物ではなく、これから実行される手順です。やり直しが1回減るという以上に、直す対象が具体的な1行であることに意味があります。成果物を見て「なんとなく違う」と言い直すより、はるかに早く終わります。

一手ごとの形でも同じ結果にはたどり着けますし、途中で列の名前が変わっていたら気づいて対応できます。ただし、なぜその集計にしたのかを後から説明する材料が残りません。定例の集計は毎月同じ形で、途中で分かることも少ない仕事です。手順が始める前に書ける仕事では、計画先出しの形が素直に噛み合います

同じ仕事で並べる(2)記事の下ごしらえ

次に、記事を書くための調べ物と構成案づくりを渡した場合です。こちらは計画を先に立てても、うまくいきません。1本目の資料を読んだ時点で、想定していた論点が既に他社に書かれていると分かる、逆に思ってもみなかった論点が出てくる。調べ物は、調べる前に手順を書けない種類の仕事です。計画を立てさせても、2手目で作り直しになります。

この種類の仕事では、一手ごとに考える形のほうが噛み合います。1本読んで、足りない観点を見つけて、次の検索語を決める。その積み重ねで精度が上がります。ただし放っておくと止まりません。資料を5本読んだら一度出させる、といった区切りを人が置く必要があります。区切りがないと、同じような資料を延々と読み続けることになります。

実務では、この2つを混ぜる形が現実的です。大枠は計画で固定し、調べ物の工程の中だけ一手ごとに動かす。「調査する」という1行の中身は実行役に任せ、その前後の工程は計画に沿わせます。形はどちらか一方に決めるものではなく、工程ごとに割り当てるものだと考えると、設計しやすくなります。

混ぜるときの線の引き方には、目安があります。出てくるものの形が先に決まっている工程は計画側、形そのものが調べてみないと決まらない工程は一手ごと側に置きます。記事の下ごしらえなら、「調べる」は形が決まらないので一手ごと、「構成案を決まった見出しの数にそろえる」「参照した資料の一覧を作る」は形が決まっているので計画側です。この線を工程の名前ではなく出力の形で引くと、担当者が替わっても同じ判断になります。

計画を先に固定する利点(1)人が見て止められる

計画先出しの形で最初に挙げるべき利点は、速さでも安さでもありません。承認の対象が、動いたあとの結果から、動く前の手順に移ることです。計画は文章なので、実行の前に人が読めます。読めるということは、承認したり差し戻したりできるということです。一手ごとの形では、承認したい時点でまだ何も存在していません。

この差が効くのは、取り消せない操作が混ざっているときです。計画の中に「配信する」「入稿する」「公開する」という行があれば、実行の前に外せます。実行してから気づいた場合、外部に出たものは取り戻せません。取り消せる操作と取り消せない操作を分けて扱う、という原則を運用に落とすうえで、実行前に読める計画があるかどうかは決定的な差になります

ここで外してはいけない線が1つあります。計画の承認そのものをAIに任せないことです。作った本人に採点させれば、たいてい通ります。計画を書いたのと同じ仕組みに「この計画に問題はないか」と聞いても、確認にはなりません。承認は人が行い、承認した人の名前と日付を記録に残します。読む範囲を全行に広げると形骸化するので、取り消せない操作を含む行だけは必ず読む、という決め方にすると続きます。

計画を先に固定する利点(2)費用と時間の見当がつく

2つ目の利点は、見積りが立つことです。手順が7行あって、うち3行が外部への問い合わせを伴うと分かっていれば、呼び出しの回数の見当がつきます。一手ごとの形では、終わるまで回数が決まりません。予算の話ができるかどうかは、始まる前に本数が分かるかどうかで決まります。決裁を通す場面では、この差がそのまま可否の差になります。

ただし「見当がつく」と「安くなる」は別の話です。ここは強調しておきます。2026年8月に公開された両者の比較では、どちらの形も、分量が少なくなること・速くなること・正確になることを保証しない、と明記されています。計画を作る分の呼び出しは追加で発生しますし、実行が短い仕事では計画づくりのほうが高くつくこともあります。

計画先出しの費用を下げる余地は2つあります。1つは、計画役と実行役に違う大きさのモデルを割り当てることです。手順を組み立てる計画役には考える力が要りますが、決まった1行を実行する実行役には必ずしも同じ力が要りません。実行役を小さいモデルにすれば、計画づくりで増えた分を相殺できることがあります。もう1つは、互いに関係のない行を同時に走らせることです。ただし先ほどの比較記事は、同時に走らせる形が速くなるのは、独立している行を見分けて割り当てられた場合に限る、と釘を刺しています。順番どおりにしか実行できないなら、計画を先に立てた分だけ遅くなります。

  • どちらが安いかは、仕事の長さ・条件が変わる頻度・モデルの選び方・道具の応答の速さ・やり直しの回数で変わる
  • 比べるときは、同じモデル・同じ道具・同じ材料・同じ権限にそろえる。片方だけ条件が違うと、差が形のせいなのか設定のせいなのか分からなくなる
  • 自社の代表的な仕事を数件選び、両方の形で回して実測してから決める

計画を先に固定する利点(3)外れた場所が特定できる

3つ目は、原因の切り分けが楽になることです。7行の計画のうち5行目で止まったのなら、疑う範囲は1行に絞れます。その行が使っていた道具が落ちていたのか、渡した条件が間違っていたのか、前の行の出力の形が想定と違ったのか。調べる範囲が最初から狭いので、担当者が違っても追えます。

一手ごとの形では、やり取りの記録を頭から追うことになります。50往復あれば50往復を読むことになり、しかも「なぜその一手を選んだのか」は記録に残っていないことが多い。結果として、原因の特定に半日かかったのに再現しない、という状態になりがちです。

記録に残す項目は3つで足ります。実行した計画の版、実行した行の番号、その行が返した結果の要点。この3つがあれば、あとから同じ計画をもう一度流して比べられます。計画に版を付けることを忘れないでください。版がないと、直したあとの計画と、失敗したときの計画のどちらを見ているのか分からなくなります。

計画先出しの欠点:前提が変わると、計画ごと作り直しになる

利点の裏返しが欠点です。計画は、立てた時点の前提の上に建っています。1行目の結果で前提が崩れると、以降の6行がまとめて意味を失います。しかも厄介なのは、実行役が気づかずに走り続けることがある点です。前提が崩れているのに手順どおり動くと、それらしい成果物が出てきてしまいます。

先ほどの比較記事は、この失敗を「誤った前提が下流の手順すべてに焼き付く」と表現しています。実行の質がどれだけ高くても、計画の前提が違えば結果は使えません。加えて、実行の途中で状況が変わっても計画が古いまま使われ続ける、という陳腐化も挙げられています。どちらも、計画を作り直す引き金を決めていないことから起きます。

もう1つの欠点は、計画づくりそのものの費用と時間です。手順が2行で終わる仕事に計画役を挟むと、計画を作る往復のぶんだけ遅く、高くなります。短い仕事に計画先出しを当てると、本体より段取りのほうが重くなるという逆転が起きます。工程が5行を超えるあたりから検討する、といった目安を自社で持っておくとよいでしょう。

一手ごとに考える形の利点と欠点

一手ごとの形の利点は、変化に強いことに尽きます。返ってきた結果を見てから次を決めるので、想定外が起きても対応できます。調べ物、問い合わせの切り分け、原因の追跡のように、途中で分かることが多い仕事ではこちらが噛み合います。始める前に何も決めなくてよいので、着手が早いのも実務では効きます。

欠点は3つあります。1つ目は、どこまで進むか読めないこと。2つ目は、同じところを回り続けることがあること。3つ目は、やり取りが伸びるほど最初に決めた条件が薄れ、目標から少しずつずれていくことです。先ほどの比較記事も、繰り返しの検討・目標のずれの蓄積・古い材料を毎回信じてしまうこと、を一手ごとの形の失敗として挙げています。

2つ目の「同じところを回り続ける」は、気づきにくいので見分け方を決めておきます。実務で使えるのは、同じ検索語や同じ問い合わせが3回出たら止める、という単純な決まりです。回り続けているとき、記録には似た行が並びます。進んでいないことを検知するのは、成果物ではなく行動の重複を見るほうが早い。3つ目の目標のずれについては、最初に決めた条件を毎回の先頭に置き直す形にしておくと、薄れにくくなります。

観点計画を先に立てる形一手ごとに決める形
手順が残るか実行前に文書として残る残らない。やり取りの記録だけ
人が止められる時点実行の前実行の途中(気づいたとき)
想定外への強さ弱い。前提が崩れると作り直し強い。次の一手で吸収できる
終わりの読みやすさ本数が先に分かる終わるまで分からない
原因の切り分け止まった行に絞れる記録を頭から追う
向く仕事手順が先に書ける定例途中で分かることが多い調べ物

向く仕事・向かない仕事を、3つの問いで切り分ける

実際に振り分けるときは、仕事ごとに3つ問えば足ります。1つ目、始める前に手順を書けるか。書けるなら計画先出しです。2つ目、途中で分かることが多いか。多いなら一手ごとです。3つ目、取り消せない操作を含むか。含むなら、実行の形にかかわらず、その操作の直前に人の承認を挟みます。

この3つは独立していません。手順が書けて、途中で分かることが少なく、取り消せない操作を含む仕事は、計画先出しと人の承認の組み合わせが最も安全です。逆に、手順が書けず、途中で分かることが多く、取り消せない操作を含まない仕事は、一手ごとに任せて区切りだけ置くのが軽く済みます。

迷うのは、手順は書けるが取り消せない操作を含む、という組み合わせです。ここは計画までを自動にして、実行の一部を人が押す形にします。自動化の範囲は「全部」か「なし」ではなく、工程の途中に切れ目を入れて決めるものです。切れ目を入れられること自体が、計画を先に出させる価値でもあります。

計画が外れたときの扱いを、先に決めておく

計画は外れます。外れることを前提に、扱いを先に決めておかないと、現場で止まります。決めるのは3つです。1つ目、どこまで戻すか。止まった行だけやり直すのか、その行以降を作り直すのか、最初から立て直すのか。2つ目、作り直す条件。何が起きたら計画を作り直すのか。3つ目、作り直しの上限回数です。

2つ目の条件が曖昧だと、両側に振れます。条件が広すぎれば、少しの想定外でも計画を作り直し続けて終わりません。狭すぎれば、前提が崩れているのに古い計画のまま走り続けます。実務では「行が2回続けて失敗したら」「取り出した件数が想定の半分を下回ったら」のように、数で書ける条件にしておくと運用できます。

3つ目の上限は必ず置いてください。上限がないと、作り直しを繰り返して費用だけが増えます。2回まで、と決めておき、3回目に達したら人に回す。人に回すときは、元の計画・失敗した行・作り直した計画の3つをそろえて渡します。止める判断をAIに任せないことが、ここでの線です。作り直しを続けるかどうかは、費用と締め切りを知っている人が決めます。

実行役に理由が渡らない問題

計画先出しの形でよく起きるのが、計画の行だけが実行役に渡り、その行が必要な理由が落ちる、という現象です。「前月と比べる」という1行だけを受け取った実行役は、なぜ前月なのかを知りません。だから前月のデータが取れなければ、それらしい別の月で代用してしまいます。理由がないと、代用してよいかどうかを判断できません

添えるものは4つで足ります。この仕事の目的を1行、使ってよい材料の置き場所、出してはいけないもの、終わりの形(何がそろったら完了なのか)。行ごとに全部を添えると分量が増えるので、計画の冒頭に1回だけ置きます。行のほうには、必要なら「この行が必要な理由」を1行だけ足します。

あわせて、行の書き方を決めておくと精度が上がります。動詞で終わらせる、1行に1つの操作だけ書く、出力の形を書く。この3つを守らせるだけで、実行役の解釈の幅が狭まります。計画が自由記述のままだと、「分析する」のような曖昧な1行が入り込み、そこで結果が揺れます。

先ほど触れたように実行役を小さいモデルに置き換えるなら、この添え書きはさらに重要になります。読み取る力が弱いほど、行き先の指定は具体的でなければ届きません。「前月と比べる」ではなく「前月の同じ集計と比べ、差が5%を超えた項目だけを残す」と書く。計画役に対しては、この粒度で行を書くよう指示を出しておきます。実行役を替えたら結果が落ちた、という相談の多くは、モデルの力ではなく行の書き方に原因があります。

マーケ業務のどこに置くか

マーケティングの実務に当てはめると、置き場所ははっきり分かれます。計画先出しが噛み合うのは、毎回同じ形で繰り返す仕事です。月次の配信結果のまとめ、検索順位の推移の整理、広告の実績の抽出と要約、決まった型に沿った広告文の量産。いずれも手順が先に書けて、途中で分かることが少ない仕事です。

一手ごとが噛み合うのは、競合の調べ物、問い合わせ内容の切り分け、数値が動いた原因の追跡です。どれも、1つ目に見たものによって次に見るべきものが変わります。逆に、送信・入稿・公開を含む仕事は、どちらの形であっても計画までを自動にして、実行は人が押すのが基本です。ここを自動にした事故は取り返しがつきません。

広告文の量産は、計画先出しの効きが分かりやすい例です。訴求の型が5つ、想定する相手が3種類あるなら、計画は「型と相手の組み合わせを15通り作る」「それぞれ短い版と長い版を書く」「禁止語の一覧に触れていないか確かめる」といった行になります。組み合わせの本数が先に決まるので、費用も所要時間も読めます。ここを一手ごとに任せると、何本作るかがその場の判断で決まり、途中で型が混ざります。

STEP1
繰り返している仕事を3つ書き出す

月に2回以上、同じ手順で回している仕事を挙げます。頻度が低いものは、計画づくりの手間が回収できません。

STEP2
手順を人が箇条書きで書いてみる

人が書けない仕事は、AIにも書けません。書けたらその仕事は計画先出しの候補です。書けなければ一手ごとに回します。

STEP3
取り消せない操作に印を付ける

送信・入稿・公開・課金の行に印を付け、その行の直前で人が押す形にします。印の付いた行は自動化の対象から外します。

STEP4
2週間、計画だけ出させて読む

実行させず、計画の質だけを見ます。人が直した箇所を記録すると、次の計画の書き方の指示に反映できます。

AIに判断させない範囲を先に切る

進め方の形を選ぶ話は、どこまで任せるかの話と表裏です。形が決まっても、任せない範囲を書いていなければ、結局は成り行きになります。最低限、次の3つはAIに渡しません。計画の承認作り直しを続けるか止めるかの判断取り消せない操作の実行です。

あわせて、根拠を書かせる決まりを入れます。計画の各行に「この行が必要な理由」を1行、実行の結果には「何を根拠にそう判断したか」を1行。これがないと、承認する側は成果物の見た目だけで判断することになります。長い計画ほど正しく見えるので、行数ではなく根拠の有無で読む、という読み方を決めておくと形骸化を防げます。

人が確認する範囲も先に決めます。全部を読むと決めると、3か月で誰も読まなくなります。取り消せない操作を含む行、外部に出る文面を作る行、金額に触れる行。この3種類だけは必ず読む、と限定するほうが続きます。確認は範囲を狭くしたほうが機能するという点は、運用を始めてからでは直しにくいので、最初に決めてください。

失敗の型と、その避け方

最後に、実際に起きやすい失敗を並べます。どれも設計の問題であり、モデルを替えても直りません。

  • 計画が長すぎて誰も読まない:40行の計画が出てきて、承認が形だけになる。行数の上限を決め、1画面で読める長さに収める
  • 計画を作り直し続けて終わらない:作り直しの上限回数を置いていない。2回までと決め、3回目は人に回す
  • 実行役が勝手に計画を変える:行の途中で判断して別の手順に移る。変更は計画役に戻す決まりにし、実行役には変更の権限を渡さない
  • 計画は立派だが実行が追えない:どの版のどの行を実行したかが記録に残っていない。版・行番号・結果の要点の3つを残す
  • 短い仕事に計画を挟む:2行で終わる仕事に計画役を立て、段取りのほうが重くなる。工程の数で線を引く

この一覧を最初に配って、着手前に読み合わせるだけでも、事故の数は変わります。形を選んだあとに決めることのほうが多いという点を、関わる人全員が共有しておくことが大切です。

よくある質問

どちらか一方に決めなければいけませんか

いいえ。工程ごとに割り当てるのが現実的です。大枠は計画で固定し、調べ物や切り分けの工程だけ一手ごとに動かす、という混ぜ方がよく使われます。決める単位を「エージェント全体」ではなく「工程」にすると、判断が具体的になります。

計画を先に立てさせると、費用は下がりますか

下がる保証はありません。計画を作る往復が追加で発生するため、短い仕事ではむしろ増えます。費用の観点だけで形を選ばず、まず自社の代表的な仕事で、同じモデル・同じ道具・同じ材料にそろえて両方を測ってください。計画先出しの主な利点は費用ではなく、実行前に人が読めることです。

AIが書いた計画が毎回長くなってしまいます

行数の上限と、1行の書き方を指定していないことが原因であることが多いです。行数は10行まで、1行は動詞で終える、1行に操作は1つだけ、出力の形を必ず書く。この4つを指示に入れると短くなります。長さは質と関係がないので、読める長さに収めることを優先してください。

まとめ

AIエージェントに仕事を渡すときに最初に決めるのは、道具でも体数でもなく、段取りをいつ決めるかです。先に手順を全部立てさせる形は、実行の前に人が読んで止められること、本数が分かるので見積りが立つこと、止まった行に原因を絞れることが利点で、前提が変わると計画ごと作り直しになること、短い仕事では段取りのほうが重くなることが欠点です。一手ごとに考える形は、変化に強い代わりに、終わりが読めず、同じところを回り続けることがあります。切り分けは3つの問いで足ります。始める前に手順を書けるか、途中で分かることが多いか、取り消せない操作を含むか。どちらの形も費用が下がる保証はないので、同じ条件にそろえて自社の仕事で測ってから決めてください。そして、計画の承認・止める判断・取り消せない操作の実行の3つは、形を問わず人が持ちます。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

AI活用を戦略に落とす前に、まずは導入・定着から始めませんか?

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