サイトの導線が切れる原因と直し方|出口から引き直す

サイトの導線が切れる原因と直し方|出口から引き直す

2026年7月に公表された日本のBtoB購買に関する調査では、有効回答1,573名のうち、比較・検討した会社が2つ以上だったケースが80.3%、検討開始から決定までに1か月以上かかったケースが50.9%、社内で5人以上が関わったケースが46.9%でした。申し込みは、1回の訪問で、1人が、1本の道を通って決めるものではありません。それでも現場からは、こんな声が続きます。「記事は増やしたのに、問い合わせの数が変わりません」「解析の画面は毎月見ているのですが、どこを直せばいいのかが分かりません」。——サイトを持って数年たった会社から、そろって出てくる声です。これは、ページが足りないという話ではありません。本当は、ページとページの間の道が切れていて、次に見てほしいページへ人が渡っていないのです。この記事では、サイトの道筋を出口から引き直す手順を、区間の割り当てから直す順番まで順に整理します。


カメ先生カメ先生

導線が切れるのは、案内のボタンが目立たないからだと思われがちなんだ。でも実際に切れているのは、そのページを読み終えた人に、次に見せるページが決まっていない場所なんだよ。ボタンの色を変えても、渡す先が決まっていなければ渡らないんだ。


カメ子カメ子

見た目を直すより、渡す先が決まっているかどうかが先ということですか。


カメ先生カメ先生

そのとおり。しかも渡す先は、その人が入口・中間・出口のどの区間にいるかで変わる。すべてのページから申し込みの画面へ直接つなごうとすると、かえって渡らなくなる。準備のできていない人を出口へ送り込むことになるからね。


カメ子カメ子

区間ごとに渡す先を決めて、いきなり出口へ送らない形にする、ということですね。


この記事のポイント
  • 道筋は入口・中間・出口の3区間に割り、区間ごとに次へ渡すものを決める。ページ単位ではなく受け渡しで考える
  • 行き止まりは決まった型に集まる。記事の末尾、よくある質問、会社情報、古いお知らせ、完了の画面
  • AIに任せるのは束ねる・仮に分類する・候補を出すまで。直す順番と直さないと決める判断は人が持つ

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目次

道は足りているのに、途中で切れている

冒頭の調査には、もう1つ見逃せない数字があります。売り手に接触する時点で、検討がすでに複数候補のリストアップ以降まで進んでいた買い手が63.5%。問い合わせが来た時点では、比較はほとんど終わっています。つまり、申し込みの直前にある入力欄を磨いても、そこへ着く前の道筋が切れていれば数は動きません。ページ数を増やす投資を続けているのに問い合わせが変わらない会社は、たいていこの状態にあります。

入口の側も1本ではありません。2026年6月に公表された別の調査では、発注先探しの最初の一手は、検索エンジンが48.0%、既存の取引先や営業からの提案が18.4%、知人や同業者からの紹介が10.7%、生成AI検索が9.7%と分かれていました。回答者は196名と規模は大きくありませんが、入口が4種類に割れているという傾向は、自社の解析でも確かめられます。社名で検索して着く人と、困りごとの言葉で検索して着く人では、着いた瞬間に知りたいことが違います。

だから直す対象は、ページの中身そのものではなく、ページとページの間になります。切れているのは、たいてい「読み終えたあと」です。読み終えた人が次に何を知りたいかは分かっているのに、その答えがあるページへの道が引かれていない。逆に言えば、この道を引き直す作業は、新しいページを1枚も作らずに始められます。導線の設計は、書く作業ではなく、すでにあるページの順番を決める作業です

導線設計とは、道筋に役割を割り当てる作業

言葉の整理から始めます。導線設計とは、訪問者が最初に着いた場所から、資料の請求や問い合わせといった出口にたどり着くまでの道筋を、ページの役割の割り当てとして決める作業です。案内のボタンを置く作業でも、指標を読む作業でもありません。成果物は、区間の割り当てと、ページごとの次の行き先と、行き止まりの受け皿の3つです。この3つが紙に書けていない状態を、この記事では導線がないと呼びます。

よく混ざる3つの作業を分けておきます。1つ目は、離脱率や直帰率といった指標の読み方を決める作業。2つ目は、ページ単体を良くする作業で、見出しや文章や表示の速さを直します。3つ目が、この記事で扱う道筋の設計です。1つ目と2つ目は、3つ目が決まっていないと評価の軸が定まりません。役割の決まっていないページの離脱率を見ても、それが高くて悪いのか、役目を終えて正常なのかを判断できないからです。

設計の単位も決めておきます。ページ単位で考えると、必ず全部のページを直す話になり、途中で止まります。区間の受け渡しで考えると、直す場所が絞れます。入口が中間に何を渡すか、中間が出口に何を渡すか。この2つの受け渡しだけを先に決めれば、個々のページの直し方はそこから自動的に決まります。渡すものが決まっていないから、どのページも同じ案内を置くことになるのです。

切れ目は決まった4か所に出る

切れ目は無数にあるように見えて、実際には決まった場所に集まります。まず全体像を置きます。自社のサイトを思い浮かべながら、どこが一番痛いかを見てください。

切れ目の場所起きていること見え方先に見るところ
入口の直後着いた人が何の会社か分からないまま戻る1ページだけ見て終わる訪問が多い着地したページの上半分
中間の途中読み終えたのに次が示されていない本文の下まで読んだ人が先へ進まない記事や説明の末尾
出口の手前申し込む気はあるが条件が分からない料金や事例のページを何度も往復する出口の直前に置いた情報
出口そのもの入力の途中でやめる入力を始めた数と完了した数が離れる入力欄の数と必須の指定

4か所は、直す手数がまるで違います。出口そのものは手数が少なく、効きも早く出ます。入力欄を2つ減らす、必須の指定を外す、といった作業で済むためです。反対に入口の直後は、着地したページごとに書き直しが要るので手数が最も多くなります。手数の少ない順に見ていくと、最初の1か月で数字が動きます。動いた実績があると、手数の多い場所に人を割く相談が通りやすくなります。

見る順番は出口からです。出口の手前で足りていない情報が分かると、中間に置くべきページが決まります。中間に置くページが決まると、入口から中間へ渡すべきものが決まります。順番を逆にして入口から作ると、渡した先に受け皿がない状態が生まれます。着地したページを丁寧に整えても、その次のページが用意されていなければ、整えた分だけ丁寧に見送っているだけになります。

原因1:ページに役割が割り振られていない

多くのサイトは、サービスの紹介、導入の事例、お知らせ、といった種類でページが分かれています。種類は作る側の都合による区分で、見る側がたどる順番とは関係がありません。種類で分かれているサイトは、役割では分かれていません。同じ導入事例のページでも、社名で検索して裏取りに来た人にとっては入口ですし、比較の最中の人にとっては中間です。

役割がないと、全部のページに同じ案内が置かれます。記事の末尾にも、会社情報にも、採用の告知にも、同じ問い合わせの案内が並びます。読み手の段階はまったく違うのに、渡すものが1種類しかない状態です。結果として、まだ社名も覚えていない人に申し込みを求め、もう決めかけている人にも同じ文言を見せることになります。どちらにも合わないので、どちらも押しません。

見分け方は簡単です。ページを1枚ずつ開いて、「このページを読み終えた人は、次に何を知りたいか」を1行で書いてみます。書けないページが、役割の割り振られていないページです。20枚も試せば傾向が見えます。書けなかったページには2種類あって、内容が薄くて次がないものと、内容は良いのに次の行き先が決まっていないものです。後者のほうが多く、しかも直す手数は前者よりずっと少なくて済みます

原因2:次に見せる1ページが決まっていない

記事の末尾に、関連記事の一覧、資料の請求、無料の相談、配信の登録が同時に並んでいる。よく見る形ですが、この4つが並ぶと、いちばん軽い関連記事だけが押されます。選択肢が増えるほど、負担の小さい選択に寄ります。回遊の数字は上がりますが、出口へ近づく人は増えません。数字が良くなっているのに問い合わせが変わらない、という状態はここから生まれます。

次に見せるページが決まっていない理由は、たいてい社内にあります。資料の請求は広報が、相談の申し込みは営業が、配信の登録は別の担当が置いていて、誰も減らす権限を持っていない。だから並列に並びます。設計の話をする前に、1つのページに置く行き先を1つに絞れるのは誰かを決めておかないと、この形は直りません。技術の問題ではなく、決める人がいない問題です。

もう1つの理由は、決め方が分からないことです。どのページを次に見せるかは、好みでは決まりません。判断の材料は、そのページを読み終えた人が持つ疑問です。疑問を挙げるところまでは後述するようにAIに手伝わせられますが、どれを1つ選ぶかは、自社が受けられる相談の種類に左右されます。受け皿のない相談へ道を引いても、問い合わせが増えたぶんだけ社内が荒れるだけです。

原因3:行き止まりのページが放置されている

行き止まりとは、読み終えた人に次の行き先が用意されていないページのことです。訪問の最後になりやすく、しかも作った側は気づきにくい。書いた時点では内容が完結しているので、欠けているという感覚が持てないからです。実務で行き止まりになりやすいのは、次の型です。

  • 記事の末尾に関連記事も次の案内もない——書き手は書き終えた満足があるので、欠けに気づかない
  • よくある質問のページ——答えを得た人がそのまま帰る。解決した後の行き先が置かれていない
  • 会社情報のページ——裏取りに来た人が確認だけして戻る。事業の説明から先へ進む道がない
  • 数年前のお知らせ——検索から着く人がいるのに、日付が古いだけで今の案内が載っていない
  • 採用や取材の告知——目的の違う訪問者が着き、目的を果たしてそのまま離れる
  • 資料を受け取った直後の完了画面——いちばん関心が高い瞬間なのに、次が置かれていない
  • サイト内の検索で結果が0件だった画面——探し物がなかったときの逃げ道がない

行き止まりの見つけ方は2通りあります。1つは内部のリンクの向きを数える方法で、そのページから出ていくリンクが0本か1本のページを機械的に洗い出します。もう1つは、後で触れる経路のデータで、たどった経路の最後になっているページを見る方法です。前者は構造の穴を、後者は実際に人が止まっている場所を示します。両方を突き合わせると、構造上は穴でも人が来ていないページを外せます。

全部の行き止まりを塞ぐ必要はありません。塞ぐべきは、その先へ進む理由がある人が着いている行き止まりだけです。採用の告知に着いた人を事業の説明へ送っても、双方にとって邪魔になります。行き止まりであることが正しいページは、行き止まりのまま残します。判断の基準は、そこに着いている人が誰かであって、リンクの本数ではありません。

原因4:入口ごとに出口がばらばらになっている

入口が割れていることは前述のとおりです。この事実に素直に対応しようとすると、入口ごとに専用の出口を作る発想になります。検索から来た人には資料の請求、広告から来た人には専用の申し込み、紹介で来た人には個別の相談。ここで出口の数が増えると、運用が数だけ重くなります。文言の更新も、届いた内容の振り分けも、計測の設定も、出口の数だけ発生します。

逆に、入口の違いを無視して全部を同じ出口へ直接流すと、準備の度合いがまるで違う人が同じ入力欄の前に並びます。社名を今日知った人と、3社に絞り込んだ人が、同じ項目を同じ順番で書かされる。前者は書けませんし、後者には足りません。冒頭の調査で1か月以上かかったケースが50.9%あったのは、この間に判断の材料を集めているからです。

答えは、合流させる場所を出口ではなく中間に置くことです。入口は増やしてよい。むしろ増えます。しかし出口は増やさない。その代わりに、どの入口から来ても必ず通る中間のページを1枚決めて、そこへ集めます。入口は自由に増やし、出口は1つに保ち、合流は中間で行う。この形にすると、入口が1つ増えたときに作るのは着地のページ1枚だけで済みます。

対策1:入口・中間・出口の3区間で受け渡しを決める

ここから対策に入ります。最初にやるのは、道筋を3つの区間に割り、区間が次の区間へ渡すものを言葉にすることです。ページを分類する作業ではなく、渡すものを決める作業です。

STEP1
入口——ここが何の会社かを渡す

着いた人が3秒で「自分向きかどうか」を判断できる材料を渡す。扱っている領域、対象の規模、提供の形。ここで詳しい説明を始めない。渡すのは判断の材料であって、説明そのものではない

STEP2
中間——判断に要る材料を渡す

進め方、費用の考え方、他の選び方との違い、実際の事例。社内で説明する人が持ち帰れる形にする。冒頭の調査で社内の関与者が5人以上のケースが46.9%あった以上、本人以外が読む前提で書く

STEP3
出口——次に何が起きるかを渡す

送ったあと誰から何日以内にどんな形で連絡が来るのか、その場で売り込まれるのか。ここが書かれていないと、書く手が止まる。入力欄の数を減らす作業より、この1段落の効きが大きい

同じページが入口にも中間にもなり得ますが、主たる役割は1つだけ決めます。2つ持たせると、書く内容が両方に寄って、どちらにも足りないページになります。迷ったら、そのページに最も多く着いている人の状態で決めます。判断がつかないページは中間に置くのが無難です。入口として弱いページは離脱を招きますが、中間として弱いページは次のページが補ってくれます。

3つの区間のうち、最も痩せやすいのは中間です。理由は作る動機の弱さにあります。入口は集客の成果として数えられ、出口は申し込みの数として数えられますが、中間のページは誰の手柄にもなりません。だから後回しになり、気づくと入口と出口だけが厚いサイトになります。設計の段階で、中間に置くページの本数を先に決めてしまうのが唯一の対策です

対策2:1ページに行き先は1つ、次点は下に落とす

区間が決まったら、ページごとに次の行き先を1つ決めます。原則は単純で、本文の流れの中に置くのは1つだけ。どうしても捨てられない次点は、本文の下、ページの終わりの近くに置きます。同じ高さに並べないことが要点です。上下に置き分けるだけで、押される先が変わります。並べると軽いほうが押されますが、置き分けると重いほうが先に目に入ります。

次の行き先の決め方には、3つの条件を使います。第一に、そのページを読み終えた人の次の疑問に答えていること。第二に、今のページより一段だけ具体であること。第三に、そのページ自身にも次の行き先があること。第三の条件を忘れると、進んだ先が行き止まりになり、せっかく1段進んだ人をそこで手放します。1本の道を引くときは、必ず2つ先まで確かめます。

同じ深さのページへ横に渡すのは、回遊にはなりますが前には進みません。似た記事を3本読んだ人と、記事から進め方のページへ移った人では、次に起きることが違います。数字の上ではどちらも複数ページを見た訪問として数えられるので、平均のページ数だけを見ていると気づけません。見るべきは見たページの数ではなく、区間をまたいだかどうかです。中間へ渡った訪問の数を、独立して数えておきます。

対策3:行き止まりの型ごとに受け皿を置く

行き止まりは型ごとに置くものが違います。同じ案内を全部に貼っても効きません。型と受け皿の対応を決めておきます。

  • 記事の末尾……同じ問いを別の角度で扱う記事を1本と、判断の材料になるページを1つ。合わせて2つまで
  • よくある質問……回答の下に、その質問が出てくる場面を説明したページへの道。答えの続きとして置く
  • 会社情報……事業の説明から、実際の進め方や体制のページへ。裏取りの次は進め方を見る人が多い
  • 古いお知らせ……本文はそのまま残し、冒頭に現在の案内へのひと言を足す。書き換えて履歴を消さない
  • 資料の完了画面……受け取った資料の読みどころと、社内で説明するときに使えるページを1つ
  • 検索結果が0件の画面……よく探されている言葉の一覧と、直接たずねられる窓口

受け皿を用意するときの原則は、新しいページを作らないことです。この作業は、すでにあるページのどれを指すかを決める作業であって、書き足す作業ではありません。新しく作り始めると、公開までの時間だけ道が切れたままになります。既存のページで代用できないと分かった箇所だけを、あとから制作の計画に回します。

直したあとの見方も決めておきます。行き止まりだったページから次へ進んだ訪問の割合を、直す前と後で比べます。ここで注意したいのは、割合が上がったのに出口の数が変わらない場合です。進んだ先が適切でなかったか、進んだ人がもともと出口に近くなかったかのどちらかです。進んだ割合と出口の数は、必ず対で見ます。片方だけを見ると、動いているのに増えないという状態を見逃します。

対策4:複数の入口を、同じ出口に集める

入口が割れている以上、どこかで合流させないと、道筋の本数が入口の数だけ増えます。合流の場所は、出口ではなく中間に1枚置きます。この1枚は、どの入口から来た人も一度は通る必要がある内容にします。実務では、進め方を説明したページか、費用の考え方を説明したページのどちらかになることが多くあります。

どのページを合流の場所にするかは、2つの条件で選びます。入口からの到達が多いこと。そして、出口の直前に見られやすいこと。この2つを満たすページが既にあるなら、それを合流の場所にします。両方を満たすページがない場合は、到達が多いほうを選んで、出口の直前に必要な情報を足します。新しく作るより、既にある通り道を太くするほうが早く効きます

合流の場所は1枚に絞ります。2枚以上作ると、入口ごとにどちらへ送るかを決める必要が生まれ、結局は道筋が分かれます。また、合流の場所は最も更新の頻度が高いページになるので、担当を1人に決めておきます。合流の場所が2枚に増えた時点で、どちらも中途半端になります。増やしたくなったら、それは合流の場所ではなく、中間のページを1枚足すべき場面です。

案内の文言と位置は「次に何が起きるか」で書く

道筋が決まったら、渡す場所に置く言葉を決めます。文言の原則は1つで、動作ではなく結果を書くことです。詳しく見る、こちらから、といった言葉は、押した先で何が起きるかを何も伝えていません。押した先に何があるかを、名詞で書きます。進め方と期間、費用の考え方、他の選び方との違い。こう書くと、押す人は自分に必要かどうかを押す前に判断できます。

置く位置は2か所です。読み終えた直後と、判断が変わる瞬間。長い本文なら、途中で読者の理解が一段上がる場所に1つ置きます。ただし1ページ1行き先の原則は崩さないので、置くのは同じ行き先です。違う行き先を途中に置くと、そこで道が分かれます。同じ行き先を2か所に置くのは分岐ではなく、渡す機会を増やしているだけです。

案内だけを浮かせないことも大事です。前の1行で、なぜ次にそれを見るとよいのかを書きます。書けないなら、その行き先は適切ではありません。理由が1行で書けない行き先は、選び直す合図です。この確かめ方は、そのまま設計の点検にも使えます。全部のページで理由の1行を書いてみると、書けない場所に道の切れ目が集まっているのが分かります。

切れている場所を、経路のデータで確かめる

ここまでは設計の側の話でした。実際にどこで切れているかは、解析ツールの経路のデータで確かめます。GA4には探索の中に経路データ探索があり、あるページの前後にどのページが並んでいたかを見られます。公式の説明で押さえておきたいのは、同じ経路データ探索の中で指定できるのは、始点か終点のどちらか一方だけだという点です。両方を同時には指定できません。

出口から引き直すなら、指定するのは終点です。申し込みの完了や資料の受け取りを終点に置いて、その手前を1つずつさかのぼります。表示の仕様も知っておく必要があります。既定ではステップごとに上位5個のノードが表示され、必要ならステップごとに最大20個まで増やせます。それ以外はその他のノードにまとめられます。上位5個のままで見ていると、細い道は最初から視界に入りません。増やしてから読むのが前提です。

行き止まりの読み方も公式に書かれています。グレーの文字で表示されているノードは、その人がたどった経路の最後にあり、展開できません。つまりグレーのノードが、そのままデータ上の行き止まりです。また、経路は1つまたは複数のセッションにまたがる場合がある、とも書かれています。冒頭の調査で検討に1か月以上かかったケースが50.9%だったことを思えば、1回の訪問で完結しない前提で読むのが自然です。

経路のデータには読み違えの罠がある

経路のデータは便利ですが、そのまま信じると判断を誤ります。第一の罠はサンプリングです。標準版のGA4では、1つの問い合わせで扱うイベントが1,000万件を超えるとサンプリングが起きます。有償の上位版では10億件が目安です。セグメントを使う場合は、そのデータが100万行を超えると同様に起きます。規模の大きいサイトほど、細い枝の数字は当てにできません

第二の罠は、その他の行です。2023年11月の仕様変更で、問い合わせごとに最も正確な集計の表が選ばれるようになり、それまで探索では起きなかったその他の行が、探索でも発生しうるようになりました。ページの種類が多いサイトでは、上位以外がまとめて押し込まれます。対策は、ページを1枚ずつ見るのをやめて、先にページのまとまりを定義しておくことです。まとまりの単位で見れば、押し込まれる量が減ります。

第三の罠は、数の多い経路を重要な経路だと思ってしまうことです。数が多い経路は、たいてい何もしないで帰る人の経路です。見るべきは、出口の1つ手前と2つ手前で道が分かれている場所と、グレーのノードのうち出口に近い区間にあるものです。多い順に並べ替えると、直すべき場所は上位に出てきません。並べ替えの前に、出口からの距離で絞り込みます。

AIに任せる3つと、任せない2つ

経路のデータは、そのままでは読める形になっていません。ページの名前が並んでいるだけで、話題ごとにまとまっていないからです。ここが生成AIの出番になります。任せられる作業は、次の範囲です。

  • 出口の手前で終わっている経路のページ名を渡し、扱っている話題ごとに束ね直して数え直させる
  • ページの一覧と各ページの見出しを渡し、入口・中間・出口のどれに当たるかを仮に分類させる
  • 本文を渡して、読み終えた人が次に持つであろう疑問を3つ挙げさせる
  • その疑問に答えているページが自社にあるかを、既存のページの一覧の中から探させる
  • 行き先の案内に添える1行の候補を、1ページにつき5案出させて人が1つ選ぶ

任せるときの条件は3つです。第一に、分類や候補には必ず根拠を1行書かせます。なぜ中間だと判断したのかが書かれていれば、外れているものをすぐ見分けられます。第二に、出てきた結果は仮のものとして扱い、人が直す前提で置きます。冒頭の調査でも、生成AIで得た情報を自分で事実確認したり加筆修正したりした人が48.3%と最多でした。第三に、人が確認する範囲を先に決めておきます。全件を見るのか、出口に近い区間だけを見るのかを、作業を始める前に決めます。

任せないのは2つです。直す順番を決めることと、直さないと決めること。どちらも社内の事情が判断の材料になります。誰が手を動かせるか、いつまでに動かせるか、増えた問い合わせを受ける体制があるか。この情報はサイトの外にあるので、AIには渡っていません。渡っていない情報が要る判断は、渡せるように見えても任せてはいけません。順番の案を出させること自体は構いませんが、採用するかどうかは人が決めます。

どの切れ目から手を付け、どこを直さないと決めるか

最後に順番です。手数と効きの出方で並べると、着手の順は自然に決まります。出口に近いところから、手数の少ないものを先に片づけます。

直す対象手数効きの出方先送りしてよい条件
出口の入力欄と、送信後の説明数日で見える入力を始める人がそもそも少ないとき
合流させる中間のページ1枚数週間で見える入口からの到達がまだ育っていないとき
行き止まりの受け皿1か月ほどで見える着いている人が目的を果たして帰るページのとき
記事の末尾の行き先の絞り込み1か月ほどで見える記事からの到達が全体の1割に満たないとき
着地したページの書き直し3か月以上かかる上の4つが終わっていないとき

直さないと決める判断も、同じ表の右の列に入れておきます。行き止まりであることが正しいページ、着いている人が目的を果たして帰るページ、そして流入がほとんどないページ。直さないと決めたら、その理由を1行残します。残さないと、半年後に別の担当者が同じ議論を最初から始めます。残った1行は、次に見直すときの出発点にもなります。

進め方としては、区間の割り当てと合流の場所を決めるところまでを1日で終え、出口の直前の説明を1段落足すところまでを最初の1週間でやります。ここまでで、道筋の骨格はできます。導線の設計が返してくれるのは、増えた申し込みそのものではなく、どこで人を手放しているかが分かる状態です。この状態がないままページだけを増やすと、増えた本数の分だけ、誰も通らない道が伸びていきます。

まとめ

申し込みが増えない原因は、ページの不足ではなく、ページとページの間の道が切れていることにあります。2026年7月に公表された調査では、比較・検討した会社が2つ以上だったケースが80.3%、決定までに1か月以上かかったケースが50.9%、社内で5人以上が関わったケースが46.9%でした。1回の訪問で、1人が、1本の道を通って決めるわけではありません。売り手に接触する時点で複数候補のリストアップ以降まで進んでいた買い手が63.5%という数字も、接触より前の道筋の重さを示しています。

切れ目は4か所に集まります。入口の直後、中間の途中、出口の手前、出口そのもの。原因の側から見ると、ページに役割が割り振られていないこと、次に見せる1ページが決まっていないこと、行き止まりが放置されていること、入口ごとに出口がばらばらになっていることの4つです。行き止まりは、記事の末尾、よくある質問、会社情報、古いお知らせ、完了の画面、検索結果が0件の画面という決まった型に現れます。

直し方は、区間の受け渡しを決めるところから始めます。入口は何の会社かを渡し、中間は判断の材料を渡し、出口は次に何が起きるかを渡す。ページごとの行き先は1つに絞り、次点は同じ高さに並べずに下へ落とします。行き止まりには型ごとの受け皿を置き、新しいページは作らず既存のページを指します。入口は増やしてよいが出口は増やさず、合流は中間の1枚で行います。

確かめ方は、GA4の経路データ探索で終点を指定してさかのぼる形です。同じ探索で指定できるのは始点か終点の一方だけで、既定の表示は上位5個、ステップごとに最大20個まで増やせます。グレーのノードが行き止まりです。ただしサンプリングとその他の行があるため、細い枝は当てにせず、ページのまとまりを先に定義してから読みます。多い順に並べても、直すべき場所は上位に出てきません

AIには、経路の束ね直し、役割の仮の分類、次の疑問と行き先の候補出しを任せます。根拠を1行書かせ、仮のものとして人が直し、確認する範囲を先に決めておきます。一方で、直す順番と、直さないと決める判断は人が持ちます。体制と時期という、サイトの外にある情報が要るからです。まず出口の直前の説明を1段落足すところから始めれば、最初の1週間で骨格はできます。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

データ分析にAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?

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