オウンドメディアは本数か質か|投資の配分を決める

オウンドメディアは本数か質か|投資の配分を決める

「月8本と言われたのですが、その8という数字の根拠が分かりません」——オウンドメディアの相談で、この種の質問をよく受けます。前任者が決めた、代理店の提案書に書いてあった、他社がそのくらい出しているらしい。理由をたどっても、8である必然性にはたどり着きません。そして本数が守れなくなると、次に出てくるのが「量より質だ」という言い方です。ところが、この2つは並べて選ぶものではありません。本数と質が競合しているのではなく、限られた時間と予算をどちらに厚く配るかという配分の問題です。配分であれば、決め方があります。本記事では、量寄せと質寄せという2つの方針を比較したうえで、キーワードの母数とリソースから本数を逆算する手順、新規とリライトの割合、AIで本数を増やしたときに起きること、そして止まらないための最小ラインの設計までを見ていきます。


カメ先生カメ先生

本数の相談を受けたとき、最初に聞くのは「何本出したいか」じゃなくて「対策したいキーワードが何本あるか」なんだ。


カメ子カメ子

キーワードの数から本数が決まるということですか。


カメ先生カメ先生

上限はね。狙う語が40しかないのに月8本出したら、5か月で在庫が切れる。その後は無理に語を増やすことになる。


カメ子カメ子

本数が先に決まっていると、書く理由のない記事が生まれるんですね。まず母数を数えてみます。


この記事のポイント
  • 本数と質は対立していない。限られた時間と予算をどちらに厚く配るかという配分の問題として決める
  • 月あたりの本数は、対策キーワードの母数・使えるリソース・既存記事の更新工数の3つから逆算する
  • リライトなしで伸長し続ける記事は全体の約24%とされる。更新の工数を先に確保しないと配分は破綻する

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目次

「月8本」の根拠を探すと出てこない

本数の目標は、多くの場合どこかの時点で決まったまま引き継がれています。立ち上げのときに代理店が提案した本数、経営会議で承認された年間本数、あるいは前任者が実際に出せていた実績。いずれも決まった当時には理由があったはずですが、その理由だけが引き継がれずに数字が残ります

根拠のない数字が残ると、2つの副作用が出ます。第一に、本数を達成すること自体が目的になります。月末に本数が足りないから、キーワードの優先度が低い記事を埋め合わせで作る。第二に、達成できない月が続くと、目標そのものが無視されるようになります。守れない目標は、やがて誰も見ない数字になります

そこで出てくるのが「量より質だ」という転換です。しかしこの言い方は、本数を落とす理由としては使えても、では1本にどれだけ投下するのかという問いに答えていません。質を上げるとは、具体的に何の工程を増やすことなのか——ここを決めないまま本数だけ落とすと、単に更新が減っただけの状態になります。

必要なのは、本数を決め直す手順です。何本出すかを先に決めるのではなく、狙う語がいくつあるか、使える時間がどれだけあるか、既存記事の更新にどれだけ取られるかを積み上げて、そこから本数を出す。順序を逆にするだけで、数字に根拠が生まれます。

本数と質は同じ資源を取り合っている

本数と質が対立して見えるのは、両者が同じ資源を使うからです。取り合っているのは記事の枠ではなく、担当者の時間と、外注に使える予算です。月に80時間を記事制作に使えるなら、1本20時間で4本か、1本8時間で10本か、という配分になります。

ここで重要なのは、質が0か1かではないという点です。質は連続量であり、どこまで作り込むかには段階があります。キーワードと検索意図の調査、一次情報の収集、社内の実務者への聞き取り、構成の設計、図解の作成、専門家による監修、公開後のリライト。これらの工程をどこまで積むかが、1本あたりの投下時間を決めます

配分という言い方に直すと、判断が具体的になります。「質を上げよう」ではなく「全記事に一次情報の収集を入れる」「重要な10本だけ図解を作る」「監修は法規制の記事に限る」。工程の単位で決めれば、必要な時間も見積もれます。抽象的な質という言葉のまま議論すると、決まらないまま本数だけが動きます。

そして配分は、全記事に一律で適用する必要はありません。集客の入口になる記事には浅く広く、検討段階の読者が読む記事には厚く。1本あたりの投下時間を揃えようとすると、どちらも中途半端になります。記事の役割ごとに厚みを変えるのが、限られた資源での現実的な答えです。

段階によって最適な配分は変わる

配分の重心は、メディアの段階によって動きます。立ち上げ期に質だけを追っても、記事が少なすぎてサイト全体が評価されません。逆に、記事が200本を超えたサイトで新規だけを増やし続けると、既存記事が放置されて全体が劣化します。

記事数の目安として示されているのは、立ち上げ期(0〜6か月)で30〜50記事、成長期(6か月〜1年)で50〜200記事、安定期(1年以降)で200記事以上という段階です。更新頻度の目安は、立ち上げ期が週2〜3記事、成長期が週1〜2記事、安定期が月2〜4記事とされています。

段階記事数の目安更新頻度の目安配分の重心この段階の目的
立ち上げ期(0〜6か月)30〜50記事週2〜3記事量に厚く領域を面で覆い、評価の土台を作る
成長期(6か月〜1年)50〜200記事週1〜2記事量と質を並行伸びた記事を見極め、勝ち筋を厚くする
安定期(1年以降)200記事以上月2〜4記事質と更新に厚く既存記事の維持とCVR改善に投資する

表を見て気づくのは、後の段階ほど新規の本数が減っていることです。手が空いたのではなく、既存記事の更新に工数が移っているだけです。安定期で月2〜4記事という数字は、更新を含めた総工数がそれ以前より小さいことを意味しません。

自社がどの段階にいるかは、記事数だけでは判断できません。公開から何か月経ったか、検索から流入している記事が何本あるか、その流入が新規記事から来ているのか既存記事から来ているのか。既存記事からの流入が新規記事を上回り始めたら、重心を移す時期です。この転換点は月次のアクセスデータで確認できます。

量が効く局面

量に厚く配るべき局面は、はっきりしています。まだ記事が少なく、その領域について自社が何も出していない状態です。一定数の記事がないとサイト全体の検索上位表示や回遊、ドメインの評価が進まないと説明されています。

記事数と順位の関係については、上位1〜10位にランクインするサイトと11位以降のサイトで、平均記事数に約3.4倍の差があるという調査結果も示されています。ただしこれは因果ではなく相関です。記事を増やせば順位が上がるのではなく、上位のサイトは結果として記事が多いという読み方が妥当でしょう。

必要な量は領域の広さで変わります。ニッチな領域なら10〜20本程度でも専門性を示せる場合があり、大衆向けの商品やサービスを扱う場合は100本、200本といった量が必要になることもあると整理されています。自社の領域がどちらに近いかで、目標の桁が変わります。競合サイトの記事数を数えるだけでも目安は取れます。

量が効くもう1つの理由が、内部リンクです。関連する記事が複数あって初めて、読者は次の記事に進めます。1本だけ深く書いた記事は、その1本で読了して終わります。テーマの周辺を10本で覆えば、回遊の経路が生まれます。この効果は、記事の本数がある水準を超えるまでは現れません。

質が効く局面

一方で、量を増やしても効かない局面があります。競合が強く、上位の記事がすべて一次情報や実務の詳細を含んでいる領域。あるいはコンバージョンに近く、読者が慎重に比較検討している段階の記事です。

示されている整理では、検索意図に沿って深く構成した10本の記事が、量産された100本の記事よりもPVやコンバージョン数で上回る可能性があるとされています。読者の判断材料になる情報が入っているかどうかが分かれ目で、そこは本数では代替できません。

  • 比較・選び方の記事:読者が実際に判断に使うため、条件や価格の整理に手間をかける価値がある
  • 法規制・仕様の解説:誤りが実害につながるため、一次情報の確認と監修に投資する
  • 自社の実務が語れるテーマ:他社が書けない具体例が入るため、厚くするほど差が開く
  • コンバージョンに近い記事:数が少なく、1本の改善が成果に直結する

記事数が増えるほど、質側の比重は自然に上がります。理由は単純で、すでに順位が付いている記事を1つ改善するほうが、新規の1本より成果に近いからです。新規記事は評価されるまでに時間がかかりますが、既存記事はすでに読まれています。

逆に言えば、質に厚く配るには対象を絞る必要があります。全記事を厚くしようとすれば、単に本数が落ちるだけです。どの10本に投資するかを決め、それ以外は現状のまま維持する。この選別ができないと、質寄せの方針は工数不足で崩れます。

量寄せと質寄せを比較する

ここまでの内容を、2つの方針として並べます。自社がどちらに寄せるかを決めるための比較です。実際にはどちらか一方ではなく、どちらに重心を置くかという話になります。

観点量寄せの方針質寄せの方針
向く状況記事50本未満、領域が広い、競合が弱い記事100本超、競合が強い、CVに近い語
1本あたりの工数少なく揃える(構成の型を固定)記事ごとに変える(調査・図解・監修を追加)
成果の出方面が揃うまでは見えにくく、後で一気に動く1本ずつ順位が動くため早く見える
主なリスク薄い記事が溜まり、カニバリゼーションが起きる本数が落ち、覆えない領域が残る
撤退・修正の判断3か月で流入の傾向を見て語を入れ替える1本ずつ順位とCVRで判断する

この表で見落とされやすいのが、最下段の判断のしかたです。量寄せは語の単位で入れ替えるため、外れた記事は放置ではなく統合か削除の対象になります。質寄せは1本ずつ判断できますが、その分だけ判断の回数が増えます。方針を選ぶことは、検証の方法を選ぶことでもあります。

混ぜる場合の注意もあります。全記事を中庸な厚みに揃えるのは、いちばん成果が出にくい形です。集客の入口は型を固めて数で覆い、判断に使われる記事だけを厚くする。役割ごとに厚みを分けるほうが、同じ工数でも結果が変わります。

キーワードの母数が本数の上限を決める

本数を決める1つ目の材料は、対策したいキーワードの数です。これは上限を決めます。狙う語が40しかない状態で月8本を出せば、5か月で在庫が切れます。その後は無理に語を作ることになり、検索需要のない記事が増えます。

母数の数え方は次の手順で足ります。

  1. 自社のサービスに関係する語を、上位・中位・下位の階層で書き出す
  2. 各語について、既存記事でカバーできているかを確認する
  3. カバーできていない語のうち、検索需要が確認できるものだけを残す
  4. 検索意図が重なる語をまとめ、1記事で扱う単位に整理する
  5. 残った単位の数を数える。これが新規記事の在庫になる

4つ目の整理が重要です。似た語をそれぞれ別記事にすると、同一メディア内で同じキーワードの記事が複数存在するカニバリゼーションが発生し、評価が下がる恐れがあると指摘されています。語の数がそのまま記事数になるわけではありません。むしろ整理の結果、想定より母数が小さいと分かることのほうが多いでしょう。

母数が足りないと分かった場合の増やし方も、決めておけます。自社で調査を行って一次情報を作る、導入事例を記事化する、業界の用語や規格を解説する、競合との比較軸を整理する。検索需要のある語を探すのではなく、自社しか書けない題材を増やすほうが在庫は伸びます

リソースから現実的な本数を出す

2つ目の材料は、実際に使える時間と予算です。ここを曖昧にしたまま本数を決めると、初月から遅れが出ます。棚卸しの手順を並べます。

STEP1
記事制作に使える月間の総時間を出す

担当者の稼働のうち、記事に充てられる時間を実数で出します。会議や他業務を差し引いた後の数字です。兼務なら月20〜30時間程度になることも珍しくありません。

STEP2
外注に使える予算と、その本数換算を出す

外注する場合、1本あたりの単価から本数を計算します。ただし発注・確認・修正指示の工数は自社に残るため、社内時間からも差し引きます。

STEP3
既存記事の更新に必要な時間を先に引く

公開済みの記事のリライトと情報更新に必要な時間を確保します。この工程を後回しにすると、記事が増えるほど全体が劣化します。

STEP4
1本あたりの投下時間を工程から決める

調査・構成・執筆・図解・確認・入稿のうち、どこまで入れるかを決めて時間を積み上げます。役割の違う記事は別々に見積もります。

STEP5
残った時間を1本あたりの時間で割る

これが月あたりの新規本数になります。キーワードの母数から出した上限と比べ、小さいほうを採用します。

この棚卸しで見落とされやすいのが、執筆以外の工程です。構成の設計、社内確認と修正、入稿、アイキャッチの用意、内部リンクの設定、公開後の確認。執筆時間だけで見積もると、実際には1.5倍から2倍の時間がかかります。過去の記事1本について、着手から公開までの実時間を記録してみると、見積もりの精度が一気に上がります。

外注を使う場合も、社内の工数はゼロになりません。要件を伝える、構成をレビューする、事実関係を確認する、修正を指示する。この部分は自社に残ります。予算で本数を増やせる範囲には、社内の確認能力という上限があります。

本数を決めるときの計算例

材料が揃ったので、実際に計算してみます。数式そのものは単純です。

年間の新規本数の上限 = 対策キーワードの単位数 − 既存記事でカバー済みの数
月あたりの上限 = 年間の新規本数の上限 ÷ 12
月に使える制作時間 = 総時間 − 既存記事の更新に使う時間
月あたりの新規本数 = 月に使える制作時間 ÷ 1本あたりの投下時間
採用する本数 = 上の2つのうち小さいほう

数値を入れてみます。対策できる語の単位が72、既存記事でカバー済みが18なら、新規の在庫は54本。これを12か月で割ると月4.5本が上限です。一方、月に使える制作時間が60時間で、既存記事の更新に15時間を確保するなら、新規に使えるのは45時間。1本あたり10時間で作るなら月4.5本、6時間なら月7.5本になります。

計算の結果をどう判断に変えるか
  • 在庫側の上限(月4.5本)より制作能力が大きいなら、余った時間は既存記事の質と更新に回す
  • 制作能力側が小さいなら、1本あたりの投下時間を見直すか、外注の予算を検討する
  • 両方が近い値なら、その本数を目標にする。根拠のある数字になる
  • 在庫が12か月分に届かないなら、本数より先に題材を増やす施策を立てる

この例で在庫が月4.5本、制作能力が月7.5本なら、本数を7.5本に上げるのではなく、余った時間を1本の厚みと既存記事の更新に回すのが妥当な判断です。在庫がないのに本数を増やせば、検索需要のない記事が積み上がります。逆の場合は、在庫を消化しきれないまま競合に先を取られます。

端数の扱いも決めておくと運用が楽になります。月4.5本なら「月4本、四半期に1本追加」と表現するほうが、現場では守りやすくなります。月ごとの本数を固定するより、四半期の合計で管理するほうが実務に合います。繁忙期の変動を吸収できるためです。

更新工数を先に引いておく

計算の3行目に出てきた「既存記事の更新に使う時間」は、実務でいちばん省略される項目です。しかしここを引かないと、配分の計画は必ず破綻します。

根拠になるデータがあります。ある調査では、リライトなしで伸長し続ける記事は全体の僅か24%程度で、約76%の記事はリライトが必要という結果が示されています。つまり、公開した記事の4分の3は、いずれ手を入れる前提で数えるべきということです。

この性質があるため、更新工数は記事数に比例して増えます。50本のサイトなら年に38本前後、200本のサイトなら年に150本前後が対象になる計算です。新規の本数を一定に保ったまま運用すると、更新の負債だけが積み上がります。安定期に新規が月2〜4記事まで下がるのは、この構造の結果です。

運用としては、月の初めに更新の時間を確保してしまうのが確実です。新規記事を書いた後の余り時間で更新しようとすると、まず更新から削られます。先に引いた時間は守られ、後から確保する時間は守られません。四半期に一度、対象記事の棚卸しをして順番を決めておけば、その時間に何をするかで迷いません。

新規とリライトの配分を決める

では、新規とリライトをどの割合にするか。ここも段階と状況で変わりますが、判断の材料は揃っています。

リライトの効果については、具体的な数字が示されています。ある調査では、リライトによってセッションが伸びた記事は全体の62%、そしてリライトした記事のうち80%以上が、リライト前に比べて200%以上の伸長を見せたとされています。伸長が3,048%に達した記事の例も挙げられています。母数の6割強で効き、効いた場合の伸びが大きい施策という整理になります。

優先順位の判断基準としては、YMYLに関わるコンテンツを50本以上公開している場合、既存記事がSEOを意識せずに作られていた場合、記事と競合ページの内容に明らかな差がある場合が挙げられています。いずれも、新規より既存を直したほうが成果が近い状況です。改善せずに新規を進めると、カニバリゼーションでかえって評価が下がる恐れも指摘されています。

配分の作り方としては、記事数の水準で目安を持つのが実務的です。50本未満なら新規に大きく寄せ、100本前後で並行、200本を超えたら更新側に重心を移す。ただし固定はしません。四半期ごとに、流入が新規記事から来ているか既存記事から来ているかを見て調整します。データが配分を教えてくれる部分です。

AIで本数を増やしたときに起きること

生成AIを使えば、執筆にかかる時間は確かに減ります。しかし本数が増えたときに何が起きるかは、事前に想定しておく必要があります。減る工程と減らない工程があるからです。

短くなるのは、構成から本文を組む部分と、下書きの整形です。一方、キーワードの選定、一次情報の収集、事実関係の確認、社内の実務者への聞き取り、公開後の効果測定は短くなりません。執筆が速くなった分だけ、確認と編集が詰まります。ここを増やさないまま本数を上げると、次のような症状が出ます。

  • キーワードだけ変えた似た記事が並び、どれも中途半端な順位で止まる
  • 同じテーマの記事が複数でき、カニバリゼーションで互いの順位を下げる
  • 調査で確認していない数値や固有名詞が本文に混ざり、後から訂正が必要になる
  • 本文の構成が毎回同じ型になり、読み進める理由のない記事が増える
  • 公開までは速いが、公開後の更新に手が回らず放置される記事が溜まる
  • 本数の目標は達成しているのに、流入もコンバージョンも動かない

6つ目が最も厄介です。数字の上では前進しているため、問題として認識されるまでに時間がかかります。半年後に振り返って、増えた記事のほとんどが流入を持っていないと分かる。本数を増やすなら、記事単位の流入を測る仕組みを先に用意してください。全体のPVだけを見ていると、この状態は見えません。

使いどころとしては、本数を増やす方向より、1本の厚みを増やす方向に効きます。調査した資料の整理、構成案の複数生成、既存記事とテーマが重なっていないかの確認、表現の統一。空いた時間を本数に変えるか、厚みに変えるかは、配分の選択として意識的に決めるべきです。自動的に本数に流れると、上の症状に近づきます。

Googleが見ているのは量ではない

本数を増やす議論では、必ずペナルティの心配が出ます。ここは事実関係を押さえておくと判断が速くなります。

Googleのスパムポリシーには、大量生成されたコンテンツの不正使用(scaled content abuse)という項目があります。2024年3月のコアアップデートの際に、サイトの評判の不正使用(site reputation abuse)とともに新しい項目として追加されたものです。判定の観点は、検索順位の操作だけを目的として低価値なページを大量に作っているかどうかだと整理されています。

重要なのは、手段が判定の基準ではないという点です。AIの補助を使っていても、独自の情報と編集の責任があれば対象外になりうる。逆に、AIを使っていなくてもテンプレートで量産していれば対象になり得ると説明されています。問題は量そのものではなく、順位操作を目的とした有用性の低い大量生成という組み合わせです

警戒すべきサインとして挙げられているのは、キーワードだけを変えた類似ページ、独自の情報や出典がないこと、著者や編集の責任が不明であること、ファクトチェックや編集レビューの痕跡がないこと、そして公開後に放置されていることです。この5つは、本数を増やす前に体制として埋めておける項目です。1本ごとに出典を確認し、著者を明示し、公開後の更新対象に入れる。手順が回っているなら、本数を増やすこと自体は問題になりません。

止まらないための最小ラインを設計する

配分の議論で最後に決めるのが、下限です。上限ではなく下限を決めておくことが、この施策では効きます。効果が出るまでに6か月以上かかり、最低1年は継続する必要があるとされている以上、止まらないことが前提条件になります。

止まる理由は、たいてい本数の設定が高すぎることです。月8本を目標にして、繁忙期に3本しか出せず、翌月も戻らず、そのまま更新が止まる。達成できる下限を決めておけば、繁忙期でも運用は続きます。月2本でも、12か月続けば24本になります。

  • 繁忙期でも守れる下限の本数を決め、それを最低ラインとして扱う
  • 下限は新規と更新の合計で数える。更新だけの月があってもよい
  • 四半期の合計で管理し、月ごとの変動は吸収する
  • 構成の型と出典の記録方法を決め、1本あたりの立ち上がりを速くする
  • 着手から公開までの実時間を毎回記録し、見積もりを更新する
  • 3か月に一度、本数と配分を見直す。年間の目標は固定しない

2つ目の「更新だけの月があってもよい」は、運用を守るうえで効きます。新規記事だけを数える運用にすると、更新に集中した月が実績ゼロに見えます。前述のとおり約76%の記事はリライトが必要とされており、更新は成果に直結する作業です。数え方が実務と合っていないと、正しい行動が評価されなくなります

4つ目の型づくりも下限を守るための投資です。構成のパターン、出典の書き方、内部リンクの入れ方、公開前の確認項目。これらが決まっていれば、1本あたりの立ち上がりが速くなり、忙しい月でも着手できます。型を作る時間は最初の数本で回収できます。

配分を見直すサインのチェックリスト

最後に、いま決めた配分が合っているかを確認する材料をまとめます。四半期ごとに、この項目を上から見ていってください。当てはまる数が多いほど、配分の変更を検討する時期です。

  • 公開して6か月以上経った記事のうち、検索流入がほぼない記事が半数を超えている
  • 同じテーマの記事が複数あり、どれも上位に入りきらない状態が続いている
  • 月の本数は達成しているのに、流入とコンバージョンの推移が横ばいのままである
  • 既存記事の更新が3か月以上手つかずで、更新待ちのリストが伸び続けている
  • 対策できるキーワードの在庫が、残り3か月分を下回っている
  • 1本あたりの投下時間が、当初の見積もりの1.5倍を超えている
  • 記事ごとの流入を測っておらず、どの記事が効いているか説明できない

上から3つ目までが当てはまるなら、量寄せが効かなくなっているサインです。本数を落として1本の厚みに配分を移す、あるいは既存記事の統合とリライトに切り替える判断になります。本数の目標は据え置いたまま質を上げようとすると、どちらも達成できません

4つ目と5つ目は、更新側に重心を移す合図です。6つ目が出ている場合は、見積もりの前提が誤っているため、本数より先に1本あたりの工程を見直します。そして7つ目は、他のすべての判断の前提になります。記事ごとの流入が見えていない状態では、配分の議論そのものが成立しません。まずここを埋めてください。

まとめ

記事は月に何本出すべきか——この問いに一般的な正解はありませんが、決め方はあります。本数と質は対立しておらず、限られた時間と予算をどちらに厚く配るかという配分の問題です。配分の重心は段階で動きます。立ち上げ期は30〜50記事を週2〜3本のペースで、成長期は50〜200記事を週1〜2本で、安定期は200記事以上を月2〜4本で——後の段階ほど新規が減るのは、更新に工数が移るからです。本数は3つの材料から逆算します。対策キーワードの母数が上限を決め、使える時間が制作能力を決め、既存記事の更新工数を先に引いた残りが新規に回せる時間になります。リライトなしで伸長し続ける記事は全体の約24%とされ、更新は避けられません。効いた場合の伸びも大きく、リライトでセッションが伸びた記事は62%、うち80%以上が200%以上の伸長を見せたと報告されています。AIで執筆が速くなっても、確認と編集は速くなりません。Googleが問題視するのは量そのものではなく、順位操作を目的とした有用性の低い大量生成であり、独自の情報と編集の責任があるかどうかが分かれ目です。そして上限ではなく、繁忙期でも守れる下限を決めることが継続の条件になります。まずは対策できるキーワードの単位数を数え、使える月間時間を実数で出してみてください。そこから出た数字が、根拠のある本数です。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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