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納付期限が来る特許を、事業での使用状況と照らして維持と放棄の判断材料を作る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

翌々月に特許料の納付期限が来る権利を一覧にし、公報から請求項の要点を取り出して、自社の製品仕様や事業計画と突き合わせた検討表を作ります。維持する理由と放棄してよい理由の両方を並べます。

サマリー
利用ツール
Amazon Kendra/Azure AI/ChatGPT/Claude/Gemini/Google Apps Script/Make/n8n/OpenSearch/Power Automate/Python
対象業界
IT・SaaS/その他/医療/商社/製造
対象部門
知財
対象業務
情報検索/比較検討
主な課題
判断に時間がかかる/属人化している/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
抽出
主な効果
判断支援/属人化解消/工数削減
導入難易度
★★★☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
API連携(中)
人間の確認
必須
現在工数
18.8h/月
AI導入後
6.3h/月
想定削減
67%
年間削減
150h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 知財管理システムで、翌々月に納付期限が来る特許を抽出する
  2. 1件ずつ公報を開き、請求項と明細書の要点を読む
  3. その特許が、いまどの製品に使われているかを思い出す、または調べる
  4. 使われていそうな事業部と発明者を探す
  5. 照会用のメールを書き、公報のPDFを添えて送る
  6. 返事を待つ。返ってこないものは催促する
  7. 返事が揃わないまま期限が近づいたものは、とりあえず納付する
  8. 納付を知財管理システムに記録する
導入後(After)
  1. 自動毎月1日に、翌々月に納付期限が来る特許を知財管理システムから抽出する
  2. 自動各特許の公報を取得し、請求項と課題・効果の要点を取り出す
  3. 自動自社の製品仕様書・カタログ・事業計画と突き合わせ、対応しそうな製品を挙げる
  4. 自動過去の検討記録を引き、昨年までにどう判断したかを付ける
  5. 自動年金の区分と請求項数から、今回と今後の納付額を計算する
  6. 自動維持の理由・放棄してよい理由・確かめるべきことを並べた検討表を作る
  7. 知財担当が検討表を確かめ、照会先の事業部と発明者を確定する
  8. 事業部と発明者が回答し、維持か放棄かを決める
  9. 自動決定と理由を検討記録に残す
各工程の詳しい説明を読む
  1. 知財管理システムで、翌々月に納付期限が来る特許を抽出する
  2. 1件ずつ公報を開き、請求項と明細書の要点を読む
  3. その特許が、いまどの製品に使われているかを思い出す、または調べる
  4. 使われていそうな事業部と発明者を探す
  5. 照会用のメールを書き、公報のPDFを添えて送る
  6. 返事を待つ。返ってこないものは催促する
  7. 返事が揃わないまま期限が近づいたものは、とりあえず納付する
  8. 納付を知財管理システムに記録する

問題は4つあります。

(a)「とりあえず納付」が常態化している。 返事が揃わないまま期限が来るため、判断を先送りして払います。翌年も同じことが起き、10年払い続けた権利が出ます。

(b)照会の資料を作るのに時間がかかる。 事業部は請求項を読めません。「この特許は何を押さえているのか」を知財担当が毎回書き下ろしています。

(c)判断の記録が残らない。 メールのやり取りで決まるため、「去年なぜ維持したのか」が翌年には分かりません。同じ検討を毎年やり直しています。

(d)特許庁は期限を知らせてこない。 権利の存続を続けるかどうかは権利者にゆだねられており、納付期限の事前連絡は原則ありません。期限管理は自社の責任です。

  1. 【自動】 毎月1日に、翌々月に納付期限が来る特許を知財管理システムから抽出する
  2. 【自動】 各特許の公報を取得し、請求項と課題・効果の要点を取り出す
  3. 【自動】 自社の製品仕様書・カタログ・事業計画と突き合わせ、対応しそうな製品を挙げる
  4. 【自動】 過去の検討記録を引き、昨年までにどう判断したかを付ける
  5. 【自動】 年金の区分と請求項数から、今回と今後の納付額を計算する
  6. 【自動】 維持の理由・放棄してよい理由・確かめるべきことを並べた検討表を作る
  7. 【人】 知財担当が検討表を確かめ、照会先の事業部と発明者を確定する
  8. 【人】 事業部と発明者が回答し、維持か放棄かを決める
  9. 【自動】 決定と理由を検討記録に残す

自動化されるのは「集める」「読む」「対応づける」「計算する」「書く」です。維持か放棄かを決めるのは人です。

02今回想定するシステム構成

構成図
知財管理システム(納付期限・請求項数・出願日)
   │
   ▼【トリガー】毎月1日のスケジュール実行
n8n
   │
   ├──▶ 公報の取得(特許番号から本文を引く)
   │
   ├──▶ Claude API ── 請求項の要点抽出、製品との対応づけ、検討表の作成
   │
   ├──▶ Python ── 年金額の計算(区分 × 請求項数)、過去の検討記録の突合
   │
   └──▶ 検討表をSharePointへ出力
   │
   ▼
知財担当が確認 ──【人が照会先を確定】
   │
   ▼
事業部・発明者へ照会 ──【人が維持 / 放棄を決定】
   │
   ▼
検討記録へ保存(来年の入力になる)
役割想定する製品代替候補
生成AIClaude APIOpenAI API、Gemini API
ワークフローn8nMake、Power Automate
実行環境PythonGoogle Apps Script
検索基盤OpenSearchAmazon Kendra、Azure AI Search
連携知財管理システム各社の知財管理システム

知財管理システムに年金の期限管理機能があるなら、期限の抽出はそちらに任せてください。 自前で組む価値があるのは、期限の管理ではなく「維持するか放棄するかの検討材料を作る」ところです。この部分を持っている製品は多くありません。

なお、特許庁は令和2年4月から「特許(登録)料支払期限通知サービス」を提供しています。登録した案件について次の納付期限をメールで知らせるものですが、登録した案件だけが対象の任意のサービスです。保有件数が多い企業では、これだけに頼らず自社の台帳で管理してください。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

毎月1日のスケジュール実行で動かします。抽出するのは「翌々月に納付期限が来る権利」です。

翌月ではなく翌々月にするのは、事業部への照会に往復2〜3週間かかるためです。期限の1か月前に検討を始めると、返事待ちのまま期限が来ます。 追納期間(納付期限の経過後6か月)に割増を払って延命する運用は、費用がかかるうえに管理が複雑になるので、最初から避ける設計にします。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
権利一覧特許番号、出願日、登録日、請求項数、次回納付期限、年金の年次知財管理システム
公報請求項、課題、効果、実施例特許番号から取得
製品仕様書製品名、構造、採用している技術ファイルサーバ
事業計画継続する事業、終息予定の事業経営企画からの年次資料
過去の検討記録昨年までの維持・放棄の判断と理由自分で作る検討記録
特許料の料金表年次の区分ごとの単価と、請求項ごとの加算特許庁の料金一覧
Step3

データの取得方法を決める

権利一覧: 知財管理システムからCSVで書き出すか、APIで取得します。次回納付期限と請求項数の2つが正しく取れることを最初に確認してください。 ここが違うと、あとの計算がすべて狂います。

公報: 特許番号から本文を取得します。社内に公報のアーカイブがあればそれを使い、なければ特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で個別に確認します。大量に自動取得する場合は、利用条件を必ず確認してください。

製品仕様書: 全文をそのまま生成AIに渡すと量が多すぎます。製品名・構造・採用技術を抜いた索引を先に作り、検索基盤に入れておきます。特許の請求項から検索して、近い製品だけを取り出して渡します。

料金表: 特許庁の産業財産権関係料金一覧から、年次の区分ごとの単価を持ちます。令和7年4月1日時点では、第1年から第3年までが年4,300円に1請求項あたり300円、第4年から第6年までが年10,300円に1請求項あたり800円です。年次が進むほど単価が上がるため、古い権利ほど維持費が重くなります。 単価は改定されるため、料金表を年1回は見直してください。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 対象の絞り込み … 第4年分以降の年金納付対象だけを抜きます。設定登録時にまとめて納めた分は対象外です
  2. 請求項数の確認 … 訂正や一部放棄で請求項数が変わっていることがあります。最新の数を使います
  3. 存続期間の確認 … 出願日から20年の満了が近い権利は、そもそも判断が不要です。残存年数を計算して先に外します
  4. 製品索引の更新 … 製品仕様書の索引は月1回の更新で足ります。毎回作り直す必要はありません
Step5

AIに処理させる

計算と生成AIで役割を分けます。

計算(Python)にさせること: 年金額、残存年数、これまでに払った累計額、満了までに払う見込み額。金額の計算は生成AIにさせません。 請求項数の掛け算を間違えると、判断そのものが変わります。

生成AIにさせること:

処理内容
請求項の要点抽出独立請求項が何を押さえているかを、事業部が読める言葉にする
製品との対応づけ検索基盤が返した製品候補のうち、請求項に当たりそうなものを挙げる
維持の理由の整理実施中、他社けん制、ライセンス、出願中の分割の親、といった観点で書く
放棄してよい理由の整理実施していない、事業が終息、代替技術が主流、といった観点で書く
確認事項の列挙事業部に聞くべきことを具体的な質問文にする
Step6

指示内容を固定する

あなたは知財部を支援する担当者です。
納付期限が来る特許について、維持と放棄を検討するための表を作ってください。

【厳守事項】
- 金額と年数は、渡された計算結果をそのまま使ってください。
  自分で計算しないでください。
- 「この特許は製品Aに実施されている」と断定しないでください。
  請求項と製品仕様が一致しているかは事業部が判断します。
  「製品Aに関連する可能性がある。確認が必要」と書いてください。
- 維持の理由と放棄の理由を、必ず両方書いてください。
  どちらか一方しか書けない場合は、その旨を理由に書いてください。
- 他社の特許や訴訟の状況について、渡された資料にないことを書かないでください。
- 推奨(維持すべき / 放棄すべき)は書かないでください。
  判断は人が行います。

【この特許の情報】
{patent_info}

【公報の請求項と課題・効果】
{claims_and_effects}

【検索でヒットした自社製品】
{matched_products}

【年金の計算結果】
{fee_calc}

【昨年までの検討記録】
{past_decisions}

「推奨を書かないでください」の1行が重要です。 推奨が書かれていると、事業部は中身を読まずにそれを承認します。この仕組みが作るのは判断そのものではなく、判断するための材料です。

Step7

出力形式を固定する

Claude API の structured outputs を使い、JSONスキーマを指定して受け取ります。output_config.formattype: "json_schema" とスキーマを渡すと、スキーマに沿った有効なJSONが返ります。enumconst は使えますが、minimum / maximum のような数値制約や minLength のような文字列制約は使えないため、値の妥当性は受け取ったあとに自分で検査してください。

{
  "patent_no": "",
  "title": "",
  "annuity_year": 0,
  "due_date": "",
  "claims_count": 0,
  "fee_this_time": 0,
  "fee_until_expiry": 0,
  "years_remaining": 0,
  "claim_summary": "",
  "related_products": [
    {
      "product_name": "",
      "relation": "関連する可能性がある | 関連は薄い | 判断できない",
      "reason": ""
    }
  ],
  "reasons_to_keep": [],
  "reasons_to_abandon": [],
  "questions_for_business_unit": [],
  "last_year_decision": "",
  "needs_review": []
}

金額は文字列でなく数値で返させます。文字列にすると「10,300円」のようにカンマと単位つきで返り、合計の計算で壊れます。

Step8

システムへ連携する

検討表の出力先は3通りあります。

方式内容
ファイル出力SharePointに1件1シートで出す。いちばん簡単
知財管理システムへ書き戻し案件のメモ欄に検討表を書く。APIがある製品に限る
照会メールの下書き事業部と発明者あてのメールを下書きする。自動送信はしない

まずは1つめで始めるのが現実的です。 検討表がファイルで出るだけで、照会の準備は大きく楽になります。

Step9

人が確認する

全件、人が確認します。放棄の自動判定はしません。

理由は、権利を放棄すると元に戻せないためです。納付期限を過ぎても6か月の追納期間があり、その間は割増を払えば存続させられますが、そこも過ぎると権利は消滅します。消滅した権利は、故意でない場合の回復手続があるものの、通るとは限りません。

確認を速くするための設計が重要です。

  • 検討表で、維持の理由と放棄の理由を左右に並べて表示する
  • 昨年の判断と、その理由を上部に固定表示する(同じ検討の繰り返しを防ぐ
  • 満了までに払う見込み額を大きく出す。今回の額だけだと判断が甘くなる
  • needs_review に入った項目を色分けする
Step10

例外に対処する

起きること対応
公報が取得できないその旨を出して人へ回す。請求項を推測で書かせない
請求項数が知財管理システムと公報で食い違う処理を止めて通知する。金額が変わるため必ず人が確かめる
製品索引にヒットしない「関連する製品が見つからない」と出す。無関係と断定しない
昨年の検討記録がない(初年度)「記録なし」と出す。空欄にしない
分割出願の親になっている特許維持の理由に必ず挙げる。放棄すると分割の基礎を失う
共同出願の特許単独では放棄できない。共同出願人の欄を検討表の先頭に出す
ライセンスや担保に供している特許契約の有無を確認項目に入れる。これを見落とすと契約違反になる
期限が3週間以内に迫っている検討をせず、納付の判断だけを先に人へ上げる
事業部から返事がない期限の2週間前に督促を自動で出す。それでも来なければ知財部長へ上げる
Step11

記録を残す

この業務では、判断の記録そのものが翌年の入力になります。

  • 検討表(生成した状態のまま)
  • 事業部・発明者の回答
  • 最終の判断(維持/放棄)と、その理由
  • 判断した人と日付
  • 人が修正した項目と、修正前後の値

最後の項目は精度の実測値になります。「請求項の要約はそのまま通るが、製品の対応づけは半分が修正されている」と分かれば、製品索引の作り方を直せばよいと分かります。

04実装レベルの3段階

最小構成:公報と製品仕様書を手で集め、生成AIの画面で検討表を作る / 検討表の作成のみ
半自動化:期限の抽出と公報の取得を自動化し、検討表をファイルで出す / 抽出・取得・作成
本格構成:上記+製品索引の検索+年金額の計算+照会メールの下書き+検討記録への保存 / 判断以外のすべて

半自動化の時点で、45分が25分程度になります。 公報を開いて読む時間が消えるためです。本格構成にすると15分程度になりますが、製品索引の整備と検索基盤の構築が必要です。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
2 名
月間件数
25 件
1件あたり現在時間
45 分
1件あたり導入後時間
15 分
現在  25件 × 45分 ÷ 60 = 18.8 時間/月
導入後 25件 × 15分 ÷ 60 = 6.3 時間/月
月間削減時間
12.5h
削減率
67%
年間削減時間
150h
年間金額換算(時間単価3,500円)
53万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 保有特許が200件以上あり、毎月まとまった件数の納付期限が来ること。特許を使っている製品や事業が社内で追えること。
向いていない
  1. 保有特許が50件未満で、知財担当が全件の中身を覚えている場合。出願をすべて外部の特許事務所に任せ、社内に権利の一覧がない場合。

07最小構成で試す方法

  1. 来月と再来月に納付期限が来る特許を10件選ぶ
  2. 各特許の公報(請求項と課題・効果)と、関係しそうな製品仕様書を手で集める
  3. 生成AIの画面に貼り、上のプロンプトで検討表を作らせる
  4. 知財担当が中身を見て、事業部に出せる品質かを5段階で評価する
  5. あわせて、製品の対応づけが正しかった件数を数える

4つめが検証の本体です。 検討表の目的は事業部に判断してもらうことなので、事業部が読めない文章なら意味がありません。

判断の目安は次のとおりです。

10件のうち、そのまま出せた件数判断
7件以上自動化する価値がある
4〜6件請求項の要約の書き方をプロンプトで調整してから測り直す
3件以下製品索引の作り方から見直す。対応づけが弱いことが原因のことが多い

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
請求項数が古く、金額が合わない公報と知財管理システムの両方を見て、食い違ったら止める
生成AIが「実施されている」と断定するプロンプトで「可能性がある。確認が必要」の形に固定する。必須
製品索引に当たらず、対応づけが空になる製品名だけでなく構造・採用技術の語を索引に入れる
満了が近い権利まで検討対象に入る残存年数を先に計算して外す
共同出願の特許を単独で放棄しようとする共同出願人の欄を検討表の先頭に出す
事業部の返事が来ないまま期限が来る翌々月ぶんを対象にし、2週間前に督促を出す
分割出願の親を放棄してしまう分割の有無を知財管理システムから持ってきて、維持の理由に自動で入れる
昨年と同じ検討を繰り返す検討記録を必ず残し、翌年の入力にする
金額を生成AIが計算して間違える計算はPython側で行い、生成AIには結果だけ渡す

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 保有特許の一覧、請求項、自社製品の構造、事業計画。どの技術を守っていて、どの事業をたたむつもりかが分かる情報です。

  1. 外部AIへの入力可否 … 公報は公開情報ですが、製品仕様書と事業計画は社外秘です。 とくに終息予定の事業の情報は、外に出ると影響が大きくなります。自社の情報管理規程を確認してください
  2. 未公開の出願を混ぜない … 出願中で未公開のものは、この仕組みの対象に入れないでください。年金の対象は登録済みの権利だけです
  3. 学習利用 … 入力を学習に使わないことが契約で保証されるサービスを選びます
  4. アクセス権限 … 検討表の保管場所を、知財部と関係する事業部の責任者に限定します
  5. 自動実行してよい範囲 … 検討表の作成までです。納付も放棄も、人の判断なしに実行する構成にしないでください
  6. 期限の二重管理 … この仕組みが止まっても期限を落とさないよう、知財管理システム側の期限管理は残してください

誤りが起きた場合のリスクは、必要な権利の消滅と、不要な権利への支払いの継続です。前者は取り返しがつきません。判断のログを残し、後から追跡できる状態にしてください。

10まず何から始めるか

1週目:期限の一覧を作る

知財管理システムから、今後12か月に納付期限が来る権利を全部書き出します。請求項数と次回納付期限が正しく取れるかを、ここで確かめてください。 取れないなら、先にそこを直します。

2週目:10件で検討表を作らせる

来月と再来月に期限が来る10件について、公報と製品仕様書を手で集め、生成AIに検討表を作らせます。事業部に出せる品質かどうかを知財担当が評価します。この結果で導入可否が決まります。

3〜4週目:半自動化を作る

期限の抽出と公報の取得を自動化し、検討表をファイルで出すところまで作ります。1件45分が何分になるかを実測します。製品索引の検索はまだ入れません。

2か月目以降: 削減効果が確認できたら、製品索引の整備と検索基盤を作ります。並行して、過去3年で「とりあえず納付」した権利が何件あるかを棚卸してください。この仕組みの本当の効果は、そこに出ます。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-09-17/最終更新:2026-09-17
確認した内容情報源確認日
特許庁は特許料(年金)の納付期限日の通知を行わず、権利の存続の要否は権利者にゆだねられていること。令和2年4月から「特許(登録)料支払期限通知サービス」が始まり、登録した者は事前通知を受けられること。納付期限は特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で確認できること。期限を過ぎても6か月以内なら、同額の割増登録料を合わせて納めることで権利を存続させられることINPIT: 権利存続のための特許料(年金)の支払いに関する通知等は特許庁から送られてきますか2026-09-17
特許料が年次の区分ごとに定められ、請求項数に応じた加算があること。令和7年4月1日時点で第1年から第3年までが年4,300円に1請求項あたり300円、第4年から第6年までが年10,300円に1請求項あたり800円であること特許庁: 産業財産権関係料金一覧2026-09-17
Claude API の structured outputs が output_config.formattype: "json_schema" とスキーマを渡す形で使えること。enumconst は使えるが、minimum / maximum などの数値制約と minLength などの文字列制約は使えないことClaude Docs: Structured outputs2026-09-17

特許料の単価は改定されます。納付額の計算に使う料金表は、必ず最新のものを特許庁のサイトで確認してください。 公報の大量取得については、利用するサービスの利用条件を確認してください。維持・放棄の最終判断と手続については、顧問の弁理士に確認することをおすすめします。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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