オウンドメディアのKPIは何を置く?|PV以外の指標設計

オウンドメディアのKPIは何を置く?|PV以外の指標設計

オウンドメディアの目標をPVで置いた瞬間から、運用は少しずつずれていきます。読まれる記事を増やそうとして検索需要の大きい一般語を狙い、自社の顧客とは違う層が集まり、数字は伸びるのに商談は増えない。BtoBのオウンドメディアは専門性が高く検索需要が限定的なため、比較的少数のPVでも成果につながる傾向があります。それなのにPVを主指標に置くのは、測りやすいという理由だけであることが多いはずです。一方で、立ち上げ直後にコンバージョン数を目標にするのも機能しません。流入が足りず、検証ができないためです。適切な指標は、メディアがどの段階にあるかで変わります。本記事では、フェーズごとに何を見るのか、KGIとKPIの関係、KPIツリーの作り方、そして追う指標を絞る判断までを整理します。


カメ先生カメ先生

オウンドメディアのKPIで一番多い相談は「PVが伸びません」なんだ。でも聞いていくと、そもそもPVを追う段階じゃないことが多い。


カメ子カメ子

立ち上げて半年なのですが、まだ記事も20本くらいです。


カメ先生カメ先生

その段階なら、見るべきは公開本数だよ。20本ではどの語で拾われるかも決まらない。PVを目標にすると、本数を犠牲にして1本を磨きすぎる方向に行ってしまう。


カメ子カメ子

段階に合わない指標を追うと、行動そのものが歪むということですね。


この記事のポイント
  • KPIはフェーズで切り替える。立ち上げ期は公開本数、制作初期はPVとUU、中期は検索順位と回遊、成熟期は目標ページ遷移とCV
  • 立ち上げ期にCV数を置かない。流入が不足している段階では検証ができず、数字が動かないことで運用の意欲だけが削られる
  • BtoBは専門性が高く検索需要が限定的。少ないPVでも成果につながるため、PVの絶対値を目標にすると顧客と違う層を集めてしまう

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目次

PVを目標に置くと運用がずれる

PV数は、オウンドメディアで最も測りやすい指標です。GA4を開けばすぐ分かり、前月比も出せて、報告資料にも載せやすい。この測りやすさが、そのまま目標として採用される理由になっています。

問題は、PVを増やす方法が複数あることです。専門的な記事を増やして狙った層に届けるのも1つの方法ですが、検索需要の大きい一般的なテーマを扱えば、より速くPVは伸びます。「マーケティングとは」「業務効率化の方法」といった記事は、自社の顧客でない人にも読まれます。

さらに厄介なのは、この歪みが数字の上では成功に見えることです。PVが前年比150%になれば、報告の場では評価されます。商談が増えていないことは、半年後に別の議論として現れる。指標の設計を誤ると、成功しているように見えながら成果から遠ざかる——最も気づきにくい失敗の形です。

そして、PVを目標にした運用は必ず後者に流れます。担当者が不誠実だからではなく、目標を達成するために最短の経路を選ぶのが合理的だからです。指標は行動を規定する——測るものを決めた時点で、チームがどう動くかも決まります。だからこそ、何を測るかの選択は慎重に行う必要があります。

KGIとKPIを分けて考える

設計の出発点は、KGI(最終目標)とKPI(中間指標)を分けることです。BtoB企業のオウンドメディアでは、新規リード獲得数の向上や営業案件の創出といったKGIが設定されることが多いとされています。

この区別が曖昧なまま「今期のオウンドメディアの目標はPV3万です」と設定してしまうと、その数字が事業と切り離されます。数字を達成しても経営層には響かず、達成できなくても何が問題だったのか説明できない。KGIとの接続がない目標は、評価の場で必ず宙に浮きます。

KGIは事業の言葉で書きます。「年間で商談を100件創出する」「新規リードを月50件獲得する」。ここにPVは入りません。PVは事業の成果ではなく、成果に至る過程で観測できる数字の1つにすぎないからです。

KPIは、そのKGIに至る道筋の中で、いま自分たちがコントロールできる部分を選びます。商談件数は営業の動き方にも左右されますが、記事の公開本数は自分たちで決められます。検索順位は完全にはコントロールできませんが、対策する語の選び方と記事の質で動かせます。この「動かせる度合い」が、KPIとして適切かの1つの基準になります。

フェーズによって見る指標が変わる

最も重要な考え方が、フェーズごとの切り替えです。整理されているフェーズと指標の対応は次のとおりです。

フェーズ主に見る指標この段階で置かない指標
立ち上げ(初期数か月)月間の公開記事本数CV数(流入不足で検証できない)
制作初期記事数、PV数、UU数CVR(母数が足りない)
制作中期・改善PV数、UU数、検索順位、回遊率、直帰率、滞在時間本数(質への転換期)
メディア活用(成熟)目標ページへの遷移数、CV数、CVR本数(維持で足りる)

フェーズという考え方が有効なのは、オウンドメディアが成果まで時間のかかる施策だからです。広告なら出稿した翌日に数字が出ますが、記事は書いてから読まれるまでに数か月かかります。この時間差を無視して最終成果だけを追うと、その間の運用を評価する手段がなくなります。段階を刻むことは、途中経過を評価可能にする工夫でもあります。

この表の要点は、各フェーズで「置かない指標」があることです。すべての指標を最初から追うと、どの数字も中途半端に動き、判断ができません。段階に応じて主役の指標を1〜2個に絞るほうが、改善の方向が明確になります。

移行のタイミングは、記事数と流入量で判断します。公開本数が一定に達し、検索からの流入が安定して発生するようになったら次の段階へ。目安として、本数が積み上がり、狙った語で順位が付き始めたときが転換点になります。カレンダー上の期間ではなく、状態で判断してください。

立ち上げ期にCVを置かない理由

最初のフェーズで最も強調されているのが、CV数を設定しないという判断です。理由は明快で、流入不足のため検証が困難だからです。

月に100人しか訪れないサイトで、コンバージョン率が1%なら月1件です。この数字が0件になっても2件になっても、それが施策の効果なのか偶然なのかは判別できません。改善の判断ができない指標を目標に置くと、運用が根拠のない試行錯誤になります

加えて、心理的な影響もあります。目標として掲げた数字が何か月も動かない状態は、チームの意欲を削ります。立ち上げ期に公開本数を指標にするのは、努力が数字に反映される指標を選ぶという意味もあります。書けば増える、という関係が見えることが、この時期には重要です。

制作初期:記事数とPV・UU

記事が一定数たまってくると、次の段階に入ります。この時期は記事数を継続して計測しつつ、PV数とUU数で集客状況の把握を始めます。

ここでのPVは、目標というより観測の対象です。どの記事が読まれ始めたか、どの語から流入しているか、想定していた層が来ているか。数字の大小より、内訳の変化を見ます。前月比で何%増えたかより、「先月はなかった語からの流入が始まった」という質的な変化のほうが、この段階では意味を持ちます。

この段階で併せて確認したいのが、流入している検索語の性質です。想定していた実務的な語で拾われているのか、それとも一般的な語で偶発的に流入しているのか。同じPV数でも、来ている語が違えば意味がまったく違うため、Search Consoleのクエリ一覧を月に一度は開いてください。ここで方向のずれに気づけば、次の記事の企画から修正できます。

UU数を併せて見る理由は、PVだけでは同一人物の複数回訪問と別人の訪問を区別できないためです。PVが増えてもUUが増えていないなら、既存の読者が回遊しているだけで、新規の接点は広がっていません。逆にUUが増えてPVが横ばいなら、1人あたりの閲覧数が減っています。2つを並べて初めて状況が読めます。

中期:検索順位と回遊の質

流入が安定してきたら、改善のフェーズです。この段階ではPVとUUを重点的にモニタリングしつつ、成果の出ている記事の検索順位、そして回遊率・直帰率・滞在時間といった質の指標を見ます。

検索順位を見る目的は、あと一歩で上位に届く記事を見つけることにあります。11位から30位に位置する記事は、加筆や内部リンクの追加で1ページ目に入る可能性があります。新規記事を書くより、既存記事の改善のほうが投資対効果が高い領域です。

この時期に有効なのが、記事を成果別に3つに仕分けることです。順位が付いて流入がある記事、順位はあるが流入が少ない記事、順位が付いていない記事。それぞれ打ち手が違います。1つ目は導線の改善、2つ目はタイトルと説明文の見直し、3つ目は内容の抜本的な改善か統合。全記事を一律に改善しようとせず、状態で分けて手を打つほうが成果は早く出ます。

回遊率と滞在時間は、扱いに注意が必要です。滞在時間が長いことは、熱心に読まれている証拠かもしれませんが、内容が分かりにくくて何度も読み返している状態かもしれません。直帰率も同様で、1記事で疑問が解決したなら直帰は成功です。数字だけで良し悪しを決めず、記事の目的と併せて解釈してください。

成熟期:目標ページ遷移とCV

メディアとして機能し始めた段階で、ようやくCVが主指標になります。この時期に見るのは、目標ページへの遷移数、CV数、そしてCVRです。

目標ページへの遷移数を、CV数より先に置いている点に注目してください。資料ダウンロードのページや問い合わせページへ何人が到達したかは、CV数より件数が多く、改善の効果が測りやすい指標です。遷移はしているのに送信されていないなら、フォームの問題。そもそも遷移していないなら、記事からの導線の問題。原因の切り分けができます。

成熟期には、記事ごとのCV貢献も見えるようになります。どの記事を読んだ人が資料をダウンロードしているか。この一覧が作れれば、次に書くべきテーマが分かります。成果を出している記事の周辺には、まだ書いていないテーマが残っていることが多いためです。企画会議で議論するより、この一覧を見るほうが早く答えが出ます。

CVRを見る意味は、流入の質を確認することにあります。PVが増えてもCVRが下がっているなら、自社の顧客ではない層が増えている可能性があります。量の指標と質の指標を必ずセットで見る——これが成熟期の運用の要点です。

BtoBは少ないPVでも成果が出る

ここで、BtoBに固有の事情を確認しておきます。BtoBのオウンドメディアは専門性が高く検索需要が限定的なため、比較的少数のPVでも成果につながる傾向があるとされています。

極端な例を挙げると、月間のPVが300しかないメディアが年間20件の商談を生んでいるケースもあります。読者が特定の役職と業種に集中していれば、こうしたことが起こります。逆に、月間5万PVでも一般消費者向けの語で集めていれば、BtoBの商談は生まれません。数字の大小ではなく、誰が読んでいるかがすべてです。

この特性は、目標設定に直接影響します。月間1万PVのメディアより、月間1,000PVのメディアのほうが商談を生んでいる、という状況は普通に起こります。読者が特定の課題を持った実務担当者に絞られていれば、1人あたりの価値が桁違いに高くなるためです。

だからこそ、他社のPV数と比べることに意味はありません。比べるべきは自社の過去の数字と、そこから生まれた商談の数です。「業界平均は月○万PV」といった情報を目標の根拠にすると、専門性を薄める方向に舵を切ることになります。読者の数ではなく、読者の質で設計するのがBtoBの原則です。

KPIツリーの作り方

KGIとKPIをつなぐ手順として、KPIツリーの作成が挙げられています。KGIを頂点に置き、それを構成する要素へ分解していく作業です。

STEP1
KGIを事業の言葉で定義する

「オウンドメディア経由で年間の商談を50件創出する」のように、事業の成果として書きます。PVやUUといったメディア内の指標はここに置きません。

STEP2
KGIを掛け算の要素に分解する

商談数=CV数×商談化率、CV数=流入数×CVR、というように分解します。掛け算の形にすると、どの要素を伸ばせば全体が動くかが見えます。

STEP3
いま動かせる要素を特定する

分解した要素のうち、自分たちが直接コントロールできるものを選びます。立ち上げ期なら記事数、成熟期ならCVRといった具合に、フェーズによって変わります。

STEP4
SMART基準で妥当性を確認する

具体的か、計測できるか、達成可能か、KGIと関連しているか、期限があるか。この5つを満たしていない指標は、運用の途中で形骸化します。

STEP5
追う指標を1〜2個に絞る

ツリー上の要素をすべてKPIにしないこと。必要十分な項目のみに絞り込みます。複数指標を同時に追うと、モニタリングが困難になります。

ツリーを作る作業は、1人でやらないほうがうまくいきます。営業やインサイドセールスと一緒に描くと、率の見積もりに現場の感覚が入ります。また、この場でリードの定義や商談化の基準についても議論が生まれます。KPIツリーの作成は、数字を作る作業であると同時に、部門間で前提を揃える場でもあります。

この手順で最も価値があるのは2つ目です。掛け算に分解すると、どこがボトルネックかが数字で見えます。流入が1万で、CVRが0.5%で、商談化率が20%なら、商談は10件です。ここで流入を2倍にするのと、CVRを2倍にするのとでは、必要な労力がまったく違います。

5つ目の「絞る」は、実行が最も難しい部分です。すべての数字が気になるのは自然な感覚ですが、複数の指標を同時に追うとモニタリングが困難になると明確に指摘されています。追わない指標を決めることも、設計の一部です。

SMART基準で確認する

設定したKPIが妥当かどうかを判断する枠組みとして、SMART基準が挙げられています。5つの観点で確認します。

  • Specific(具体的):何を数えるのかが一意に決まっているか
  • Measurable(計測可能):いまのツール構成で実際に測れるか
  • Achievable(達成可能):現在の体制で届きうる水準か
  • Relevant(関連性):KGIの達成に本当につながる指標か
  • Time-bounded(期限):いつまでに達成するかが決まっているか

Achievableについても、実務では慎重に見てください。前年比200%といった目標は、掲げた瞬間は前向きに見えますが、達成不可能だと分かった時点でチームが数字を見なくなります。届きうる水準に置き、達成したら上げる。この積み重ねのほうが、結果的に遠くまで行けます。

この5つのうち、オウンドメディアで最も見落とされるのがMeasurableです。「読者の理解度を高める」「ブランドの認知を上げる」といった目標は、方向としては正しくても測る手段が用意されていなければKPIになりません。測れないものを目標に置くと、報告の場で感想を述べることになります。

Relevantも重要です。SNSのシェア数は測れますが、それがBtoBの商談につながるかは別の話です。測れることと、意味があることは違います。KPIツリーの上でKGIとつながっていない指標は、どれだけ改善しても事業には効きません。

目標値をどう決めるか

追う指標が決まっても、目標値の設定で手が止まります。「月間PV1万」という数字に根拠がない、という悩みは多くの現場にあります。

根拠の作り方は2通りです。1つはKGIからの逆算。商談を年50件作りたい、商談化率が20%ならCVは250件、CVRが1%なら流入は25,000件——このように上から割り戻します。この方法の利点は、目標が事業とつながっていることです。欠点は、途中の率が推定値だと数字が空想になることです。

もう1つは実績からの積み上げです。直近3か月の平均を基準に、施策による上乗せ分を見込む。現実的な数字にはなりますが、今の延長線上でしか目標を置けません。実務では、この2つを両方作って比較するのが有効です。逆算した数字と積み上げた数字の差が、埋めるべき距離になります。

差が大きすぎる場合は、KGI側を見直すか、期間を延ばすかの判断が要ります。1年で10倍の流入が必要という結論が出たなら、それはオウンドメディア単独では達成できません。KPIの設計は、無理な目標を早い段階で発見する機会でもあります。

記事数をKPIにすることの是非

立ち上げ期の指標として公開本数が挙げられていますが、この指標には批判もあります。「本数を目標にすると質が下がる」という懸念です。

この懸念は正当です。月10本という目標を掲げれば、10本目は無理に埋めた記事になりかねません。ただし、立ち上げ期に限れば本数を追う合理性があります。20本のメディアと100本のメディアでは、検索エンジンからの評価も、内部リンクで作れる導線の数も、読者が回遊できる範囲も違います。

もう1つの論点が、本数の目標が外注の質に与える影響です。月10本を外注で埋めようとすると、単価を下げるか、確認を省くかのどちらかに向かいます。本数の目標は、社内の制作能力の範囲で設定するのが原則です。能力を超えた本数は、外注費の増加か品質の低下として跳ね返ります。

折衷案としては、本数に品質の条件を付けることです。「月5本、ただし各記事は対策キーワードを1つ決め、公開前のチェックリストを通過したもの」。本数だけを見るのではなく、本数と条件をセットで定義すると、量を追いながら質の下限を守れます。そして、制作中期に入ったら本数の目標を外し、質の指標へ切り替えてください。

リード数と商談数をどこまで背負うか

BtoBのオウンドメディアでは、最終的にリードや商談への貢献が問われます。ここで難しいのが、どこまでをメディアの責任範囲とするかです。

記事を読んで資料をダウンロードした人が、その後インサイドセールスの対応を経て商談になる。この流れの中で、商談化しなかった原因がメディアにあるのか、その後のフォローにあるのかは切り分けが困難です。メディアが背負うべきなのは、質の高い流入を作るところまでと線を引くのが実務的です。

線を引くうえで有効なのが、リードの定義を営業と揃えておくことです。何をもって「渡せるリード」とするか。役職、企業規模、検討時期——条件を明文化しておけば、その条件を満たすリードを何件作ったかがメディアの成果になります。件数ではなく、条件を満たした件数を指標にすると、質をめぐる不毛な議論が減ります。

そのうえで、商談化率は「観測する指標」として持ちます。目標としては設定しないが、数字は追う。商談化率が下がっているなら、集めている層がずれている合図として使えます。目標にはしないが観測はする指標を持つことで、責任範囲を守りながら質の変化を捉えられます。

計測できる状態を先に作る

KPIを設計しても、測れなければ運用できません。設計と並行して、計測の準備が必要です。

最低限必要なのは3つです。第一に、GA4でのキーイベントの設定。資料ダウンロードや問い合わせを成果として記録できる状態にします。第二に、流入元の識別。検索、SNS、メール、直接流入を区別できるようにします。第三に、記事単位での成果の紐づけです。

これらの準備には、ある程度の作業が必要です。ただし、計測の準備をしないまま1年運用すると、その1年分のデータが失われます。後から「どの記事が効いていたのか」を調べようとしても、記録がなければ答えは出ません。記事を書く時間を1本分削ってでも、計測の設定を先に済ませる価値があります。

3つ目が最も難しく、最も価値があります。どの記事を読んだ人が資料をダウンロードしたかが分かれば、記事ごとの貢献が見えます。全記事に導線を置き、記事ごとに識別できるパラメータを付けておく。この準備は後からでは遡れないため、早い段階で仕込んでおく価値があります。

よくある失敗

KPI設計でつまずく点を整理します。いずれも設計の段階で避けられるものです。

  • フェーズに関係なく、最初からPVとCVを両方追っている
  • 立ち上げ期にCV数を目標に置き、数字が動かず運用の意欲が下がっている
  • 他社のPV数を目標の根拠にし、自社の顧客層とずれた記事を増やしている
  • 指標を5つも6つも設定し、どれも重点的に改善されないまま推移している
  • 測る手段がない目標(認知の向上など)を掲げ、報告が感想になっている
  • フェーズが変わっても指標を切り替えず、初期の本数目標を追い続けている

6つ目は、見落とされやすい失敗です。立ち上げ期に有効だった本数の目標を、2年たっても追い続けている——指標の見直しが運用に組み込まれていないために起こります。フェーズが変わったら指標も変える、というルールを最初に決めておいてください。

4つ目の「指標を5つも6つも設定する」は、善意から起こります。すべてを見ておきたい、報告で聞かれたら答えられるようにしたい。しかし、指標が多いと改善の焦点が定まらず、どれも中途半端に動きます。報告用に見る数字と、改善のために追う数字を分ける——この区別を置くと、KPIを絞る決断がしやすくなります。報告では複数を並べても構いませんが、改善の対象は1〜2個に限定してください。

3つ目については、目標の根拠を外部に求めることの危うさを示しています。他社の数字は、その会社の商材と顧客層に対応したものです。自社の目標は、自社のKGIから分解して導くしかありません。

見直しの周期と運用

最後に、設計したKPIをどう運用するかをまとめます。設定して終わりにせず、定期的に見直す前提で組んでください。

  • 月次では、設定したKPI(1〜2個)だけを確認する。他の数字は参考として見る
  • 四半期ごとに、フェーズが変わっていないかを確認し、必要なら指標を切り替える
  • 半年ごとに、KGIとKPIのつながりを再確認する(KPIが改善してKGIが動いているか)
  • 測れない目標は掲げない。掲げる前に計測手段を用意する
  • 他社の数字は参考情報にとどめ、目標の根拠にはしない

3つ目が、この運用の核心です。KPIが改善しているのにKGIが動いていないなら、そのKPIは間違っています。PVが2倍になったのに商談が増えていないなら、追う指標を変えるべき合図です。この確認を半年ごとに行えば、意味のない指標を追い続ける事態は避けられます。

あわせて、KPIの変更履歴を残しておいてください。いつ、どの指標から、どの指標へ、なぜ切り替えたか。この記録があると、担当者が代わったときに設計の意図が引き継げます。記録がなければ、後任は前任者が置いた数字の理由を推測するしかありません。

運用の負担を減らすには、確認する数字を固定することも有効です。毎月同じ2つの数字を同じ形式で記録する。形式が固定されていれば、集計に時間がかからず、変化にも気づきやすくなります。毎回違う切り口で分析するより、同じ切り口を続けるほうが実務では機能します。

まとめ

オウンドメディアのKPIは、フェーズによって切り替えるものです。立ち上げ期は月間の公開記事本数を見て、CV数は設定しません。流入が不足している段階では検証ができず、数字が動かないことでチームの意欲だけが削られるからです。制作初期には記事数に加えてPVとUUで集客状況を把握し、中期には検索順位と回遊率・直帰率・滞在時間で質を見る。成熟期になって初めて、目標ページへの遷移数、CV数、CVRが主指標になります。BtoBのオウンドメディアは専門性が高く検索需要が限定的なため、少数のPVでも成果につながります。他社のPV数を目標の根拠にすると、専門性を薄める方向へ運用が流れます。設計の手順は、KGIを事業の言葉で定義し、掛け算に分解し、いま動かせる要素を選び、SMART基準で確認して、追う指標を1〜2個に絞ること。指標は行動を規定する——測るものを決めた時点で、チームがどう動くかも決まります。まずは現在のKPIを1つ選び、それが改善したときにKGIが動くかを確かめてみてください。つながっていないなら、それが最初に直すべき箇所です。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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