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輸入する商品の関税分類(HSコード)の候補を仕様から出して、通関前の確認資料を作る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

商品の仕様書と説明文を入力に、材質・用途・機能・加工の程度を整理し、関税率表の分類候補を根拠と反証つきで並べます。担当者の作業は、ゼロから調べることから、提示された候補を検証して決めることに変わります。

サマリー
利用ツール
ChatGPT/Claude/Gemini/Make/n8n/Power Automate
対象業界
EC/商社/小売/物流/製造
対象部門
法務/物流
対象業務
内容確認・チェック/比較検討
主な課題
判断に時間がかかる/属人化している/確認ミスが多い
AIで行う処理
判定
主な効果
判断支援/品質標準化/工数削減
導入難易度
★★★☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
API連携(中)
人間の確認
必須
現在工数
60h/月
AI導入後
20h/月
想定削減
67%
年間削減
480h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 商品部から新商品の仕様書(材質、寸法、用途、写真)が回ってくる
  2. 貿易課の担当が仕様書を読み、材質と用途を確認する
  3. 実行関税率表を開き、該当しそうな類・項を探す
  4. 類注・項の規定を読み、他の分類との切り分けを考える
  5. 過去に扱った似た商品の分類を、台帳から探す
  6. 迷う場合は通関業者へ照会する、または税関へ相談する
  7. 分類を決め、販売管理システムのマスタへ登録する
  8. 輸入申告時に、通関業者へ分類を伝える
導入後(After)
  1. 商品部が新商品の仕様書を SharePoint の指定フォルダへ登録する
  2. 自動仕様書と商品説明から、材質・用途・機能・加工の程度・付属品を構造化して抽出する
  3. 自動自社の過去判定台帳から、材質と用途が近い事例を検索して並べる
  4. 自動実行関税率表の該当しそうな類・項を絞り込み、候補を3つまで出す
  5. 自動候補ごとに「そう考える根拠」と「そう考えない理由(反証)」を文章で出す
  6. 自動判断に必要なのに仕様書に書かれていない項目を、質問として列挙する
  7. 貿易課の担当が、候補と根拠を読んで分類を確定する
  8. 確定できないものは、通関業者へ照会するか、税関の事前教示を申請する
  9. 自動確定した分類と根拠を、判定台帳へ記録する
各工程の詳しい説明を読む
  1. 商品部から新商品の仕様書(材質、寸法、用途、写真)が回ってくる
  2. 貿易課の担当が仕様書を読み、材質と用途を確認する
  3. 実行関税率表を開き、該当しそうな類・項を探す
  4. 類注・項の規定を読み、他の分類との切り分けを考える
  5. 過去に扱った似た商品の分類を、台帳から探す
  6. 迷う場合は通関業者へ照会する、または税関へ相談する
  7. 分類を決め、販売管理システムのマスタへ登録する
  8. 輸入申告時に、通関業者へ分類を伝える

問題は4つあります。

(a)分類の判断がベテランに依存する。 「材質が複数あるときは、主要な特性を与えている材質で見る」といった考え方が、経験でしか身につきません。新任は1件に2時間かかることがあります。

(b)根拠が残らない。 台帳には番号だけが書かれています。数年後に税関から質問されたとき、なぜその番号にしたのかを説明できません。

(c)似た商品を毎回調べ直す。 4,000型番のうち、実質的に同じ分類になるものが多数あります。過去の台帳を探す手段が型番検索しかなく、材質や用途では探せません。

(d)迷ったまま進めてしまう。 通関業者への照会には日数がかかります。入港に間に合わないと分かると、迷いを残したまま申告してしまうことがあります。 ここが後々の修正申告の原因になります。

  1. 商品部が新商品の仕様書を SharePoint の指定フォルダへ登録する
  2. 【自動】 仕様書と商品説明から、材質・用途・機能・加工の程度・付属品を構造化して抽出する
  3. 【自動】 自社の過去判定台帳から、材質と用途が近い事例を検索して並べる
  4. 【自動】 実行関税率表の該当しそうな類・項を絞り込み、候補を3つまで出す
  5. 【自動】 候補ごとに「そう考える根拠」と「そう考えない理由(反証)」を文章で出す
  6. 【自動】 判断に必要なのに仕様書に書かれていない項目を、質問として列挙する
  7. 【人】 貿易課の担当が、候補と根拠を読んで分類を確定する
  8. 【人】 確定できないものは、通関業者へ照会するか、税関の事前教示を申請する
  9. 【自動】 確定した分類と根拠を、判定台帳へ記録する

自動化されるのは「仕様を整理する」「過去事例を探す」「候補を挙げる」「根拠と反証を書く」の4つです。残るのは、どの候補を採るかを決めることです。

02今回想定するシステム構成

構成図
商品仕様書(PDF / Excel)+ 商品写真
   │
   ▼【トリガー】SharePoint の判定依頼フォルダにファイルが作成されたとき
Power Automate
   │
   ├──▶ Claude API ── 仕様から材質・用途・機能を構造化して抽出
   │
   ├──▶ 自社の判定台帳を検索(材質 × 用途 × 加工の程度)
   │
   ├──▶ 実行関税率表テーブル(類・項・号/注の本文を取り込んだ社内テーブル)
   │       └─ 抽出した材質・用途から候補の類を絞り込む
   │
   ├──▶ Claude API ── 候補ごとに根拠・反証・不足情報を生成
   │
   └──▶ 判定シートを作成(候補3件/根拠/反証/要確認事項)
   │
   ▼
貿易課が確認 ──【人】分類を確定、または照会へ回す
   │
   ├──▶ 確定 → 判定台帳へ記録 → 販売管理システムのマスタへ登録
   └──▶ 未確定 → 通関業者へ照会 / 税関の事前教示を申請
役割想定する製品代替候補
生成AIClaude APIOpenAI API、Gemini API
連携Power AutomateMake、n8n
保管SharePointBox、Google Drive
判定台帳Microsoft ListsGoogle スプレッドシート、kintone

関税率表そのものは、外部の検索サービスに頼らず、社内のテーブルとして持ちます。 類・項・号の階層と、類注・項の規定の本文を取り込んだ表を作り、そこを引き当てる形にします。AIに関税率表を記憶から書かせてはいけません。番号を「それらしく」作ってしまうためです。

この構成に高度な検索基盤は要りません。関税率表は階層が決まった構造化データなので、材質と用途で類を絞れば、候補は数十行に収まります。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

SharePoint の判定依頼フォルダにファイルが作成されたことを起点にします。商品部が新商品の仕様書を置くと、処理が始まります。

依頼のときに、仕様書だけでなく「輸入予定の時期」も一緒に入れてもらってください。 入港までの日数が短い案件は、事前教示の申請が間に合いません。優先順位をつけるために必要な情報です。

仕様変更の案件は、変更前の型番を一緒に登録してもらいます。変更の前後で分類が変わるかどうかが論点なので、元の判定を並べて見られる形にします。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
商品仕様書材質(構成比)、寸法、重量、用途、機能、加工の程度、付属品商品部
商品写真外観、内部構造、パッケージ商品部
仕入先の商品説明現地の商品説明書、カタログ仕入先
自社の判定台帳過去に確定した型番、分類、材質、用途、根拠Microsoft Lists
実行関税率表テーブル類・項・号の階層、品名、類注・項の規定社内テーブル(税関の公表内容を取り込む)
事前教示の取得済み一覧自社が取得した回答書の内容と取得日貿易課の記録
Step3

データの取得方法を決める

仕様書: PDFまたはExcelで受け取ります。PDFはそのままAIへ渡せます。表形式の材質構成(綿60%/ポリエステル40%など)が読み取れるかは、実物で確認してください。

関税率表: 税関が公表している実行関税率表を取り込み、社内のテーブルにします。更新があるため、取り込みの時期を記録し、定期的に入れ替える運用にします。 日本の関税率表は、統一商品説明及び符号化体系に関する国際協約(HS条約)に基づいており、国際的な改正の際には構造が変わることがあります。

過去の判定台帳: 材質・用途・加工の程度で検索できる形にしておきます。型番だけで引ける状態だと、似た商品を探せません。この台帳の整備が、この構成でもっとも手間のかかる準備です。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 材質構成の正規化 … 「綿60% ポリエステル40%」「Cotton 60%, Poly 40%」を同じ形に直します。構成比は分類の分かれ目になることが多い項目です
  2. 用途の言い換えの統一 … 「収納用」「整理用」「小物入れ」を同じ用途として扱えるよう、社内の用途コードへ寄せます
  3. 加工の程度の抽出 … 「原材料のまま」「一次加工」「完成品」の区別を、仕様書の記述から判定します
  4. セット品の分解 … 複数の物品が1つの梱包に入っている場合、それぞれの材質と用途を分けて記録します。セット品は分類が特に難しいため、機械的に候補を出さず、人の確認へ回す印を付けます
Step5

AIに処理させる

2つの工程に分けます。

仕様の構造化(1回目の呼び出し):

処理内容
材質の抽出主材質、副材質、構成比
用途の抽出何に使うものか。仕様書に書かれた用途をそのまま拾う
機能・形状の抽出電源の有無、可動部の有無、形状、寸法
加工の程度原材料/半製品/完成品
不足情報の列挙分類に必要なのに書かれていない項目

候補と根拠の生成(2回目の呼び出し):

処理内容
候補の提示絞り込んだ関税率表の範囲から、該当しそうな項を3つまで
根拠の記述その項の品名・類注のどの部分に当てはまるか
反証の記述その項ではないと考えられる理由。これを必ず書かせます
過去事例との対比判定台帳の近い事例との、材質・用途の違い
確信度high / medium / low

「反証を必ず書かせる」ことが、この構成の要です。 候補だけを出させると、もっともらしい説明が1つ付いてきて、人はそれを信じます。そうではない理由を並べて初めて、人が検証できる材料になります。

Step6

指示内容を固定する

あなたは、輸入貨物の関税分類を検討する貿易実務の担当者を支援します。
下の商品情報と、絞り込んだ関税率表の範囲から、分類の候補を挙げてください。

【厳守事項】
- 下に示した「関税率表の候補範囲」に含まれる項からのみ選んでください。
  記憶している番号を書かないでください。範囲外の番号を出さないでください。
- 候補は最大3つです。1つに断定しないでください。
- 各候補について、必ず次の3つを書いてください。
  (1) その項に当たると考える根拠(品名または類注の該当部分を引用する)
  (2) その項ではないと考えられる理由(反証)
  (3) 判断を確定するために必要な追加情報
- 商品情報に書かれていない材質・用途・機能を前提にしないでください。
  必要な情報が欠けている場合は missing_info に列挙してください。
- 税率、税額、原産地の判定は書かないでください。ここでは扱いません。
- 「この分類で申告してください」という書き方をしないでください。
  候補と根拠の提示までが役割です。

【商品情報(構造化済み)】
{product_spec}

【関税率表の候補範囲(類・項・号/品名/類注の本文)】
{tariff_candidates}

【自社の過去判定(材質・用途が近いもの・上位5件)】
{past_decisions}

「記憶している番号を書かない」の1行は必須です。 関税分類の番号は桁数が多く、生成AIは形式が正しい番号を容易に作れます。渡した範囲の中からしか選ばせない制約がないと、実在しない番号が出ます。

Step7

出力形式を固定する

{
  "product_id": "",
  "extracted_spec": {
    "main_material": "",
    "sub_materials": [],
    "material_ratio": "",
    "use": "",
    "function": "",
    "processing_level": "",
    "is_set_item": false
  },
  "candidates": [
    {
      "tariff_code": "",
      "description": "",
      "supporting_reason": "",
      "counter_reason": "",
      "confidence": "high | medium | low"
    }
  ],
  "similar_past_cases": [],
  "missing_info": [],
  "needs_advance_ruling": false,
  "reason": ""
}

needs_advance_ruling は、税関の事前教示を申請したほうがよいと考えられる案件の印です。候補の確信度がそろって low、または候補間で税率が大きく違う場合にここを true にします。人が判断する材料であり、自動で申請するわけではありません。

Step8

システムへ連携する

判定シートは SharePoint 上の Microsoft Lists に1件1行で作られます。貿易課が確認して分類を確定すると、次の2つへ流れます。

連携先内容
判定台帳確定した分類、根拠、確定した日、確定した担当者
販売管理システム型番マスタの関税分類欄へ登録する

販売管理システムへの登録は、人が確定してから行います。 AIの候補をそのままマスタへ書き込む構成にしないでください。

通関業者への申告情報の連携は、この構成では扱いません。申告そのものは通関業者を通す前提です。

Step9

人が確認する

全件、貿易課の担当が確認して確定します。段階的な自動化もしません。

理由は、関税分類の誤りが税額の誤りに直結し、修正申告や追徴の対象になるためです。申告の内容についての責任は輸入者にあります。 この構成で減らしているのは「調べる時間」であって、「判断の責任」ではありません。

確認を速くするための設計が効きます。

  • 候補3件を、根拠と反証を左右に並べて表示する
  • 過去の判定台帳の近い事例を、同じ画面に出す
  • missing_info に挙がった項目を、商品部への質問文の形で表示する
  • confidence がそろって low の件を、リストの先頭に出す

missing_info の扱いが、実は効果を大きく左右します。 従来は「仕様書に書いていないから商品部に聞く」という往復が発生していました。聞くべきことが最初にまとまって出ると、この往復が1回で済みます。

Step10

例外に対処する

起きること対応
候補が1つも出ない絞り込みの範囲が狭すぎる。類の絞り込みを外して再実行し、それでも出なければ人が手で調べる
範囲外の番号が出た出力を検証し、関税率表テーブルに存在しない番号なら破棄して再実行する。この検証は必ず機械で行う
セット品で構成物ごとに分類が分かれる自動の候補提示を行わず、人の検討へ回す
材質の構成比が仕様書にないmissing_info に入れて商品部へ照会する。推測で比率を置かない
仕様書が外国語のみ翻訳してから処理する。専門用語の訳が怪しい場合は、原文も併記して人へ渡す
写真しかなく仕様書がない写真から読み取れる範囲で構造化し、missing_info を多めに出す
過去に同型番の判定がある判定台帳の内容をそのまま提示し、新たな候補生成を行わない
関税率表が改正された取り込みテーブルを入れ替える。改正前に確定した分類の見直しが必要かを、別途確認する
入港まで日数がなく事前教示が間に合わないneeds_advance_ruling が true の案件は、通関業者への照会に切り替える
Step11

記録を残す

この業務のログは、税関から質問を受けたときの説明材料になります。

  • 入力した仕様書と写真(原本)
  • 抽出された構造化データ
  • 提示された候補3件と、それぞれの根拠・反証
  • 人が選んだ候補と、選ばなかった理由
  • 確定した日、確定した担当者
  • 参照した関税率表テーブルの版(取り込み時点)

最後の項目を忘れないでください。 関税率表は改正されます。「いつ時点の表に基づいて判断したか」が残っていないと、後から検証できません。

事前教示を取得した案件は、回答書の内容と取得日を台帳に紐づけます。 税関の事前教示回答書は、発出から3年間、輸入申告の審査の際に尊重されます。有効な期間を過ぎたものが台帳に残り続けないよう、取得日から管理します。

04実装レベルの3段階

最小構成:仕様書と関税率表の抜粋をチャット画面に貼り付け、候補を出させる / 候補の提示のみ
半自動化:仕様書の登録をトリガーに、構造化・絞り込み・候補生成・判定シート作成まで / 調査の大半
本格構成:上記+判定台帳の自動蓄積+販売管理システムのマスタ登録+事前教示の期限管理 / 記録と管理まで

半自動化の時点で、45分が20分程度になります。 調べる時間が減るためです。本格構成では15分になりますが、減るのは記録の手間で、効果としては小さくなります。 ただし、本格構成の「判定台帳の自動蓄積」には、時間削減以外の価値があります。 根拠つきの判定が数百件たまると、似た商品の判断がそこで済むようになります。ここは工数の数字に表れにくい効果です。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
80 件
1件あたり現在時間
45 分
1件あたり導入後時間
15 分
現在  80件 × 45分 ÷ 60 = 60 時間/月
導入後 80件 × 15分 ÷ 60 = 20 時間/月
月間削減時間
40h
削減率
67%
年間削減時間
480h
年間金額換算(時間単価3,500円)
168万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 輸入する商品の種類が多く、新規の型番や仕様変更が月50件以上発生する商社・メーカー・EC事業者。通関業者に丸投げせず、自社で関税分類の根拠を持ちたい場合。原価計算に関税率を織り込む必要があり、輸入前に税率を知りたい場合。
向いていない
  1. 輸入する品目が10種類程度で固定されている場合。通関業者との契約に分類の責任まで含まれており、自社で判断していない場合。輸入が年に数回しかない場合。

07最小構成で試す方法

  1. 過去に分類を確定した商品を20件選ぶ(判断に迷ったものを半分入れる)
  2. その商品の仕様書と、該当しそうな類の関税率表の抜粋を用意する
  3. 生成AIのチャット画面に両方を貼り付け、上記のプロンプトで候補を出させる
  4. 実際に確定した分類が、候補3件の中に入っていた件数を数える

見るのは「正解が候補に入っているか」であって、「1位が正解か」ではありません。 この構成の目的は、人が検証する材料を用意することです。

正解が候補3件に入った割合判断
8割以上調査時間の短縮に使える
5〜8割使えるが、関税率表の絞り込み方を見直す。材質だけでなく用途でも絞る
5割未満仕様書の情報が足りていない可能性が高い。商品部へ渡す仕様書の様式から見直す

あわせて、反証の質を見てください。 「その項ではない理由」が具体的に書けていれば、人の検証に役立ちます。「該当しない可能性があります」のような中身のない反証しか出ないなら、プロンプトに関税率表の注の本文を十分に渡せていません。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
実在しない分類番号が出る渡した範囲からのみ選ばせる。出力後に関税率表テーブルとの突合を機械で行う
候補が毎回同じ類に偏る絞り込みの条件が材質に寄りすぎている。用途と加工の程度も絞り込みに使う
反証が中身のない一文になる類注・項の規定の本文を十分に渡す。品名だけでは反証が書けない
セット品で誤った候補が出るセット品の印を前処理で付け、自動の候補提示をしない
材質の構成比が読み取れない仕様書の様式を商品部と決める。構成比の記載を必須項目にする
関税率表の改正に気づかない取り込みの時期を記録し、定期的に確認する運用を決める
過去台帳が型番でしか引けない材質・用途・加工の程度の列を追加する。過去分の入力は段階的に行う
候補をそのままマスタへ登録してしまう確定のステップを必ず人に置く。自動登録の経路を作らない
入港直前の案件が後回しになる依頼時に輸入予定日を必須にし、日付順に並べる

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 商品の仕様、材質、仕入先、輸入予定。自社の商品構成と調達先が読み取れる情報です。

  1. 外部AIへの入力可否 … 未発売商品の仕様を外部のAIサービスへ送ることになります。発売前の商品情報は、社内でも限られた範囲でしか共有していないことがあります。情報管理規程を確認してください
  2. 仕入先との秘密保持 … 仕様書に仕入先の製造方法や独自技術が含まれる場合があります。取引基本契約の秘密保持条項を確認してください
  3. 学習利用 … 入力を学習に使わないことが契約で保証されるサービスを選びます
  4. アクセス権限 … 判定台帳には調達先と原価に関わる情報が集まります。閲覧を貿易課と関係部門に限定してください
  5. AIの出力を申告の根拠にしないこと輸入申告の内容についての責任は輸入者にあります。 AIが提示した候補をそのまま申告し、後から誤りが判明しても、AIを理由にした説明は通りません。人が確定したことを記録に残してください
  6. 自動実行してよい範囲 … 候補と根拠の提示までです。分類の確定、マスタへの登録、申告情報の作成は自動化しないでください

誤りが起きた場合のリスクは、税額の誤り、修正申告、追徴、輸入の遅延です。判断の根拠と確定者を記録し、後から追跡できる状態にしてください。

判断に迷う案件は、税関の事前教示制度の利用を検討してください。 輸入前に、貨物の関税分類などについて税関へ文書で照会し、文書で回答を受けられる制度です。照会は税関様式C-1000号で行います。回答書の内容は、発出から3年間、輸入申告の審査の際に尊重されます。この構成は、事前教示を申請すべき案件を見つけることにも使えます。

10まず何から始めるか

1週目:過去の判定20件で候補の再現性を見る

迷った案件を半分入れて、正解が候補3件に入るかを測ります。ここが5割を下回るなら、仕様書の情報が足りていません。 先へ進む前に、商品部から受け取る仕様書の様式を見直してください。

2週目:関税率表の取り込み範囲を決める

自社が扱う品目が集中する類(衣類なら第61類・第62類、プラスチック製品なら第39類など)に絞って、まずその範囲だけ取り込みます。全類を一度に取り込む必要はありません。 上位5つの類で、取扱品目の8割を占めることが多いはずです。

3〜4週目:過去台帳の列を増やす

判定台帳に、材質・用途・加工の程度の列を追加します。過去分すべてを埋める必要はありません。直近1年分だけ埋めれば、似た商品の検索は実用になります。

2か月目以降: 仕様書の登録をトリガーにした半自動化を作り、貿易課1名が1か月使います。1件あたりの時間と、商品部への照会の往復回数を実測してください。あわせて、needs_advance_ruling が true になった案件について、実際に事前教示を申請するかどうかの判断基準を決めます。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-09-21/最終更新:2026-09-21
確認した内容情報源確認日
日本の関税率表(関税定率法の別表)が、統一商品説明及び符号化体系に関する国際協約(HS条約)に基づいていること税関: カスタムスアンサー 1201 関税率表の解釈2026-09-21
事前教示制度が、輸入前に貨物の関税分類などについて税関へ照会し、文書で回答を受けられる制度であること。照会が税関様式C-1000号で行われること。回答書の内容が発出から3年間、輸入申告の審査の際に尊重されること税関: カスタムスアンサー 1202 品目分類の事前教示制度について2026-09-21
Claude API で output_config.formatjson_schema を渡すと、応答をスキーマに沿った形に制約できることClaude Docs: Structured outputs2026-09-21

実行関税率表の取得方法と更新の頻度、販売管理システムへのマスタ登録の方式は、利用環境によって異なります。この部分は個別確認が必要です。 個々の貨物の関税分類の確定については、通関業者または税関へご相談ください。この記事は分類を確定するものではありません。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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